香菜さんの男子禁制酒場

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性被害をポルノとして消費する男たち(3)

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ただ、だったらなぜテーブル席に座らないのだろう。
 そこが気になりつつ香菜さんは、ビールとあったかい番茶を二人の前に出した。
 番茶を頼んだのはもちろん遥香さんだった。
「今夜はアルコールはちょっと」と言う遥香さんの言葉を受けて香菜さんはあえて冷たいお茶ではなく、
 温かい番茶を入れて遥香さんに出したのだ。
 この山の町で採れた茶葉で焙煎されたものである。
 カップを両手で包むように持ち、一口、お茶を口にして遥香さんはホっと息をついた。
 その隣で三宅さんが手酌でカップにビールを注いで一口飲んで、お通しのピーナツ味噌を箸でつつく。
「どう?ちょっとは落ち着いた?」
 遥香さんは小さく頷いた。
「ところでさ。今日の遠田課長へ遥香の態度、あれはちょっとないぞ。社会人として」
 三宅さんはちょっと怖い表情で遥香さんに切り出す。
 離れているとはいえ、香菜さんも遼介もタクさんもしっかりと聞き耳をたてている。
 どうやら仕事の先輩が後輩に説教する、そんな口調だった。
「明日、謝った方がいい」
「どうしてよ!?」
 急に遥香さんが声を荒げたので三人は驚いて二人の方を見た。
 しかし遥香さんも三宅さんもそんな事に気付かないようだった。
「どうして私が謝らなきゃならないのよ。私、何も悪いことなんてしてない!」
「上司の指示を思いっきり無視して、話を聞かないなんて子供だろ。社会人失格だよ」
 三宅さんはたしなめるように言う。
「透君は何も知らないから」
 透君。それは三宅さんの下の名前のようだった。
 どうやらこの二人、ただの先輩後輩ではなく、付き合っているようだった。
「知らないって、何が?」
「私、遠田課長にセクハラされてるのよ!」
 思わず声を荒げた遥香さんに一同、反射的に視線を向ける。
 自分が発した声の大きさに気付いて遥香さんは俯いてカップを口元に運び、
 まるで口を塞ぐようにお茶を流し込む。
「…セクハラってどんな?」
 三宅さんは眉間に皺を寄せて遥香さんの顔を覗き込み、次の言葉を待つ。
「どんな事されたんだよ?」
 遥香さんは両手でカップを持ち、黙ってお茶の水面を眺めている。
「だから、何をされたんだって?遠田課長に」
 遥香さんは下唇をキュッと噛みしめる。
「そんな、セクハラなんて。遥香の勘違いなんじゃないか?」
「勘違いなんかじゃない!」
 再び遥香さんは声を荒げた。
 二人に視線を向ける香菜さん、祐介、タクさんの方を向いて遥香さんは
 「ごめんなさい」と消え入りそうな声で謝る。
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