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第5章 宿敵討伐編

5-23(回想)名探偵うさみの事件簿 5推理目

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 はぁい! うさみよん!
 見習い錬金術士のミミリたちと冒険している、言わずと知れたスーパーラビットよん。

 最近では、アザレアのマスコットキャラクター的なものも務めているわ。可愛さを振り撒いてなかなか大変なのよ? でも最近は八百屋のおじさんがご褒美に新鮮なニンジンをくれるから上機嫌よ。もう最高なの!

 前回は、弟子のゼラにこの『名探偵うさみの事件簿』託すことにしたんだけど、粗相はなかったかしら? 本人の前ではぜーったいに言わないけど、ゼラッてなかなか根性あるからやりきったんじゃないかしら。
 
 それでは、つべこべ言わずに始めますかっ!
 
 『名探偵うさみの事件簿 5推理目』よーん。

 あ、そうそう。例の如く、初めての人のためにこの本を説明するわね。

 この本は、これまでの流れを引き続いで、私が冒険を振り返ったものを記していくわよ。書き足していく感じね。記録を残すことで、冒険を振り返りやすくしたり、冒険で得た気付き、疑問点なんかも残していけたらいいなって思ってね。

 ではでは~!

 見た目はうさぎ、中身は乙女な名探偵うさみの推理力、とくとご覧あれ~!


 《登場人物》
 ◎ミミリ(D級→B級)
 ミミリも本当に強くなったわ。特に、瞑想の湖の結晶を使った武器の数々は素晴らしい出来だったわ。ゼラとバルディの攻撃力が数段上がった気がするもの。
 ……そういえば、爆弾娘かと思ったけど毒薬娘にもなってしまうかもしれないわ。詳しくは5-22を読んでみてね。

 ◎ゼラ(D級→B級)
 蛇頭のメデューサを倒せて本当によかったわ。中でも私がよかったと思っているのはね、ゼラがトドメをさせたこと。それも、お父さんの形見を使ってね。これで少しは心が軽くなることを祈っているわ。

 ◎バルディ(D級→C級)
 バルディも大分冒険に慣れたみたいね。デイジーはイジワルして「ミミリのおこぼれでC級に上がった」とか言ってたけれど、私は充分に実力があると思うわ。
 デュランとトレニアに会えてよかった。時間をかけて、仲良くなれていったらいいわよね。

 ◎ヒナタ(C級→B級)
 この子、開いた口が塞がらないわよ! 普通腹ペコでボスモンスターに就任するとかあるぅ? ありえないわよね。
 でもこの子、デュランとトレニアを探すために冒険してたのね。……偉かったのね。今後はどうするのかしら。なんとなく、一箇所でジッとしてられなそうな予感がするけれど。

 ◎シスター
 孤児みなしごが暮らす教会の保護者的存在ね。女神フロレンス様の加護を受けているのも納得だわ。慈愛に満ちているもの。

 ◎サラ
 子どもたちのお姉さん的存在。ミミリの一つ年上ね。とってもしっかりしていて、ゼラを慕っていたわ。きっと、ゼラがいない間はこの子が切り盛りしてきたんでしょうね。

 ◎ジン、シン
 ミミリと同い年の双子の男の子。黒髪で活発な子がジン。銀髪でおっとりした子がシンらしいわ。ミミリのことを可愛いって言ってたんですって。見る目はあるけど、ミミリはあげないわよ? 
 ゼラが不在時はこの子たちが教会を守っていたらしいわ。勇敢よね。

 ◎ユウリ
 ちょっぴりわがままな、教会のアイドル的存在な子ね。でも一番見る目あるわよ! 私のこと可愛いって言ってたもの。
 
 ◎デュラン=アザレア、トレニア=アザレア
 バルディの実の弟妹ね。本心は複雑じゃないかしら。教会にもずっといたい、でも、アザレアにも帰りたい……。バルディが架け橋になってくれることを祈るわ。トレニアも失語症が治るといいわね。
 デュランもミミリが可愛いって言ってたらしいわ。まったくもー! 見る目あるわね。

 ◎女神フロレンス様、護衛騎士さん もとい ミミリの両親
 ママは女神フロレンス様の加護をたくさん受けているために魔法が使えていたらしいわね。でも、私に能力を半分くれたから、今は半減しているわ。パパも強いみたいね。
・理由があって最後まで名前を明かさなかったそうよ。
・魔法使いには稀有だから攫われる傾向にあるらしいわ。……だからミミリを置いて旅に出たのかしら……。ただ、勘だけど他にも理由がある気がするのよね。

 ◎瞑想の湖の美少女
 今回、私たちが蛇頭のメデューサを討つために尽力してくれたわ。アルヒに似てるっていうけれど、実際のところ何者なのかしら。

 ◎うさみ(D級→B級)
 大トリは私よ! 今回、いろいろな魔法を使えていたこと、気がついてくれたかしら。ゼラの過去の話を聞いて以降、ずっと練習していたのよ。だってミミリのママが使えるということは半身の私も使えるということ。これからもたくさん魔法を練習していくわ。……みんなの……アルヒのためにね。

《これまでにわかった事柄の時系列》
※わかりやすく前回分とまとめているわよ。
【アルヒの住む地】
 ・スズツリー=ソウタ200歳。アルヒを作る。
 ↓
 ・心無い者に、錬金術の本や【アンティーク・オイル】を含む錬成アイテムを盗まれる。(犯人はアルヒたちの友人だったみたいね)
 ↓
 ・スズツリー=ソウタ、家の周りの川に「大賢者の涙」の成分を付与する。
 ・スズツリー=ソウタ、審判の関所を作る。(おそらく大賢者の涙と同時期じゃないかしら)
 ↓
 ・スズツリー=ソウタ、雷竜にアルヒたちを託し、行方不明に。(この時から現在までに100年経過しているのよ)
 ↓
 ・スズツリー=ソウタを探すため、アルヒとポチはしばしの別れ。(しばしと言っても100年間よ!)
 ↓
 ・ミミリの両親、この地にやってくる。この時点でミミリは母親のお腹の中にいたみたい。
 ↓
 ・幼いミミリをアルヒに託し、ミミリの両親が旅に出る。
 ・うさみの生命活動開始‼︎(拍手~!)
 ↓
【川上の街(廃墟の街)、川下の街、教会】
 ・ゼラ、蛇頭のメデューサによって孤児みなしごになる。
 ・ミミリの両親、ゼラや、デュランとトレニアの窮地を救う。3人は教会に住むことに。
 ・ゼラの宿敵、蛇頭のメデューサは致命傷を負う。(10年間くらいは動けないだろうとの推測)
 ↓
【アルヒの住む地】
 ・ミミリ13歳、ゼラ15歳の時、ゼラはミミリたちの地へやって来た。
 ↓
 ・ポチとアルヒの再会。
 ↓
 ・ミミうさ探検隊、プレ冒険をする。
 ↓
 ・旅立ち。
 ↓
【審判の関所】
 ・審判の関所クリア!
 ↓
【アザレアの街】
 ・人と人とが行き交う街アザレアへ到着
 ↓
 ・右も左もわからないから、いい情報を得るために名声を集め工房を有名にする計画ね!
(難易度が高い依頼の対価として、質のよい情報を代わりにいただきましょうっていう算段だったからもしかしたら私の目、エニー(お金)マークになっていたかもしれないわ。……まさかね)
 ↓
【アンスリウム山の内部ダンジョン】
 ・マールを助け、蛇頭のメデューサを倒した。
 ・デュラン、トレニアを発見したわ。←今ココ!


 ゼラの両親の仇、蛇頭のメデューサ。
 やっと討てたわ。
 ゼラのことだから、差し違えてもいいって覚悟だったんじゃないかしら。そしたら泣いて止めたけれどね。

 私たちにはミミリの両親ほどの力はないから、【七色のメガネ】があって本当によかったわ。でなければ、いくら自分が傷ついてもいいから……って言って、ゼラは目隠しして、戦うつもりだったんじゃないかしら。操られた場合に、私たちを傷つけないためにね。無茶しようとするんだから。もう。


 そろそろ私たちの名声値も上がったはずよ。貢献してきたもの。ミミリの両親や、【アンティーク・オイル】、スズツリー=ソウタの情報を得られることを期待しているわ。
 次の冒険は、新たな地へ足を運ぶのもいいかもしれないわね。ちょうどいい依頼があればいいんだけれど。


 この本が、私たちの冒険の謎を解く、一助となることを願って。


 ミミリのぬいぐるみ うさみ



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