4 / 12
第1章
始まりの記憶
しおりを挟む
「アハハハハッ!巴瑠そんな事うちにしてたん?まぁ、付き合ってるからいいんだよそういうのは怒らなくて!」
そう言った後もあははと高笑いは続く。私は昨日の出来事を改めて、お昼休み屋上のベンチに座り、お弁当を食べながら菜摘と整理していた。整理っていう程でも無いけどさ。
それなのに、笑ってばっかりで!昨日の私のガチ切れが無駄に感じるよ、全く!
「だってさ!電車内っすよ?お宅さんいつからそんなにデレデレカップルに成り下がったんすか?」
私が、まるで調子こいた若手の会社員の様な口調で、菜摘に箸を向け言う。
「成り下がったっていうか、やっぱり俺は常に愛を感じていたいの~ん。そうしてくれる彼氏と付き合ってるってだけ!」
大きな口で唐揚げを食べながら菜摘は言った。んまぁ、そこらのリア充みたいな考えですこと。
「愛を感じていて構いませんが、周りの人に迷惑は掛けてはいけない!」
これは最もな意見を言った、と自分でも思う。だって昨日、あの後は・・・。
~昨日の電車内~
「優姫ちゃん君純粋なんだね?」
私はこの後顔が熱くなるのを感じながら、丁度菜摘と私の降りる駅に着いたので、菜摘のブラウスのボタンを丁寧に閉め、珍しく私が起こすと、菜摘は寝起きで訳が分からないまま巴瑠に手を振り、私と一緒に降りていった。
巴瑠は、私にも手を振っていたが、睨んで返してやった。
電車から出てほっと一息。
「今日は私が起こしてやったんだよ感謝してよね」
私は多少、怒りを含んだ声で、そう言った。少しは感謝して欲しかった。
「んなわけないわ、巴瑠でしょう?」
寝起きで確信もねぇくせに信じてねぇよこいつ・・・!
そんときこれ以上言葉を発するとまた第2の噴火が起こりそうだったので、まるで縫い付けられたように口をきゅっと噤み、駅のホームから出ていったのだった。
「はぁ~ん、本当に起こしてくれたの優姫だったんかぁ?いやぁ、今日も土砂降りだね!」
自分で言ったことに自分で腹を抱え笑っている。くそぅ、悔しい。私は唇を強く噛んで、菜摘を睨んだ。
あ、でも・・・。
「巴瑠、私達より前の駅で降りるんだよね?」
「うん、さり気なく呼び捨てくれてるね。そうだよ?」
呼び捨てはスルーして。
「付いてきてくれたってのは、少し優しいかもね」
本当小声でそう言った。すぐに、ご飯で言葉を濁す。しかし菜摘には完璧に聞こえていた様で、にまぁと笑っていた。
?.。.:*・゚ ?.。.:*・゚ ?.。.:*・゚ ?.。.:*・゚
5限と6限はあっという間に終わり、その間ずっと巴瑠と菜摘の事を考えていた私は自分でも気持ち悪いほどだと思った。
「だって気になるじゃん!私のただ1人の親友の恋模様くらい知りたいんだよぉ~!!」
授業が終わったのにも関わらず、私は自分の机に伏せって、上の様な言い訳を頭の中に思い浮かべてはジタバタと暴れていた。
「え、榎本さんどうしたの?」
少し引き気味だが、私のそんな様子を見て、心配してくれたのか声を掛けてくれた鄒。ていうか、まだ居たんだ。
顔を上げると、まだ数人、人がいる。菜摘はいないね。
「ただジタバタしてただけだよ・・・、なんでもないさ」
ふっ・・・、とか言って苦笑を浮かべた。
「え、親友の恋模様とかなんとかは?」
ピシャーン
私の背後に電が走る。まさかの声に出てました?そう問うと。
「うん、バッチリと!」
私はここで安堵の息を漏らした。あぁ~、菜摘がいたら色々ヤバかった気がする。
色々がなんなのかは察して欲しい。
「考えている事が声に出てしまうタイプだとは自分でも知らんかった」
やれやれと頭を抱える。本当にめんどくさい奴だな俺は。
「まぁ、よく分かんないけど頑張ってね!」
そう言い残して、鄒は颯爽と教室を出ていった。すると、あと残っているのは私だけ。1人ぼっち。
あーぁ、考えていても始まんないなぁ。こんなに重く捉えなきゃいいのに、それが出来ないんだよなぁ。
今日は部活をサボる事にして、橙に染められていく教室から、夕日を眺め、蒸し暑い中1人でゆっくり考えてから帰ろうと決めた。
「菜摘・・・、ごめんよ」
散々考え切った挙句、疲れ果てて、うわ言のように菜摘に部活をサボった事に対する謝罪を述べる。
とぼとぼと暗くなり始めた廊下を歩きながら、スマホを取り出し、LINEを打った。
優姫〔部活行かなくてごめんよ!〕
返信はすぐだった。もう終わっているのか、休憩中か。
菜摘〔許さん〕
優姫〔まぁそう言うな(泣)〕
本当に泣きそうだった。フルに脳を使った私は、疲れから、病み気味になっていたのだ。
菜摘〔体調悪かったの?〕
そんな所・・・、と打とうとしたら、急にスマホが私の手から飛んだ。大きく右に弾け飛ばされたのだ。
「なっ・・・!?」
驚きの余り硬直して、犯人を確認するのを忘れる。歪んだ表情で、前を向くと、そこには学校1の問題児(同じクラスだけどいつも授業出てない)、坤 五十鈴が立っていた。通称ひつじって呼ばれていて、不良仲間からは親しまれているが、女子からは1歩離れて怖がられている存在だ。
最悪じゃん・・・、絶対お前がぶつかったとか言われて責任突きつけられるパターンだよ。
遂にひつじが口を開く。あぁ、何を言われる。なんであろうと死刑宣告の様なものだ。
目をきゅっと瞑り、スクールバッグを頭の上で構える。
「お前・・・」
「は、はいっ!」
出たよ。こういう時に大きなあの態度が出せない俺。結局は、弱いんだ。
「悪かったな」
彼の口から出た言葉は意外そのもの。まさか謝ってくれるとは!
それだけでも充分満足なのに、スマホも拾ってくれた。なんだよ、常人の感覚持ってんじゃん?
「いーのいーの」
私は余裕を感じ、内心喜びながら、そんな素っ気ない言葉でひつじとの会話を締めた。
すたすたと、出来るだけ早くその場を立ち去ろうと早足で歩く。
背中がじりじりと暑いのは、夏のせいなのだろうか。
そう言った後もあははと高笑いは続く。私は昨日の出来事を改めて、お昼休み屋上のベンチに座り、お弁当を食べながら菜摘と整理していた。整理っていう程でも無いけどさ。
それなのに、笑ってばっかりで!昨日の私のガチ切れが無駄に感じるよ、全く!
「だってさ!電車内っすよ?お宅さんいつからそんなにデレデレカップルに成り下がったんすか?」
私が、まるで調子こいた若手の会社員の様な口調で、菜摘に箸を向け言う。
「成り下がったっていうか、やっぱり俺は常に愛を感じていたいの~ん。そうしてくれる彼氏と付き合ってるってだけ!」
大きな口で唐揚げを食べながら菜摘は言った。んまぁ、そこらのリア充みたいな考えですこと。
「愛を感じていて構いませんが、周りの人に迷惑は掛けてはいけない!」
これは最もな意見を言った、と自分でも思う。だって昨日、あの後は・・・。
~昨日の電車内~
「優姫ちゃん君純粋なんだね?」
私はこの後顔が熱くなるのを感じながら、丁度菜摘と私の降りる駅に着いたので、菜摘のブラウスのボタンを丁寧に閉め、珍しく私が起こすと、菜摘は寝起きで訳が分からないまま巴瑠に手を振り、私と一緒に降りていった。
巴瑠は、私にも手を振っていたが、睨んで返してやった。
電車から出てほっと一息。
「今日は私が起こしてやったんだよ感謝してよね」
私は多少、怒りを含んだ声で、そう言った。少しは感謝して欲しかった。
「んなわけないわ、巴瑠でしょう?」
寝起きで確信もねぇくせに信じてねぇよこいつ・・・!
そんときこれ以上言葉を発するとまた第2の噴火が起こりそうだったので、まるで縫い付けられたように口をきゅっと噤み、駅のホームから出ていったのだった。
「はぁ~ん、本当に起こしてくれたの優姫だったんかぁ?いやぁ、今日も土砂降りだね!」
自分で言ったことに自分で腹を抱え笑っている。くそぅ、悔しい。私は唇を強く噛んで、菜摘を睨んだ。
あ、でも・・・。
「巴瑠、私達より前の駅で降りるんだよね?」
「うん、さり気なく呼び捨てくれてるね。そうだよ?」
呼び捨てはスルーして。
「付いてきてくれたってのは、少し優しいかもね」
本当小声でそう言った。すぐに、ご飯で言葉を濁す。しかし菜摘には完璧に聞こえていた様で、にまぁと笑っていた。
?.。.:*・゚ ?.。.:*・゚ ?.。.:*・゚ ?.。.:*・゚
5限と6限はあっという間に終わり、その間ずっと巴瑠と菜摘の事を考えていた私は自分でも気持ち悪いほどだと思った。
「だって気になるじゃん!私のただ1人の親友の恋模様くらい知りたいんだよぉ~!!」
授業が終わったのにも関わらず、私は自分の机に伏せって、上の様な言い訳を頭の中に思い浮かべてはジタバタと暴れていた。
「え、榎本さんどうしたの?」
少し引き気味だが、私のそんな様子を見て、心配してくれたのか声を掛けてくれた鄒。ていうか、まだ居たんだ。
顔を上げると、まだ数人、人がいる。菜摘はいないね。
「ただジタバタしてただけだよ・・・、なんでもないさ」
ふっ・・・、とか言って苦笑を浮かべた。
「え、親友の恋模様とかなんとかは?」
ピシャーン
私の背後に電が走る。まさかの声に出てました?そう問うと。
「うん、バッチリと!」
私はここで安堵の息を漏らした。あぁ~、菜摘がいたら色々ヤバかった気がする。
色々がなんなのかは察して欲しい。
「考えている事が声に出てしまうタイプだとは自分でも知らんかった」
やれやれと頭を抱える。本当にめんどくさい奴だな俺は。
「まぁ、よく分かんないけど頑張ってね!」
そう言い残して、鄒は颯爽と教室を出ていった。すると、あと残っているのは私だけ。1人ぼっち。
あーぁ、考えていても始まんないなぁ。こんなに重く捉えなきゃいいのに、それが出来ないんだよなぁ。
今日は部活をサボる事にして、橙に染められていく教室から、夕日を眺め、蒸し暑い中1人でゆっくり考えてから帰ろうと決めた。
「菜摘・・・、ごめんよ」
散々考え切った挙句、疲れ果てて、うわ言のように菜摘に部活をサボった事に対する謝罪を述べる。
とぼとぼと暗くなり始めた廊下を歩きながら、スマホを取り出し、LINEを打った。
優姫〔部活行かなくてごめんよ!〕
返信はすぐだった。もう終わっているのか、休憩中か。
菜摘〔許さん〕
優姫〔まぁそう言うな(泣)〕
本当に泣きそうだった。フルに脳を使った私は、疲れから、病み気味になっていたのだ。
菜摘〔体調悪かったの?〕
そんな所・・・、と打とうとしたら、急にスマホが私の手から飛んだ。大きく右に弾け飛ばされたのだ。
「なっ・・・!?」
驚きの余り硬直して、犯人を確認するのを忘れる。歪んだ表情で、前を向くと、そこには学校1の問題児(同じクラスだけどいつも授業出てない)、坤 五十鈴が立っていた。通称ひつじって呼ばれていて、不良仲間からは親しまれているが、女子からは1歩離れて怖がられている存在だ。
最悪じゃん・・・、絶対お前がぶつかったとか言われて責任突きつけられるパターンだよ。
遂にひつじが口を開く。あぁ、何を言われる。なんであろうと死刑宣告の様なものだ。
目をきゅっと瞑り、スクールバッグを頭の上で構える。
「お前・・・」
「は、はいっ!」
出たよ。こういう時に大きなあの態度が出せない俺。結局は、弱いんだ。
「悪かったな」
彼の口から出た言葉は意外そのもの。まさか謝ってくれるとは!
それだけでも充分満足なのに、スマホも拾ってくれた。なんだよ、常人の感覚持ってんじゃん?
「いーのいーの」
私は余裕を感じ、内心喜びながら、そんな素っ気ない言葉でひつじとの会話を締めた。
すたすたと、出来るだけ早くその場を立ち去ろうと早足で歩く。
背中がじりじりと暑いのは、夏のせいなのだろうか。
0
あなたにおすすめの小説
ヤクザのお嬢は25人の婚約者に迫られてるけど若頭が好き!
タタミ
恋愛
関東最大の極道組織・大蛇組組長の一人娘である大蛇姫子は、18歳の誕生日に父から「今年中に必ず結婚しろ」と命じられる。
姫子の抵抗虚しく、次から次へと夫候補の婚約者(仮)が現れては姫子と見合いをしていくことに。
しかし、姫子には子どもの頃からお目付け役として世話をしてくれている組員・望月大和に淡い恋心を抱き続けていて──?
全25人の婚約者から真実の愛を見つけることはできるのか!?今、抗争より熱い戦いの幕が上がる……!!
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
一条さん結婚したんですか⁉︎
あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎
嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡
((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜
⭐︎本編は完結しております⭐︎
⭐︎番外編更新中⭐︎
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
籠の鳥〜見えない鎖に囚われて✿❦二人の愛から…逃れられない。
クラゲ散歩
恋愛
私。ユリアナ=オリーブ(17)は、自然豊かなオータム国にあるグローパー学院に在籍している。
3年生になって一ヶ月が経ったある日。学院長に呼ばれた。技術と魔術の発展しているフォール国にある。姉妹校のカイト学院に。同じクラスで3年生の男子3名と女子3名(私を含め)。計6名で、半年の交換留学をする事になった。
ユリアナは、気楽な気持ちで留学をしたのだが…まさか学院で…あの二人に会うなんて。これは…仕組まれていたの?幼い頃の記憶。
「早く。早く。逃げなきゃ。誰か〜私を…ここから…。」
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる