16 / 21
16話 青の試練②
しおりを挟む
「やるぞ! 準備はいいか、二人共!」
「うん。頑張っていこう」
『来るぞ!』
番人から先制攻撃。その大きな拳で、私達を押しつぶす様に殴りつけてくる番人。スピードも速く、殴られた場所は大きな亀裂が出来るほど高威力。こいつは相当強い。
「なるほど。中々硬いな」
ヴェンは両手にナイフを持っていた。素早い動きで敵へ近づき、そのナイフで番人の額を斬りつけた。が、完璧に入った一撃でも、かすかな傷が出来ただけ。力強くて、速くて、硬い。単純だけど、一番強いやつだ。
『アリシア! 突っ込んで!』
迫りくる拳を、カーバンクルがサイコキネシスで止めてくれる。その隙をつき、私は番人の足元へ。
「じゃあ、私に任せといてぇっ!」
貰った杖に魔力を込め、思いっきり殴る。その攻撃は番人のスネの部分にクリーンヒット。
「おお、すごい力だ!」
ガギィンッ!!と強烈な音と衝撃波が。人間だったら、大ダメージ。のはずが、
「ん、おっと、危ない危ない」
もう少し遅ければ足で踏まれてしまっていた。危ない。
「本当、かったいね、あれ」
思いっきり殴ったのに、多少よろける程度のダメージしか入らなかった。それもすぐに反撃されるぐらい。
私の一撃は上位精霊にもかなりのダメージを与えられるのに、それを受けても平気なこいつはいったい何なんだろう。誰かが作った様に思えるが、人間が作ったとも思えない。かといって、魔物のような感じもしない。謎だけど、それより今は戦闘に集中しないと。
「だが、良い一撃だ。俺が援護に回ろう。最高の一撃を任せたぞ、アリシア」
「了解ー」
ヴェンが素早い動きで番人の周りを走り回る。あれは炎? ヴェンは宙をも走り回る。重力など関係なくどこまで自由だというように。そして、彼の走った後には、炎の線が出来て消えていく。その優雅に、自由に空を駆ける姿はすごく綺麗に私の目へと映った。
番人はヴェンの動きに翻弄されている。ほら、足元お留守だよ。
「ナイスだ、アリシア! まだまだ行くぞ!」
ヴェンは変わらず飛び回り、番人を翻弄し続ける。それのおかげで、私が自由に動ける。今だ、もう一発!
ヴェンとカーバンクルのおかげで、すごく動きやすい。思えば、誰かと一緒に戦うのなんて初めてだ。いつも戦う時は一人だったから、共闘ってこんな感じなんだ。……すごく心強いね!
「今だアリシア!」
「うん! はあああぁぁっ!!!」
最初の一撃と同じ場所に、もう一発思いっきりぶち込んだ。
その一撃は今度は完全に体勢を崩させ、番人膝を付かせる。これは大チャンスだ。
一斉に攻め込む。私は足を、ヴェンは頭を、カーバンクルは腕を。それぞれが各箇所を攻撃し、勝負をかける。このまま……
「きゃ!?」
「うおっ!?」
『ニャ!?』
突如、番人の体から発生した衝撃波が私達を襲った。その衝撃波は凄まじく、私達を吹き飛ばしてしまう。
私はなんとか踏ん張れて、後退するだけで済んだ。しかし、体重の軽いカーバンクルと、空を飛んでいたヴェンは吹き飛ばされ、壁へと激突。かなりの勢いで激突した二人は、ぐったりと倒れ込んでしまう。
まずい、今二人へ追撃をされると対応出来ない。
こちらへ注意を向けさせないと。二人へ注意なんて向けさせない。
私はすぐさま番人の足元へと走る。自分の足が壊されるかもと思えば、こちらに注意が向くはず。
再び、番人の足へと一撃を入れる。相変わらず硬い。でも、何度も殴っていればいつかは壊れるはず。ほら、もう一発!
番人の目が私を捉えた。そして、迫りくる番人の拳。狙い通り。私が注意を引きつけている間に、二人が回復してくれれば。今度は私が皆のために。
「うううぐうぅっ……!」
番人の拳を杖で真正面から打ち返す。番人の攻撃は重い。今でも戦った精霊達よりも重く、強い気もする。
だから、本当は無理に受けないで避けるのが正解。でも、受けた方が時間も稼げるし、これを押し返せば、体勢を崩せて攻めるチャンスにもなる。さっき、二人が起き上がってきたのも見えた。今度は私が皆の役に立つんだ。
番人は私を押し潰そうと、更に力をかけてくる。重い……! でも、これぐらい返してみせる!
私は杖へ最大の力を込める。拮抗していた力のバランス。それを少しずつ押し返す。
行ける! このまま押しっ……
バキッ。
音が聞こえた。それは私の目の前で。
「あっ……」
押し返せたはずの拳。それが私へと向かってくる。
「アリシア!」
私は誰かに横から突き飛ばされ、体が宙へと浮く。
振り返り見えたのは、折れた杖と笑っているヴェンの顔だった。
直後、ヴェンは番人の拳の下に消えた。
「うん。頑張っていこう」
『来るぞ!』
番人から先制攻撃。その大きな拳で、私達を押しつぶす様に殴りつけてくる番人。スピードも速く、殴られた場所は大きな亀裂が出来るほど高威力。こいつは相当強い。
「なるほど。中々硬いな」
ヴェンは両手にナイフを持っていた。素早い動きで敵へ近づき、そのナイフで番人の額を斬りつけた。が、完璧に入った一撃でも、かすかな傷が出来ただけ。力強くて、速くて、硬い。単純だけど、一番強いやつだ。
『アリシア! 突っ込んで!』
迫りくる拳を、カーバンクルがサイコキネシスで止めてくれる。その隙をつき、私は番人の足元へ。
「じゃあ、私に任せといてぇっ!」
貰った杖に魔力を込め、思いっきり殴る。その攻撃は番人のスネの部分にクリーンヒット。
「おお、すごい力だ!」
ガギィンッ!!と強烈な音と衝撃波が。人間だったら、大ダメージ。のはずが、
「ん、おっと、危ない危ない」
もう少し遅ければ足で踏まれてしまっていた。危ない。
「本当、かったいね、あれ」
思いっきり殴ったのに、多少よろける程度のダメージしか入らなかった。それもすぐに反撃されるぐらい。
私の一撃は上位精霊にもかなりのダメージを与えられるのに、それを受けても平気なこいつはいったい何なんだろう。誰かが作った様に思えるが、人間が作ったとも思えない。かといって、魔物のような感じもしない。謎だけど、それより今は戦闘に集中しないと。
「だが、良い一撃だ。俺が援護に回ろう。最高の一撃を任せたぞ、アリシア」
「了解ー」
ヴェンが素早い動きで番人の周りを走り回る。あれは炎? ヴェンは宙をも走り回る。重力など関係なくどこまで自由だというように。そして、彼の走った後には、炎の線が出来て消えていく。その優雅に、自由に空を駆ける姿はすごく綺麗に私の目へと映った。
番人はヴェンの動きに翻弄されている。ほら、足元お留守だよ。
「ナイスだ、アリシア! まだまだ行くぞ!」
ヴェンは変わらず飛び回り、番人を翻弄し続ける。それのおかげで、私が自由に動ける。今だ、もう一発!
ヴェンとカーバンクルのおかげで、すごく動きやすい。思えば、誰かと一緒に戦うのなんて初めてだ。いつも戦う時は一人だったから、共闘ってこんな感じなんだ。……すごく心強いね!
「今だアリシア!」
「うん! はあああぁぁっ!!!」
最初の一撃と同じ場所に、もう一発思いっきりぶち込んだ。
その一撃は今度は完全に体勢を崩させ、番人膝を付かせる。これは大チャンスだ。
一斉に攻め込む。私は足を、ヴェンは頭を、カーバンクルは腕を。それぞれが各箇所を攻撃し、勝負をかける。このまま……
「きゃ!?」
「うおっ!?」
『ニャ!?』
突如、番人の体から発生した衝撃波が私達を襲った。その衝撃波は凄まじく、私達を吹き飛ばしてしまう。
私はなんとか踏ん張れて、後退するだけで済んだ。しかし、体重の軽いカーバンクルと、空を飛んでいたヴェンは吹き飛ばされ、壁へと激突。かなりの勢いで激突した二人は、ぐったりと倒れ込んでしまう。
まずい、今二人へ追撃をされると対応出来ない。
こちらへ注意を向けさせないと。二人へ注意なんて向けさせない。
私はすぐさま番人の足元へと走る。自分の足が壊されるかもと思えば、こちらに注意が向くはず。
再び、番人の足へと一撃を入れる。相変わらず硬い。でも、何度も殴っていればいつかは壊れるはず。ほら、もう一発!
番人の目が私を捉えた。そして、迫りくる番人の拳。狙い通り。私が注意を引きつけている間に、二人が回復してくれれば。今度は私が皆のために。
「うううぐうぅっ……!」
番人の拳を杖で真正面から打ち返す。番人の攻撃は重い。今でも戦った精霊達よりも重く、強い気もする。
だから、本当は無理に受けないで避けるのが正解。でも、受けた方が時間も稼げるし、これを押し返せば、体勢を崩せて攻めるチャンスにもなる。さっき、二人が起き上がってきたのも見えた。今度は私が皆の役に立つんだ。
番人は私を押し潰そうと、更に力をかけてくる。重い……! でも、これぐらい返してみせる!
私は杖へ最大の力を込める。拮抗していた力のバランス。それを少しずつ押し返す。
行ける! このまま押しっ……
バキッ。
音が聞こえた。それは私の目の前で。
「あっ……」
押し返せたはずの拳。それが私へと向かってくる。
「アリシア!」
私は誰かに横から突き飛ばされ、体が宙へと浮く。
振り返り見えたのは、折れた杖と笑っているヴェンの顔だった。
直後、ヴェンは番人の拳の下に消えた。
56
あなたにおすすめの小説
婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?
Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」
私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。
さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。
ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
妹が真の聖女だったので、偽りの聖女である私は追放されました。でも、聖女の役目はものすごく退屈だったので、最高に嬉しいです【完結】
小平ニコ
ファンタジー
「お姉様、よくも私から夢を奪ってくれたわね。絶対に許さない」
私の妹――シャノーラはそう言うと、計略を巡らし、私から聖女の座を奪った。……でも、私は最高に良い気分だった。だって私、もともと聖女なんかになりたくなかったから。
退職金を貰い、大喜びで国を出た私は、『真の聖女』として国を守る立場になったシャノーラのことを思った。……あの子、聖女になって、一日の休みもなく国を守るのがどれだけ大変なことか、ちゃんと分かってるのかしら?
案の定、シャノーラはよく理解していなかった。
聖女として役目を果たしていくのが、とてつもなく困難な道であることを……
神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>
ラララキヲ
ファンタジー
フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。
それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。
彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。
そしてフライアルド聖国の歴史は動く。
『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……
神「プンスコ(`3´)」
!!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!!
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇ちょっと【恋愛】もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。
柊
ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。
そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。
すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。
幼馴染の勇者パーティーから「無能で役立たず」と言われて追放された女性は特別な能力を持っている世界最強。
佐藤 美奈
ファンタジー
田舎の貧しい村で育った6人の幼馴染は、都会に出て冒険者になってパーティーを組んだ。国王陛下にも多大な功績を認められ、勇者と呼ばれるにふさわしいと称えられた。
華やかな光を浴び、6人の人生は輝かしい未来だけが約束されたに思われた。そんなある日、パーティーメンバーのレベッカという女性だけが、「無能で役立たず」と言われて一方的に不当にクビを宣告されてしまう。恋愛感情は、ほんの少しあったかも。
リーダーのアルスや仲間だと思って信頼していた幼馴染たちに裏切られて、レベッカは怒りや悔しさよりもやり切れない気持ちで、胸が苦しく悲しみの声をあげて泣いた――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる