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こんなヤツにあんなヤツ!
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御多分に洩れず、私には兄がいる。
キラッキラッなやつ。
あと、魔力量が非常に多いという事で迎えられた、親戚の伯爵家の三男だった同い年の義弟も。
「アメリア」
呼びかけに振り向くと、キラッキラッて文字を背負いながら此方に歩いてくるのが件の兄パトリック。
その兄の後ろに隠れるように付いてくるのが義弟のイーサンだ。
「いい天気だね、僕たちも仲間にいれてくれるかい?」
って言いながら椅子に座る兄。・・私何も答えてませんけど。
隣を見遣ると義弟が所在なさ気に突っ立ってる。
「勿論です。さあ貴方もお座りなさいイーサン」
うん。分かる。兄は色々と気にしない能天気陽キャで、義弟は気を遣い過ぎる自己肯定感低めの陰キャだ。
侍女が卒なくそれぞれにお茶を注ぎ、新しいお菓子が出される。
「2人とももうすぐ学園の入学式だろ?準備は出来ているのかい?」
「ええ、つつがなく」
「・・はい」
まあ侍女たち使用人が準備するから出来てない訳ないんだけどね。
兄の相手をするのが面倒なので、早々に話題を振ることにする。
「そういえばお兄様、学園には植物園があるのでしょう?」
「そうなんだ。僕も行ってみたけど、季節ごとに区画が分かれていて、その季節のものが通年いつでも咲いているんだよ。何故か分かるかい?それはね魔法薬の材料として・・・」
兄は話し出すと止まらない。どんな話題を振っても話し続ける知識量と誰を相手にしても物怖じしない鋼の精神を持っている。
実は密かに凄いなーとは思っているが、普段の能天気な言動が全てを凌駕し、素顔を知っている人間には残念な公爵家嫡男で知られている。
一方、最近始まった魔法薬学の個人授業にどっぷりハマった事を隠したいお年頃のイーサンは、兄の話に興味津々な態度が隠し切れていない。
ウチでは遠慮して言えないみたいだけど、自分で材料となる植物を育てたいんだろうな。色々作ったり実験したいんだろうな。
そうして青い空を見上げる。今日もいい天気だなー。
・・うん。現実逃避もそろそろ難しくなってきた。
とりあえずやっとこう。
そう、異世界転生もの冒頭で行う、現状把握をせねばなるまい。
うほんっ。まず、私はアメリア・フォークロア。13歳。フォークロア公爵家の長女だ。
薄茶色の髪に薄い青い目という何だか全体的にボヤけた容姿。決してヒロインでも悪役令嬢でもない配色だと断言出来る。
前世の記憶が先程蘇ったものの、高熱を出す訳でもなく、今までのアメリアとしての記憶が消えるという事もなく、特に劇的な変化はない。
通常通り、思い出そうとすると前世の記憶も思い出せる感じ。
ただ、やはり便利世界、飽食世界の記憶があると色々恋しく思うものもある。スマホとか激甘とか激辛とか、やめられないとまらないヤツとか。
んんんっ。えー我がフォークロア公爵家は現当主である父が宰相を務めている。上位貴族である。いわゆるお金持ちでもある。
いちおう、領地もこの王都の屋敷でも多数の使用人を雇い入れ雇用率に貢献している。社会貢献してるはずの優良貴族と言っていいはず。
次に延々と話し続けている兄パトリックは16歳。父と同じく輝く金髪に蒼天を思わせる瞳を持つ、見た目だけなら王子様としてイメージするアレだ。
そして同い年で義弟のイーサンは黒髪に黒目。
魔力が多いと身体的特徴として色味が強く出ると言われている通り、何色にも染まらない、何色をも取り込んでしまう黒を身にまとう。赤い唇と合わせると、白○姫的、末恐ろしいアレ。鏡壊して回らなきゃ。
気になる世界感だが、よくある中世ヨーロッパ風だが、魔法が科学の代わりに使われており、あまり不自由は感じない。
そしてこの国は大陸を大きく4つに分けた、東側に位置するセレニア王国という、まあ力のある大国だ。
そう、そして王政だ。
王様がいる。
前世日本人にはTVや本でしかお目にかかれない雲の上の方だと思いきや、現世の伯父さんです。
父が王様の2番目の弟で、公爵家の一人娘だった母に婿入りしましたーってやつ。
一応現状把握を進めたが、アメリアの記憶からも特によくあるラノベ設定とそう変わらない。
魔法があるファンタジーの世界。
スローライフものでなく、悪役令嬢ものの設定が一番しっくりくる。
この間、前世記憶との検証も同時に行ったが、はっきり言おう。
ここは「乙女ゲームの世界ではない!」と。
キラッキラッなやつ。
あと、魔力量が非常に多いという事で迎えられた、親戚の伯爵家の三男だった同い年の義弟も。
「アメリア」
呼びかけに振り向くと、キラッキラッて文字を背負いながら此方に歩いてくるのが件の兄パトリック。
その兄の後ろに隠れるように付いてくるのが義弟のイーサンだ。
「いい天気だね、僕たちも仲間にいれてくれるかい?」
って言いながら椅子に座る兄。・・私何も答えてませんけど。
隣を見遣ると義弟が所在なさ気に突っ立ってる。
「勿論です。さあ貴方もお座りなさいイーサン」
うん。分かる。兄は色々と気にしない能天気陽キャで、義弟は気を遣い過ぎる自己肯定感低めの陰キャだ。
侍女が卒なくそれぞれにお茶を注ぎ、新しいお菓子が出される。
「2人とももうすぐ学園の入学式だろ?準備は出来ているのかい?」
「ええ、つつがなく」
「・・はい」
まあ侍女たち使用人が準備するから出来てない訳ないんだけどね。
兄の相手をするのが面倒なので、早々に話題を振ることにする。
「そういえばお兄様、学園には植物園があるのでしょう?」
「そうなんだ。僕も行ってみたけど、季節ごとに区画が分かれていて、その季節のものが通年いつでも咲いているんだよ。何故か分かるかい?それはね魔法薬の材料として・・・」
兄は話し出すと止まらない。どんな話題を振っても話し続ける知識量と誰を相手にしても物怖じしない鋼の精神を持っている。
実は密かに凄いなーとは思っているが、普段の能天気な言動が全てを凌駕し、素顔を知っている人間には残念な公爵家嫡男で知られている。
一方、最近始まった魔法薬学の個人授業にどっぷりハマった事を隠したいお年頃のイーサンは、兄の話に興味津々な態度が隠し切れていない。
ウチでは遠慮して言えないみたいだけど、自分で材料となる植物を育てたいんだろうな。色々作ったり実験したいんだろうな。
そうして青い空を見上げる。今日もいい天気だなー。
・・うん。現実逃避もそろそろ難しくなってきた。
とりあえずやっとこう。
そう、異世界転生もの冒頭で行う、現状把握をせねばなるまい。
うほんっ。まず、私はアメリア・フォークロア。13歳。フォークロア公爵家の長女だ。
薄茶色の髪に薄い青い目という何だか全体的にボヤけた容姿。決してヒロインでも悪役令嬢でもない配色だと断言出来る。
前世の記憶が先程蘇ったものの、高熱を出す訳でもなく、今までのアメリアとしての記憶が消えるという事もなく、特に劇的な変化はない。
通常通り、思い出そうとすると前世の記憶も思い出せる感じ。
ただ、やはり便利世界、飽食世界の記憶があると色々恋しく思うものもある。スマホとか激甘とか激辛とか、やめられないとまらないヤツとか。
んんんっ。えー我がフォークロア公爵家は現当主である父が宰相を務めている。上位貴族である。いわゆるお金持ちでもある。
いちおう、領地もこの王都の屋敷でも多数の使用人を雇い入れ雇用率に貢献している。社会貢献してるはずの優良貴族と言っていいはず。
次に延々と話し続けている兄パトリックは16歳。父と同じく輝く金髪に蒼天を思わせる瞳を持つ、見た目だけなら王子様としてイメージするアレだ。
そして同い年で義弟のイーサンは黒髪に黒目。
魔力が多いと身体的特徴として色味が強く出ると言われている通り、何色にも染まらない、何色をも取り込んでしまう黒を身にまとう。赤い唇と合わせると、白○姫的、末恐ろしいアレ。鏡壊して回らなきゃ。
気になる世界感だが、よくある中世ヨーロッパ風だが、魔法が科学の代わりに使われており、あまり不自由は感じない。
そしてこの国は大陸を大きく4つに分けた、東側に位置するセレニア王国という、まあ力のある大国だ。
そう、そして王政だ。
王様がいる。
前世日本人にはTVや本でしかお目にかかれない雲の上の方だと思いきや、現世の伯父さんです。
父が王様の2番目の弟で、公爵家の一人娘だった母に婿入りしましたーってやつ。
一応現状把握を進めたが、アメリアの記憶からも特によくあるラノベ設定とそう変わらない。
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