惚れた弱みにも、限度がありました。

ふまさ

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「みな、安心しろ。こいつは予想よりよほど屑だった。なにも罪悪感など抱かなくてよいぞ」

 執事やメイドたちを見回し、ゴンザレス子爵は告げた。なんのことかさっぱりわからず、パスカルだけがぽかんとしている。

「どうした。まさか、お前のその嘘がまかり通ると、本気で考えていたのか?」

「う、嘘などと……」

 目線を泳がせるパスカルに、ゴンザレス子爵は「婚約者のマーシアに、他の女を抱いているところを見られておきながら、よくも平然と日常を過ごせたものだな」と、言い捨てた。

 パスカルはひゅっと肝が冷えたが、それでも負けじと声を張り上げた。

「ぼくは断じて、そんなことはしておりません。もしそれが真実なら、マーシアが黙っていないでしょう?!」

 その台詞に、ゴンザレス子爵は目を見張った。なにを言っているのか理解できない、そんな双眸をしていた。

「…………?」

 マーシアが誰かに告げ口するなど、夢にも思っていないパスカルが、首を捻る。その様子に、ゴンザレス子爵どころか、使用人たちも、呆れて言葉をなくした。

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