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12 散らない花と永遠の想い
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「ルカスを出せ!ルカスは私が見つけたんだ!誰にも渡さん!」
手、足、首に重い魔法封じをはめられ、本人とその部屋、牢屋全体に防御結界を張られ、さすがにエカリオンでも破れなかった。
元々魔力が多いルカスを遥かに上回り、制御の為強制的に帝国に留学させられたが、魔法士の第一人者になり、ティアドラ国の防御と侵入国の撃退の要になる筈だった。本人がティアドラ国と帝国の国境関から城の門まで単独で破壊してしまったが。
「エカリオン様、ルカス様の洗脳を解いて下さるなら会えますが」
ダニエルはエカリオンの一歩も引かない気迫と自信に手をこまねいていた。
「洗脳などしてない!ルカスは心から私に従っている。私と共に有る事を望んでいる。ルカスに聞いてみろ!早く私達を放せ!」
防御壁の中でエカリオンの魔力が暴走して渦を巻いている。
「あの子が、一人で泣いている!早く行かねば!私がいないと何もできないんだ!」
「そんな事は無い。もうルカス様は大人だ。皇帝陛下の伴侶を立派に務められる。貴方はもう、ルカス様を自由にさせてあげるべきだ」
「ルカスは今までも自由に生きて来た!お前達が後宮に押し込めようとしたから出て行ったんだ!」
エカリオンが自分にかかる防護壁を破ろうと四方八方に魔力を飛ばしたので、ダニエルは更に強化させ、禁術で昏倒させるしかなかった。
「なかなか、強情なお方だなあ」
ダニエルが地下の牢屋から魔法師団の建物へ戻ると、ノアが待っていた。
「お手柄だったなあ、ノア魔法士!陛下からお礼でも届いた?」
「はい、特別手当が倍になりました」
「よかったねえ」
ノアはアウグスタの望みを聞いて、ルカスを追っていたのだ。
「あの、それで、副魔法師団長にお頼みしたい事がありまして」
「ん?何?」
「これをルカス様、いえ、陛下にお渡し願いたいのですが」
ノアは小さな包みを開けた。
ダニエルはそれが手にある些細を聞いてにっこり笑った。
「そりゃ、是非とも君が持っていくべきだよ。手当が更に倍になるか、給料が跳ね上がるかもよ?」
「えー、陛下に直接なんて、恐れ多くて怖いんですけど」
ノアはダニエルに「謁見申請通ったから!明日の朝食後、執務室に来いだって!」と軽く言われて一瞬気が遠くなった。
仕方無く、謁見用の正式な魔法士団員の制服を整え、眠れぬ夜を過ごし、朝ごはんは喉を通らず、緊張しきりで入室した。
アウグスタは直立したケイを横に置き、無表情で執務椅子に座って書類仕事をしていた。机の上は書類で一杯だ。
「失礼します」
ノアは一礼した後ずっと手に持っていた包みをそろそろと掲げて机に置いた。
「これは?」
中には、花のブローチがあった。銀の縁の花弁に琥珀がはめ込まれている。
「それは、花祭り当日、ルカス様が是非ともと購入を希望されたものの、叶わなかったものです。皇帝陛下から、お渡し下さいませんか?」
アウグスタは無言でそれを手に取った。
「これを、ルカスが?」
「はい。商人の話によれば持ち合わせのお金を全部出されたそうです。ただ、エカリオン様に阻まれてやむ無く断念なさったと」
「そうか、そうか」
振り絞る様な声にアウグスタの顔を見ない様に下を向いていたノアは顔を上げた。
アウグスタは泣き笑いの様な顔をしていた。
「ルカスは、まだ、私の事を想ってくれていたと、自惚れていいのか?」
ノアは頷いた。
「ルカス様にお尋ねになって下さい。きっと陛下のお気持ちは伝わります」
アウグスタが後宮へ行くと共通の居間では、ルカスとミルバは一緒に朝食を食べ終えた所だった。
カミツレは朝の練習をしに舞踏場へ行っているのでこの場にはいない。
2人は慌てて立ち上がって挨拶しようとして、アウグスタに止められた。
「私にも紅茶を」と侍女に命じると、ミルバとルカスの間に座った。
「ミルバの事は思い出したか?」
「はい、歌と楽器の神様でしょう?カリエンテの花祭りで、女の子達が演奏してるのを見て、あの二人ならなあって思い出したんです。実際にミルバとカミツレが、演奏して踊ってくれたのを見たら、はっきりしました」
僕ってなんでこんなに忘れてたんだろう。思ったより薄情な人間だったんだな。
「おや、アウグスタ様、妬かないで?僕達の方が付き合い長いんだから、当たり前です」
ミルバがおどけて得意そうに言った。
アウグスタがふっと笑って
「お前には敵わないな、早く楽器の練習に行け」
「はーい、お邪魔しませんよぉ」
「え、もう行っちゃうの?」
僕は取り残される不安でオロオロした。
「うん、アウグスタ様、ルカスと話したいみたい。聞いてあげて?僕は音楽院に行くから、次はおやつの時間にね」
ミルバは僕の手をぎゅっと握ってくれた。
「約束だよ?」
「うん」
ミルバは僕の頬に軽くキスすると、アウグスタに物言いたげな視線を送ってから去って行った。
「僕がいない間に、ミルバは音楽院に行くようになったんですね。帝国最高峰の学院でミルバは首位を保ってるって凄いです。
いいなあ、僕も学校へ行ってみたかった。何も特技は無いけど」
学校より、生きる事で精一杯だったからなあ。
「今度、ミルバを見学に行こうか?馬車で行けば近い」
「ミルバの学校、見てみたいです。でも」
「でも?」
僕には、先生が、いたんだ。先生がいたなら、学校は、要らない…?
「僕は先生とザルツガルドへ行かないと。カリエンテもハウヴァハーン帝国になったら危ないし」
「カリエンテを攻略する予定は無い。ザルツガルドだと?コルドハに居住していたのではないのか?」
「コルドハは花の国で、僕は良く魔法でお仕事したよ。家は無くて、あちこち宿に泊まってた」
「ルカス、ここに居て良いんだ。ここに居てくれ」
「でも、先生は」
言ってて悲しくなってきた。先生といて楽しかったはずなのに。
この人を置いて行って良いの?
アウグスタはポケットから小さな包みを出した。
「ルカス、お前が欲しがっていた物を手に入れた。貰ってくれるか?」
大きな手なのに、繊細に摘み上げ、僕の手のひらを上に向けてそこに置いた。
僕の欲しがった物?
きらりと光る、それを見て息を呑んだ。
琥珀の花のブローチだ!
「あ、これ、花祭りで見て、そう、凄く欲しくなって、だって、この色まるで」
アウグスタが優しい目で僕を見つめていた。
そう、そうなんだ。
「貴方と同じ目の色だったし、周りの銀色が髪の色と似てて…僕、僕、貴方の事考えないように、忘れるようにしてたのに」
涙が溢れてきて止まらなくなった。
「今更、ですよね?愛されてるって思ってなかった。同情と物珍しさで養ってくれてると、思ってた。飽きたら捨てられるって。だから、魔法士になって、一人でも生きていけるって」
僕は立ち上がって、いたたまれなくて部屋から出て行こうとした。
「私はルカスを余計に不安にさせていたのか」
アウグスタはすぐに僕の手を取って引き寄せた。
「僕が勝手に思い込んでいただけ。実際はエカリオンに変えただけで、一人では生きていけなくて。でも、ごめんなさい、僕、エカリオンに、兄なのに、捨てられたくなくて、身体も許してた」
「言うな、もう良いんだ、気にするな。ルカス、それでも私はルカスを愛してる。私の側にいろ。お前を酷い目に合わせたエカリオンには二度と渡さない」
僕達は抱き合った。アウグスタの体温、匂い、どうして忘れてたんだろう。
「僕も貴方のそばにいたい。貴方は僕を認めてくれた。自由にさせてくれた。感謝しています」
やっと僕は心から口にした。
「貴方を愛しています」
「ルカス、私もお前を愛している」
アウグスタは僕の額にキスした。
あれ?口じゃ無いの?と思ってしまったらニヤッと笑った。
「口だと止まれないから、今はこれで我慢する。お前の傷と記憶が完治するまでは抱かない」
「アウグスタ様はお優しいですね」
「お前と会った時はそうは思わなかっただろう?」
「え、ええと」
「正直に」
「はい、でも、アウグスタ様だけじゃ無くみんな怖かったです」
「そうだな。でも、私はお前の目に惹かれた」
「僕は小さくて見窄らしかったって」
「それは最初に思った。話に聞いていた通り、忘れ去られた第4王子とすぐわかった。が、目は高貴な宝石のように輝いて見えた。自分を卑下せず、真っ直ぐに私を見た紫の目に、惹かれたんだ」
今度は両瞼にキスされた。僕は当時のことを思い出して真っ赤になった。
「死ぬか生きるか、この人に託さねばならなかったから、必死に見定めていた。今までせっかく先生のお陰で生き抜いたのに、これで殺されたら堪らないと思ってたんです」
そうだった、僕は先生に…エカリオンに。
「エカリオンに会いたい。あって直接話したい」
「駄目だ!危険だ!お前を見たら何としても手に入れようとするだろう」
僕はアウグスタを安心させようと自信を持って笑顔になった。
「僕がエカリオンに囚われていた以上に、彼は僕に囚われている。お互いの為に、離れるべきなんです。僕がエカリオンを説得します」
手、足、首に重い魔法封じをはめられ、本人とその部屋、牢屋全体に防御結界を張られ、さすがにエカリオンでも破れなかった。
元々魔力が多いルカスを遥かに上回り、制御の為強制的に帝国に留学させられたが、魔法士の第一人者になり、ティアドラ国の防御と侵入国の撃退の要になる筈だった。本人がティアドラ国と帝国の国境関から城の門まで単独で破壊してしまったが。
「エカリオン様、ルカス様の洗脳を解いて下さるなら会えますが」
ダニエルはエカリオンの一歩も引かない気迫と自信に手をこまねいていた。
「洗脳などしてない!ルカスは心から私に従っている。私と共に有る事を望んでいる。ルカスに聞いてみろ!早く私達を放せ!」
防御壁の中でエカリオンの魔力が暴走して渦を巻いている。
「あの子が、一人で泣いている!早く行かねば!私がいないと何もできないんだ!」
「そんな事は無い。もうルカス様は大人だ。皇帝陛下の伴侶を立派に務められる。貴方はもう、ルカス様を自由にさせてあげるべきだ」
「ルカスは今までも自由に生きて来た!お前達が後宮に押し込めようとしたから出て行ったんだ!」
エカリオンが自分にかかる防護壁を破ろうと四方八方に魔力を飛ばしたので、ダニエルは更に強化させ、禁術で昏倒させるしかなかった。
「なかなか、強情なお方だなあ」
ダニエルが地下の牢屋から魔法師団の建物へ戻ると、ノアが待っていた。
「お手柄だったなあ、ノア魔法士!陛下からお礼でも届いた?」
「はい、特別手当が倍になりました」
「よかったねえ」
ノアはアウグスタの望みを聞いて、ルカスを追っていたのだ。
「あの、それで、副魔法師団長にお頼みしたい事がありまして」
「ん?何?」
「これをルカス様、いえ、陛下にお渡し願いたいのですが」
ノアは小さな包みを開けた。
ダニエルはそれが手にある些細を聞いてにっこり笑った。
「そりゃ、是非とも君が持っていくべきだよ。手当が更に倍になるか、給料が跳ね上がるかもよ?」
「えー、陛下に直接なんて、恐れ多くて怖いんですけど」
ノアはダニエルに「謁見申請通ったから!明日の朝食後、執務室に来いだって!」と軽く言われて一瞬気が遠くなった。
仕方無く、謁見用の正式な魔法士団員の制服を整え、眠れぬ夜を過ごし、朝ごはんは喉を通らず、緊張しきりで入室した。
アウグスタは直立したケイを横に置き、無表情で執務椅子に座って書類仕事をしていた。机の上は書類で一杯だ。
「失礼します」
ノアは一礼した後ずっと手に持っていた包みをそろそろと掲げて机に置いた。
「これは?」
中には、花のブローチがあった。銀の縁の花弁に琥珀がはめ込まれている。
「それは、花祭り当日、ルカス様が是非ともと購入を希望されたものの、叶わなかったものです。皇帝陛下から、お渡し下さいませんか?」
アウグスタは無言でそれを手に取った。
「これを、ルカスが?」
「はい。商人の話によれば持ち合わせのお金を全部出されたそうです。ただ、エカリオン様に阻まれてやむ無く断念なさったと」
「そうか、そうか」
振り絞る様な声にアウグスタの顔を見ない様に下を向いていたノアは顔を上げた。
アウグスタは泣き笑いの様な顔をしていた。
「ルカスは、まだ、私の事を想ってくれていたと、自惚れていいのか?」
ノアは頷いた。
「ルカス様にお尋ねになって下さい。きっと陛下のお気持ちは伝わります」
アウグスタが後宮へ行くと共通の居間では、ルカスとミルバは一緒に朝食を食べ終えた所だった。
カミツレは朝の練習をしに舞踏場へ行っているのでこの場にはいない。
2人は慌てて立ち上がって挨拶しようとして、アウグスタに止められた。
「私にも紅茶を」と侍女に命じると、ミルバとルカスの間に座った。
「ミルバの事は思い出したか?」
「はい、歌と楽器の神様でしょう?カリエンテの花祭りで、女の子達が演奏してるのを見て、あの二人ならなあって思い出したんです。実際にミルバとカミツレが、演奏して踊ってくれたのを見たら、はっきりしました」
僕ってなんでこんなに忘れてたんだろう。思ったより薄情な人間だったんだな。
「おや、アウグスタ様、妬かないで?僕達の方が付き合い長いんだから、当たり前です」
ミルバがおどけて得意そうに言った。
アウグスタがふっと笑って
「お前には敵わないな、早く楽器の練習に行け」
「はーい、お邪魔しませんよぉ」
「え、もう行っちゃうの?」
僕は取り残される不安でオロオロした。
「うん、アウグスタ様、ルカスと話したいみたい。聞いてあげて?僕は音楽院に行くから、次はおやつの時間にね」
ミルバは僕の手をぎゅっと握ってくれた。
「約束だよ?」
「うん」
ミルバは僕の頬に軽くキスすると、アウグスタに物言いたげな視線を送ってから去って行った。
「僕がいない間に、ミルバは音楽院に行くようになったんですね。帝国最高峰の学院でミルバは首位を保ってるって凄いです。
いいなあ、僕も学校へ行ってみたかった。何も特技は無いけど」
学校より、生きる事で精一杯だったからなあ。
「今度、ミルバを見学に行こうか?馬車で行けば近い」
「ミルバの学校、見てみたいです。でも」
「でも?」
僕には、先生が、いたんだ。先生がいたなら、学校は、要らない…?
「僕は先生とザルツガルドへ行かないと。カリエンテもハウヴァハーン帝国になったら危ないし」
「カリエンテを攻略する予定は無い。ザルツガルドだと?コルドハに居住していたのではないのか?」
「コルドハは花の国で、僕は良く魔法でお仕事したよ。家は無くて、あちこち宿に泊まってた」
「ルカス、ここに居て良いんだ。ここに居てくれ」
「でも、先生は」
言ってて悲しくなってきた。先生といて楽しかったはずなのに。
この人を置いて行って良いの?
アウグスタはポケットから小さな包みを出した。
「ルカス、お前が欲しがっていた物を手に入れた。貰ってくれるか?」
大きな手なのに、繊細に摘み上げ、僕の手のひらを上に向けてそこに置いた。
僕の欲しがった物?
きらりと光る、それを見て息を呑んだ。
琥珀の花のブローチだ!
「あ、これ、花祭りで見て、そう、凄く欲しくなって、だって、この色まるで」
アウグスタが優しい目で僕を見つめていた。
そう、そうなんだ。
「貴方と同じ目の色だったし、周りの銀色が髪の色と似てて…僕、僕、貴方の事考えないように、忘れるようにしてたのに」
涙が溢れてきて止まらなくなった。
「今更、ですよね?愛されてるって思ってなかった。同情と物珍しさで養ってくれてると、思ってた。飽きたら捨てられるって。だから、魔法士になって、一人でも生きていけるって」
僕は立ち上がって、いたたまれなくて部屋から出て行こうとした。
「私はルカスを余計に不安にさせていたのか」
アウグスタはすぐに僕の手を取って引き寄せた。
「僕が勝手に思い込んでいただけ。実際はエカリオンに変えただけで、一人では生きていけなくて。でも、ごめんなさい、僕、エカリオンに、兄なのに、捨てられたくなくて、身体も許してた」
「言うな、もう良いんだ、気にするな。ルカス、それでも私はルカスを愛してる。私の側にいろ。お前を酷い目に合わせたエカリオンには二度と渡さない」
僕達は抱き合った。アウグスタの体温、匂い、どうして忘れてたんだろう。
「僕も貴方のそばにいたい。貴方は僕を認めてくれた。自由にさせてくれた。感謝しています」
やっと僕は心から口にした。
「貴方を愛しています」
「ルカス、私もお前を愛している」
アウグスタは僕の額にキスした。
あれ?口じゃ無いの?と思ってしまったらニヤッと笑った。
「口だと止まれないから、今はこれで我慢する。お前の傷と記憶が完治するまでは抱かない」
「アウグスタ様はお優しいですね」
「お前と会った時はそうは思わなかっただろう?」
「え、ええと」
「正直に」
「はい、でも、アウグスタ様だけじゃ無くみんな怖かったです」
「そうだな。でも、私はお前の目に惹かれた」
「僕は小さくて見窄らしかったって」
「それは最初に思った。話に聞いていた通り、忘れ去られた第4王子とすぐわかった。が、目は高貴な宝石のように輝いて見えた。自分を卑下せず、真っ直ぐに私を見た紫の目に、惹かれたんだ」
今度は両瞼にキスされた。僕は当時のことを思い出して真っ赤になった。
「死ぬか生きるか、この人に託さねばならなかったから、必死に見定めていた。今までせっかく先生のお陰で生き抜いたのに、これで殺されたら堪らないと思ってたんです」
そうだった、僕は先生に…エカリオンに。
「エカリオンに会いたい。あって直接話したい」
「駄目だ!危険だ!お前を見たら何としても手に入れようとするだろう」
僕はアウグスタを安心させようと自信を持って笑顔になった。
「僕がエカリオンに囚われていた以上に、彼は僕に囚われている。お互いの為に、離れるべきなんです。僕がエカリオンを説得します」
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