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ファインダー越しに交わす想い
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写真なんて、スマホがあれば充分。由稀は、そう思っているごく普通の大学生だった。この前授業が突然休講になって、仕方なくたまたま通りがかった写真展をふらりと覗いてみるまでは。
「え……これ、すごいな……」
パネルには、地元で活動している新進写真家・佐野裕紀、と書かれていた。
由稀は写真家なんて全く知らないので、当然この人も知らないけれど、素直に映画のようだ、と思った。動きもせりふもない、風景や草木を切り取っただけなのに、胸が苦しくなるような感情の昂りを引き起こされる。こんな感覚は、初めてだった。
食い入るように見つめたまま動かない由稀の背中に、控えめな声がかけられた。
「それ、気に入っていただけましたか」
驚いて振り返った先には、由稀と大して年の違わなさそうな若い男性がにこにこと柔らかな笑みを浮かべて立っていた。
「俺、それを撮った、佐野と言います。来てくださってありがとう。ゆっくり見ていってください」
そう言って佐野は一枚の名刺を差し出した。
地下街の一角を使ったこぢんまりとした写真展なので、由稀はさして時間もかからずに全ての作品を見終わってしまった。何より、会場の隅に目立たないように立っている佐野に、さっき声をかけてくれた時迷って伝えられなかったことを、やっぱり伝えたくなってしまって、余計に早足になってしまったのもある。
「あの」
ちらっと見ていくだけの人にも嫌味にならない程度に会釈をしている佐野に、由稀は思い切って声をかけた。ああ、と気づいてこちらを見て、ありがとうございました、ととおりいっぺんのお礼を言おうとする佐野を遮って、由稀は続ける。
「俺、写真とか何も分からないんですけど、すごく感動しました。ありがとうございます。特にあの、真ん中の、空と地平線の、あれが本当にすごくて。あれは海外で撮ったんですか?」
由稀は自分で自分の大胆さに少し驚いていた。普段、お世辞にもこういう場面で積極的に行くタイプではないのに、溢れるように言葉が出てくる。
佐野も少し驚いたような顔をして、でもすぐにすごく嬉しそうに微笑んだ。その顔に、どきりと由稀の心臓が音を立てる。
——すごく綺麗な顔で笑う人なんだな……。
「よかったら、ここに名前とメールアドレスか住所をもらえれば、こういう展示会なんかのイベントのお知らせをお送りしますけど、よかったらどうですか?」
促されるままに、渡された紙に記入する。
「吉村、由稀……ゆきじゃなくてゆうき、なんだね。俺も下の名前裕紀だけど、音読みでゆうきって呼ばれることもあるよ。おそろいだね」
ついでに、空欄でもいいと言われたけれど、「個展を見に来たきっかけ」の欄に、「大学の近くだったので通りかかった」と書いた。
「この近くの大学って、もしかして英成? あ、ごめん詮索するようなことを聞いて。俺、英成出身だからつい」
「え、本当ですか!? そうです、今三年で、もうすぐ就活始まる感じです」
「わあ、すごい偶然だなあ」
話の終わりが見えなくなってきた頃、佐野は由稀に「さっきの名刺、もう一回貸してもらえないかな」と言うので、なんだろうと思いながら由稀がスマホのカバーにしまった名刺を取り出すと、佐野がそこにサラサラと何かを書きつけた。
「これ、俺のプライベート用のアドレス。って、なんか怪しい人みたいだけど、せっかく楽しく話せたから、もしよかったらまた話せたら嬉しい。まあ俺こんなだから、就活の相談とかはちょっと頼りないかもしれないけど」
そうおどけた佐野の笑顔に、由稀の心臓がまた、跳ねた。
「……うん。うん。そっちはどう? 順調?」
そうして、由稀はその晩佐野に早速お礼がてらメールを送り、誘われるままにご飯をご馳走になったり、映画を見たり、美術館に行ったり、年の近い友人のような、でも他の友人の誰とも違う不思議な関係を続けている。
佐野の趣味は由稀も好きだなと思うものが多くて、純粋に楽しいし、年は少ししか離れていないのに、すごく大人っぽくて余裕があって、一人っ子の由稀には兄がいたらこんな感じなのだろうかと、甘やかされるのが新鮮で心地よかった。
最近は、重たいと思われたら嫌だなと思う反面、スケジュールの不規則な佐野から誘いがあったら他の何より優先したいと思ってしまう自分がちょっと面倒くさいとさえ思っていて、初めての感情に由稀はほとほと振り回されていた。
そんな佐野が、二週間ほど前から、撮影旅行だと言って地元を離れている。電話するし、いつでもかけて、と言われたけれど、さすがに自分からかける勇気はさすがに出なくて悶々としていたら、佐野の方からかけてきてくれた。自分からはかけづらいと思っている由稀の心中を察してくれるあたり、大人だなあと改めて感じさせられる。
電話は二日から三日に一回くらい、必ず夜。由稀のバイトのシフトはあらかじめ聞かれていて、それをさけてかけてきてくれる。話すのは他愛もない大学での馬鹿話、最近広告を見かけて気になっている展覧会のことや、佐野の仕事の話。
なんだか、こうしていると、恋人みたいだな、と思ってしまう時がある。実際、大学でよくつるんでいる友人たちに、「なんか最近心ここに在らずって感じだなあ。彼女でもできたか~!?」と突っ込まれて、咄嗟に言い返せなくて彼らの間ではすっかりそういうことにされてしまった。そう言われるとなんだか余計に意識してしまう。意識してしまったら、そうしなければ気にならなかったようなことが色々気になり始めてしまう気がするから、できるだけ考えないようにしよう、と由稀は思っていた。それなのに。
「そうだ、今朝ね、いいものが撮れたから。ちょっと送るね。サイズ落としたつもりだけど、開けなかったら言って」
佐野が電話越しにそう言って、程なくしてピロン、と通知音が鳴った。
通話画面を小さくしてアプリのトーク画面を見ると、写真が送られてきている。
サムネイルをタップした由稀は、言葉をなくした。
「……どう? 開けたー?」
黙った由稀に痺れを切らした佐野が声をかけてくるまで、由稀は写真を見つめたまま固まっていた。
朝露に濡れた、薄紫の花の蕾。ハッとするほどに美しくて、凛として、それでいて思わず触れたくなるほど儚い。朝日が後ろに差し込んで、まるで宗教画のような荘厳ささえあった。
「佐野さん、これ……」
「今朝ね、たまたま宿を出たところで見つけてさ。由稀くんみたいだなあって。あはは、こうして言葉にするとすっごいクサくてやばいやつみたいだけど」
「ううん、これすごい……うまく言葉にできないけど、すごいです」
「あはは、いきなり敬語になってる」
「次の個展に使うの?」
この旅行でいいものが撮れたらまた個展をしないかと依頼を受けているのだと佐野は言っていた。
「うーん、これはたぶん使わないかなあ」
「そっか……こんなに綺麗なのに」
佐野の作品としては満たないクオリティなのだと言われた気がして、そういうものだから気軽に送ってきてくれたのか、と少しだけがっかりしてしまった。だから、次の佐野の言葉が由稀にはすぐには飲み込めなかった。
「だからだよ」
「だから?」
「由稀くんみたいだって思ったって言ったろ? 俺はそれを全世界に公開したくないんだよ」
「え……っ、」
都合よく考えてしまいそうな脳みそを叱りつけて、由稀は必死に何か無難なコメントを言おうと必死に考えるけれど、頭がパニックになってしまって全然考えられない。
「黙られるとこっちも気恥ずかしくなってくるなあ。とりあえず、今の感じだと多分来週帰れると思う。金曜は由稀くん、空いてるんだっけ?」
相変わらず余裕な佐野に、振り回されてばかりの由稀は少しだけ悔しい。
「うん。でも帰ってきた次の日だし、さすがに佐野さんだって疲れてるっしょ」
「いいのいいの。俺が会いたいから。由稀くんの顔を見ないと落ち着かないんだよ」
「そうやってまた揶揄う!」
ははは、と笑い声を残して、通話は終わった。
翌朝。
「あ、少し寒いな、今日」
佐野のいる東北はもう朝はすっかり冷えるというが、由稀の住む関東も台風が通過してから秋の空気が満ちている。なんだか早く目が覚めてしまったから、余計なのかもしれない。
「もしかして」
由稀は一人呟いて、上着を羽織るとサンダルをつっかけて表に出た。
「朝露だ……!」
白露、というのだと佐野に教わった。まっすぐ伸びた、力強い茎と葉の間にきらきらと銀の珠が輝いている。
「よ……っと」
佐野の足元にも及ばないけれど、スマホのシャッターを切る。伸びやかでどこか悠然と秋の空目掛けて立つその名前も知らない草が、まるで佐野みたいだと思ったと。
言えるか言えないかは別として、見せたい。早く、会いたい。由稀は秋の空にはやる鼓動とともに、その想いを胸に抱いた。
ーーー
第78回 お題「白露(はくろ)」「長電話」
「え……これ、すごいな……」
パネルには、地元で活動している新進写真家・佐野裕紀、と書かれていた。
由稀は写真家なんて全く知らないので、当然この人も知らないけれど、素直に映画のようだ、と思った。動きもせりふもない、風景や草木を切り取っただけなのに、胸が苦しくなるような感情の昂りを引き起こされる。こんな感覚は、初めてだった。
食い入るように見つめたまま動かない由稀の背中に、控えめな声がかけられた。
「それ、気に入っていただけましたか」
驚いて振り返った先には、由稀と大して年の違わなさそうな若い男性がにこにこと柔らかな笑みを浮かべて立っていた。
「俺、それを撮った、佐野と言います。来てくださってありがとう。ゆっくり見ていってください」
そう言って佐野は一枚の名刺を差し出した。
地下街の一角を使ったこぢんまりとした写真展なので、由稀はさして時間もかからずに全ての作品を見終わってしまった。何より、会場の隅に目立たないように立っている佐野に、さっき声をかけてくれた時迷って伝えられなかったことを、やっぱり伝えたくなってしまって、余計に早足になってしまったのもある。
「あの」
ちらっと見ていくだけの人にも嫌味にならない程度に会釈をしている佐野に、由稀は思い切って声をかけた。ああ、と気づいてこちらを見て、ありがとうございました、ととおりいっぺんのお礼を言おうとする佐野を遮って、由稀は続ける。
「俺、写真とか何も分からないんですけど、すごく感動しました。ありがとうございます。特にあの、真ん中の、空と地平線の、あれが本当にすごくて。あれは海外で撮ったんですか?」
由稀は自分で自分の大胆さに少し驚いていた。普段、お世辞にもこういう場面で積極的に行くタイプではないのに、溢れるように言葉が出てくる。
佐野も少し驚いたような顔をして、でもすぐにすごく嬉しそうに微笑んだ。その顔に、どきりと由稀の心臓が音を立てる。
——すごく綺麗な顔で笑う人なんだな……。
「よかったら、ここに名前とメールアドレスか住所をもらえれば、こういう展示会なんかのイベントのお知らせをお送りしますけど、よかったらどうですか?」
促されるままに、渡された紙に記入する。
「吉村、由稀……ゆきじゃなくてゆうき、なんだね。俺も下の名前裕紀だけど、音読みでゆうきって呼ばれることもあるよ。おそろいだね」
ついでに、空欄でもいいと言われたけれど、「個展を見に来たきっかけ」の欄に、「大学の近くだったので通りかかった」と書いた。
「この近くの大学って、もしかして英成? あ、ごめん詮索するようなことを聞いて。俺、英成出身だからつい」
「え、本当ですか!? そうです、今三年で、もうすぐ就活始まる感じです」
「わあ、すごい偶然だなあ」
話の終わりが見えなくなってきた頃、佐野は由稀に「さっきの名刺、もう一回貸してもらえないかな」と言うので、なんだろうと思いながら由稀がスマホのカバーにしまった名刺を取り出すと、佐野がそこにサラサラと何かを書きつけた。
「これ、俺のプライベート用のアドレス。って、なんか怪しい人みたいだけど、せっかく楽しく話せたから、もしよかったらまた話せたら嬉しい。まあ俺こんなだから、就活の相談とかはちょっと頼りないかもしれないけど」
そうおどけた佐野の笑顔に、由稀の心臓がまた、跳ねた。
「……うん。うん。そっちはどう? 順調?」
そうして、由稀はその晩佐野に早速お礼がてらメールを送り、誘われるままにご飯をご馳走になったり、映画を見たり、美術館に行ったり、年の近い友人のような、でも他の友人の誰とも違う不思議な関係を続けている。
佐野の趣味は由稀も好きだなと思うものが多くて、純粋に楽しいし、年は少ししか離れていないのに、すごく大人っぽくて余裕があって、一人っ子の由稀には兄がいたらこんな感じなのだろうかと、甘やかされるのが新鮮で心地よかった。
最近は、重たいと思われたら嫌だなと思う反面、スケジュールの不規則な佐野から誘いがあったら他の何より優先したいと思ってしまう自分がちょっと面倒くさいとさえ思っていて、初めての感情に由稀はほとほと振り回されていた。
そんな佐野が、二週間ほど前から、撮影旅行だと言って地元を離れている。電話するし、いつでもかけて、と言われたけれど、さすがに自分からかける勇気はさすがに出なくて悶々としていたら、佐野の方からかけてきてくれた。自分からはかけづらいと思っている由稀の心中を察してくれるあたり、大人だなあと改めて感じさせられる。
電話は二日から三日に一回くらい、必ず夜。由稀のバイトのシフトはあらかじめ聞かれていて、それをさけてかけてきてくれる。話すのは他愛もない大学での馬鹿話、最近広告を見かけて気になっている展覧会のことや、佐野の仕事の話。
なんだか、こうしていると、恋人みたいだな、と思ってしまう時がある。実際、大学でよくつるんでいる友人たちに、「なんか最近心ここに在らずって感じだなあ。彼女でもできたか~!?」と突っ込まれて、咄嗟に言い返せなくて彼らの間ではすっかりそういうことにされてしまった。そう言われるとなんだか余計に意識してしまう。意識してしまったら、そうしなければ気にならなかったようなことが色々気になり始めてしまう気がするから、できるだけ考えないようにしよう、と由稀は思っていた。それなのに。
「そうだ、今朝ね、いいものが撮れたから。ちょっと送るね。サイズ落としたつもりだけど、開けなかったら言って」
佐野が電話越しにそう言って、程なくしてピロン、と通知音が鳴った。
通話画面を小さくしてアプリのトーク画面を見ると、写真が送られてきている。
サムネイルをタップした由稀は、言葉をなくした。
「……どう? 開けたー?」
黙った由稀に痺れを切らした佐野が声をかけてくるまで、由稀は写真を見つめたまま固まっていた。
朝露に濡れた、薄紫の花の蕾。ハッとするほどに美しくて、凛として、それでいて思わず触れたくなるほど儚い。朝日が後ろに差し込んで、まるで宗教画のような荘厳ささえあった。
「佐野さん、これ……」
「今朝ね、たまたま宿を出たところで見つけてさ。由稀くんみたいだなあって。あはは、こうして言葉にするとすっごいクサくてやばいやつみたいだけど」
「ううん、これすごい……うまく言葉にできないけど、すごいです」
「あはは、いきなり敬語になってる」
「次の個展に使うの?」
この旅行でいいものが撮れたらまた個展をしないかと依頼を受けているのだと佐野は言っていた。
「うーん、これはたぶん使わないかなあ」
「そっか……こんなに綺麗なのに」
佐野の作品としては満たないクオリティなのだと言われた気がして、そういうものだから気軽に送ってきてくれたのか、と少しだけがっかりしてしまった。だから、次の佐野の言葉が由稀にはすぐには飲み込めなかった。
「だからだよ」
「だから?」
「由稀くんみたいだって思ったって言ったろ? 俺はそれを全世界に公開したくないんだよ」
「え……っ、」
都合よく考えてしまいそうな脳みそを叱りつけて、由稀は必死に何か無難なコメントを言おうと必死に考えるけれど、頭がパニックになってしまって全然考えられない。
「黙られるとこっちも気恥ずかしくなってくるなあ。とりあえず、今の感じだと多分来週帰れると思う。金曜は由稀くん、空いてるんだっけ?」
相変わらず余裕な佐野に、振り回されてばかりの由稀は少しだけ悔しい。
「うん。でも帰ってきた次の日だし、さすがに佐野さんだって疲れてるっしょ」
「いいのいいの。俺が会いたいから。由稀くんの顔を見ないと落ち着かないんだよ」
「そうやってまた揶揄う!」
ははは、と笑い声を残して、通話は終わった。
翌朝。
「あ、少し寒いな、今日」
佐野のいる東北はもう朝はすっかり冷えるというが、由稀の住む関東も台風が通過してから秋の空気が満ちている。なんだか早く目が覚めてしまったから、余計なのかもしれない。
「もしかして」
由稀は一人呟いて、上着を羽織るとサンダルをつっかけて表に出た。
「朝露だ……!」
白露、というのだと佐野に教わった。まっすぐ伸びた、力強い茎と葉の間にきらきらと銀の珠が輝いている。
「よ……っと」
佐野の足元にも及ばないけれど、スマホのシャッターを切る。伸びやかでどこか悠然と秋の空目掛けて立つその名前も知らない草が、まるで佐野みたいだと思ったと。
言えるか言えないかは別として、見せたい。早く、会いたい。由稀は秋の空にはやる鼓動とともに、その想いを胸に抱いた。
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第78回 お題「白露(はくろ)」「長電話」
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