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第一部:第一章 夢への第一歩
(四)共に一歩①
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(四)
模擬戦も終わり、残すは魔法適正試験のみとなった。
これは体内に宿す魔力の質と量、および制御能力を測るものである。
一口に魔法と言っても、幾つかの体系に分かれており、その使用者も用途も異なっている。騎士達が主に用いるのは、そのうちの神聖魔法と呼ばれるものである。
神聖魔法は主に神官が使用する魔法で、回復や、加護と呼ばれる強化付与など、戦闘においては補助的なものが多い。「体内の力を、神の技によって顕現させている」と、教会は布教する際に喧伝している。だが学者達の間では、実際に神が関与しているのか、という議論に事欠かない。
また、信仰する神や宗派によって、若干使用する魔法が異なっている例もある。それが本当に異なる神から力を与えられたからなのか、年月の積み重ねによる派生なのか、現在では誰も分かる者はいない。神の力を感じるという事が、理論上どういうものなのか、誰も分からないというのが本当のところだろう。
次に挙げるのは「古代魔法」や「近代魔法」などと俗称される強力な魔法類。魔術師と呼ばれる者達が主として使用する魔法がこれにあたる。その内訳は攻撃魔法から、防御魔法、幻術、死霊術、付与術、召喚術など多岐にわたるもので、それぞれに特化した術者も存在する。
三つ目は、近代魔法の手順などを簡易化した、もので、「汎用魔法」または「共通魔法」と呼ばれるもの。
手軽に魔法が使用出来るようになった反面、その効果は古代魔法や近代魔法に劣る。だが、鍛練すれば、大抵の者が扱えるようになるため、そこそこの広がりを見せている。
四つ目が、精霊使い達が使用する精霊魔法。精霊の力を借りる、または直接精霊を召喚するなどして、行使する魔法だ。精霊との繋がりが薄い者は困難であったり、時には精霊と契約することも必要となるなど、課題が多く、使用する者は少ない。
最後に、伝説や伝承、英雄譚などを歌い上げる吟遊詩人。魔力を乗せて曲を奏でたり歌うことで、それに見合った力を発生させるというものだ。当然だが、歌が主体となるため、歌い手としての資質が重要な要素となり、効果を左右することになる。
これらの様々な形態の魔法は、使用を重ねて鍛練することにより、体内にある魔力を変質させていく。
次第に、鍛えられた系統の魔法に特化するようになり、他の系統が扱いにくくなる、という傾向がある。
適正試験においては、魔力の質に偏りがないか、ということも重要になってくる。
試験自体は両掌を胸の前で少し離して向かい合わせ、真ん中に魔力で球体を作り上げる、という単純なものだ。単純であるが故に、良し悪しがはっきりと出てしまう。
制御が出来ない者は、球体がいびつになり、体内の魔力量が少なければ、球体が小さかったり、すぐに消滅したりする。質が悪ければ、球体の色が薄かったり明滅したりと安定しない。
試験では、この魔力球は虹色がかった白が素地として良いとされている。他系統の魔法のに適正が向いていたり、既に鍛練していたりした場合には、この色が赤や青、黒といったように変質してしまっている。
神聖魔法の鍛練を積むと、純粋な白色へと変質していく。
そのため、騎士になるには他に大きく偏った魔力は好ましくない、という審査基準がある。
但し、若干ではあるが、他系統の魔法を操る特異な部隊も存在するため、完全に否定される訳でもない。
模擬戦も終わり、残すは魔法適正試験のみとなった。
これは体内に宿す魔力の質と量、および制御能力を測るものである。
一口に魔法と言っても、幾つかの体系に分かれており、その使用者も用途も異なっている。騎士達が主に用いるのは、そのうちの神聖魔法と呼ばれるものである。
神聖魔法は主に神官が使用する魔法で、回復や、加護と呼ばれる強化付与など、戦闘においては補助的なものが多い。「体内の力を、神の技によって顕現させている」と、教会は布教する際に喧伝している。だが学者達の間では、実際に神が関与しているのか、という議論に事欠かない。
また、信仰する神や宗派によって、若干使用する魔法が異なっている例もある。それが本当に異なる神から力を与えられたからなのか、年月の積み重ねによる派生なのか、現在では誰も分かる者はいない。神の力を感じるという事が、理論上どういうものなのか、誰も分からないというのが本当のところだろう。
次に挙げるのは「古代魔法」や「近代魔法」などと俗称される強力な魔法類。魔術師と呼ばれる者達が主として使用する魔法がこれにあたる。その内訳は攻撃魔法から、防御魔法、幻術、死霊術、付与術、召喚術など多岐にわたるもので、それぞれに特化した術者も存在する。
三つ目は、近代魔法の手順などを簡易化した、もので、「汎用魔法」または「共通魔法」と呼ばれるもの。
手軽に魔法が使用出来るようになった反面、その効果は古代魔法や近代魔法に劣る。だが、鍛練すれば、大抵の者が扱えるようになるため、そこそこの広がりを見せている。
四つ目が、精霊使い達が使用する精霊魔法。精霊の力を借りる、または直接精霊を召喚するなどして、行使する魔法だ。精霊との繋がりが薄い者は困難であったり、時には精霊と契約することも必要となるなど、課題が多く、使用する者は少ない。
最後に、伝説や伝承、英雄譚などを歌い上げる吟遊詩人。魔力を乗せて曲を奏でたり歌うことで、それに見合った力を発生させるというものだ。当然だが、歌が主体となるため、歌い手としての資質が重要な要素となり、効果を左右することになる。
これらの様々な形態の魔法は、使用を重ねて鍛練することにより、体内にある魔力を変質させていく。
次第に、鍛えられた系統の魔法に特化するようになり、他の系統が扱いにくくなる、という傾向がある。
適正試験においては、魔力の質に偏りがないか、ということも重要になってくる。
試験自体は両掌を胸の前で少し離して向かい合わせ、真ん中に魔力で球体を作り上げる、という単純なものだ。単純であるが故に、良し悪しがはっきりと出てしまう。
制御が出来ない者は、球体がいびつになり、体内の魔力量が少なければ、球体が小さかったり、すぐに消滅したりする。質が悪ければ、球体の色が薄かったり明滅したりと安定しない。
試験では、この魔力球は虹色がかった白が素地として良いとされている。他系統の魔法のに適正が向いていたり、既に鍛練していたりした場合には、この色が赤や青、黒といったように変質してしまっている。
神聖魔法の鍛練を積むと、純粋な白色へと変質していく。
そのため、騎士になるには他に大きく偏った魔力は好ましくない、という審査基準がある。
但し、若干ではあるが、他系統の魔法を操る特異な部隊も存在するため、完全に否定される訳でもない。
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