愛理の場合 〜レズビアンサークルの掟〜

本庄こだま

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2.〝淫乱〟の称号

性欲人形(セックス・ドール)

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 愛理のたわわな乳房を目掛けて、恭子が顔をうずめる。
 掌に持て余すほどに大きな愛理の乳房を、恭子は左右から寄せ上げて存分にその感触を楽しむ。

 「愛理…やっぱおっぱいデカイよね」

 「そう?恭子だって大きいじゃない」

 澄ました顔で返答する愛理だったが、自慢の〝武器〟を褒められて満更でもない様子だ。
 チャイナドレスの生地の上からでも分かるほどに勃起した両胸の突起を、指で捏ね繰りながら恭子は鼻で大きく深呼吸をした。

 石鹸、汗、直接脳にこびりつくような〝オンナ〟の匂い……

 鼻腔に広がるそれはまるで純度の高い媚薬のように、強烈に恭子の血管を駆け巡り肉体を火照らせた。

 「あっ…この匂いヤバイ……ホント勃つ」

 「ちょっと、あんまり匂い嗅がないでよ…恥ずかしいわ」

 「愛理の匂いってホント効く、すぐムラムラする…」

 「へぇ、どんな匂い?」

 「なんか…ヨダレの匂い……?」

 「それ、チャイナドレスに染み込んでるからでしょ…」

 呆れたように溜め息を一つ、愛理は恭子の頬に手を添えキスをする。応えるように、恭子も舌を捻じり込む。

 「恭子、責めてみてっ」

 「じゃあ…脚開いてみよっか」

 言われたように大きく股を開く愛理。真っ白な無毛の恥丘がチャイナドレスの裾からちらと見える。
 恭子はドレスの前垂れをめくり上げ、愛理の秘所を視認する。ぷっくりとした陰裂からは、早くも卑猥な蜜が溢れ出していた。

 「すっごい濡れてる…お尻まで垂れてきちゃう…❤︎」

 「そりゃあ、あれだけ焦らされれば濡れるわよ。誰かさんは気失っちゃうしね」

 羞恥を隠すように憎まれ口を叩く愛理だったが、恭子に指で陰唇を撫で付けられると、腰がピクリと浮いて跳ねる。

 「んッ❤︎」

 「いつでもOK……って感じだね❤︎」

 柔らかな肉壺から溢れ出る愛液を指で掬い、愛理の表情を横目に見ながら、わざとらしく見せつけるように舌から迎えて口に含む。
 糖蜜を塗りたくったようにテラテラと輝く指先を、より下品に、より卑しく、唇をすぼめて舐ってゆく。

 「チュ……ピッ❤︎んふっ、愛理の味❤︎」

 「やァン❤︎」

 秘所から湧き出た恥ずかしい蜜の味を堪能され、愛理も照れながら顔を覆う。その反応とは裏腹に、蜜はますます渾々こんこんと湧き上がり、愛理の腰付きも無意識に浮き上がる。
 ぽってりとした割れ目の合間に分け入るように中指を当てがうと、濡れそぼった陰唇がまるで意思を持つかのようにきゅう、と吸い付く。
 さらにその奥の肉壺の縁、つまり愛理のに指を掛けて、クチュクチュと音を立てて掻き回してやると、愛理の身体がのけ反りながら大きく跳ねた。

 「はァッ❤︎そこッ❤︎浅いトコ……気持ちいい❤︎」

 「愛理の弱いトコ、全部見つけてあげる❤︎」

 恭子の指はさらに奥へと突き進む。
 ふやけそうな程にぐっしょりと絡み付く愛液の泉に指を浸しながら、ゆっくりと愛理のを攻略してゆく。
 肉壺の天井に指を当てて、押し込むようにしながら強めに擦ると、愛理は思わず声を張り上げて反射的に股を閉じてしまう。

 「あ"ゥッ❤︎そこッ…弱いからッ…❤︎強くしちゃダメッ……❤︎」

 「股閉じちゃダメでしょ。ほら、マンコ見せてっ」

 叱りながら内股をピシャリ、と平手で打つ恭子。小さく呻いて恐る恐る愛理は再び股を大きく開張する。

 「動かしてもないのに、指をキュウキュウ締め付けてくる…持ち主の性格がよく出てるよ。淫らな貪欲マンコだねっ❤︎」

 「う"ゥッ❤︎……そうよッ…欲しがりなッ……はゥ❤︎……凶暴おマンコッ……恭子に……あッ❤︎……攻略できるかしら……?❤︎」

 息も絶え絶えに身悶えしながら、尚も強気に挑発する愛理。必死に笑みを取り繕い、恭子が〝喰らいつく〟瞬間を今か今かと待ち侘びていた。

 全身に薄らと汗を掻き、肌はさらに熱を帯びてゆく。その様は、実った果実が段々と熟れてゆく姿によく似ていた。
 肉襞の割れ目からはみ出した大ぶりな陰核クリトリスは、外気に晒されて硬度を高める。物欲しそうに恭子の側を見つめながら、その無視できない淫らな存在を勃起で懸命にアピールする。

 愛理のカラダは今まさに、を迎えた。



 恭子のペニスも、今や完全に精気を取り戻し、発射の角度をぐんぐんと上げてゆく。陰嚢に包まれた〝白い劣情〟は沸々とたぎり、出口を求めて競上がろうとし、恭子は脆弱な理性のみで何とかそれを抑え込んでいた。

 「愛理ッ❤︎……そろそろ……❤︎」

 恭子は枕元のコンドームの小袋に手を伸ばす。

 だが、愛理はそれを横からさらい、ベッドの下へと放り投げた。突然の愛理の行動に、恭子は茫然として言葉が出ない。

 「え……愛理?」

 「いらない」

 「でも、ゴム……」

 「コンドームなんて要らない……それじゃあ……恭子のを感じられない……!」

 愛理は、先程までの蕩けた表情から一変して、力強い眼差しで恭子を見据える。
 土壇場で見せた愛理の〝覚悟〟は、恭子にとってあまりにも恐ろしく、そして、あまりにも愛おしかった。

 「ナマで……ってこと?」

 「わざわざ言わせないでよ…それでもナンパ師なの?」

 「愛理は…それでいいの?」

 「今見せたのが私の答え、あとは恭子がどうするかよ?今度は……恭子の番」

 真性レズビアンである愛理は、もちろんペニスの生挿入なんて経験は無い。それどころか、ペニスを相手取ったセックスを初体験したのが、ほんの1週間前の話である。愛理の内心の不安と恐怖は計り知れないだろう。
 だが、それを押して尚も生挿入を恭子に迫る愛理の〝プライドと覚悟〟に、恭子は身震いするほどの畏怖を覚えた。

 (愛理……この娘……ッ)

 ぱっくりと開帳する火照った雌穴は、せ返るように淫靡な薫りを部屋中に醸し、恭子の理性を完全に狂わせた。
 眩暈めまいがする程の熱と淫臭にあてられ、すがり付くように愛理の懐に潜り込んでゆく。

 「愛理……私も……ガマンできないから……」

 「いいよ……恭子の全部を……私に魅せ…んむッ❤︎」

 反射的に愛理の唇をキスで塞ぐ。舌を強引に捻じ込み、愛理の口内を〝恭子の味〟に染めてゆく。華奢な両手首を掴み、ベッドに押さえ込むと、目の前の生意気なに、昂ぶるペニスをズリズリと擦り付ける。

 獣が巣穴にマーキングをするかのように、入念に。

 (この女……絶対に堕とす……!)

 「愛理……れるよ」

 恭子は愛理の少女のように淡く桜色に照る陰唇に、赤黒いつぶてのように丸く大きな亀頭を当てがう。

 「き……て……恭子……ッ❤︎」

 堰き止めていた感情の昂ぶりが、涙となって愛理の瞳を潤ませた。まぶたを強く閉じ、歯を食いしばってに備える愛理の姿は、まるで処女のように気高く、美しい。

 恭子が腰を前に突き出す。つぷ……と小さな粘着音を立て、愛理の陰唇が拡げられると、大きな亀頭がツルンッ、とまるで抵抗なく呑み込まれた。

 「あッ❤︎挿入はいッ……ん"ぅ❤︎」

 亀頭を呑み込む瞬間、愛理は首を大きく後方に反らし、腹筋は微弱に痙攣を重ねた。どうやら軽い絶頂を迎えたらしい。それでも愛理は気丈に、自分と恭子の〝結合部〟をキッ、と見据えた。

 「愛理……さっき、さ……って言ったよね…?私にめちゃくちゃにされて……泣いて許しを懇願して……跪きたい、って……言ったよね?」

 恭子の顔や首筋にも、玉のような汗が浮き出ている。2人の女の甘美で淫猥な匂いが、ベッドに充満していた。

 恭子の問いに、愛理は黙ってコクリと頷いた。
 今にも噛み付きそうな〝反骨〟の表情を浮かべ、大きな瞳を一際大きく見開き、真っ直ぐに恭子の顔を睨みつける。

 「叶えてあげるよ……愛理のお願い……ッ」

 恭子は体重の推進ごと腰を鋭く前に突き出すと、太いペニスを躊躇なく根元まで挿入した。パチンッ、という肉と肉がぶつかり合う音が響く。

 「ごォッ❤︎ん"ァッ………!?❤︎❤︎❤︎」

 瞬間、愛理の身体を感電のような強烈な快感が襲う。太く荒々しい肉の杭が、女の最も弱い部分へ向けて真っ直ぐに突き立てられる。

 少しでも油断すれば今にも気を遣ってしまいそうな性感の大波に対し、愛理は手足の指先、顔の表情筋、腹筋から肛門括約筋まで、全身のありとあらゆる筋肉を緊張させて抗う。
 ピンッ、と両脚を伸ばし、波が引くのをただ耐えて待つ愛理だが、恭子は決して責めを休んだりしない。愛理の様子をうかがいながら、ズルズルと慎重にペニスを引き抜いてゆく。
 ぴったりと密着した太いペニスが、膣壁を掻きながらゆっくり抜かれる。愛理は臓腑を引き摺り出されるような脱力感を感じながら、その連結の動きをじっと見つめる。

 一瞬、愛理の身体から力が抜けたのを恭子は見逃さなかった。後ろへ引いた腰に再び体重を乗せ、愛理の身体を腕で引き寄せると、衝突するようにペニスとヴァギナが奥深くで力強く繋がれる。

 パチィンッ!

 「オ"ッッッッ❤︎❤︎❤︎」

 2度目の、肉同士がぶつかり合う音。愛理が絞り出すけだもののような野太い嗚咽は、性的絶頂オルガズムを迎えた合図だった。

 壊れた人形のようにピクピクと痙攣する愛理の焦点は虚ろに定まらず、ぽっかりと開いた口の端からは飲み下す事すら叶わなかった涎が吐き出される。

 「はッ……はッ……❤︎ぁぅ……ふッ……ぅ……❤︎」

 「愛理、たったふた突きで終わり?そんな訳ないよね?あれだけ強気だったんだからさ。ほら、還ってきなよ」

 ピシャッ!

 余韻の中から戻れない愛理の頬を、恭子がしたたかに平手打ちする。首が横を向くほどの打撃に、愛理の意識は無理矢理にベッドの上へと戻らせた。

 「あ"ィ"!?……おァ……ぎッ……ぎも"ぢぃ"……❤︎」

 「そう、気持ちいいの。ナカ出しセックスは気持ちいい。ぶっといチンポを飲み込んで、ズコズコと出し入れされて、グジュグジュのマンコの膣内ナカを好き勝手に、力任せに掻き回されて……最後はオンナのいっちばん大事な部分目掛けて、っつい精液ザーメンビュービューされちゃうの。ナカ出しセックスって、そういうことだよ」

 2人を隔てるはずだった、コンマ数ミリのラテックスのスキン──。 
 それが取り払われた今、2人の間には全く壁は無かった。粘膜同士が直に触れ合い、一番気持ちいい場所同士で互いを責め合う。蕩けてしまいそうな段違いの快楽……。

 一旦ペニスを抜き取ると、仰向けに伸びる愛理の腕を引っ張り上げ、強引に背中側に回り込む恭子。膝立ちになった愛理の太腿を掴むと、そのまま後ろに引っ張り愛理は前倒しでうつ伏せになる。

 「チャイナドレス、台無しになっちゃうかもだけど……いいよね?❤︎」

 ドレスの裾を捲ると、張りのある形の良い尻が剥き出しになる。愛理は前後不覚に陥り、自分が何をされてるかも理解できずにベッドに突っ伏す。

 「チンポが一番マンコに効く責め方、教えてあげるっ❤︎」

 肉付きの良い愛理の内腿を掻き分け、恭子の手が探る。
 脚を開き、腰を浮かされた愛理の尻は、しぜんと性器と肛門がぱっくり露出する。

 充血と挿入によりひりひりと赤く腫れぼったい陰唇に、再び恭子の肉杭が照準を合わせた。

 ズッ……ヌプッ……ズッ……ルンッ❤︎

 「きひッ!?!?~~~~~❤︎❤︎❤︎」

 うつ伏せの背後から愛理の身体に覆い被さり、そのまま密着して全体重を預ける恭子。体重はそのままペニスの挿入の勢いとなり、一直線に愛理の子宮口を叩いた。

 「ん"ん"~~ッ❤︎マ"ン"コ"……ッ❤︎ヤッッバ❤︎❤︎❤︎」

 あまりの凄まじい快感と圧迫に、愛理は生気を取り戻すが、気付いた時には何もできない〝死に体〟の姿勢である。
 恭子のペニスは愛理の膣内の弱い部分をゴリゴリと押し潰し、一切の〝快楽からの逃亡〟の余地を与えない。

 「ぐッ……❤︎ふぅッ❤︎あぐゥゥンッ❤︎」

 両手脚をパタパタと振り乱す愛理だが、圧倒的に体格で勝る恭子の身体を跳ね除ける事など不可能だった。
 
 「さっきはふた突き……今度は何突き耐えられるかな……❤︎」

 暴れる愛理の両腕を掴み、恭子は腰を振り始める。

 ズチュッ……パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎

 「ん"あ"ッ❤︎あ"ッ❤︎あ"ッ❤︎あ"ッ❤︎イグッ❤︎イグッ❤︎イぃグゥゥゥゥ❤︎❤︎❤︎」

 「ほらッ❤︎ほらココッ❤︎お腹の裏側ッ❤︎死ぬほど気持ちイイでしょッ❤︎」

 体重を乗せた恭子の腰使いは、ベッドが軋むほどに激しく、恭子とベッドに挟まれた愛理はただもがく事と呻く事しかできない。
 愛理の弾力ある丸尻と、恭子の腰が、乾いた音を立てて何度も何度もぶつかり合う。

 「んッ❤︎愛理のマンコッ❤︎すっごい吸い付きッ❤︎チンポ一生懸命シゴいてるッ❤︎アハハッ❤︎精液ザーメン欲しくてッ❤︎チンポに媚びちゃってるよッ❤︎」

 「んぐゥゥッ❤︎嫌ァァッ❤︎嫌ァァァッ❤︎い"や"あ"イグぅぅぅぅぅぅ❤︎❤︎❤︎」

 「んー?何が嫌なの?ナカ出しされるのが嫌なの?だったら必死に抵抗してッ❤︎早く逃げなきゃダメだよッ❤︎」

 パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎

 逃げたくても逃げられない。もがいてももがいても、パワーが、体格が違いすぎる。ましてや恭子は背中に伸し掛かり、愛理はうつ伏せで自由を奪われている。

 何度も果てて息が苦しい。身体に力が入らない。意識が飛んだり戻ったりを繰り返してばかりいる。

 突き刺さる逞しいペニスは愛理の骨盤を強制的に拡げ、起立を困難なものにしており、もはや逃れるすべは一切無く、このまま愛理は恭子の〝膣内射精〟を受け入れるしかない。

 愛理は声を絞り出して叫ぶ。

 「う"ぁ"ぁ"ッ……ゆ"ッ❤︎…ゆ"る"じでェェ……❤︎❤︎」

 恭子の巨躯の下で泣きじゃくり、膣内射精の容赦を懇願する愛理。

 「ム"リ"ぃぃ……❤︎お"マ"ン"ゴッ……ごわ"れ"ぢゃ"う"がら"ァ"ァ"ァ"……❤︎❤︎」

 ベッドシーツが裂けそうなほどに爪を立てて、終わりの見えない苦痛と性感に悶える。美しく、高慢な女が見せた、無様な敗北宣言。
 それを見て恭子は腰のピストンをやめ、ポンッ、と愛理の頭に手を乗せてくしゃくしゃと撫でると、耳元で小さく囁く。
 
 「愛理、やっぱ怖かった?生チンポセックスなんて経験ないのに無茶して……初めての感覚で、訳も分からないままイキ過ぎて、怖くなっちゃったんだよね」

 幼子をなだめるように、優しく語りかける恭子。愛理は嗚咽をあげながら、泣き腫らした目で、垂れ下がる鼻水や涎を拭き取るのも忘れて、コクリ、コクリと頷く。

 だが、恭子は両手で愛理の二つに束ねたツインテールを手荒に掴み上げると、またもや愛理の尻肉を抉るように腰を押し付けた。

 自分の願いが叶わぬ事を悟った愛理は、ただ泣きながら首を何度も横に振って、抗議の意を示す事しかできない。

 「愛理。カラダを売るしか能の無い売女ばいた。今のアンタは何もできずに射精を受けるだけの単なる穴なんだよ。臭っさいザーメンをコキ捨てるための惨めな雌穴。ダッチワイフ、オナホール、ザーメンティッシュと同じ価値。」

 耳元で恭子が罵る。愛理はひたすら首を振って否定する。大粒の涙が頬を伝ってシーツを濡らす。
 恭子が両手に掴んだツインテールを手綱のように引っ張ると、愛理の首が後ろに反れて顎が上がる。もはや首を振る権利すら、愛理からは奪われた。

 「2分耐えよっか。2分イクのを我慢できたら、ナカ出しは許してあげる……❤︎」

 「ん"ッ………ん"ぅぅぅぅぅ❤︎❤︎❤︎」

 愛理の涙の訴えは、恭子の気まぐれにいとも容易く却下された。



 涙に濡れた目元は、マスカラが剥げ落ちていた。
 垂れ落ちる鼻水は、上唇からプラプラと糸を引いていた。
 止め処なく溢れる唾液は、顎を伝って首筋までをも汚していた。

 チャイナドレスに身を包んだ愛理は、ベッドに組み伏せられたまま背後から巨大なペニスを膣内に挿入され、自慢の長い黒髪は馬の手綱の如く力任せに後ろに引かれ、上半身を仰け反らす。

 生まれてこの方、味わったこともない屈辱、恥辱。信じたくないくらいの無様な痴態。

 そして今、あまりにも長過ぎるが始まろうとしていた。

 「愛理、イク時は大きな声でイクって叫んでね?どうせ黙ってイッたって、マンコの痙攣で全部分かっちゃうんだからさ❤︎」

 「ィャ……ィャァァ……❤︎」

 逃げ場の無い抑圧、支配される屈辱、そして、〝膣内射精〟の恐怖──。

 ズプッ……クチュッ……パンッパンッ

 恭子が遠慮の無い腰使いで愛理を犯し始める。挿入してから数十分、萎える兆候すら見せずに逞しく勃起し続ける恭子のペニスが、もはや限界などとうに越えている愛理の脆弱なヴァギナを、今再び責め始めた。

 「ゔゔぅぅぅッ❤︎ん"ぐぅぅぅッ❤︎❤︎」

 「そうっ❤︎歯食いしばってッ❤︎イクなッ❤︎イクなよ愛理ッ❤︎」

 パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎

 容赦なく膣内の最深部を目掛けて突き刺さるペニスの一撃一撃に、意識が飛びそうなほどの強烈な快感が全身を襲う。
 身の毛が総立ちになるようなゾクゾクとした神経の刺激と、体内が引火し臓腑が焼け焦がれるような熱い昂揚、そして脳を丸ごと麻薬に漬け込んだような圧倒的な多幸感。
 体格で勝る女に力で犯され、まるで為す術なく慰み者にされる、哀れで無様な雌。

 「ん"ィ"ィ"ッ❤︎い"や"ァァァァッ❤︎❤︎もッ❤︎無理ッ❤︎無理ィィィッ❤︎❤︎」

 「愛理ッ❤︎耐えろッ❤︎イクなッ❤︎ナカ出しされていいの!?射精許していいのッ!?妊娠しちゃうかもしれないんだよッ!?それでいいのッ!?」

 「あ"あ"ァァァァッ❤︎嫌ァァァッ❤︎嫌ァァァァッッ❤︎❤︎もう無理無理無理ィィィィッッ❤︎❤︎❤︎」

 パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎

 「ほらあと1分ッ❤︎耐えてッ❤︎死ぬ気で耐えなよッ❤︎愛理ッ❤︎」

 泣きじゃくり、汗まみれ、涎まみれになって、気が狂ったように叫びまくる愛理。全身を硬直させ、爪が食い込むほど拳を握り続け、この未経験の快楽地獄にひたすら耐え続けたが、限界は呆気なくやってきた。

 「嫌ァァッ❤︎もっ、もうっ、無理無理ッ❤︎無理ッ❤︎チンポッ❤︎チンポ無理ッ❤︎あ"ッ❤︎あ"ッ❤︎あ"ッお"ぉ"ぉぉぉイグッ❤︎イグイグイグイグイグイグイグッッ❤︎あ"ァァァイッグぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ❤︎……ア"ォ"ッッ❤︎❤︎❤︎」

 絶頂を耐えるなどという事を知らなかった愛理にとって、2分間という時間はあまりに長過ぎた。精魂尽き果て、愛理はこの日、何度目かの性的絶頂オルガズムを迎えた。



 「あと残り45秒……か。惜しかったね、愛理」

 汗にまみれた顔を拭い、労うように愛理の尻を叩く恭子。ペニスは抜かず、膣にしっかりと挿し込まれている。

 「どうするの?たった2分すらガマンできない性欲人形セックス・ドールの愛理ちゃん?」

 恭子は突っ伏す愛理に強い口調で問い掛ける。愛理は震える声で、絞り出すように小さく答える。

 「ごめんなさい……ごめんなさい……」

 決定付けられた〝膣内射精〟の恐怖に怯え、経験した事もない快楽の連続に震え、泣きながらか細い声でひたすらに謝罪の言葉を呟く。

 オンナを武器にして生きてきた。奔放に肉体を重ね、身勝手に果て、自分を縛る者など居ないと信じてきた。
 だが、愛理が本心から満たされる事は無かった。

 恭子と出会い、初めて〝ペニスでのセックス〟を経験した時、愛理が内に押し込めていた渇望の世界が、満たされてゆくような感覚を得た。
 そして今日、再び恭子とセックスをして、愛理が何を求めていたのか、愛理本来の姿とは何なのか。

 力による支配と、為す術もなく肉体を凌辱される恐怖。プライドを汚され、積み上げた経験値がまるで無価値な物へと成り下がる絶望感。

 そして、その渦中で得た、かつて到達した事の無い圧倒的な性的快楽と精神の多幸感──。

 「ぐッ…ゔぁぁぁぁぁぁ……ッッ!!」

 愛理はベッドに伏したまま、声を上げて咽び泣く。恐怖ではなく、〝本来の自分〟に、やっと出会えた悦びの涙だった。

 「……ほーんと、愛理には叶わないかな」

 恭子は突っ伏す愛理を羽交い締めにすると、そのまま後ろへ倒れ込む。互いに仰向けになり、今度は愛理が恭子の上に乗る形だ。

 「ごめん愛理、もうちょっとだけマンコ借りるよ❤︎」

 「えっ……ひぁッ❤︎あッ❤︎ダメッ❤︎」

 愛理を腹に乗せたまま、ブリッジの体勢で腰を突き動かす恭子。2回、3回とピストンし、4回目で一気にペニスを愛理の膣内から引っこ抜いた。

 「あンッ!?❤︎」

 「ん"ッ❤︎イクッッ❤︎❤︎」

 ピュッ❤︎ビューッ❤︎ビュルッ❤︎

 恭子のペニスは引き抜くと同時に、愛理の腹を目掛けて勢いよく射精した。3度目の射精とは思えない、濃い白濁の、強烈な匂いと粘度の精液ザーメン……。

 「きゃあッ❤︎あッ❤︎熱ぅ……❤︎」

 「あッ❤︎ふぅッ❤︎おぉ……❤︎あぁ……ザーメン出る……❤︎」

 「そっ……ナカ出しは……?」

 「私だって、愛理のマンコであと2分なんてガマン出来なかったよ……今にも射精しそうで必死だった」

 金色のチャイナドレスは瞬く間に白濁色の汚辱の淫汁にまみれ、突然の出来事に愛理は目を丸くして硬直する。

 そんな愛理を、恭子は強く抱きしめキスをした。頬と頬を寄せ合い、頭を撫でる。

 「愛理……ほんと……スゴかったよ…」

 「恭子、私……怖くて……自分が分からなくて……でも、恭子なら信じられる……って……」

 その言葉を聞き、恭子も何故だか涙が溢れた。恭子自身も、愛理とのセックスで拓けた世界があった。

 二人の女は、愛欲の果てにある〝新たな段階〟に昇り詰めた──。



 シャワーを浴び終わり、裸の女同士がソファに腰掛ける。香炉から立ち上る甘い煙が、ハードなセックスによる疲労困憊の心身に殊の外染み入る。

 愛理は元のロングストレートの黒髪を櫛で梳かしながら、香炉の煙の行方をぼうっ、と見つめていたが、しばらくして、意を決したように口を開いた。

 「恭子、この間言ってた〝サークル〟のことなんだけど……」

 勧誘の口上を頭に描きながら、ボンヤリと中空を仰いでいた恭子だったが、愛理の口からサークルの話題が出た事に驚き、慌てて座り直す。

 「あっ、サークル?私の居るレズビアンサークルの事?」

 「うん……私、一度見てみたいんだけど」

 「ホント!?」

 愛理がレズビアンサークルに興味を示した事に、恭子は内心小躍りしたいほど歓喜したが、平静を装い言葉を続ける。

 「今週末にSMバーのイベントがあるんだけど、そこに主催が来るからその場で紹介するよ。愛理なら、絶対稼げるし……」

 恭子の言葉を半ばで遮り、愛理が想いを語り出す。

 「ううん、稼げるとかはあまり考えてなくて……それよりも、恭子がいる世界を、この目で見てみたいの。色んな体験もしたいし、私自身の世界だって広げたい」

 〝本当の愛理〟が垣間見えた恭子とのセックスは、次のステージへの足掛かりでしかない。
 愛理は、恭子の見ている物を自分自身で確認するために、レズビアンサークルへの加入を決意したのだ。

 「だから……よろしくねっ❤︎」

 愛理は恭子の手を握り、優しい口付けをすると、晴れやかな笑顔ではにかんだ。

 (愛理が加入したら……サークルの勢力図が一変するかな……)

 恭子の頭の中で、女王〝ARISA〟と愛理の笑顔が、重ねて見えた気がした。


(2章 完)
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