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婚活モンスター「ミドサゴン」(7)
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「まあ、これ食べて、少しは気持ちを落ち着けて」
香菜さんが女性の前に小鉢を置いた。
「おぼろ豆腐のアオサ掛けよ」
同じものが祐介とタクさんの前にも置かれる。祐介はレンゲですくって口の中に入れる。優しい味わいの出汁の中で佇むアオサは磯の香りがプンとして喉越しも良い。
「うまい。なんか冷や飯にかけて茶漬けにしたいなあ」
と、祐介に同意を求めるタクさんの歯にアオサが付いている。
「タクさん、前歯」
「え?」
「付いてますよ、アオサ」
タクさんは焦って舌で歯を拭って「取れた?」と確認を求める。祐介は
チラッと女性を見るとタクさんと同じように口の中で舌を動かしている。
「なんか今日、久々に外で食べるものばかり。ニンニクとか青ノリとかずっと婚活デートで避けてた素材だったから」
「じゃあ思いっきり楽しんで食べないとね」
「俺は嫁と結婚する前からたこ焼きとかラーメンとか食ってたけどなあ。 青ノリやニンニク大量に入れてさ」
「タクさんのところは学生時代からの仲だからね」
タクさんは前屈みになって、祐介を挟んで離れて座る女性に声をかける。
「でもさ、元気だしなよ。あんたみたいな綺麗な人だったら、次、すぐに 見つかるって。例えばどうよ?こいつ。東京都出身!独身!身長百八十センチ!」
祐介の肩をバンバンと叩いて売り込む。
最悪の展開である。顔を引き攣らせる祐介を女性は値踏みするように見て
「東京からこんなところに移住されたんですか?」と聞いてくる。
「あ、はい」
「え?お仕事は何をされてるんですか?」
「移動スーパーの運転手です」
「はあ……」
それ以上、何も聞かず女性は香菜さんにビールのおかわりを頼む。
なんだこの振られた感じ……。別に自分はこの女性とどうにかなりたい訳でもないのに。
勝手に自分の仕事と人生を軽んじられたかのようだ。しかも『こんなところに』としれっと言った
差別的発言も聞き逃せない。
そもそも、タクさんが女性に絡んだから自分がこんな思いを……と祐介は
やり場のない怒りの矛先をタクさんに向ける。
「私、こういうお店で一人飲む女にだけは絶対になりたくなかったんですよね……」
香菜さんが女性の前に小鉢を置いた。
「おぼろ豆腐のアオサ掛けよ」
同じものが祐介とタクさんの前にも置かれる。祐介はレンゲですくって口の中に入れる。優しい味わいの出汁の中で佇むアオサは磯の香りがプンとして喉越しも良い。
「うまい。なんか冷や飯にかけて茶漬けにしたいなあ」
と、祐介に同意を求めるタクさんの歯にアオサが付いている。
「タクさん、前歯」
「え?」
「付いてますよ、アオサ」
タクさんは焦って舌で歯を拭って「取れた?」と確認を求める。祐介は
チラッと女性を見るとタクさんと同じように口の中で舌を動かしている。
「なんか今日、久々に外で食べるものばかり。ニンニクとか青ノリとかずっと婚活デートで避けてた素材だったから」
「じゃあ思いっきり楽しんで食べないとね」
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タクさんは前屈みになって、祐介を挟んで離れて座る女性に声をかける。
「でもさ、元気だしなよ。あんたみたいな綺麗な人だったら、次、すぐに 見つかるって。例えばどうよ?こいつ。東京都出身!独身!身長百八十センチ!」
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「はあ……」
それ以上、何も聞かず女性は香菜さんにビールのおかわりを頼む。
なんだこの振られた感じ……。別に自分はこの女性とどうにかなりたい訳でもないのに。
勝手に自分の仕事と人生を軽んじられたかのようだ。しかも『こんなところに』としれっと言った
差別的発言も聞き逃せない。
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