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●身体だけの関係
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「なぁに!?あれ・・・」
まどかの背中が見えなくなったのを確認してから、水瀬が眉をひそめて言った。
「何が?」
「何がって、まどかだよ!何だかすごく感じ悪いんですけど!!」
「そうかな?」
「そうだよ!由希はそう思わない?」
水瀬は、まどかの事がかなり嫌いみたいだ。
まどかが来ても決して口をきかない。
あまり人の事を嫌ったり、悪口を言ったりしない水瀬なのに珍しい。
「ねぇねぇねぇ!」
「何よ?」
水瀬が顔を近づけて、小声で呼びかけてくる。
「本当にまどかに、ばれてない?」
「何が?」
「由希が隆也君と体の関係がまだあること・・・」
ますます声をひそめて言う水瀬。
「絶対ばれてないと思うけど・・・でも何で?」
水瀬は考え込むように、視線を上に泳がせた。
もう空っぽのアイスコーヒーのグラスを、ストローで無意味に突っついている。
「う~~ん・・・うまく言えないけど、何か由希をチクチク傷つけているように見えるんだよね・・・何か意味深にさ・・・」
「え~~気のせいでしょ?」
私は笑った。
まどかに限ってそれはないと思う。
皮肉や嫌味というものに、まどかは縁がない。
でも例え、まどかにそうされても仕方ない事を、私はやっている。
―――隆也と別れた後も身体だけの関係はあるんだから
大事な親友の彼氏と体の関係が続いてる。
親友を裏切って・・・
私はまどかに殴られても仕方がないくらいの事をしている。
「私はまどか嫌いだから!」
水瀬がキッパリと言った。
「前から思ってたけど何で?
水瀬はあまり人の事を嫌ったり、悪口言わないのに、まどかの事はどうして嫌いなの?」
私は水瀬をたしなめるように、聞いた。
「由希の大好きな隆也君を取ったからっていうのもあるんだけど・・・」
「水瀬。でもさ、私が自分からまどかを隆也に紹介したんだよ」
水瀬がそんな風に言ってくれるのが、うれしくもあった。
「何か・・・うまく言えないんだけど、まどかって何かしたたかっぽい計算たかそうな感じがするの」
「え~~!!まどかが!?」
「うん。時々すごく冷たい目をしてるときあるし。
何だか底知れぬ怖さを感じる・・」
「水瀬、人を見る目ないね~~」
私は水瀬の鼻を人差し指で、ウリウリとからかうように突っついた。
だけど水瀬は笑わなかった。
「悪いけど、私は人を見る目だけはあると思うんだけど」
私は『はいはい』と軽く言うと、空になったグラスを片付ける為に立ち上がった。
水瀬と学食で別れて、私は家に帰る事にした。
どこかに寄り道する気分ではなかった。
でも1人になると、不安な気持ちが襲ってくる。
“今頃まどかと隆也は会っているのだろうか”
“そして笑いあっているのだろうか”
“手をつないでいるのだろうか”
頭の中にそんなことばかり浮かんで、想像してしまう。
私は唇を噛んで、思わずうつむく。
隆也と私は今でも身体だけは結ばれる関係だけど、体は満たされても、心は全く満たされない。
隆也の心は、まどかでいっぱいだから。
まどかの事しか見えていないから。
私は隆也の心が一番欲しいと願っているのに。
すごくむなしい関係だけど、抜け出せない―――
まどかの背中が見えなくなったのを確認してから、水瀬が眉をひそめて言った。
「何が?」
「何がって、まどかだよ!何だかすごく感じ悪いんですけど!!」
「そうかな?」
「そうだよ!由希はそう思わない?」
水瀬は、まどかの事がかなり嫌いみたいだ。
まどかが来ても決して口をきかない。
あまり人の事を嫌ったり、悪口を言ったりしない水瀬なのに珍しい。
「ねぇねぇねぇ!」
「何よ?」
水瀬が顔を近づけて、小声で呼びかけてくる。
「本当にまどかに、ばれてない?」
「何が?」
「由希が隆也君と体の関係がまだあること・・・」
ますます声をひそめて言う水瀬。
「絶対ばれてないと思うけど・・・でも何で?」
水瀬は考え込むように、視線を上に泳がせた。
もう空っぽのアイスコーヒーのグラスを、ストローで無意味に突っついている。
「う~~ん・・・うまく言えないけど、何か由希をチクチク傷つけているように見えるんだよね・・・何か意味深にさ・・・」
「え~~気のせいでしょ?」
私は笑った。
まどかに限ってそれはないと思う。
皮肉や嫌味というものに、まどかは縁がない。
でも例え、まどかにそうされても仕方ない事を、私はやっている。
―――隆也と別れた後も身体だけの関係はあるんだから
大事な親友の彼氏と体の関係が続いてる。
親友を裏切って・・・
私はまどかに殴られても仕方がないくらいの事をしている。
「私はまどか嫌いだから!」
水瀬がキッパリと言った。
「前から思ってたけど何で?
水瀬はあまり人の事を嫌ったり、悪口言わないのに、まどかの事はどうして嫌いなの?」
私は水瀬をたしなめるように、聞いた。
「由希の大好きな隆也君を取ったからっていうのもあるんだけど・・・」
「水瀬。でもさ、私が自分からまどかを隆也に紹介したんだよ」
水瀬がそんな風に言ってくれるのが、うれしくもあった。
「何か・・・うまく言えないんだけど、まどかって何かしたたかっぽい計算たかそうな感じがするの」
「え~~!!まどかが!?」
「うん。時々すごく冷たい目をしてるときあるし。
何だか底知れぬ怖さを感じる・・」
「水瀬、人を見る目ないね~~」
私は水瀬の鼻を人差し指で、ウリウリとからかうように突っついた。
だけど水瀬は笑わなかった。
「悪いけど、私は人を見る目だけはあると思うんだけど」
私は『はいはい』と軽く言うと、空になったグラスを片付ける為に立ち上がった。
水瀬と学食で別れて、私は家に帰る事にした。
どこかに寄り道する気分ではなかった。
でも1人になると、不安な気持ちが襲ってくる。
“今頃まどかと隆也は会っているのだろうか”
“そして笑いあっているのだろうか”
“手をつないでいるのだろうか”
頭の中にそんなことばかり浮かんで、想像してしまう。
私は唇を噛んで、思わずうつむく。
隆也と私は今でも身体だけは結ばれる関係だけど、体は満たされても、心は全く満たされない。
隆也の心は、まどかでいっぱいだから。
まどかの事しか見えていないから。
私は隆也の心が一番欲しいと願っているのに。
すごくむなしい関係だけど、抜け出せない―――
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