【R18】怪盗アシュリーは、美青年探偵に捕まる

もなか@まいこ

文字の大きさ
3 / 14
1章 名画と探偵

捕まる

しおりを挟む
タイトルには無いけれど、微エロです。

──


「んっ……」


 目を覚ますと、そこは、見知らぬ部屋だった。どこかのホテルのスウィートルームのような、豪華な部屋であった。私は、先程までと同じ格好……怪盗としてのコスチュームのまま、ソファに座らされている。


 「どこよ、ここ」


 何があったんだ。たしか、私は『碧の未来』を盗んで……もう逃げるだけの状態だったはずだ。でも、宇都宮っていう探偵に話しかけられて……んで、今ここにいる。思い出すと、私の心の奥に、ふつふつと彼に対する憤りの気持ちが、湧き上がってくる。


 あの野郎……騙したな……。乙女の心を誑かして。足は動かせるが、手は動かせない。なんとか、ここから逃れる方法はないか。


 そんなことを考えている最中だった。


 「おはよう」


 背後から聞こえた声。奴の声だ。私は、すぐさま、声を荒らげる。


 「あんた、さっさと私を離して!」


  振り返ると、彼がいた。相変わらず、白いシャツにジーンズのシンプルな装いである。男は、私の隣に座った。私は、彼を睨みつける。


 「あんた、何が目的なのよ」


 「目的なんて大それたものはないさ。ただ、君に興味があったから連れてきたんだ」


 「ふん、ナンパのつもり? 強引なやり方ね。私はそんな簡単には靡かないわよ」


 私は、鼻で笑って茶化す。彼はそんな私に意を介さず、ニコニコとしていた。こいつの飄々とした様子が、腹立つ。


 「怪盗アシュリー。君、俺と一緒に行かない?」


 「行くってどこに? 警察に? いやに決まってるでしょ」


 即答する。そして、彼から顔を背ける。行くわけないじゃん。こんな怪しいヤツと一緒に牢獄行きとか、いやに決まっている。


 「そっか……じゃあ、もう強引に行くしかないな」


 小さく呟く彼。その声は、私にも聞こえた。やばい、なんとか逃げないと。はやく逃れないと、こいつと警察へ同行することになる。とはいえ、私に出来ることはその場でバタバタと暴れることのみだ。何もできることなんてない。


 彼が、私をソファに押し倒した。そして、彼は私の手の拘束を外す。


 「えっ、手、自由になったけどいいの?」と思っていたその時。彼の顔が、私の顔に近づいた。そして──


 「んっ……!?」


 彼の唇が私の唇を啄んだ。彼が、私の舌を絡めとる。


 何!? 何が起こったの!?


 私の頭の中がパニックになる。気がつけば、彼の手は、私の服に伸びている。彼が私のシャツをはだけさせ、あっという間にブラジャーに包まれた私の胸があらわとなった。そこで、パニックになっていた私の頭が冷静になる。


 「何してるのよ、変態!」


 私は、自由になった手で、彼の胸板をポカポカと叩く。しかし、彼の行動が止まることは無い。あっという間に、ブラジャーとショーツ、仮面とストッキングのみの状態となった。


 「着痩せするタイプ? 結構、グラマラスだね」


 「セクハラよ! 離して!」


 手と足を暴れさせ、抵抗するが、やっぱり彼はピクリともしない。彼はスマートな手つきで、私の仮面をササッと取った。


 ああっ! ヤバい。


 私は慌てて顔を隠す。怪盗なのに、本当の顔を敵に晒すなんて、私のプライドが許さない。とはいえ、私のその腕も儚くて。彼の腕が、私の手をがしりと掴む。


 彼の眼前に、私の顔が晒される。私の顔を一目見て、彼の顔が一瞬固まった。今まで余裕ある顔だったのに、いきなり、心を乱れた表情を見せた彼。私は、怪訝に思う。 


 「な、なによ、私の顔に何かついているの?」


 「いや、そうじゃないけど……君が想像以上に可愛くて」


 「は? 意味わかんない!」


 「ははは、顔が赤い」


 「うるさい!」


 私は頬をふくらませた。確かに私は可愛い。それは認める。異性から「可愛い」と言われても、仕方がない。でも、こんな時に、こんな怪しい男に言われるとか、不信感しかない。


 「ああ……マジで可愛い」


 彼が、私の体を抱きしめる。そして、そのまま、お姫様抱っこで私の体を抱えあげた。


 「はーーなーーしーーてっ!」


 暴れる私。しかし、彼は飄々とした態度で私に向かう。1歩、1歩、また1歩。彼は私を抱えたまま、歩みを進める。着いた先は脱衣所であった。ガラス張りの浴室の中には、バラの花が浮いたジャグジーが見える。


 私は、地に降ろされる。それと同時に、私は素早く彼から逃れ、部屋から出ようとした。しかし、ドアノブに手をかけた瞬間、彼の腕が私の腕を掴んだ。そして、私の体を抱きしめる。


 「丸腰の君が、今の僕から逃げられると思う?」


 耳元で囁かれ、私は無言を貫いてしまう。正直、無理だ。彼はなかなかのやり手である。武器を持っていたとしても、やっと同等で戦えるくらい。そんな彼に囚われている。正直、彼に従う他ない。それは分かっている。だけど……



 「ふんっ」


 私のプライドが「逃げられない」という事実を認めたくないのだ。そんな様子を見て、男がクスリと笑う。


 「可愛い君にひとつ提案だ。今から、僕の言うことを聞く。そうしたら、君のこと逃がしてあげる」


 「……あんたの言葉を、信用出来るわけないでしょう。嫌よ」


 「でも、君に今、何か出来ることはあるのかい? 逃げるためには、僕を何とかしなきゃならないわけだけど」


 沈黙になってしまう私。彼がこれからしようとしていることを、予想できない訳では無い。とはいえ、捕まって牢獄行きなんて、死んでもゴメンだ。


 貞操の危機だけど、相手はイケメンだし。変態だけど、私好みの男だし。そんなふうに、ポジティブに考えるようにする。


 「……分かった」


 仕方がない。背に腹はかえられぬ。私が、渋々返事をすると、彼は、一瞬、子どものような満面の笑みを浮かべた後、「やった」と小さな歓喜の声をあげた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

憐れな妻は龍の夫から逃れられない

向水白音
恋愛
龍の夫ヤトと人間の妻アズサ。夫婦は新年の儀を行うべく、二人きりで山の中の館にいた。新婚夫婦が寝室で二人きり、何も起きないわけなく……。独占欲つよつよヤンデレ気味な夫が妻を愛でる作品です。そこに愛はあります。ムーンライトノベルズにも掲載しています。

ドSな彼からの溺愛は蜜の味

鳴宮鶉子
恋愛
ドSな彼からの溺愛は蜜の味

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

処理中です...