どれほど罵られようと、慰謝料は請求させていただきます。

ふまさ

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 三人に責められて、自分だけが悪者みたいに思い込んでしまっていたけど、そうじゃなかった。馬鹿みたいに騙されていた自分はともかく、バートは、マックスに寂しい思いをさせ、傷付けていた。

 そのことに、なにより腹が立った。ずっと疑うこともせず、バートを信じていた愚かな自分にも。

「……わたし、バートと離縁するわ」

「それがいいよ。慰謝料も、できるかぎり多めに請求しないとね。僕と母さんを、長年騙してきた罰だ」

「……慰謝料?」

 お金はもう、本当の家族だけに使える。一軒家を明け渡せ。バートにそう言われたからだろうか。逆にお金が貰えるなんて発想、レイラにはまるでなかった。

「……間抜け過ぎる」

 呟き、レイラはゆっくりと立ち上がった。

「たくさんのアドバイス、ありがとう。頼りない母親で、ごめんね」

「誰だって、結婚相手に不倫されて、隠し子までいたら、パニックになって当然だよ」

「……そうね」

『きみはなにかと言えばすぐに体調を崩すし、家事は怠けて、甘えて。本当に苛々していたよ』

 けれど思い返せば、それと同じぐらい、バートの本音がきつかったように思う。

『なあ、ぼくの気持ちがわかるか? 愛する人を優先できない、愛してもいないお荷物なだけのきみにお金も時間も割かなければならなかったぼくの気持ちがっ』

 正直、わからなくはなかった。申し訳なさも確かにあったから、きっとなにも言い返せなかった。

(……これは、わたしの胸にしまっておこう)

 マックスに伝えても、哀しませるだけだから。知らなくていい。もう充分、巻き込んだ。

「──マックス、お仕事に戻って。わたしはもう、本当に大丈夫だから」

 穏やかに微笑むレイラに、マックスがふっと表情を緩める。

「そうみたいだね。なにか手伝えることや、困ったことがあったら、すぐに言ってね。約束だよ」

 レイラは、ええ、と笑った。

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