私は元カレの都合のいい女です

鈴ーりんー

文字の大きさ
81 / 83
●まどかの真実

1

しおりを挟む
私は授業に出る気になれず、さぼる事にした。

だけど、このまま家には帰らない。

私にはやることがある。


私はスマホを取り出した。

そしてまどかに電話をかける。


呼び出し音がしばらく鳴って、まどかが出た。


『もしもし、まどか?』

『あ、由希?どうしたの?』

『ちょっと話があるんだけど、会えない?』

『あーいいよ。ちょうど実家から今日帰ってきて、今日はこっちにいるから』

『そう言って、本当はずっとこっちにいたんじゃないの?』


思わずカマをかけるような発言をしてしまう。

だけどまどかはそれをさり気なくかわした。


『場所は?』

『私の家でいいかな?ゆっくり話したい事あるから、来てもらえると助かる』

『うん、いいよ。住所を前に由希に教えてもらったから、たぶんわかると思う。夕方くらいでもいい?』

『うん。待ってる。それじゃ、後で』


そう言って、プツッと電話は切れた。



とりあえずまどかの気持ちと、ラブホに一緒に入ったおじさんの存在について、はっきりさせる時がやって来たのだ。


私は電話が終わると、すぐに家に帰った。

そして、部屋の片づけを始める。


一通り片づけが終わると、私は力が抜けたようにソファーにへたりこんだ。

もうすぐまどかがやって来る。
真実がわかるんだ。


心臓がバクバクしてきた。

胃も痛くなってきた。



そしてそのまま1時間がたった頃、チャイムが鳴った。


私はインターホンに出るのも忘れて、玄関に飛んで行った。


急いでドアを開けると、驚いた顔のまどかが立っていた。


「由希ビックリしたよ。インターホンにも出ないで、いきなりドアが開くんだもん」

「あ・・・ごめんね・・・」

「いいよ。それより遅くなってごめんね。そしてこれは差し入れ。ケーキ。おいしいって有名なとこのだから」


そう言って、笑いながらまどかはケーキの箱を差し出した。


「あ、ありがと」


私はお礼を言って、箱を受け取ると、

「まどか、入って」

と、部屋に入るように促した。


まどかは「お邪魔します」と控えめに言うと、靴を脱いで私の後についてくる。


「まどか、そこ座ってて」


私はソファーを指差して、まどかにそう言った。

麦茶を入れて、まどかのくれたケーキをお皿に入れると、ソファーに座っているまどかにそれを出した。


「ありがと」


私もまどかの前に腰を下した。


「ケーキ、おいしいから食べてみて」


まどかが笑顔で言うので、私はケーキのセロハンをはがして、フォークでケーキを1口1口、口に運ぶ。


まどかもケーキを食べ始めた。


「どう?」

「おいしい」


おいしいはずのケーキなのに、味なんてちっともわからなかった。


「由希、それで話って何?」


フォークを置いて、まどかがにっこり笑って聞いてきた。


「うん・・・」


私はフォークを持ったまま、戸惑っていた。


「当ててあげよっか?隆也君の事じゃないの?」



私は驚いて、まどかの顔を見た。

まどかは天使のような笑顔で笑っていた。



しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

忘れ去られた婚約者

かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』 甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。 レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。 恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。 サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!? ※他のサイトにも掲載しています。 毎日更新です。

お久しぶりです旦那様。そろそろ離婚ですか?

奏千歌
恋愛
[イヌネコ] 「奥様、旦那様がお見えです」 「はい?」 ベッドの上でゴロゴロしながら猫と戯れていると、侍女が部屋を訪れて告げたことだった。

抱きしめて

麻実
恋愛
夫の長期に亘る不倫に 女としての自信を失った妻は、新しい出会いに飛び込んでいく。

戦いの終わりに

トモ
恋愛
マーガレットは6人家族の長女13歳。長く続いた戦乱がもうすぐ終わる。そんなある日、複数のヒガサ人、敵兵士が家に押し入る。 父、兄は戦いに出ているが、もうすぐ帰還の連絡があったところなのに。 家には、母と幼い2人の妹達。 もうすぐ帰ってくるのに。なぜこのタイミングで… そしてマーガレットの心には深い傷が残る マーガレットは幸せになれるのか (国名は創作です)

処理中です...