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1章 名画と探偵
捕まる
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タイトルには無いけれど、微エロです。
──
「んっ……」
目を覚ますと、そこは、見知らぬ部屋だった。どこかのホテルのスウィートルームのような、豪華な部屋であった。私は、先程までと同じ格好……怪盗としてのコスチュームのまま、ソファに座らされている。
「どこよ、ここ」
何があったんだ。たしか、私は『碧の未来』を盗んで……もう逃げるだけの状態だったはずだ。でも、宇都宮っていう探偵に話しかけられて……んで、今ここにいる。思い出すと、私の心の奥に、ふつふつと彼に対する憤りの気持ちが、湧き上がってくる。
あの野郎……騙したな……。乙女の心を誑かして。足は動かせるが、手は動かせない。なんとか、ここから逃れる方法はないか。
そんなことを考えている最中だった。
「おはよう」
背後から聞こえた声。奴の声だ。私は、すぐさま、声を荒らげる。
「あんた、さっさと私を離して!」
振り返ると、彼がいた。相変わらず、白いシャツにジーンズのシンプルな装いである。男は、私の隣に座った。私は、彼を睨みつける。
「あんた、何が目的なのよ」
「目的なんて大それたものはないさ。ただ、君に興味があったから連れてきたんだ」
「ふん、ナンパのつもり? 強引なやり方ね。私はそんな簡単には靡かないわよ」
私は、鼻で笑って茶化す。彼はそんな私に意を介さず、ニコニコとしていた。こいつの飄々とした様子が、腹立つ。
「怪盗アシュリー。君、俺と一緒に行かない?」
「行くってどこに? 警察に? いやに決まってるでしょ」
即答する。そして、彼から顔を背ける。行くわけないじゃん。こんな怪しいヤツと一緒に牢獄行きとか、いやに決まっている。
「そっか……じゃあ、もう強引に行くしかないな」
小さく呟く彼。その声は、私にも聞こえた。やばい、なんとか逃げないと。はやく逃れないと、こいつと警察へ同行することになる。とはいえ、私に出来ることはその場でバタバタと暴れることのみだ。何もできることなんてない。
彼が、私をソファに押し倒した。そして、彼は私の手の拘束を外す。
「えっ、手、自由になったけどいいの?」と思っていたその時。彼の顔が、私の顔に近づいた。そして──
「んっ……!?」
彼の唇が私の唇を啄んだ。彼が、私の舌を絡めとる。
何!? 何が起こったの!?
私の頭の中がパニックになる。気がつけば、彼の手は、私の服に伸びている。彼が私のシャツをはだけさせ、あっという間にブラジャーに包まれた私の胸があらわとなった。そこで、パニックになっていた私の頭が冷静になる。
「何してるのよ、変態!」
私は、自由になった手で、彼の胸板をポカポカと叩く。しかし、彼の行動が止まることは無い。あっという間に、ブラジャーとショーツ、仮面とストッキングのみの状態となった。
「着痩せするタイプ? 結構、グラマラスだね」
「セクハラよ! 離して!」
手と足を暴れさせ、抵抗するが、やっぱり彼はピクリともしない。彼はスマートな手つきで、私の仮面をササッと取った。
ああっ! ヤバい。
私は慌てて顔を隠す。怪盗なのに、本当の顔を敵に晒すなんて、私のプライドが許さない。とはいえ、私のその腕も儚くて。彼の腕が、私の手をがしりと掴む。
彼の眼前に、私の顔が晒される。私の顔を一目見て、彼の顔が一瞬固まった。今まで余裕ある顔だったのに、いきなり、心を乱れた表情を見せた彼。私は、怪訝に思う。
「な、なによ、私の顔に何かついているの?」
「いや、そうじゃないけど……君が想像以上に可愛くて」
「は? 意味わかんない!」
「ははは、顔が赤い」
「うるさい!」
私は頬をふくらませた。確かに私は可愛い。それは認める。異性から「可愛い」と言われても、仕方がない。でも、こんな時に、こんな怪しい男に言われるとか、不信感しかない。
「ああ……マジで可愛い」
彼が、私の体を抱きしめる。そして、そのまま、お姫様抱っこで私の体を抱えあげた。
「はーーなーーしーーてっ!」
暴れる私。しかし、彼は飄々とした態度で私に向かう。1歩、1歩、また1歩。彼は私を抱えたまま、歩みを進める。着いた先は脱衣所であった。ガラス張りの浴室の中には、バラの花が浮いたジャグジーが見える。
私は、地に降ろされる。それと同時に、私は素早く彼から逃れ、部屋から出ようとした。しかし、ドアノブに手をかけた瞬間、彼の腕が私の腕を掴んだ。そして、私の体を抱きしめる。
「丸腰の君が、今の僕から逃げられると思う?」
耳元で囁かれ、私は無言を貫いてしまう。正直、無理だ。彼はなかなかのやり手である。武器を持っていたとしても、やっと同等で戦えるくらい。そんな彼に囚われている。正直、彼に従う他ない。それは分かっている。だけど……
「ふんっ」
私のプライドが「逃げられない」という事実を認めたくないのだ。そんな様子を見て、男がクスリと笑う。
「可愛い君にひとつ提案だ。今から、僕の言うことを聞く。そうしたら、君のこと逃がしてあげる」
「……あんたの言葉を、信用出来るわけないでしょう。嫌よ」
「でも、君に今、何か出来ることはあるのかい? 逃げるためには、僕を何とかしなきゃならないわけだけど」
沈黙になってしまう私。彼がこれからしようとしていることを、予想できない訳では無い。とはいえ、捕まって牢獄行きなんて、死んでもゴメンだ。
貞操の危機だけど、相手はイケメンだし。変態だけど、私好みの男だし。そんなふうに、ポジティブに考えるようにする。
「……分かった」
仕方がない。背に腹はかえられぬ。私が、渋々返事をすると、彼は、一瞬、子どものような満面の笑みを浮かべた後、「やった」と小さな歓喜の声をあげた。
──
「んっ……」
目を覚ますと、そこは、見知らぬ部屋だった。どこかのホテルのスウィートルームのような、豪華な部屋であった。私は、先程までと同じ格好……怪盗としてのコスチュームのまま、ソファに座らされている。
「どこよ、ここ」
何があったんだ。たしか、私は『碧の未来』を盗んで……もう逃げるだけの状態だったはずだ。でも、宇都宮っていう探偵に話しかけられて……んで、今ここにいる。思い出すと、私の心の奥に、ふつふつと彼に対する憤りの気持ちが、湧き上がってくる。
あの野郎……騙したな……。乙女の心を誑かして。足は動かせるが、手は動かせない。なんとか、ここから逃れる方法はないか。
そんなことを考えている最中だった。
「おはよう」
背後から聞こえた声。奴の声だ。私は、すぐさま、声を荒らげる。
「あんた、さっさと私を離して!」
振り返ると、彼がいた。相変わらず、白いシャツにジーンズのシンプルな装いである。男は、私の隣に座った。私は、彼を睨みつける。
「あんた、何が目的なのよ」
「目的なんて大それたものはないさ。ただ、君に興味があったから連れてきたんだ」
「ふん、ナンパのつもり? 強引なやり方ね。私はそんな簡単には靡かないわよ」
私は、鼻で笑って茶化す。彼はそんな私に意を介さず、ニコニコとしていた。こいつの飄々とした様子が、腹立つ。
「怪盗アシュリー。君、俺と一緒に行かない?」
「行くってどこに? 警察に? いやに決まってるでしょ」
即答する。そして、彼から顔を背ける。行くわけないじゃん。こんな怪しいヤツと一緒に牢獄行きとか、いやに決まっている。
「そっか……じゃあ、もう強引に行くしかないな」
小さく呟く彼。その声は、私にも聞こえた。やばい、なんとか逃げないと。はやく逃れないと、こいつと警察へ同行することになる。とはいえ、私に出来ることはその場でバタバタと暴れることのみだ。何もできることなんてない。
彼が、私をソファに押し倒した。そして、彼は私の手の拘束を外す。
「えっ、手、自由になったけどいいの?」と思っていたその時。彼の顔が、私の顔に近づいた。そして──
「んっ……!?」
彼の唇が私の唇を啄んだ。彼が、私の舌を絡めとる。
何!? 何が起こったの!?
私の頭の中がパニックになる。気がつけば、彼の手は、私の服に伸びている。彼が私のシャツをはだけさせ、あっという間にブラジャーに包まれた私の胸があらわとなった。そこで、パニックになっていた私の頭が冷静になる。
「何してるのよ、変態!」
私は、自由になった手で、彼の胸板をポカポカと叩く。しかし、彼の行動が止まることは無い。あっという間に、ブラジャーとショーツ、仮面とストッキングのみの状態となった。
「着痩せするタイプ? 結構、グラマラスだね」
「セクハラよ! 離して!」
手と足を暴れさせ、抵抗するが、やっぱり彼はピクリともしない。彼はスマートな手つきで、私の仮面をササッと取った。
ああっ! ヤバい。
私は慌てて顔を隠す。怪盗なのに、本当の顔を敵に晒すなんて、私のプライドが許さない。とはいえ、私のその腕も儚くて。彼の腕が、私の手をがしりと掴む。
彼の眼前に、私の顔が晒される。私の顔を一目見て、彼の顔が一瞬固まった。今まで余裕ある顔だったのに、いきなり、心を乱れた表情を見せた彼。私は、怪訝に思う。
「な、なによ、私の顔に何かついているの?」
「いや、そうじゃないけど……君が想像以上に可愛くて」
「は? 意味わかんない!」
「ははは、顔が赤い」
「うるさい!」
私は頬をふくらませた。確かに私は可愛い。それは認める。異性から「可愛い」と言われても、仕方がない。でも、こんな時に、こんな怪しい男に言われるとか、不信感しかない。
「ああ……マジで可愛い」
彼が、私の体を抱きしめる。そして、そのまま、お姫様抱っこで私の体を抱えあげた。
「はーーなーーしーーてっ!」
暴れる私。しかし、彼は飄々とした態度で私に向かう。1歩、1歩、また1歩。彼は私を抱えたまま、歩みを進める。着いた先は脱衣所であった。ガラス張りの浴室の中には、バラの花が浮いたジャグジーが見える。
私は、地に降ろされる。それと同時に、私は素早く彼から逃れ、部屋から出ようとした。しかし、ドアノブに手をかけた瞬間、彼の腕が私の腕を掴んだ。そして、私の体を抱きしめる。
「丸腰の君が、今の僕から逃げられると思う?」
耳元で囁かれ、私は無言を貫いてしまう。正直、無理だ。彼はなかなかのやり手である。武器を持っていたとしても、やっと同等で戦えるくらい。そんな彼に囚われている。正直、彼に従う他ない。それは分かっている。だけど……
「ふんっ」
私のプライドが「逃げられない」という事実を認めたくないのだ。そんな様子を見て、男がクスリと笑う。
「可愛い君にひとつ提案だ。今から、僕の言うことを聞く。そうしたら、君のこと逃がしてあげる」
「……あんたの言葉を、信用出来るわけないでしょう。嫌よ」
「でも、君に今、何か出来ることはあるのかい? 逃げるためには、僕を何とかしなきゃならないわけだけど」
沈黙になってしまう私。彼がこれからしようとしていることを、予想できない訳では無い。とはいえ、捕まって牢獄行きなんて、死んでもゴメンだ。
貞操の危機だけど、相手はイケメンだし。変態だけど、私好みの男だし。そんなふうに、ポジティブに考えるようにする。
「……分かった」
仕方がない。背に腹はかえられぬ。私が、渋々返事をすると、彼は、一瞬、子どものような満面の笑みを浮かべた後、「やった」と小さな歓喜の声をあげた。
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