3 / 3
アレはソレじゃない
しおりを挟む
「アメリア?どうかしたのかい?」
ようやくひと息つく事にした兄が、また温くなった紅茶を飲みながら聞いてきた。
あっ全く聞いてませんでした。
「お兄様のお話を伺って、学園での生活が楽しみになってきたのです。ねっ?イーサン?」
にっこり微笑みながらイーサンに振る。
「あのっ。はいっ。・・楽しみです」
俯き加減ではあるが、頬が薄ら蒸気しているので喜んではいるのだろう。
「ああとても楽しいぞ!まず入学式後の・・・」
このタイミングで侍女が紅茶を入れ直す。ごめんよ。話長いよね。心の中で謝っておく。
兄の話を聞き流しながら現状把握を進める。
そう、アメリアの記憶と前世の記憶を照合したが、ここは乙女ゲームの世界ではないと言える。
正確には私の前世の記憶にある乙女ゲームの世界、もっというとその他ゲームや漫画やラノベの世界でもない。
ただ、あくまで前世の記憶にないだけで何某かの創作物に転生したようではある。
何故か?それはこのご都合主義の世界感だ。
まず、言葉が日本語である事。文字も話すのも日本語。金髪碧眼父が「臍で茶を沸かす」と言った記憶を思い出す。この破壊力。
アメリアとして13年生きているが、思い返しても、前世の知識を持ってして、知らなかった物はない。
そう、全て一般的日本人が知り得る知識で構成されている上に、皆んな細かい事にツッコまない。ざっくりとした世界をあるがまま受け入れている。
魔法も然り。まああまりRPG寄りではないのでここもざっくりしている。
このざっくり設定で思い当たるのが、やはり乙女ゲームや悪役令嬢もののラノベの世界だ。
そして仮にここが乙女ゲームの世界だと仮定しよう。
まず乙女ゲームとは、庶民や異世界転移
でやってきたヒロインが数々の困難を攻略対象者と力を合わせて乗り越えながら愛を育みハッピーエンドを迎える。
それが大まかなストーリー。
舞台は学校だったり時に戦場だったりもする。
攻略対象者は平均するとシークレットも含め5人程。顔面偏差値の高さは言うまでもないが、王太子や第一、第二王子など呼び方は様々だが大概王子枠があり、続いて上位貴族出身者で、キレ者枠、脳筋枠、魔術士枠、ワンコ枠などに振り分け、そこにトラウマやそこに付随する腹黒、ツンデレ、お色気などの特性がつく。
また、それぞれキャラ立ちするように、髪や瞳の色など設定がある。
ちなみに悪役令嬢はいない。
そう、ラノベでよくある乙女ゲームのヒロインをいじめる悪役令嬢は、本来乙女ゲームには出てこない。
いても、文字通りの「好敵手(ライバル)」。けして階段から突き落とすなど愚策は取らない。
虐めてもそれはモブであり、もし重要人物が行なっている場合、それはストーリー上の伏線で、のちのち回収される。
では、この世界に当て嵌めていこう。
まず攻略対象者となり得る人物はいる。
兄や義弟はそのまんまだし、従兄弟の王太子や第ニ王子、第三王子もいる。
兄達以外の上位貴族の息子さん達も結構いる。
それはどの枠も埋められそうなくらい。
だがしかし、如何ともし難い事がある。
そう、この世界の人間は、金髪、茶髪、黒髪しかない。
そして瞳は、青、茶、黒しかないのだ。
そう、目立つ髪色や瞳の色でのキャラ分けが出来ないのである。
これは由々しき自体だ。
魔力量により濃さは変わるが基本はその3色×3色の組み合わせだ。
ちなみに、王様、王妃様、王太子、王子様方、王弟(父含)、兄は全員、金髪に青い目だ。
まる被り。揃うとなかなかの圧巻である。
私は母に似て茶髪、義弟の実家も茶髪だが、義弟の祖父と義弟が黒髪。
ちなみに、色の濃さに違いはあれど、この世界に黒髪忌避の考え方は一切ない。
だって茶髪が1番多いとはいえ、黒髪はマイノリティーではないのだ。
ただ、濃い色を持つ人への憧れはある。
私が色味が薄いからでは断じてない。
断じて・・ない!
余談だが、何故義弟は陰キャなのか。
実家や養子先で虐げられたいた訳でもなく、黒髪忌避で虐められてもいない。
正確にはただの人見知りだ。本が友達、大人しい子。10歳というまだ親を必要する時期に1人家族から離れてきたのだ。本人の性格もあり、当たり前だと思う。3年経って私もようやく僅かな表情の違いを読み取れるようになってきた。
ふと視線を感じると兄と義弟が此方を見ていた。
「どうされました?」
わざとらしく聞いてみる。そりゃ全く話を聞いてない人間がいたら、気になるわな。
「いや、ぼんやりするアメリアも可愛いよ」
兄から歯が浮くどころか、浮いた歯が飛んで額に刺さる衝撃的な言葉を吐く。
前世でも兄弟のいた私はラノベによくあるこの展開にいつも思っていた。
「実の兄妹でこんな会話、ありえなくないですか?」と。
ようやくひと息つく事にした兄が、また温くなった紅茶を飲みながら聞いてきた。
あっ全く聞いてませんでした。
「お兄様のお話を伺って、学園での生活が楽しみになってきたのです。ねっ?イーサン?」
にっこり微笑みながらイーサンに振る。
「あのっ。はいっ。・・楽しみです」
俯き加減ではあるが、頬が薄ら蒸気しているので喜んではいるのだろう。
「ああとても楽しいぞ!まず入学式後の・・・」
このタイミングで侍女が紅茶を入れ直す。ごめんよ。話長いよね。心の中で謝っておく。
兄の話を聞き流しながら現状把握を進める。
そう、アメリアの記憶と前世の記憶を照合したが、ここは乙女ゲームの世界ではないと言える。
正確には私の前世の記憶にある乙女ゲームの世界、もっというとその他ゲームや漫画やラノベの世界でもない。
ただ、あくまで前世の記憶にないだけで何某かの創作物に転生したようではある。
何故か?それはこのご都合主義の世界感だ。
まず、言葉が日本語である事。文字も話すのも日本語。金髪碧眼父が「臍で茶を沸かす」と言った記憶を思い出す。この破壊力。
アメリアとして13年生きているが、思い返しても、前世の知識を持ってして、知らなかった物はない。
そう、全て一般的日本人が知り得る知識で構成されている上に、皆んな細かい事にツッコまない。ざっくりとした世界をあるがまま受け入れている。
魔法も然り。まああまりRPG寄りではないのでここもざっくりしている。
このざっくり設定で思い当たるのが、やはり乙女ゲームや悪役令嬢もののラノベの世界だ。
そして仮にここが乙女ゲームの世界だと仮定しよう。
まず乙女ゲームとは、庶民や異世界転移
でやってきたヒロインが数々の困難を攻略対象者と力を合わせて乗り越えながら愛を育みハッピーエンドを迎える。
それが大まかなストーリー。
舞台は学校だったり時に戦場だったりもする。
攻略対象者は平均するとシークレットも含め5人程。顔面偏差値の高さは言うまでもないが、王太子や第一、第二王子など呼び方は様々だが大概王子枠があり、続いて上位貴族出身者で、キレ者枠、脳筋枠、魔術士枠、ワンコ枠などに振り分け、そこにトラウマやそこに付随する腹黒、ツンデレ、お色気などの特性がつく。
また、それぞれキャラ立ちするように、髪や瞳の色など設定がある。
ちなみに悪役令嬢はいない。
そう、ラノベでよくある乙女ゲームのヒロインをいじめる悪役令嬢は、本来乙女ゲームには出てこない。
いても、文字通りの「好敵手(ライバル)」。けして階段から突き落とすなど愚策は取らない。
虐めてもそれはモブであり、もし重要人物が行なっている場合、それはストーリー上の伏線で、のちのち回収される。
では、この世界に当て嵌めていこう。
まず攻略対象者となり得る人物はいる。
兄や義弟はそのまんまだし、従兄弟の王太子や第ニ王子、第三王子もいる。
兄達以外の上位貴族の息子さん達も結構いる。
それはどの枠も埋められそうなくらい。
だがしかし、如何ともし難い事がある。
そう、この世界の人間は、金髪、茶髪、黒髪しかない。
そして瞳は、青、茶、黒しかないのだ。
そう、目立つ髪色や瞳の色でのキャラ分けが出来ないのである。
これは由々しき自体だ。
魔力量により濃さは変わるが基本はその3色×3色の組み合わせだ。
ちなみに、王様、王妃様、王太子、王子様方、王弟(父含)、兄は全員、金髪に青い目だ。
まる被り。揃うとなかなかの圧巻である。
私は母に似て茶髪、義弟の実家も茶髪だが、義弟の祖父と義弟が黒髪。
ちなみに、色の濃さに違いはあれど、この世界に黒髪忌避の考え方は一切ない。
だって茶髪が1番多いとはいえ、黒髪はマイノリティーではないのだ。
ただ、濃い色を持つ人への憧れはある。
私が色味が薄いからでは断じてない。
断じて・・ない!
余談だが、何故義弟は陰キャなのか。
実家や養子先で虐げられたいた訳でもなく、黒髪忌避で虐められてもいない。
正確にはただの人見知りだ。本が友達、大人しい子。10歳というまだ親を必要する時期に1人家族から離れてきたのだ。本人の性格もあり、当たり前だと思う。3年経って私もようやく僅かな表情の違いを読み取れるようになってきた。
ふと視線を感じると兄と義弟が此方を見ていた。
「どうされました?」
わざとらしく聞いてみる。そりゃ全く話を聞いてない人間がいたら、気になるわな。
「いや、ぼんやりするアメリアも可愛いよ」
兄から歯が浮くどころか、浮いた歯が飛んで額に刺さる衝撃的な言葉を吐く。
前世でも兄弟のいた私はラノベによくあるこの展開にいつも思っていた。
「実の兄妹でこんな会話、ありえなくないですか?」と。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
婚約破棄から50年後
あんど もあ
ファンタジー
王立学園の卒業パーティーで、王子が婚約者に婚約破棄を宣言した。王子は真に愛する女性と結ばれ、めでたしめでたし。
そして50年後、王子の孫の王子は、婚約破棄された女性の孫と婚約する事に。そこで明かされた婚約破棄の真実とは。
弁えすぎた令嬢
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。彼女が父親を亡くしてからの爵位は、叔父(父親の弟)が管理してくれていた。
彼女には亡き父親の決めた婚約者がいたのだが、叔父の娘が彼を好きだと言う。
彼女は思った。
(今の公爵は叔父なのだから、その娘がこの家を継ぐ方が良いのではないか)と。
今後は彼らの世話にならず、一人で生きていくことにしよう。そんな気持ちで家を出たコロネだった。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる