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●自分の気持ち
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「実はさ、まどかが実家に帰っている日に、友達と渋谷で夜遊ぶ事になったんだ」
「うん」
「渋谷のラブホ街の近くに、俺のダチがやってるダーツバーがあるんだ。そこに行く事になったんだけど・・・」
隆也はそこで気持ちを落ち着かせるように、息をついた。
“何かよくない事が、隆也の口から語られる・・・”
そう私は予感した。
「そこのある1軒のラブホの前で、見たことのある奴とすれちがったんだ。俺も連れとしゃべってたから、あんまりよくはわからなかったけど・・・。でも急いで振り返ってみたら、見覚えのある後ろ姿でさ・・・」
隆也はそう言って、もう1回落ち着くように、息をついた。
そしてつぶやくように言った。
「まどか・・・だった・・・」
「はぁ!?」
私は隆也のあまりにもバカバカしい言動に、かなりうんざりした。
「あのさ・・・勘違いじゃないの?まどかに似てるような子、どこにでもいるでしょ?」
「確実にまどかだった・・・
まどかのしていたペンダント、友達がオーダーメイドで作ってくれた1点物なんだ・・・
まどかはそれしてた・・・」
「それにさ、仮にまどかだとしても、ラブホ街の近くの飲み屋とかカフェに行くところだったかもしれないでしょ?別にそんなに悩む事じゃなくない?」
私は心底、あほらしいと思っていた。
隆也の心配しすぎだと思っていた。
「ああ、一人だったり、友達と一緒だったらそう思っただろうな。だけど、まどかは50くらいのスーツ着たおっさんと腕組んで、歩いてたんだよ・・・」
「・・・・・・」
言葉にならない驚きとは、こういう事かと私は思った。
「嘘でしょ!?」
「嘘じゃねぇよ!
こんな時に嘘つかないだろ!
まどかは俺に気づいてないみたいだった。そして楽しそうに、ちょっとしぶいオヤジと腕組んで歩いてたんだ」
「そんな・・・」
「俺はまどかを問い詰めるつもりで、友達と別れて、まどかの後を追ったんだ。でも俺の目に飛び込んできたのは、まどかとそのおっさんがラブホに入るまさに瞬間だったんだ・・・」
隆也はそう一気に言葉を吐き出すと、悲しさをぶつけるように、足元に転がっていた石をギュッと踏んだ。
「嘘みたいだろ・・・?」
そうつぶやくように言うと、隆也はその場にしゃがみこんでしまった。
私も信じられない想いでいっぱいだった。
何も言えずに、両手を強く握り締める。
だって隆也のプロポーズを受けるって言ってたんだよ・・・
まどかは隆也の事がスキだって言っていたじゃない。
何で?
何で、そんなまどかが、隆也以外の人とラブホに入るの?
相手は誰なんだろ・・・?
50くらいのおじさんって・・・
“まさかお金もらってそういうことをするワリキリってやつ・・・?”
考えていたら、全身に鳥肌が立ってきた―――
「うん」
「渋谷のラブホ街の近くに、俺のダチがやってるダーツバーがあるんだ。そこに行く事になったんだけど・・・」
隆也はそこで気持ちを落ち着かせるように、息をついた。
“何かよくない事が、隆也の口から語られる・・・”
そう私は予感した。
「そこのある1軒のラブホの前で、見たことのある奴とすれちがったんだ。俺も連れとしゃべってたから、あんまりよくはわからなかったけど・・・。でも急いで振り返ってみたら、見覚えのある後ろ姿でさ・・・」
隆也はそう言って、もう1回落ち着くように、息をついた。
そしてつぶやくように言った。
「まどか・・・だった・・・」
「はぁ!?」
私は隆也のあまりにもバカバカしい言動に、かなりうんざりした。
「あのさ・・・勘違いじゃないの?まどかに似てるような子、どこにでもいるでしょ?」
「確実にまどかだった・・・
まどかのしていたペンダント、友達がオーダーメイドで作ってくれた1点物なんだ・・・
まどかはそれしてた・・・」
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隆也の心配しすぎだと思っていた。
「ああ、一人だったり、友達と一緒だったらそう思っただろうな。だけど、まどかは50くらいのスーツ着たおっさんと腕組んで、歩いてたんだよ・・・」
「・・・・・・」
言葉にならない驚きとは、こういう事かと私は思った。
「嘘でしょ!?」
「嘘じゃねぇよ!
こんな時に嘘つかないだろ!
まどかは俺に気づいてないみたいだった。そして楽しそうに、ちょっとしぶいオヤジと腕組んで歩いてたんだ」
「そんな・・・」
「俺はまどかを問い詰めるつもりで、友達と別れて、まどかの後を追ったんだ。でも俺の目に飛び込んできたのは、まどかとそのおっさんがラブホに入るまさに瞬間だったんだ・・・」
隆也はそう一気に言葉を吐き出すと、悲しさをぶつけるように、足元に転がっていた石をギュッと踏んだ。
「嘘みたいだろ・・・?」
そうつぶやくように言うと、隆也はその場にしゃがみこんでしまった。
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何も言えずに、両手を強く握り締める。
だって隆也のプロポーズを受けるって言ってたんだよ・・・
まどかは隆也の事がスキだって言っていたじゃない。
何で?
何で、そんなまどかが、隆也以外の人とラブホに入るの?
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