45 / 83
●支えてくれる人
5
しおりを挟む
「シュンは私を優しく包んでくれる毛布みたいだね。ふわふわの上等のやつ」
「毛布かよ!?」
シュンが笑いながら言う。
シュンの笑顔につられて、私もクスクス笑う。
「ほら」
「え!?」
「絶対由希ちゃんは笑った方がいい!絶対かわいい」
私は恥ずかしくなって、うつむいた。
「俺が側にいて、ずっと笑わせてあげる。ずっと笑顔でいられるようにしてあげるよ」
「シュン・・・・」
「隆也さんの事はゆっくり忘れてくれればいいから、俺を側にいさせて?」
シュンが、私の頬に伝った涙の跡を指でそっと拭きながら、言った。
私はシュンの言葉にゆっくりとうなずいた。
シュンの不安そうだった顔は、一気にクシャクシャっと笑顔になる。
「やったぁ!!」
シュンは大声で叫んだ。
そして私を再び抱きしめる。
「シュン、痛いよ」
「いいの!俺が嬉しいんだから」
はしゃぐシュンが無邪気で、すごくかわいく感じた。
「俺、由希ちゃんに初めて会った時に、寂しさにつけこまないから・・・なんて言っちゃったけど、思いっきり寂しさにつけこんでるよな」
「確かによく考えたらそうかも」
「あの時は本当にそんなつもりなかったんだけどなぁ・・・由希ちゃんの魔法にかかっちゃったよ」
「何だ、それ!?」
シュンは大笑いする。
私もつられて大笑いした。
今日こうやって、笑うことができるなんて思わなかった・・・
これもシュンのおかげだね。
シュンは私の体をそっと離すと、私の腕をつかんで立たせてくれた。
「よし、プリンやらゼリーやらいっぱいあるから、食うぞ!」
「うん!!食べる!!」
「今日はヤケ食いだ!一緒にデブるぞ!」
「えぇ!それは嫌だなぁ」
「俺も嫌だけどさ。でも今日は特別だ!!とにかく食うぞ!」
「うん!」
シュンはデザートが入ったビニール袋を持って、奥の部屋に入っていく。
シュン、ありがとう。
シュンは本当に大きい人間だと思う。
シュンの側にいたら、私はきっと隆也の事を忘れられる・・・・
卑怯かもしれないけど、すごくそう思ったんだ―――
それから、シュンと私はシュンが持ってきてくれた甘いものをたらふく食べた。
まるで今日のつらいことが何もなかったかのように、私もシュンも明るくふるまった。
ずっと笑っていた。
「すげー食いすぎて、腹痛くなる!」
「私も!」
ビニール袋にあふれるほど入っていたプリンやゼリーは、すっかり空になっていた。
気づくと、既にもう夜中の12時を過ぎている。
「ねぇ、由希ちゃん」
「ん?」
「今日泊まっていっていいかな?」
シュンが真剣な顔で聞いてきた。
“え・・・”
私は戸惑いながらも、うなずいた。
「毛布かよ!?」
シュンが笑いながら言う。
シュンの笑顔につられて、私もクスクス笑う。
「ほら」
「え!?」
「絶対由希ちゃんは笑った方がいい!絶対かわいい」
私は恥ずかしくなって、うつむいた。
「俺が側にいて、ずっと笑わせてあげる。ずっと笑顔でいられるようにしてあげるよ」
「シュン・・・・」
「隆也さんの事はゆっくり忘れてくれればいいから、俺を側にいさせて?」
シュンが、私の頬に伝った涙の跡を指でそっと拭きながら、言った。
私はシュンの言葉にゆっくりとうなずいた。
シュンの不安そうだった顔は、一気にクシャクシャっと笑顔になる。
「やったぁ!!」
シュンは大声で叫んだ。
そして私を再び抱きしめる。
「シュン、痛いよ」
「いいの!俺が嬉しいんだから」
はしゃぐシュンが無邪気で、すごくかわいく感じた。
「俺、由希ちゃんに初めて会った時に、寂しさにつけこまないから・・・なんて言っちゃったけど、思いっきり寂しさにつけこんでるよな」
「確かによく考えたらそうかも」
「あの時は本当にそんなつもりなかったんだけどなぁ・・・由希ちゃんの魔法にかかっちゃったよ」
「何だ、それ!?」
シュンは大笑いする。
私もつられて大笑いした。
今日こうやって、笑うことができるなんて思わなかった・・・
これもシュンのおかげだね。
シュンは私の体をそっと離すと、私の腕をつかんで立たせてくれた。
「よし、プリンやらゼリーやらいっぱいあるから、食うぞ!」
「うん!!食べる!!」
「今日はヤケ食いだ!一緒にデブるぞ!」
「えぇ!それは嫌だなぁ」
「俺も嫌だけどさ。でも今日は特別だ!!とにかく食うぞ!」
「うん!」
シュンはデザートが入ったビニール袋を持って、奥の部屋に入っていく。
シュン、ありがとう。
シュンは本当に大きい人間だと思う。
シュンの側にいたら、私はきっと隆也の事を忘れられる・・・・
卑怯かもしれないけど、すごくそう思ったんだ―――
それから、シュンと私はシュンが持ってきてくれた甘いものをたらふく食べた。
まるで今日のつらいことが何もなかったかのように、私もシュンも明るくふるまった。
ずっと笑っていた。
「すげー食いすぎて、腹痛くなる!」
「私も!」
ビニール袋にあふれるほど入っていたプリンやゼリーは、すっかり空になっていた。
気づくと、既にもう夜中の12時を過ぎている。
「ねぇ、由希ちゃん」
「ん?」
「今日泊まっていっていいかな?」
シュンが真剣な顔で聞いてきた。
“え・・・”
私は戸惑いながらも、うなずいた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
127
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる