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その科白に焦ったのは、ローナだった。
「パトリス様……けれど……っ」
パトリスが宥めるように、ローナの頭を撫でた。
「この者はあなたの婚約者ですからね。いずれは、知ることとなっていたはず」
「……でも、もう」
パトリスはローナに小さく微笑むと「では、行きましょうか」と、ヘクターに向き直った。
「行く、とは……」
「いくら人気がまばらとはいえ、こんなところで話すわけにはいきませんからね」
パトリスがローナの肩を抱き、歩きはじめる。ローナが、痛むお腹を咄嗟におさえたのを見て、パトリスはぴくりと眉を動かしたが、そのままローナを気遣うように歩く速度をゆるめただけで、何も問おうとはしなかった。
──全ては、あの方の判断に従いましょう。
胸中で呟くパトリス。その後ろを、いぶかしみながらもついてくるヘクター。目的地は、医務室と同じ一階にある。その部屋の前にほどなく着いたパトリスは、足を止めた。
そこは、この学園の生徒会室だった。
「……まさか、ここで話しを?」
ヘクターの問いに「ええ」と、簡潔に答えるパトリス。
「……生徒会役員は、もう全員お帰りに?」
「いいえ。ユーイン様と、デールが残っていますよ」
「で、殿下が?!」
「そんなに驚くことですか? ユーイン様は、生徒会の会長ですよ? 生徒会室にいても、何ら不思議ではないでしょう?」
「そ、そういうことではなく……ぼくは、あなたとローナの関係を知りたいだけで……っ」
パトリスは「必要だから、ここに来たのです」と言い、生徒会室の扉をノックした。
「パトリス様……けれど……っ」
パトリスが宥めるように、ローナの頭を撫でた。
「この者はあなたの婚約者ですからね。いずれは、知ることとなっていたはず」
「……でも、もう」
パトリスはローナに小さく微笑むと「では、行きましょうか」と、ヘクターに向き直った。
「行く、とは……」
「いくら人気がまばらとはいえ、こんなところで話すわけにはいきませんからね」
パトリスがローナの肩を抱き、歩きはじめる。ローナが、痛むお腹を咄嗟におさえたのを見て、パトリスはぴくりと眉を動かしたが、そのままローナを気遣うように歩く速度をゆるめただけで、何も問おうとはしなかった。
──全ては、あの方の判断に従いましょう。
胸中で呟くパトリス。その後ろを、いぶかしみながらもついてくるヘクター。目的地は、医務室と同じ一階にある。その部屋の前にほどなく着いたパトリスは、足を止めた。
そこは、この学園の生徒会室だった。
「……まさか、ここで話しを?」
ヘクターの問いに「ええ」と、簡潔に答えるパトリス。
「……生徒会役員は、もう全員お帰りに?」
「いいえ。ユーイン様と、デールが残っていますよ」
「で、殿下が?!」
「そんなに驚くことですか? ユーイン様は、生徒会の会長ですよ? 生徒会室にいても、何ら不思議ではないでしょう?」
「そ、そういうことではなく……ぼくは、あなたとローナの関係を知りたいだけで……っ」
パトリスは「必要だから、ここに来たのです」と言い、生徒会室の扉をノックした。
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