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39. ご縁を運ぶ天使(ベビー)
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それから月日は流れ、可愛い息子たちも大きくなり……
まずは、あの鉄壁の顔を持つジョエル・ギルモアが結婚した。
「父上、母上! 聞いてくれ。ジョエルが花嫁にデレデレしていた!」
そんな“親友”の結婚式の後、興奮した様子のエドゥアルトはそんなことを言って帰って来た。
「デレデレ……? あのお前が、妙ちくりんなカツラを被っても鼻メガネを装着してもこちょこちょしても……何しても無反応だったあの子がか?」
「そうだ!」
エリオットが驚いて聞き直すもエドゥアルトは大きく頷く。
「まあ、ジョエルは彼女と出会ってからずっとデレデレだったぞ?」
エドゥアルトは嬉しそうにそう言った。
(まさか、あのジョエルの方が先に結婚するなんて───)
「はっはっは! そんな運命とも言える人と出会えて結婚するって幸せなんだろうなぁ」
「エドゥアルト……」
私には分かる。
エドゥアルトも心の中では“運命の人”を探している。
でも……残念ながらなかなか巡り会えずにいた。
「やはり、夫婦というのは助け合ってなんぼだな」
「エドゥアルト?」
「それで、だ。僕は次のお見合いはこの、“将来の僕はこんな風になるかもしれないが宜しいでしょうか?”という意味も込めてこの薄毛のカツラで行こうかと思ってるんだ」
エドゥアルトは、薄毛のカツラを手にしながらとんでもないことを口にした。
「は!? おやめなさい!」
「はっはっは! だが、父上も今はまだフッサフサだがこの先は分からない。つまり、将来の僕も分からない!」
そんなエドゥアルト言葉にさすがのエリオットもギョッとする。
「なっ! お、お前は……なんてことを言うんだ!」
「はっはっは!」
「「────エドゥアルトッ!!」」
成長と共に陽気な性格に磨きがかかったエドゥアルトは、私たちの忠告を無視して薄毛のカツラでお見合いを決行。
当然のようにお相手の令嬢には泣かれ、その場でお断りの返事を貰っていた。
「ほっほっほ……エリオット……コックス公爵家は二代で終わるかもしれないわね」
「ウェンディ?」
その日の夜。
寝室で私はエリオットに前々から感じていたことを告げる。
「カス男からたっぷり奪い取った慰謝料でこんな豪邸も建てたのに……」
「想像以上に迷路になったな」
「程よく自然が満喫出来て、資源も豊富な資産価値の高い領地もぶんどったのに……」
「はっはっは! 爵位をエドゥアルトに譲ったら俺たちはそこでのんびり暮らすか?」
エリオットがエドゥアルトとよく似た顔で私の不安を笑い飛ばす。
そしてそっと優しく微笑みながら私の頭を撫でた。
「大丈夫だ。まだ悲観するのは早い」
「……そうかしら?」
「ああ。じっくり育てていく愛もあるが、突然恋に落ちるなんてこともある」
「エリオット……」
私はギュッとエリオットに抱きついた。
「それにこの先、もしかしたらエドゥアルトに素晴らしいご縁を運んで結んでくれる“天使”が現れるかもしれない」
「天使……」
その時はそんなことがあったらいいわね、そう思っていたのだけど────……
──────
──……
「─────あうあ!」
ニパッ!
「……えっと? エドゥアルト。この子は?」
「あうあ!」
ニパッ!
今、私の目の前でベビーがニパッと笑っている。
それからまたまた月日が流れ……
エドゥアルトはお見合い失敗記録を着々と更新し、ジョエルの元には待望の子どもが生まれた。
そう、あの気高く美しいガーネットお姉さまが“おばあさま”になった。
そんなある日、大量のプレゼントを用意して遂に念願のジョエルの子どもにウキウキで会いに行ったエドゥアルト。
しかし、なぜかちんまりしたニッコニコ笑顔の可愛いベビーを連れて帰って来た。
「エドゥアルト! この赤ちゃんは?」
「あうあ!」
ニパッ!
赤ちゃんはまるで私の言葉に答えるようにキャッキャと笑う。
「えっと、君に聞いてるわけじゃなくて」
「あうあ!」
「……」
(このベビーの顔……どこからう見てもジョエル・ギルモアに似てる……まるで、ミニジョエル。いや、なんならその父、ジョルジュ・ギルモアにも似てるわ)
つまり、このご機嫌顔の赤ちゃんは────
「あうあ!」
ニパッ!
(ガーネットお姉さまの…………孫!?)
しかし、だ。
このはしゃいだニッパニパの笑顔は何事なの?
「あうあ、あうあ、あうあ!!」
今もニパッ、ニパッ、ニパッと笑いながらグイグイと私に迫ってくる。
(圧……圧がすごい……!)
私が慄いてるとようやくエドゥアルトが口を開く。
「ふむ。とってもとってもとっても美しくて綺麗なお姉さん、こんにちは! ボクはジョシュア・ギルモア0才です!! か。ちゃんと挨拶も出来るのだな! さすがだジョシュア!」
「あうあ!」
(……?)
「ところでだが、そこの綺麗なお姉さんは僕の母上なんだ」
「あうあ!」
ニパッ!
「なに? そうは見えない?」
「あうあ!」
ニパッ!
「はっはっは! それは母上も喜ぶだろう。母上は僕が子どもの頃から欠かさず凄腕マッサージ師を呼んで美しさを保っているんだ」
「あうあ!」
「なるほどそれは素晴らしいです、か。そうなんだ。母上は努力を怠らない人なんだ」
「あうあ!」
(…………?)
目の前で繰り広げられる光景に私は頭を抱える。
(こ、これは、いったい何が起きてるの……??)
親友の子どもに会いに行ったはずの息子が、その子どもを連れ帰って来た?
そして、ご機嫌な様子でベビー(0才)と会話……会話!? をしているですって!?
「───これはぜひ、ボクも見習うこととします? そうか! 僕の自慢の母上なんだ! ぜひそうしてくれ!」
「あうあ!」
ニパッ!
(む~~~~無理っ!)
なんだかエドゥアルトがすっごく嬉しいことを言ってくれてる気がするけど、私の脳内がこの状況を理解することを放棄した。
(助けて……助けて、エリオット!!)
シャラン……シャラン、シャランシャランシャラン!
私は懐から鈴を取りだして思いっきり鳴らす。
エリオットは部屋で仕事をしているはずだからすぐに飛んでくるだろう。
「ん? 母上? 父上を呼んでるのか?」
「あうあ」
シャランシャランシャランシャランシャラン……
私はは必死に無言で鈴を鳴らす。
「いいか、ジョシュア。あれは僕の父上を呼んでるんだ。僕の父上は、母上の前ではちょっと情けなく見えるが、実は昔からかっこいいんだぞ?」
「あうあ!」
「それはぜひ、ボクもお会いしたいです? そうだな。大丈夫だ、すぐ来るだろう───」
「あうあ!」
ドドドド……
そんなエドゥアルトの声に被るようにして廊下を走ってくる音。
そして、バーンッと勢いよく部屋の扉が開いた。
「───ウェンディ! どうした、大丈夫か!? とち狂ったように鳴らしていたじゃないか! 何があった!?」
「うっ、エリオッ……」
「あうあ!!」
「え?」
ニパッ!
なぜか私の代わりに満面の笑みで答えてくれるベビー。
エリオットもそんなベビーの姿を見て目を丸くする。
「あうあ! あうあ!」
エリオットに向かって人見知りもせずに、ニパッ、ニパッと無邪気に笑うジョシュア・ギルモア。
そんなベビーをと見つめ合ったまま、エリオットはエドゥアルトに問いかける。
「エ、エドゥアルト……おま、え、まさかお見合いの失敗数がついに三十を越えたからヤケになって人様の子を跡継ぎにするために奪ってきた……のか?」
「父上? 何を意味不明なことを言っているんですか? 彼はジョシュア。ジョエルの息子だ」
「あうあ~」
ニパッ!
「本日の訪問で意気投合したからちょっと挨拶にと連れて来た」
「あうあ!」
ニパッ!
「驚きだろう? あのジョエルの子なのに表情がこんなにも生き生きしているなんてさすがの僕も驚いて三十秒くらいは固まったさ」
「あうあ!」
「「……」」
私とエリオットが無言で顔を見合わせる。
たった三十秒ほどでうちの息子さんはこの衝撃から立ち直れたらしい。
「その後、庭に咲く綺麗な花を見せてくれると言って庭を案内されたんだが、一時間も迷った挙句、なぜか物置部屋に辿り着いた」
「あうあ~!」
「「……」」
私たちは再び無言で目を合わせる。
そしてコソコソと話す。
「ウェンディ……君の鈴の音、助けて! とはこのことか……」
「だって、ずっとあの子、あうあ、ニパッ! って無邪気に笑ってて。なのに、エドゥアルトは言葉を理解してて……もう意味が分からなくて、物置部屋ってなに……」
「お……落ち着くんだ、ウェンディ」
エリオットが必死に私の背中をさすってくれる。
私はチラッとエドゥアルトとギルモア家のベビーをに視線を向ける。
二人は今も何やら楽しそうに語り合っている。
「あうあ~」
「はっはっは! そうかそうか、それで?」
「あうあ~」
「やはり、ふむ。やはりギルモア家の庭には屍が埋まってるのか……」
(───!? また、さらに意味不明な会話してるーー!?)
「あうあ~~」
ニパッ!
これが後に色んな二つ名で呼ばれガーネットお姉さまも手を焼くとんでもベビー。
でも、エドゥアルトにとっては、まさにご縁を運んでくれた“天使”でもあるジョシュア・ギルモアとの初対面だった。
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