幼馴染監禁日記

本編

day 24

　やっと圭ちゃんの部屋に冷房が戻った。
　地下にある部屋、しかも壁がクッションで覆われているだなんてどう考えても怪しい。

　修理しにきた業者の人に不審に思われそうだったので、フリー素材にあった誕生日会でケーキを食べる子どもの写真とか貼ってみた。甥っ子が来るから地下で遊べるようにしたんです、と言った感じで。

　「圭ちゃん、やっぱり修理の立ち会いの時隣にいてもらってイイ？ ああ、服はそのままで大丈夫だから」
　「助けを求められたらどうすんだよ。口輪でもするのか？」
　「はは、そんな変な趣味ないって。うーん、誰にもバラされないように修理業者の人も加えてみんなで暮らすとか？ ……冗談だよ。圭ちゃんと二人きりがいいから」
　「サイコ野郎、お前は業者を殺して埋めるつもりだろ。そしたら”二人きり”に戻れるからな」

　事実、圭ちゃんはここに監禁されて24日。俺はそのとおり、立派なサイコ野郎だ。
　結局、馬鹿じゃない圭ちゃんはそんな危ないやつを刺激しないよう、下手な真似はしなかった。　

　甥っ子さん可愛いですね、お二人の子どもも生まれたら一緒に遊べますね、だなんてドライバーを握りながら無神経に話しかけてきた男にも笑顔を崩さなかった。

　出産主義者のクソッタレは嫌いだけど、夫夫に見られたのは嬉しい。わざわざ辺鄙な場所に来てもらったし、クーラーもちゃんとつくようになったのでチップを多めに渡してやった。