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ジュブナイルなかんじのリスザルに問われる倫理観とホルマリン漬け
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その辺の林に繁っている山椒の枝を勝手に手折っておいて「風流のうちだから許してね」と言い放ち方々からめちゃくちゃ怒られたことがあるという祖父が残した、このD県Y郡七篠町の外れにある雑貨店。
まあ、実際のところは雑貨店というより雑多な店というほうが正しいのかもしれない。なにせ、メルヘンチックな洋館という外観には似つかわしくない物もそこそこ置いてあるのだから。
例えば戸棚の掃除をしていたら出てきちゃった蛙のホルマリン漬けとか。
今日は、これは売れるのだろうか、だとか、そもそも売っていいのだろうか、だとかを考えながら日がな一日カウンターでぼんやりする予定だ。
「はーなーせーよー!」
「それは無理だね」
もとい、予定だった。
それがなぜか、どう見てもランドセルを背負ったリスザルにしか見えない少年の襟首を引っ掴んでいる。半ズボンのポケットから覗いているのは、どう見ても害獣避けの爆竹。ちなみに、レジを通してはいない。
「少年よ、知っているかな? 万引きなんていうと軽く聞こえるかもしれないが、窃盗は立派な……あ、犯罪に立派もなにもないか。えーと、じゃあ、あれだ、れっきとした……も、なんか違うか」
「うるせーよ! はなせったら……あ」
金色の毛に覆われた手足と先の黒い尻尾を振り回しながらキーキーと喚いているうちに、爆竹がポケットからこぼれ落ちた。
「ま、万引きなんかじゃねーし!」
「さすがにそれは通じないだろ。この状況で」
「これはちょっと借りただけで……」
「はいはい。話はカウンターのところで聞くからこっちに来ようねー」
「だー! もう! 自分で歩くから襟ひっぱんなよ! のびちゃったらかーちゃんに怒られるだろ!」
襟首がダルダルになっちゃうことよりも叱られるべきことはあると思うけれども。
ともかく、リスザルっぽい少年をホルマリン漬けお置いたままのカウンターのところまで引っ張っていくと、意外にも逃げることなく大人しくなってくれた。それでも白くてフカフカの頬は膨らみ、あからさまに不服そうにしている。
「それで、なんでこんなことした?」
「……」
「答えないなら警察を呼ぶことになるけど?」
「は! 呼べるもんなら呼んでみろよ! せっとーは店の外にいかないとせーりつしないんだぞ!」
「へー、難しいこと知ってるな少年」
「ふん! この間ドラマで見たからな!」
小さな鼻の穴をピスピス鳴らしながら得意げにするさまは、見逃してやってもいいと思えるほど可愛いかもしれない。それでも、未遂とはいえ悪いことをしたならば某かの指導をしてやるのが大人の務めだろう。厳密に言うと店を出る前でも窃盗が成立する判例はあるらしいし。
ただ、小学生くらいの相手だと警察呼んでも厳重注意くらいになって、なんかその場で反省したふりされて終わりになる気もするしな……あ、そうだ。
「じゃあ、金魚屋でも呼ぶか」
「ごめんなさい。オレが悪かったです」
すぐさまカウンターに黒い爪の右手が置かれうぐいす色っぽい頭が深々と下げられた。なんか、正月の特番で見たことのある光景だ。
「もうしないんで、それだけはやめてください。お願いします」
名前を出しただけでこんなに怯えられるなんて、アイツ何をやらかしたんだろう?
まあ、私もつい最近オランダシシガシラに頭を囓られたばかりだけれども。いや、その話は今どうでもいいか。
「とりあえす反省したのは分かったから呼ばないでおくけど、なんでこんなことした?」
「だって、お店やさん子供には爆竹売ってくれねーじゃん」
「うん。町の条例で決まってるからね」
他のところだとどうなのか分からないがD県Y郡七篠町ではついうっかり子供に爆竹を売ってしまうと、わりと大変なことになってしまう。それに。
「だいたい子供に爆竹なんか売ったって、どうせあれだろ? 蛙爆破して遊ぶだけだろ」
「しねーよそんなこと!」
「どうせなら爆破する用にこのホルマリン漬けも持っていけば見逃してやったのに」
「だからしねーって言ってんだろ! それに変なもん押しつけんな! りんりかんどうなってるんだよ!?」
「お、また難しいこと知ってるな少年」
「ふん! この間ショート動画で見たからな!」
やっぱり、得意げな表情は可愛いと思う。しかし、倫理観を知っているような少年が一体なぜ窃盗未遂をしたのだろうか。
しばし見つめていると、黒い小さな爪がうぐいす色っぽい頭を掻いた。
「……ちょっとガラス瓶を爆破したくて」
「そうかガラス瓶か……」
それならまあ、事情はだいたい体分か――
「って、より凶悪になってるだろ!? 無邪気にクラスター爆弾的なものを作ろうとすんなよ!」
「ちげーよ! だから話聞けよ! 爆破したかったのは……」
少年はフカフカの白い頬を膨らませながらランドセルの蓋を開けて、中身をゴソゴソとあさりだした。
「ほら、これ」
小さな手に握られているのは薄荷色のガラス瓶。えーと、これは。
「ラムネの瓶?」
「そーだよ。しかも、飲み口までガラスのやつ」
「あー、なるほど。なら今度こそ事情はだいたい分かった」
つまるところ、全国の少年少女たちが一度は夢見るあれだ。
「中のエー玉を取り出したいんだな?」
「お店やさん、ラムネのガラス玉のせーしきめーしょーはエー玉、っていうのはガセらしいぞ」
「え、そうなの? 少年、本当に色々知ってるな」
「ふふん! まーな!」
「まあ事情と気持ちと少年が博識だということは分かったけど、ラムネ瓶を爆破なんてしたらダメだぞ。周りだとか自分だとかが大怪我しちゃうかもしれないんだから」
「うん……」
「それに、そもそもうちで扱ってる爆竹は音は大きいけど、ラムネ瓶爆破できるほどの威力はないしなぁ」
「そーなのか!? じゃあどーしよう……、もう時間ねーのに……」
消え入りそうな声とともに先の黒い尻尾がだらりと垂れた。どこをどう見てものっぴきならない事情がありそうだ。
「まあ、なんでガラス玉が欲しいのかによっては、協力しないこともないけど」
「本当か!?」
「うん。おみせやさん、ウソ、つかない」
「なんでカタコトになるんだよ……」
「気にしない、気にしない。で、なんでガラス玉が欲しいのさ?」
「……担任のせんせーがさ、子供が生まれるからもうすぐがっこーやめて町から出ていっちゃうんだ。だから、みんなで宝物プレゼントしようって話になって」
「なるほど」
そんなジュブナイルなかんじの事情があるなら協力することにしよう。
「じゃあ、ガラス用のノコギリで中身取り出してくるからそこで待ってな」
「ありがとう、お店やさん!」
「いえいえ」
バックヤードでガラス玉を取り出して戻ってくると、リスザルの少年は黒一色の目をキラキラさせながらカウンターの前で待っていた。
「はい、どうぞ。帰り道で落としたりするなよ」
「うん!」
小さな手が渡された薄荷色の玉を大事そうに握りしめランドセルにしまう。これなら、なくすこともないだろう。
「じゃあ、これやるよ!」
「うん?」
小さな手はガラス玉と入れ替えになにやら白っぽく長いものを取りだした。受けとるとなんだかカサカサしている。
「えーと、これは?」
などと聞いてみたもののその正体は大体分かっている。
「ヒバカリの抜け殻! 今日のおれーだ!」
やっぱりか。
あまり得意じゃないけれど脊椎動物だからまだまし、ということにしよう。せっかくくれたんだから。あと、なんか商売繁盛に御利益がありそうだし。
「それはどうもね。じゃあ、先生にもよろしく」
「うん!」
「あと、もう店のもん勝手にもっていこうとするなよー」
「もうしねーよ! じゃーなー!」
「おう、気をつけて帰れよー」
立てた尻尾の先を振りながら少年は店を後にした。
窓から見えるまだ青い空の下には薄らと雪を被った険しい山が連なっている。
町から出ていっちゃうんだ。
……そういうことがあっても、別におかしくはない。ただ、今日まで考えたこともなかった。
だいいちこの町を出ていったところで。きっと。
――ガタガタガタ
不意にカウンターの引き出しにしまったスマートフォンが震えだした。取り出してみると画面に金魚屋の電話番号が表示されている。一応、出てやるか。
「もしもし、おみせやさんですか?」
「あー、うん、そう。なんか用?」
「ふふふ、そんな露骨に面倒くさそうな声を出さないでくださいよ。せっかくの商談ですのに」
「商談?」
「ええ、実は急に蛙のホルマリン漬けと蛇の抜け殻が入り用になってしまいまして、そちらで取り扱っていますかね?」
なんでピンポイントでそんな物を欲しがるんだコイツは。まあ、売れるならいいけれど。
「なんかちょうど有るから、必要なら店に来るといいよ」
「本当ですか! いやぁ助かりますよ。お代は蛞蝓の干物か酢漬けかならどちらがよろしいでしょうか?」
「ふざけんな。なんでその二択でいいと思った?」
「嫌だなぁ、ちょっとした冗談じゃないですか。では、今から向かいますんで。ふふふ、楽しみに待っていてくださいね」
胡散臭い含み笑いを残して通話は切れた。まさか本当に持ってくる気なのだろうか。
ともかく、今日はまだ明るいし、店じまいはもう一仕事してからにしよう。
まあ、実際のところは雑貨店というより雑多な店というほうが正しいのかもしれない。なにせ、メルヘンチックな洋館という外観には似つかわしくない物もそこそこ置いてあるのだから。
例えば戸棚の掃除をしていたら出てきちゃった蛙のホルマリン漬けとか。
今日は、これは売れるのだろうか、だとか、そもそも売っていいのだろうか、だとかを考えながら日がな一日カウンターでぼんやりする予定だ。
「はーなーせーよー!」
「それは無理だね」
もとい、予定だった。
それがなぜか、どう見てもランドセルを背負ったリスザルにしか見えない少年の襟首を引っ掴んでいる。半ズボンのポケットから覗いているのは、どう見ても害獣避けの爆竹。ちなみに、レジを通してはいない。
「少年よ、知っているかな? 万引きなんていうと軽く聞こえるかもしれないが、窃盗は立派な……あ、犯罪に立派もなにもないか。えーと、じゃあ、あれだ、れっきとした……も、なんか違うか」
「うるせーよ! はなせったら……あ」
金色の毛に覆われた手足と先の黒い尻尾を振り回しながらキーキーと喚いているうちに、爆竹がポケットからこぼれ落ちた。
「ま、万引きなんかじゃねーし!」
「さすがにそれは通じないだろ。この状況で」
「これはちょっと借りただけで……」
「はいはい。話はカウンターのところで聞くからこっちに来ようねー」
「だー! もう! 自分で歩くから襟ひっぱんなよ! のびちゃったらかーちゃんに怒られるだろ!」
襟首がダルダルになっちゃうことよりも叱られるべきことはあると思うけれども。
ともかく、リスザルっぽい少年をホルマリン漬けお置いたままのカウンターのところまで引っ張っていくと、意外にも逃げることなく大人しくなってくれた。それでも白くてフカフカの頬は膨らみ、あからさまに不服そうにしている。
「それで、なんでこんなことした?」
「……」
「答えないなら警察を呼ぶことになるけど?」
「は! 呼べるもんなら呼んでみろよ! せっとーは店の外にいかないとせーりつしないんだぞ!」
「へー、難しいこと知ってるな少年」
「ふん! この間ドラマで見たからな!」
小さな鼻の穴をピスピス鳴らしながら得意げにするさまは、見逃してやってもいいと思えるほど可愛いかもしれない。それでも、未遂とはいえ悪いことをしたならば某かの指導をしてやるのが大人の務めだろう。厳密に言うと店を出る前でも窃盗が成立する判例はあるらしいし。
ただ、小学生くらいの相手だと警察呼んでも厳重注意くらいになって、なんかその場で反省したふりされて終わりになる気もするしな……あ、そうだ。
「じゃあ、金魚屋でも呼ぶか」
「ごめんなさい。オレが悪かったです」
すぐさまカウンターに黒い爪の右手が置かれうぐいす色っぽい頭が深々と下げられた。なんか、正月の特番で見たことのある光景だ。
「もうしないんで、それだけはやめてください。お願いします」
名前を出しただけでこんなに怯えられるなんて、アイツ何をやらかしたんだろう?
まあ、私もつい最近オランダシシガシラに頭を囓られたばかりだけれども。いや、その話は今どうでもいいか。
「とりあえす反省したのは分かったから呼ばないでおくけど、なんでこんなことした?」
「だって、お店やさん子供には爆竹売ってくれねーじゃん」
「うん。町の条例で決まってるからね」
他のところだとどうなのか分からないがD県Y郡七篠町ではついうっかり子供に爆竹を売ってしまうと、わりと大変なことになってしまう。それに。
「だいたい子供に爆竹なんか売ったって、どうせあれだろ? 蛙爆破して遊ぶだけだろ」
「しねーよそんなこと!」
「どうせなら爆破する用にこのホルマリン漬けも持っていけば見逃してやったのに」
「だからしねーって言ってんだろ! それに変なもん押しつけんな! りんりかんどうなってるんだよ!?」
「お、また難しいこと知ってるな少年」
「ふん! この間ショート動画で見たからな!」
やっぱり、得意げな表情は可愛いと思う。しかし、倫理観を知っているような少年が一体なぜ窃盗未遂をしたのだろうか。
しばし見つめていると、黒い小さな爪がうぐいす色っぽい頭を掻いた。
「……ちょっとガラス瓶を爆破したくて」
「そうかガラス瓶か……」
それならまあ、事情はだいたい体分か――
「って、より凶悪になってるだろ!? 無邪気にクラスター爆弾的なものを作ろうとすんなよ!」
「ちげーよ! だから話聞けよ! 爆破したかったのは……」
少年はフカフカの白い頬を膨らませながらランドセルの蓋を開けて、中身をゴソゴソとあさりだした。
「ほら、これ」
小さな手に握られているのは薄荷色のガラス瓶。えーと、これは。
「ラムネの瓶?」
「そーだよ。しかも、飲み口までガラスのやつ」
「あー、なるほど。なら今度こそ事情はだいたい分かった」
つまるところ、全国の少年少女たちが一度は夢見るあれだ。
「中のエー玉を取り出したいんだな?」
「お店やさん、ラムネのガラス玉のせーしきめーしょーはエー玉、っていうのはガセらしいぞ」
「え、そうなの? 少年、本当に色々知ってるな」
「ふふん! まーな!」
「まあ事情と気持ちと少年が博識だということは分かったけど、ラムネ瓶を爆破なんてしたらダメだぞ。周りだとか自分だとかが大怪我しちゃうかもしれないんだから」
「うん……」
「それに、そもそもうちで扱ってる爆竹は音は大きいけど、ラムネ瓶爆破できるほどの威力はないしなぁ」
「そーなのか!? じゃあどーしよう……、もう時間ねーのに……」
消え入りそうな声とともに先の黒い尻尾がだらりと垂れた。どこをどう見てものっぴきならない事情がありそうだ。
「まあ、なんでガラス玉が欲しいのかによっては、協力しないこともないけど」
「本当か!?」
「うん。おみせやさん、ウソ、つかない」
「なんでカタコトになるんだよ……」
「気にしない、気にしない。で、なんでガラス玉が欲しいのさ?」
「……担任のせんせーがさ、子供が生まれるからもうすぐがっこーやめて町から出ていっちゃうんだ。だから、みんなで宝物プレゼントしようって話になって」
「なるほど」
そんなジュブナイルなかんじの事情があるなら協力することにしよう。
「じゃあ、ガラス用のノコギリで中身取り出してくるからそこで待ってな」
「ありがとう、お店やさん!」
「いえいえ」
バックヤードでガラス玉を取り出して戻ってくると、リスザルの少年は黒一色の目をキラキラさせながらカウンターの前で待っていた。
「はい、どうぞ。帰り道で落としたりするなよ」
「うん!」
小さな手が渡された薄荷色の玉を大事そうに握りしめランドセルにしまう。これなら、なくすこともないだろう。
「じゃあ、これやるよ!」
「うん?」
小さな手はガラス玉と入れ替えになにやら白っぽく長いものを取りだした。受けとるとなんだかカサカサしている。
「えーと、これは?」
などと聞いてみたもののその正体は大体分かっている。
「ヒバカリの抜け殻! 今日のおれーだ!」
やっぱりか。
あまり得意じゃないけれど脊椎動物だからまだまし、ということにしよう。せっかくくれたんだから。あと、なんか商売繁盛に御利益がありそうだし。
「それはどうもね。じゃあ、先生にもよろしく」
「うん!」
「あと、もう店のもん勝手にもっていこうとするなよー」
「もうしねーよ! じゃーなー!」
「おう、気をつけて帰れよー」
立てた尻尾の先を振りながら少年は店を後にした。
窓から見えるまだ青い空の下には薄らと雪を被った険しい山が連なっている。
町から出ていっちゃうんだ。
……そういうことがあっても、別におかしくはない。ただ、今日まで考えたこともなかった。
だいいちこの町を出ていったところで。きっと。
――ガタガタガタ
不意にカウンターの引き出しにしまったスマートフォンが震えだした。取り出してみると画面に金魚屋の電話番号が表示されている。一応、出てやるか。
「もしもし、おみせやさんですか?」
「あー、うん、そう。なんか用?」
「ふふふ、そんな露骨に面倒くさそうな声を出さないでくださいよ。せっかくの商談ですのに」
「商談?」
「ええ、実は急に蛙のホルマリン漬けと蛇の抜け殻が入り用になってしまいまして、そちらで取り扱っていますかね?」
なんでピンポイントでそんな物を欲しがるんだコイツは。まあ、売れるならいいけれど。
「なんかちょうど有るから、必要なら店に来るといいよ」
「本当ですか! いやぁ助かりますよ。お代は蛞蝓の干物か酢漬けかならどちらがよろしいでしょうか?」
「ふざけんな。なんでその二択でいいと思った?」
「嫌だなぁ、ちょっとした冗談じゃないですか。では、今から向かいますんで。ふふふ、楽しみに待っていてくださいね」
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