2 / 3
【中編】脇に触れる
しおりを挟む
佳奈ちゃんは昔から、周りから人気があった。大人達にはもちろんだし、学校でも仲のいい友達は多いようだった。親達の話によると、どうやら男子人気も高かったということである。
しかし特段、元気溌剌なタイプというわけではなく、何か少し影のあるような、偶に何を考えているのか分からないときもあって、それが佳奈ちゃんの魅力のひとつなのかもしれなかった。
今し方の発言も、何を考えているのか読めなくて、僕は困惑する。
鼓動が高鳴って、佳奈ちゃんのノースリーブからのぞく脇の下や、チラリと見え隠れするお腹を意識してしまう。
「え……いいって、その」
僕がモゴモゴしていると、佳奈ちゃんは僕の顔を覗き込んできて、
「ふふ、ただのこちょこちょでしょ?」
と言って、後ろに置いてあったビーズクッションにもたれ掛かり、君がやり返すって言ったんだよと、悪戯っぽく両腕を上げて見せた。
……なんだか試されているような気分になって、少し口惜しくなった反面、やはり佳奈ちゃんの肌身を、肢体を見て、面映ゆさを感じてしまう。
慥かに昔、佳奈ちゃんとくすぐり合ったりしたような記憶がある。しかし僕も小学校に上がりたての頃であり、佳奈ちゃんの身体など、意識もしていなかったが、今は違うのだ。
「私が笑うまでの、我慢ゲームだね」
「……あれ、強いっけ」
「さあ?どうだろうね」
やはり、何か試されている気がする。さっきまで、チョット狼狽えていたくせに。
――やってやろうじゃないか。攻守交代である。
**
「じゃあ佳奈ちゃん、笑ったらだめだからね」
「……そういうゲームだもんね?」
「さっきの仕返しを兼ねてね」
「あはは、わかった」
僕は、クッションにもたれて半臥位の佳奈ちゃんに身を近づける。
佳奈ちゃんがいいというのだから、遠慮する理由も、無いと言えば無いのだ。もう、くすぐっちゃえ。
佳奈ちゃんの頬が少し赤らんでいる。腕を頭の上に上げているため、普段は誰にも見せる機会が無いであろう腕の付け根、柔らかそうな脇の下が目の前に晒されている。
「女の子をこちょばすなんて、えっちなんだね」
ドキリとした。しかし、売り言葉に買い言葉だ。
「ただのこちょこちょなんでしょ」
指先を、それぞれの脇の下にそろりと近づけてみる。それはもう、ゆっくりと。
佳奈ちゃんの上腕が、ピクリと反応した気がした。顔を少し背けて、口を一文字に結んでいるが、口角が上がりかけている。
「……あれ、意外と……自信ないかも」
佳奈ちゃんは、腕を降ろして僕の手を制する。
「何が?」
「笑わないの」
「自分がゲームって言ったんじゃん」
「こちょばされるの久々だもん」
「じゃあ降参?」
「……べつに?」
佳奈ちゃんはまた両腕をあげて、自分の脇の下を、恐る恐る僕に差し出す。僕の指が脇の下に近づくにつれ、佳奈ちゃんの口角が上下し、脇を閉じようとする反応を必死に抑えるように、身体全体がもぞもぞと動く。
これは面白いなと、僕は上機嫌になる。思い切りくすぐってもいいけれど、それではすぐに終わってしまう。そろりと、ゆっくりと、脇の下に指を着地させる。
「――――っ!」
佳奈ちゃんの身体が、びくびくっと痙攣して、声にならない嬌声を上げる。さっきまで身体を伸ばしていたのに、腕こそ下げないものの、身体が少し前傾に丸まる。
「あれ、もう笑ったりしないよね」
ちょっとだけ、挑発してみる。
「まっ……まさ、か」
髪の毛の隙間から佳奈ちゃんの顔を覗くと、目をギュッと瞑り、口元は若干笑ってしまっている。
……くすぐったいくせに。佳奈ちゃんの、想像していたよりもいじらしい反応に、僕は、正直にいって興奮していた。
触れていただけの指を、少しずつ、撫でるように動かしてゆく。クーラーが効いていたからか汗はかいておらず、さらさらと滑るように駆け回ることができる。
その動きが堪らないといった様子で、佳奈ちゃんは顔を左右に振りながら、頑張って笑うのを我慢している。
「……く、…………ふっ」
「あれ?今笑ったんじゃない?」
「わらって……ない」
「くすぐったいんでしょ」
「……ぷっ、……全然、こちょばくない」
僕はとうとう、我慢がしきれなくなって、指をこちょこちょと動かしはじめる。腕の内側のさらさらしたところから、脇の下のくぼんだところ、それから胸の膨らみの直前までを、細かい指の動きで刺激する。
特に脇の窪みと、胸との境界あたりに指を這わせると、くくくっと声を上げながら、刺激から逃げようとする動きが大きくなる。
僕はその弱点が分かってから、あえて脇の下の周りを焦らすようにくすぐって、じわじわと窪みのなかへ侵入していくことにした。とうとう弱い部分に指が集合して――それだけでももう吹き出す寸前のようであったが――僕の10本の指がわらわらと動き出すと、
佳奈ちゃんは、愈々我慢がしきれなくなり、
身体をびくびくっと震わせながら、
「……もうだめ、笑っちゃう、あっ、あははははははは!」
と、これまでの我慢があっけなく瓦解し、弾けるように笑い始めるのであった。
―後編へ続く―
しかし特段、元気溌剌なタイプというわけではなく、何か少し影のあるような、偶に何を考えているのか分からないときもあって、それが佳奈ちゃんの魅力のひとつなのかもしれなかった。
今し方の発言も、何を考えているのか読めなくて、僕は困惑する。
鼓動が高鳴って、佳奈ちゃんのノースリーブからのぞく脇の下や、チラリと見え隠れするお腹を意識してしまう。
「え……いいって、その」
僕がモゴモゴしていると、佳奈ちゃんは僕の顔を覗き込んできて、
「ふふ、ただのこちょこちょでしょ?」
と言って、後ろに置いてあったビーズクッションにもたれ掛かり、君がやり返すって言ったんだよと、悪戯っぽく両腕を上げて見せた。
……なんだか試されているような気分になって、少し口惜しくなった反面、やはり佳奈ちゃんの肌身を、肢体を見て、面映ゆさを感じてしまう。
慥かに昔、佳奈ちゃんとくすぐり合ったりしたような記憶がある。しかし僕も小学校に上がりたての頃であり、佳奈ちゃんの身体など、意識もしていなかったが、今は違うのだ。
「私が笑うまでの、我慢ゲームだね」
「……あれ、強いっけ」
「さあ?どうだろうね」
やはり、何か試されている気がする。さっきまで、チョット狼狽えていたくせに。
――やってやろうじゃないか。攻守交代である。
**
「じゃあ佳奈ちゃん、笑ったらだめだからね」
「……そういうゲームだもんね?」
「さっきの仕返しを兼ねてね」
「あはは、わかった」
僕は、クッションにもたれて半臥位の佳奈ちゃんに身を近づける。
佳奈ちゃんがいいというのだから、遠慮する理由も、無いと言えば無いのだ。もう、くすぐっちゃえ。
佳奈ちゃんの頬が少し赤らんでいる。腕を頭の上に上げているため、普段は誰にも見せる機会が無いであろう腕の付け根、柔らかそうな脇の下が目の前に晒されている。
「女の子をこちょばすなんて、えっちなんだね」
ドキリとした。しかし、売り言葉に買い言葉だ。
「ただのこちょこちょなんでしょ」
指先を、それぞれの脇の下にそろりと近づけてみる。それはもう、ゆっくりと。
佳奈ちゃんの上腕が、ピクリと反応した気がした。顔を少し背けて、口を一文字に結んでいるが、口角が上がりかけている。
「……あれ、意外と……自信ないかも」
佳奈ちゃんは、腕を降ろして僕の手を制する。
「何が?」
「笑わないの」
「自分がゲームって言ったんじゃん」
「こちょばされるの久々だもん」
「じゃあ降参?」
「……べつに?」
佳奈ちゃんはまた両腕をあげて、自分の脇の下を、恐る恐る僕に差し出す。僕の指が脇の下に近づくにつれ、佳奈ちゃんの口角が上下し、脇を閉じようとする反応を必死に抑えるように、身体全体がもぞもぞと動く。
これは面白いなと、僕は上機嫌になる。思い切りくすぐってもいいけれど、それではすぐに終わってしまう。そろりと、ゆっくりと、脇の下に指を着地させる。
「――――っ!」
佳奈ちゃんの身体が、びくびくっと痙攣して、声にならない嬌声を上げる。さっきまで身体を伸ばしていたのに、腕こそ下げないものの、身体が少し前傾に丸まる。
「あれ、もう笑ったりしないよね」
ちょっとだけ、挑発してみる。
「まっ……まさ、か」
髪の毛の隙間から佳奈ちゃんの顔を覗くと、目をギュッと瞑り、口元は若干笑ってしまっている。
……くすぐったいくせに。佳奈ちゃんの、想像していたよりもいじらしい反応に、僕は、正直にいって興奮していた。
触れていただけの指を、少しずつ、撫でるように動かしてゆく。クーラーが効いていたからか汗はかいておらず、さらさらと滑るように駆け回ることができる。
その動きが堪らないといった様子で、佳奈ちゃんは顔を左右に振りながら、頑張って笑うのを我慢している。
「……く、…………ふっ」
「あれ?今笑ったんじゃない?」
「わらって……ない」
「くすぐったいんでしょ」
「……ぷっ、……全然、こちょばくない」
僕はとうとう、我慢がしきれなくなって、指をこちょこちょと動かしはじめる。腕の内側のさらさらしたところから、脇の下のくぼんだところ、それから胸の膨らみの直前までを、細かい指の動きで刺激する。
特に脇の窪みと、胸との境界あたりに指を這わせると、くくくっと声を上げながら、刺激から逃げようとする動きが大きくなる。
僕はその弱点が分かってから、あえて脇の下の周りを焦らすようにくすぐって、じわじわと窪みのなかへ侵入していくことにした。とうとう弱い部分に指が集合して――それだけでももう吹き出す寸前のようであったが――僕の10本の指がわらわらと動き出すと、
佳奈ちゃんは、愈々我慢がしきれなくなり、
身体をびくびくっと震わせながら、
「……もうだめ、笑っちゃう、あっ、あははははははは!」
と、これまでの我慢があっけなく瓦解し、弾けるように笑い始めるのであった。
―後編へ続く―
10
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
