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5. プライバシーポリシー
しおりを挟むミウさん容赦ないので、サクッとリンクされました。
そんな訳で、現在ちょっとだるっとソファーにて休憩中。
別にサボっている訳ではないよ、うん。
だって、サボりたくなる程の仕事量があるわけじゃないからね。
ミウさん曰く、ナナホシは誕生したての状態なので特にこちらから手を加えない限りはそこまでやる事もないのだそう。
放置すると他の惑星を壊滅状態にするらしいので、長くその状態にしている訳にはいかないが、多少ならば問題ないのだとか。
だから、リンクして具合の悪くなった俺が休んでても全く問題ないと……それ前提でリンクしたんですね、ミウさん。
システムなので合理的なのは仕方ないと早々に気持ちを切り替えた俺は、遠慮なくソファーに寝そべっている。
「それで、ミウさん。どんな惑星にするか決まったんですかね?」
「零二様、私はサポートシステムですので敬称は不要です」
「うん分かってるけどさん呼びさせてお願い」
ミウさんの言い分? は最もだが、逆立ちしても勝てないどころか勝負にすらならない相手な上に、システムと言えど会話が成り立つ以上は呼び捨てにするのは抵抗があるので、ワンブレスで言い切りお願いと称してゴリ押しした。
「……了解しました。零二様とリンクした結果、ナナホシとの適合率が高いイメージを検出しましたのでそちらをベースにして、より適合率が高くなるよう修正を加えていきます」
「おっ! 俺のイメージがベースになるのね! イイね! それで、どんな惑星になるんだ?」
俺は年甲斐もなくわくわくしながら、ミウさんの次の言葉を待った。
ミウさんの言葉を聞いてどん底に叩き落とされるとは知らずに……。
とか、深刻そうな前振りをしてみたが、実際は現実逃避してた頃の脳内イメージを暴露されて悶え、プライバシーの侵害に頭を抱えただけだ。
あれ? うん、充分どん底だな。
「はい。零二様のイメージの中で、魔力と称された半不可視エネルギーを媒体とした魔法や剣技、日常生活への転用や鉱物等への転用。半不可視エネルギーを取り込み異形化した生物。構造物、人工建造物が半不可視エネルギーに侵食されダンジョンと称される迷宮に変化する等のイメージをベースに修正を加えていきます」
「いやいやいやいや! 待て待て待て待て!! ちょっと待って下さい、お願いします」
俺はソファーの上で土下座の姿勢になりながらミウさんに懇願した。
「勘弁してくれ……それ、よくある異世界イメージだから! オレのオリジナルのイメージじゃないし! しかも、脳内イメージって今のじゃなくて過去のまで全部リンクしてんの!?」
それってプライバシーの侵害よ!
テンパり過ぎて何故かオネエ口調になった。
どこからやってきた零子、どこぞの2丁目へとお帰りください。
「問題ありません。シュトランザー系星系の5割は零二様のイメージと類似した惑星形態ですが、問題なく生態系を維持しています」
それ大丈夫!? 他の惑星の管理者とかに会う機会があるのかは知らんが、ゲシュタルト崩壊しちゃうんじゃないの!?
「零二様とのリンクは本機能からはカテゴライズされた分野だけのリンクですが、零二様からは全機能をリンクされましたので零二様の全情報は本機能のデータベースへと保存されています」
驚愕の新事実に本気で頭を抱えた。
まさかの全情報がミウさんに筒抜け……辛い。
「ちょっとミウさん! あーた、そこに座りなさい!」
俺の中に今度はどこぞのオカンが降臨したが、それどころではない。
「零二様、ユーザーパネルに対して座るという表現は適切ではありません」
「だまらっしゃい!!」
んなこたぁ、分かってる! しかし、一言物申さねば気が済まん!
ステータス画面? の名称がユーザーパネルだと分かった瞬間だったが、感情が昂っていた俺は落ち着くまでその事に気が付かなかった。
その後、俺はミウさんにプライバシーの大切さについて分かってもらえるまで滔々と語り続けたのだった。
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