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第二部:第二十章 真実と虚構の存在
(二)偽りの名②
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ホグアードに無理矢理ギルドの庭に連れてこられた一同。
庭という割には相当広い。色々と機材も揃っているようで、ラーソルバールはこれから何をさせられるのかと、憂鬱になる。
ここに来る途中、受付カウンター近くで前日の男達と目が合ったが、その直後に顔を背けられた。先程のエラゼルの騒動でも聞いたのだろうか。騒動を起こそうという気も無さそうだった。
「さて今、腕のいい連中をミディートに呼びに行かせている。ちょいとその相手をして貰いたい。勝てとは言わないが、それなりの格好をつけて貰いたい。仮にも『騎士団長に劣らぬ』などと書かれたのだからな」
その一文を書いた人物を恨むぞ。ホグアードに愛想笑いを向けつつ、ラーソルバールは心の中で怒りを燃やした。
ラーソルバールの心中など考えもしないホグアードは、腰に手を当て不敵に笑った。
「俺も昔は冒険者だったが、もう引退して長い。若い連中に劣るから、相手は勤まらんだろう。腹も出てきたしな。それに、議員の立場でそんな事をしたら周囲に怒られる」
「え、ホグアードさんはこの国の議員だったんですか?」
「知らなかったのか?」
正直に言って何も聞いていない。連絡漏れか、意図して隠したか。軍務省め、と更に怒りは募る。
「何も聞いておりません」
不機嫌を取り繕いもせずに、ラーソルバールは答えた。その様子に、周囲も苦笑いする。
「ああ、そうそう。ここからは認識票に記載された名前で通してもらう。何が有るか分からんからな」
ホグアードの顔が厳しいものに変わる。帝国に情報が漏れる可能性もある、という事だろう。
「お待たせしました! エドウィールさん達をお連れしました」
少し待ったところで、ミディートが数人の男達を連れて戻ってきた。いずれも歴戦の戦士と言った風格の有る者達で、腕試しには過ぎた人選だろうと思わせる。
「ウチの登録者の中でも、実績、能力ともに上位にいる者達だ。このギルドを国に例えるなら、将軍クラスの連中だ」
「わざわざ、どうもすみません……」
半分、嫌味を込めつつ頭を下げる。そんな上位の連中を連れてくるというのは、少々嫌がらせが過ぎるというものだ。中級相当のプレートらしいので、中級の相手を連れてくれば良いのではないか。
ラーソルバールだけではなく、同行する仲間達もその苛立ちが顔に出ていた。
「なんだ、ホグアードさんの依頼で来てみれば、こんな子供相手ですか? それも半分以上が女ときた」
「綺麗な嬢ちゃんばかりで戦えるのか?」
「相手はそこの黒髪の坊主か?」
男達は口々に勝手な事を言う。
「私がやろうか?」
エラゼルが進み出る。
「別に俺がやってもいいぜ」
黒髪の坊主と言われたガイザが不機嫌そうに言う。二人が共に怒りを抑えているのが分かる。
「そちらも複数いらっしゃるようですので、私ルシェと、エリゼスト、グラデアの三人がお相手します」
本来売られた喧嘩を買う性質ではないが、ここで面倒事を避けても前へ進めそうにないので止むを得ないと判断した。加えて、ホグアードの不敵な笑いが気に入らないので、一泡吹かせたかったということもある。
「武器は模擬専用でやるが、そこにあるどの武器を使っても構わん」
ホグアードの指差す先には一通りの武器が揃えられていた。剣はもとより三叉槍《トライデント》から鉄鞭、星球式鎚矛《モーニングスター》の模擬武器まで揃えられており、ラーソルバール達は驚いた。
「我々は皆、長剣で構いません」と答えたのは、片刃の剣が無かったからでもある。
剣を手にした時、馬鹿にされた分、きっちり返すという気持ちが三人の顔には滲み出ていた。
庭という割には相当広い。色々と機材も揃っているようで、ラーソルバールはこれから何をさせられるのかと、憂鬱になる。
ここに来る途中、受付カウンター近くで前日の男達と目が合ったが、その直後に顔を背けられた。先程のエラゼルの騒動でも聞いたのだろうか。騒動を起こそうという気も無さそうだった。
「さて今、腕のいい連中をミディートに呼びに行かせている。ちょいとその相手をして貰いたい。勝てとは言わないが、それなりの格好をつけて貰いたい。仮にも『騎士団長に劣らぬ』などと書かれたのだからな」
その一文を書いた人物を恨むぞ。ホグアードに愛想笑いを向けつつ、ラーソルバールは心の中で怒りを燃やした。
ラーソルバールの心中など考えもしないホグアードは、腰に手を当て不敵に笑った。
「俺も昔は冒険者だったが、もう引退して長い。若い連中に劣るから、相手は勤まらんだろう。腹も出てきたしな。それに、議員の立場でそんな事をしたら周囲に怒られる」
「え、ホグアードさんはこの国の議員だったんですか?」
「知らなかったのか?」
正直に言って何も聞いていない。連絡漏れか、意図して隠したか。軍務省め、と更に怒りは募る。
「何も聞いておりません」
不機嫌を取り繕いもせずに、ラーソルバールは答えた。その様子に、周囲も苦笑いする。
「ああ、そうそう。ここからは認識票に記載された名前で通してもらう。何が有るか分からんからな」
ホグアードの顔が厳しいものに変わる。帝国に情報が漏れる可能性もある、という事だろう。
「お待たせしました! エドウィールさん達をお連れしました」
少し待ったところで、ミディートが数人の男達を連れて戻ってきた。いずれも歴戦の戦士と言った風格の有る者達で、腕試しには過ぎた人選だろうと思わせる。
「ウチの登録者の中でも、実績、能力ともに上位にいる者達だ。このギルドを国に例えるなら、将軍クラスの連中だ」
「わざわざ、どうもすみません……」
半分、嫌味を込めつつ頭を下げる。そんな上位の連中を連れてくるというのは、少々嫌がらせが過ぎるというものだ。中級相当のプレートらしいので、中級の相手を連れてくれば良いのではないか。
ラーソルバールだけではなく、同行する仲間達もその苛立ちが顔に出ていた。
「なんだ、ホグアードさんの依頼で来てみれば、こんな子供相手ですか? それも半分以上が女ときた」
「綺麗な嬢ちゃんばかりで戦えるのか?」
「相手はそこの黒髪の坊主か?」
男達は口々に勝手な事を言う。
「私がやろうか?」
エラゼルが進み出る。
「別に俺がやってもいいぜ」
黒髪の坊主と言われたガイザが不機嫌そうに言う。二人が共に怒りを抑えているのが分かる。
「そちらも複数いらっしゃるようですので、私ルシェと、エリゼスト、グラデアの三人がお相手します」
本来売られた喧嘩を買う性質ではないが、ここで面倒事を避けても前へ進めそうにないので止むを得ないと判断した。加えて、ホグアードの不敵な笑いが気に入らないので、一泡吹かせたかったということもある。
「武器は模擬専用でやるが、そこにあるどの武器を使っても構わん」
ホグアードの指差す先には一通りの武器が揃えられていた。剣はもとより三叉槍《トライデント》から鉄鞭、星球式鎚矛《モーニングスター》の模擬武器まで揃えられており、ラーソルバール達は驚いた。
「我々は皆、長剣で構いません」と答えたのは、片刃の剣が無かったからでもある。
剣を手にした時、馬鹿にされた分、きっちり返すという気持ちが三人の顔には滲み出ていた。
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