【R18】アレで魔力供給をする世界に聖女として転移して、イケメン魔法使いに甘やかされる話

もなか@まいこ

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本編

エディートルト(18禁シーンなし)

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 エディートルトさんが来るなり、男たちの体が私の体から離れる。良かったと思う余裕なんてなかった。私は、体を縮こませながら、エディートルトさんを見る。彼は、スタスタと私の元へやってきた。そして、しゃがみこみ、私と目線を合わせる。


 「なんで……」


 思わず声を漏らす。エディートルトさんが、私の顔をクイッと掴む。彼の顔は、いつもの穏やかなものに戻っていた。


 「なんでだと思う? レディ」


 分からない。分かるはずもない。


 「アースさんはこのこと、知ってるんですか?」


 「さあ。彼もシールド破壊については調査してたみたいだし、気がついてるんじゃないかな」


 肩をすくめるエディートルトさん。そして、エディートルトさんは、ちらりと横目で扉の方を見た。扉は少し開いている。


 「なあ、そこにいるんだろう?」


 問いかけるエディートルトさん。誰にだろうと思うが、心当たりがある。私は、花弁に着いている緑色のアクセサリーを見る。アースさんの瞳の色に光るそれ。


 「なあ、いるんだろ? アース。マーティン」


 扉がゆっくりと開く。エディートルトさんが言う通り、アースさんとマーティンさんが現れた。アースさんが、私に駆け寄り、着ていた上着を私に被せた。私の素肌は、アースさんの上着により、隠される。


 「説明してもらおうか、エディ兄さん」


 アースさんが、エディートルトさんを見る。彼の声は、冷静だった。いや、正しくは、冷静を装っていると言った方が正しいのかもしれない。彼の瞳の奥には、怒りと戸惑いが見えたから。

 「ごめんね、アース」


 対する、エディートルトさんは、いつも通りだった。彼が何を考えているか、分からない。


 「まあ、そうだね……もうバレてるだろうから、言っちゃおうか。俺がこの件の犯人──つまり、シールド破壊とミラ嬢誘拐の犯人だよ」


 その言葉を聞いた、アースさんは唇を噛み、悔しげな表情を浮かべた。


 「なんで……」


 「そうだね、色々理由はあるんだけど……アースに対する醜い嫉妬と報われない願望から、「この国なんてどうなってもいい」って思ったから……といったところかな……」


 顎をさすりながら、そう答えるエディートルトさん。その余裕ある姿は、とても嫉妬深そうな男には見えない。


 「兄さんだって優秀じゃないか」


 「ああ、優秀さ。魔術師としての才は君の方が上だが、俺の方が頭がいいし、モテるし、人望も厚い」


 「なら、なんで……」


 「そうだな……それよりもいいものをアースが持ってたんだよ。君以外、誰にも貰えないような、とてもいいものがね……」


 彼は、肩を竦めながら、そう答える。そして、彼はちらりと一瞬、ララさんの方を見た。その視線は、どこか切なげで。その瞬間、ひとつの仮説が浮かび上がる。


 アースさんしか貰えない、とてもいいもの……それって、もしかして、ララさんの心? ララさんは確か、アースさんに想いを寄せていた。そんな彼女のことを、彼は愛していたのか。ではなぜ、エディートルトさんは、ララさんと向き合う時にだけ、冷たくなるのだろう……?


 「ララ・ミスリル。お前の動機は?」


 今度は、ララさんに問うアースさん。ララさんも、彼の尋問にたじろぐことなく、凛々しい態度で、彼に向かう。


 「私も同じような理由よ。最初は報われない恋に対する衝動。その後は醜い嫉妬」


 ……なるほど。ララさんは、アースさんに対して……。心がズキンと痛む。


 「……黒幕がエディ兄さん。実行がララ・ミスリルか?」


 「ああ」


 「……あっさりと白状したな……」


 アースさんが、顎に手を当てる。何かを考えるようなその様子に、不安を感じる。そして、彼はチラリと横目でエディートルトさんを見た。


 「何を企んでるんだ?」


 「……なにも?」


 本心を包み隠すようなその笑み。私でも、わかる。何かを企んでいるんだろうということは。奥の手でもあるのか。


 パタパタと外から音が聞こえる。


 「援軍だよ。マーティンが、魔術師部隊の人間に、ミラ誘拐の犯人がここにいるって、伝えてくれたんだ」


 アースさんが、私に向かって静かにつぶやく。騒がしい声は、どれもどこかで聞いた声で。開いたドアから、見た事のある顔の魔術師たちがゾロゾロと入ってきた。魔術師たちは、アースさんに睨みつけられるエディートルトさんとララさんの姿を見るなり、目を丸くする。そして、小さな声でコソコソと話し始めた。彼らにとっても、犯人の正体は意外だったらしい。


 クスクスとエディートルトさんが、小さく笑った。そして、アースさんを見る。


 「ねえ、アース。シールドの破壊ってどうやったと思う?」


 「教えてくれるのか?」


 「まあね。可愛い弟だしね。ところで、弟よ。私の研究の専門分野は?」


 「魔物研究」


 「正解。さらにいうなれば、俺は天才研究者なわけだし。魔物について熟知しているわけだ。魔物を自由自在に操る方法だってね……」


 彼は、一体、何を言いたいのだろう? 怪訝に思っていると、エディートルトさんの顔が、ゆっくりと真顔になった。その顔は、般若のような顔よりも恐ろしい。


 「魔物を強化することだって、魔物を自由自在に発現させる方法だって知ってるんだ」


 そう言って、彼は懐からガラス玉を取り出す。危険を察したアースさんが、慌てて彼の元に駆け寄った。そして、そのガラス玉を取り上げようとする。しかし、その行動は間に合わなくて。


 エディートルトさんが、それを、地面に叩きつけた。叩きつけられたそれは、もくもくと煙をあげて、私たちの視界をおおった。視界を覆うそれが無くなった時。私たちの目の前にそびえ立っていたのは──


 「ま、魔物……?」


 天井を突き破る、巨大な魔物の姿であった。
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