君と詠う歌

鯨井イルカ

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お別れの日

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十月の
都会の道に
モンキチョウ
ひらひらと行く
スネの近くを




突然の
着信音に
身構える
来るはずのない
いつかが来ると




悲しみと
怒りを堪え
退勤し
君が待ってる
家へと急ぐ




目の前で
ふざけた踊り
でもすれば
起きてくれると
思ったのにな



いつもなら
君は起きてる
はずなのに
目が覚めたのは
私一人だ



火葬場に
向かう道筋
間違える
あと少しだけ
一緒に居たい










首筋と
耳の後ろを
撫でながら
「じゃあね」と告げた
冷たい君に
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