ハロウィントリップ!〜異世界で獣人騎士に溺愛された話〜

のらねことすていぬ

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 アズラークにきつく抱きしめられたまま、部屋に入った……と思う。マントでぐるぐる巻きにされた俺は外が見えないから、想像するしかないけど。ただ扉が開いてすぐ締まる音がして、アズラークの腕に抱えられたままマントが取り払われ、床に落ちる。抱き上げられているから、近い位置で目が合って、精悍な顔つきに心臓がドキリと高鳴った。

「……灯り、消してもいい?」

 猫耳のカチューシャはピンでしっかりと固定しているから平気だと思いたいが、念には念を入れたい。そう思って尋ねると、返事より先に照明がふ、と暗くなった。

 そのままちゅ、と音を立てて唇を吸われる。柔らかく唇を食まれるだけの口づけがもどかしくて、口を開けて深いキスを強請る。あっさりと潜り込んできた舌に咥内を舐め上げられて腰の奥にじんと痺れるようなゆるい快感が襲った。

「ん……っ」

 唾液を啜られ、夢中で舌を絡める。アズラークは片手で俺を抱えたまま、もう一つの掌で俺の頬を撫で、首筋を辿り、薄汚れたシャツのボタンを外していく。器用だなと思う暇もなく、はぎ取った服を床に落としながらベッドに転がされた。ようやく唇を離して、はぁ、と熱い吐息をついた。

「……サタ、何か食べるか?」

 頬やこめかみに柔らかく唇を落としながら、アズラークが尋ねてくる。こんな雰囲気で食事したいなんて思うかよ、とふるふると首を横に振る。だがアズラークは闇の中で獣欲に濡れた目で俺を見つめながらも、少しだけ体を離す。もしかしてアズラークが空腹なんだろうか。だったらちょっと我慢しているから、早く済ませてくれと思うくらいには、身体が追い詰められていた。

「では飲み物だけでも、少し口に入れてくれ。」
「い、いらな……い、」

 そんなことより、熱が灯った体をどうにかしてほしい。いや、俺は金をもらう立場なんだから、もっと彼を気持ちよくできるように動かないといけないのか。快感にぼやけた頭でようやくそう思い至って、ベッドから体を起こそうとすると、やんわりと押し戻される。

「雄として、食べ物すら与えないで体を貪るなんて情けないな」

 再び唇を重ねながら、アズラークが低く呟く。その声からは確かに欲を感じるのに、余裕のある態度に腹が立って、唇に軽く歯を立てた。

「そんなのいらない、……から、」

 早くしよう。その言葉は発せられる前に、アズラークの唇の中に飲み込まれていった。

「ん、んんぅ、……っ」

 呼吸すら許さないほど激しく唇を合わせられ、掌が俺の体を辿るように撫でる。首筋、鎖骨を太い指が擽るように愛撫し、ゆっくりと胸元に落ちて、胸の突起にたどり着く。馬車の中で悪戯されてすっかり熟れていたそこを、ひっかくように爪先で刺激された。

「ぁ、あ……っ!」

 びくりと腰を揺らすと、尖った胸の突起を優しく転がされ、摘ままれ、じんと痺れるような熱が体に溜まっていく。熱い舌が唇を離れ、濡れた舌先がそこに這わされる。舐め転がされ、ときおり押し潰すように弄られて、細い嬌声が口から漏れ出てしまう。今迄のセックスでは、胸なんかで感じたことなかったのに。そう思うけれど足の間のものは胸への刺激だけで恥ずかしいほどに張りつめて、下着を押し上げていた。乳首を嬲っていたアズラークの唇が徐々に下がり、みすぼらしくもあばらの浮いた腹を過ぎて、鼠径部にまで舌が這う。アズラークの太い指が、辛うじて残っていた俺の下着を取り払い、屹立を握りこまれた。

「……っんん、あ、ん!」
「可愛いな。すっかり勃ち上がっている」

 巧みに指先で根本から先端まで扱かれ、ようやく与えられた直接的な刺激に腰が跳ねる。絞り上げるように何度か扱かれて、だらしなく開いた太腿の内側がぴくぴくと震えた。宥めるように腹のあたりに吸い付いていた唇が、性器の先端に、ちゅ、と吸い付き、俺は目を見張った。

「アズ、ラ、……!」

 そんなことしなくていい、と首を振るけど、俺の見ている目の前でアズラークの熱い口腔に性器が飲み込まれていく。

「んぁ、や、ああ、ぁ、ああ!」

 強烈な快感に声を上げる。口腔全体を使い、感じるところを擦り上げてくるその愛撫は、目の前がチカチカするほど強烈で、足が何度もシーツを蹴った。先端を舌で嬲られ、根本から吸い上げられて、焦らされていた体はひとたまりもない。

「あ、あ、……っぃ、イ、く、……!イっちゃうから、離して……っ!」

 体を起こしてアズラークを性器から引き離そうとするけど、がっちりと腰を抱きこまれて身動きができない。このままだと口の中に出してしまう。そんなことはできないと思うのに、腰が溶けるような快感に俺は碌に堪えることもできずに、達してしまった。


「っ……、!っあ、あ、あああ、あぁ!」


 背筋を逸らして全身を駆け巡る快感に耐える。イっている間も絶え間なく緩く性器を吸われ、太腿がびくびくと震えてアズラークの体を挟んだ。男が戸惑いもなく精液を飲みくだすのが分かったけど、それを止めることもできない。

「ぅ、うぁ、ああ、……あ、や、」

 長い時間をかけて白濁を吐き出して、はあはあ、と荒い息を吐いてベッドに沈む。今までこんなに気持ちよく射精したことがあっただろうか。性的に経験豊富とは言えないが、それなりに彼女もいた。だが咥えられてこんなに早く達してしまったのは初めてだし、こんなに体がぐにゃぐにゃになる程蕩かされたのも初めてだ。

 もしかして、今夜の客はとんでもない男だったんじゃないだろうか。イケメンだし俺なんかとは比べ物にならないくらいにモテるとは思うし、なんで俺を買ったんだ。だがそんな考えも、どこか凶悪な顔でこちらを見つめる男と目が合って、どこかへ吹き飛んだ。

「可愛いな……何度も見たくなる」

べろり、と唇を男が舐めて、太い指が会陰を辿り、柔らかく後ろの窄まりを押す。その刺激に、背筋にぞくりとしたものが走った。さっきフェラしたから、アズラークの性器の大きさは分かっている。だがそれが口じゃなくて後孔に入るのかと思ったら、さぁ、と血の気が引いた。

 男同士で後ろを使うのは分かっていたが、したことがあるわけじゃないし、男娼だから慣れているだろうといきなり突っ込まれたら確実に裂ける。場合によっては痛いだけじゃ済まないことになる。それだけは避けたいと慌てるが、俺の口はぱくぱくと開閉するだけで喉が張り付いたように声がでなかった。

 経験がないことを伝えないといけないのに……でも、もしそれで興ざめだと思われてしまったら。彼は『男娼』として体を売っている俺を求めていて、それには後腐れのなさや技巧なんかも含まれているんだろう。馬鹿な考えだっていうのは分かっているけど、彼ががっかりしたり、抱く気を失ってしまうのが怖い。未経験だってことで、重たいとか面倒だとか思われるのは嫌だと思ってしまった。

 シーツに転がったまま固まる俺の体のあちこちにキスを落としながら、アズラークは窄まりに指先を軽くめり込ませた。

「う、ぅあ、」
「硬いな」

 アズラークはそう呟くとベッドサイドに腕を伸ばしてなにやら探っている。暗くてよく見えないが、戻ってきた指先はぬめりを帯びていて、それを塗り広げるようにくるくると刺激された。

「ふ、う……っ、ぅ、う、……ぅあ!」

 指がゆっくりと、少しづつ窄まりに押し込まれる。痛みはないけど確かに感じる違和感に、身体の内側がじわじわと侵されていくのを感じる。その違和感を目を瞑って耐えていると、彼のもう一つの掌が緩く俺の性器を撫でた。

「痛いか?」

 平気、と首を横に振るが、その間も彼の掌は止まることがない。さっきイったばかりの性器を戯れるように撫でられ、気まぐれのように突然きゅ、と握りこまれる。敏感になりすぎているそこへの刺激に、後孔への違和感から気が散って、身体は快感を素直に拾って震えた。

 アズラークの指は俺の指なんかよりずっと太くて長いのに、いつの間にか根本まで差し込まれていて、中を探るように指を曲げて押される。くちくちと濡れた音が部屋に響いて、顔が火照る。ほのかに湧き上がってくる妖しい感覚に、情けない嬌声が漏れる。

「や、ぁ、あ、……っ」

 時間をかけて指が増やされ、徐々に、だが確実に広げられていく。どれだけの間弄られているのか、時間の感覚がなくなりそうだ。内壁を優しくかき分けるようにして深くまで侵入され、ときおり指先が内側を押し上げるようにして刺激する。それが今までに感じたことのない奥から湧き上がるような快感を醸して、腰がびくびく跳ねた。彼が触ったところから、自分の体が作り替えられてしまっている気すらする。そのことを恐ろしく感じるのに、それなのに俺の性器ははしたなく勃ち上がっていた。勃ち上がって蜜を垂らす屹立を、さっきから戯れるように俺の性器を弄っていたアズラークが、再びぺろりと舐め上げた。

「ひっ……ぁあ!」

 先端を舌先で弄られ、そのまま吸い上げられる。後ろと前に同時に快楽を与えられ、俺は我慢できずに身悶える。強すぎる快楽におかしくなりそうだ。

 快感に流されそうになりながら、されるばかりじゃいけないと体を揺するが、どう押さえられているのか身動きができない。それでも熱を逃がすように体を揺さぶると、アズラークが性器から口を離してこちらを見つめてきた。

「お前を、俺のものにしたい……だめか?」

 暗くて色なんて見えないけど、それでもあのアイスブルーの瞳に見つめられていると思ったら、なぜか胸が締め付けられる。一晩限りじゃなくて、もっとそばにいたい。アズラークのものにしてもらいたい。そんな気持ちが心に浮かび上がってきそうになって、でも奥歯を噛んで考えないようにする。彼が言っているのはそういう意味じゃない。変な期待しちゃいけない。

「うん……もう大丈夫、入れてよ。」

 自分で足を大きく開くと、アズラークはぐるると喉の奥で低く唸り、俺に覆いかぶさってくる。唇が顔中に振ってきて、キスをあちこちに与えられる。その唇が首筋を何度も執拗に舐めている、と思っていたら、強い力で噛みつかれた。

「……っ!」

 血は流れていないみたいだけど、決して甘噛みとは言えない力で噛みつかれて、突如として襲ってきた痛みに、身体が強張る。なんで、と思って目を白黒させているうちに、後孔にアズラークの性器が沿わされた。

「っは、ぁ、……あ、っああ!」

 ずずっと音を立ててそれが押し入ってくる。指で長いことほぐされていた窄まりでも、圧倒的な質量に内壁がぎちぎちといっぱいになる。痛みは僅かだけど、身体の深くまで侵入される感覚に息が止まりそうだ。じわじわと腰を進められ、これ以上深くは無理だ、と思ったところで、ようやくアズラークの動きが止まる。長大なものが体の中に入ったのが信じられなくて、荒い息をつきながらアズラークを見上げた。


「……あ、ぁ、入った……?」
「辛いか?」


 視線で頷いたアズラークが、俺の頬を撫でる。うっすらと汗を敷いた体に、アズラークがずいぶんと我慢してくれていることを悟る。

「ん、平気、……動いて、いい、」

 俺は買われた立場なのに、俺ばっかり気持ちよくしてもらって何もできていない。しかも入れられるのだって、無理やりじゃなくてこんなに丁寧に優しくしてもらったし。せめて入れた後は気持ちよくなって欲しい。唇の端を釣り上げてアズラークを見つめると、大きな体が覆いかぶさってきて唇を吸われる。その僅かな動きにも内側が擦れて、身体が跳ねる。舌を絡めるのもそこそこに、再び首筋に歯を立てられて、小さな悲鳴が漏れた。

「サタ……!」

 どこか獰猛な声で囁く男は、そのままゆっくりと腰を動かし始めた。


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