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第一章 柊の木の呪い
幽神の法
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「危ないとこでした」
立石巌は目を覚ました僕に語りかけた。
「……立石さん、あの、ここはどこですか?」
「私の神社の母屋です」
どうもそうらしかった。僕は和室に敷かれた布団で寝かされていた。
「あの、立石さんは大丈夫だったんですか?」
「まあ、何とかかわせました。幽神の法で」
「その、ゆうしんのほうというのは、何なんですか?」
「わかりやすくいえば、忍者の代わり身の術のようなものです。実はあなたの家にいた私は幽神、つまり、私の使役する鬼が変化したものです」
僕は少し立石巌を見直した。
というか、顔に似合わないこの男の実力を少し見たような気がした。
つまり、この男は陰陽師のようなものなのだろうか?
「立石さんは陰陽師なんですか?」
僕は率直に聞いてみた。
「……陰陽師、確かに最近は流行っていますね。どちらかとうともう少し歴史の古い『道術士』のようなものでしょうか?でも、ただの神社の神主なんですがね。昔は吉備の神主ならこういう法を使うのは当たり前だったのですが。この吉備の土地は鬼神『温羅』が治める土地でしたから」
いつものにこやかな笑顔で立石巌は語った。
「なるほど、何となくわかりました。それで私の家はどうなっているのですか?」
少し聞くのが怖かったが話を核心部分に戻した。
「そうですね。いつも通りです。表面上は―――」
立石巌はそこで言葉を切った。
「ですが、半分ぐらい常世に浸食されています。やはり、井戸を封じなければいけません。ですが、元々、井戸を封じていた魔除けの柊の木の封印が解けてしまってます。井戸に近づいたら、異界迷宮にとらわれて無限の夢の世界に迷い込んでしまいます」
「異界迷宮? あの夢に出てきたような世界ですか?」
「そうですね。そのようなものです。常世と現世、つまり、この世界のはざまにある世界です。落ちてしまったら、二度と出ることは叶いません。唯一、幽神の法のみが異界迷宮から脱出する手段となります」
「何となくですがわかってきました。だけど、魔除けの柊の木の封印は誰が作ったのですか?」
「それはわかりません。ただ、あなたの祖父も御崎神社の神主だったはずです」
意外な言葉を聞いたようなような気がした。
「僕の祖父は確かに御崎神社の神主ですが、そんなものがあったとは初耳です。大体、柊の木を切ってはいけないという遺言もなかったし困ったものですね」
そんな厄介なものを我が家に封印した祖父を思って苦笑した。
「そのようです」
ともかく、その日は立石巌の家で休むことにした。
母や家のことは気になるが、疲れからか、僕のまぶたはすぐに重くなっていった。
-----------あとがき---------------------------------------------------
これ短編のつもりが中編ぐらいになりそうですすね。
なるべく引っ張らずに、スパッと終わらせようと思ってますが。
立石巌は目を覚ました僕に語りかけた。
「……立石さん、あの、ここはどこですか?」
「私の神社の母屋です」
どうもそうらしかった。僕は和室に敷かれた布団で寝かされていた。
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「まあ、何とかかわせました。幽神の法で」
「その、ゆうしんのほうというのは、何なんですか?」
「わかりやすくいえば、忍者の代わり身の術のようなものです。実はあなたの家にいた私は幽神、つまり、私の使役する鬼が変化したものです」
僕は少し立石巌を見直した。
というか、顔に似合わないこの男の実力を少し見たような気がした。
つまり、この男は陰陽師のようなものなのだろうか?
「立石さんは陰陽師なんですか?」
僕は率直に聞いてみた。
「……陰陽師、確かに最近は流行っていますね。どちらかとうともう少し歴史の古い『道術士』のようなものでしょうか?でも、ただの神社の神主なんですがね。昔は吉備の神主ならこういう法を使うのは当たり前だったのですが。この吉備の土地は鬼神『温羅』が治める土地でしたから」
いつものにこやかな笑顔で立石巌は語った。
「なるほど、何となくわかりました。それで私の家はどうなっているのですか?」
少し聞くのが怖かったが話を核心部分に戻した。
「そうですね。いつも通りです。表面上は―――」
立石巌はそこで言葉を切った。
「ですが、半分ぐらい常世に浸食されています。やはり、井戸を封じなければいけません。ですが、元々、井戸を封じていた魔除けの柊の木の封印が解けてしまってます。井戸に近づいたら、異界迷宮にとらわれて無限の夢の世界に迷い込んでしまいます」
「異界迷宮? あの夢に出てきたような世界ですか?」
「そうですね。そのようなものです。常世と現世、つまり、この世界のはざまにある世界です。落ちてしまったら、二度と出ることは叶いません。唯一、幽神の法のみが異界迷宮から脱出する手段となります」
「何となくですがわかってきました。だけど、魔除けの柊の木の封印は誰が作ったのですか?」
「それはわかりません。ただ、あなたの祖父も御崎神社の神主だったはずです」
意外な言葉を聞いたようなような気がした。
「僕の祖父は確かに御崎神社の神主ですが、そんなものがあったとは初耳です。大体、柊の木を切ってはいけないという遺言もなかったし困ったものですね」
そんな厄介なものを我が家に封印した祖父を思って苦笑した。
「そのようです」
ともかく、その日は立石巌の家で休むことにした。
母や家のことは気になるが、疲れからか、僕のまぶたはすぐに重くなっていった。
-----------あとがき---------------------------------------------------
これ短編のつもりが中編ぐらいになりそうですすね。
なるべく引っ張らずに、スパッと終わらせようと思ってますが。
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