幼馴染監禁日記

本編

day 31

　俺の醜態を見た圭ちゃんは、少し優しくなった。昔から情にもろくて絆されやすいのだ。重い身体を引きずって注射も打ったしとりあえず体調は回復中だ。心配して俺について回ろうとする圭ちゃんから隠れて打つのは大変だったけど。

　「なぁ俊……っ！」

　あまりに親しげに俺を呼ぶから目を丸くしたら圭ちゃんも口を押さえてびっくりしていた。いいね、その調子で昔みたいに呼んで欲しいな。

　かねてより計画していたのだが、圭ちゃんの移動可能エリアを広げようと思う。
　窓ガラスのある部屋に通しても、もう大丈夫だろう。
　出入り口は玄関しかないし、そこだって二重扉になっている。ちなみに、圭ちゃんがまだこの家に泊まっていると思っていた時には、断熱のためと嘘をついた。それなら鍵は一個でいいのに、疑うことを知らな（かった）圭ちゃんは素直に受け入れたのだった。

　とにかく、万が一圭ちゃんに鍵を奪われたらもう一個の鍵を飲み込んじゃえば良い話だ。 もうそんなことないと思うけど。