悪夢から目覚めたわたしは、気付かないふりをやめることにしました。

ふまさ

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「あなた方はオリヴィアの話をちゃんと聞いていましたか? 二人の仲を認めざるを得なくしたのは誰です? 答えてみなさい!!」

 デイルとマケラ子爵夫妻が俯く。代わりのように、グレースが答えた。

「デイル様たちを叱らないでください! 悪いのは、デイル様を好きになってしまったあたしです。でも、これだけは信じてください。あたしは、お義姉様のこともデイル様と同じぐらい好きなんです!」

「オリヴィアがデイルを愛していると知りながら、あなたがそれでも、デイルにエスコートされたのはなぜです? デートにも遠慮せずについていって、なにも感じなかったのですか?」

 ペルソン伯爵夫人に詰められ、グレースが、だって、としゅんとした。

「……元平民だからって、王立学園のみんなが差別してきて、お友だちができなくて……あたしには、お義姉様とデイル様しか頼れる人がいなかったから」

「なるほど。あなたはそうやって、自分の行いを正当化してきたのですね」

 グレースが「……ひ、ひどっ」と涙ぐむと、マケラ子爵夫人がペルソン伯爵夫人を睨み付けた。

「……だから貴族は嫌いなのよ。そうやってすぐ人を見下してっ」

 マケラ子爵が「ば、馬鹿っ」と、マケラ子爵夫人を止めようとするが、ペルソン伯爵夫人は、別にかまいませんよ、と言った。

「マケラ子爵家との縁は、これまでのようですから」

 ギョッとしたマケラ子爵は、「お、お待ちください!」と声を荒げた。

「オリヴィアの本心がわかった以上、デイルとグレースとの婚約を押し進めるつもりはありません! この話はなかったことに……」

 それに待ったをかけたのは、マケラ子爵夫人だった。

「あなた、どうしてですか? デイル郷とグレースは愛し合っているのですから、そんな酷なことっ」

「ペルソン伯爵家との縁が切れてしまうことがどれほど深刻なことか理解できないなら黙っていろ! ただでさえ、お前を娶ることにどれほどまわりから反対されたか……っ」

「そ、そんな言い方しなくたって」

「それほど私はお前たちと一緒に暮らしたかったということだろうが。それぐらい説明されなくても察しろ。少しは頭をつかえ!」

 ペルソン伯爵夫人が「夫婦喧嘩ならよそでやってください」と冷たく吐き捨てると、マケラ子爵は我に返ったように、ペルソン伯爵夫人に向き直った。

「と、とにかく、そういうことですので……お騒がせしたことは、お詫びします。あとできちんと、オリヴィアには言って聞かせますので、どうか」

「──オリヴィアに、ですか?」

「あ、いえ。も、もちろんグレースにも、きちんと注意しておきます」

 ペルソン伯爵夫人は、大きくため息をついた。

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