11 / 21
11
しおりを挟む
「みな、安心しろ。こいつは予想よりよほど屑だった。なにも罪悪感など抱かなくてよいぞ」
執事やメイドたちを見回し、ゴンザレス子爵は告げた。なんのことかさっぱりわからず、パスカルだけがぽかんとしている。
「どうした。まさか、お前のその嘘がまかり通ると、本気で考えていたのか?」
「う、嘘などと……」
目線を泳がせるパスカルに、ゴンザレス子爵は「婚約者のマーシアに、他の女を抱いているところを見られておきながら、よくも平然と日常を過ごせたものだな」と、言い捨てた。
パスカルはひゅっと肝が冷えたが、それでも負けじと声を張り上げた。
「ぼくは断じて、そんなことはしておりません。もしそれが真実なら、マーシアが黙っていないでしょう?!」
その台詞に、ゴンザレス子爵は目を見張った。なにを言っているのか理解できない、そんな双眸をしていた。
「…………?」
マーシアが誰かに告げ口するなど、夢にも思っていないパスカルが、首を捻る。その様子に、ゴンザレス子爵どころか、使用人たちも、呆れて言葉をなくした。
執事やメイドたちを見回し、ゴンザレス子爵は告げた。なんのことかさっぱりわからず、パスカルだけがぽかんとしている。
「どうした。まさか、お前のその嘘がまかり通ると、本気で考えていたのか?」
「う、嘘などと……」
目線を泳がせるパスカルに、ゴンザレス子爵は「婚約者のマーシアに、他の女を抱いているところを見られておきながら、よくも平然と日常を過ごせたものだな」と、言い捨てた。
パスカルはひゅっと肝が冷えたが、それでも負けじと声を張り上げた。
「ぼくは断じて、そんなことはしておりません。もしそれが真実なら、マーシアが黙っていないでしょう?!」
その台詞に、ゴンザレス子爵は目を見張った。なにを言っているのか理解できない、そんな双眸をしていた。
「…………?」
マーシアが誰かに告げ口するなど、夢にも思っていないパスカルが、首を捻る。その様子に、ゴンザレス子爵どころか、使用人たちも、呆れて言葉をなくした。
2,029
あなたにおすすめの小説
学生のうちは自由恋愛を楽しもうと彼は言った
mios
恋愛
学園を卒業したらすぐに、私は婚約者と結婚することになる。
学生の間にすることはたくさんありますのに、あろうことか、自由恋愛を楽しみたい?
良いですわ。学生のうち、と仰らなくても、今後ずっと自由にして下さって良いのですわよ。
9話で完結
【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
【短編】夫の国王は隣国に愛人を作って帰ってきません。散々遊んだあと、夫が城に帰ってきましたが・・・城門が開くとお思いですか、国王様?
五月ふう
恋愛
「愛人に会いに隣国に行かれるのですか?リリック様。」
朝方、こっそりと城を出ていこうとする国王リリックに王妃フィリナは声をかけた。
「違う。この国の為に新しい取引相手を探しに行くのさ。」
国王リリックの言葉が嘘だと、フィリナにははっきりと分かっていた。
ここ数年、リリックは国王としての仕事を放棄し、女遊びにばかり。彼が放り出した仕事をこなすのは、全て王妃フィリナだった。
「待ってください!!」
王妃の制止を聞くことなく、リリックは城を出ていく。
そして、3ヶ月間国王リリックは愛人の元から帰ってこなかった。
「国王様が、愛人と遊び歩いているのは本当ですか?!王妃様!」
「国王様は国の財源で女遊びをしているのですか?!王妃様!」
国民の不満を、王妃フィリナは一人で受け止めるしか無かったーー。
「どうしたらいいのーー?」
あなたのことなんて、もうどうでもいいです
もるだ
恋愛
舞踏会でレオニーに突きつけられたのは婚約破棄だった。婚約者の相手にぶつかられて派手に転んだせいで、大騒ぎになったのに……。日々の業務を押しつけられ怒鳴りつけられいいように扱われていたレオニーは限界を迎える。そして、気がつくと魔法が使えるようになっていた。
元婚約者にこき使われていたレオニーは復讐を始める。
地味令嬢を馬鹿にした婚約者が、私の正体を知って土下座してきました
ほーみ
恋愛
王都の社交界で、ひとつの事件が起こった。
貴族令嬢たちが集う華やかな夜会の最中、私――セシリア・エヴァンストンは、婚約者であるエドワード・グラハム侯爵に、皆の前で婚約破棄を告げられたのだ。
「セシリア、お前との婚約は破棄する。お前のような地味でつまらない女と結婚するのはごめんだ」
会場がざわめく。貴族たちは興味深そうにこちらを見ていた。私が普段から控えめな性格だったせいか、同情する者は少ない。むしろ、面白がっている者ばかりだった。
平民とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の王と結婚しました
ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・ベルフォード、これまでの婚約は白紙に戻す」
その言葉を聞いた瞬間、私はようやく――心のどこかで予感していた結末に、静かに息を吐いた。
王太子アルベルト殿下。金糸の髪に、これ見よがしな笑み。彼の隣には、私が知っている顔がある。
――侯爵令嬢、ミレーユ・カスタニア。
学園で何かと殿下に寄り添い、私を「高慢な婚約者」と陰で嘲っていた令嬢だ。
「殿下、どういうことでしょう?」
私の声は驚くほど落ち着いていた。
「わたくしは、あなたの婚約者としてこれまで――」
捨てた私をもう一度拾うおつもりですか?
ミィタソ
恋愛
「みんな聞いてくれ! 今日をもって、エルザ・ローグアシュタルとの婚約を破棄する! そして、その妹——アイリス・ローグアシュタルと正式に婚約することを決めた! 今日という祝いの日に、みんなに伝えることができ、嬉しく思う……」
ローグアシュタル公爵家の長女――エルザは、マクーン・ザルカンド王子の誕生日記念パーティーで婚約破棄を言い渡される。
それどころか、王子の横には舌を出して笑うエルザの妹――アイリスの姿が。
傷心を癒すため、父親の勧めで隣国へ行くのだが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる