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ノロイノハコ参
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先生や東雲が召集されてから2週間が経過した。ふたりとも未だ明の生活圏内には姿を現していなかった。しかし、そんな異常状態にも慣れ、明の周囲は不気味なほど通常通りだった。今日も放課後シノノメ探偵社でコーヒーを啜りながら課題をこなしている。そこへ、久斗が現れた。事務所の机に教科書やら参考書やらを広げまくっている様子を見て「片付けろよ」と言葉をかけてくる。
「今日、来客あるから」
「え?聞いてないけど」
「言ってないからな」
そのまま机の上の教科書たちを勝手にまとめて、そのまま明の鞄に突っ込んだ。
「あ、おい!ぐちゃぐちゃになるだろ」
適当に入れるから、鞄の中の別のノートがへちゃっとなってしまっていた。慌てて取り出して、丁寧に入れる。
「明って見た目に寄らず丁寧なとこあるな」
「見た目に寄らずは余計なんだよ」
明がぷんすこ怒っていると、事務所のドアが控えめに3回ノックされた。
「はい、空いてますよ」
ドアのすりガラス越しに見える人影に久斗が言葉を投げた。すると、おそるおそる少女が中へ入ってきた。真っ黒な黒髪をツインテールにしていて、目元がキラキラしている。明の周りにそんなタイプの女の子はいないので、ドギマギしてしまう。そんな明の様子に、久斗が少女に見えないところで明を小突く。
「なんだよ」
「鼻の下伸びてるぞ、童貞」
「は?」
明が言い返そうと口を開いた瞬間に、久斗が完璧な微笑みを作り、少女を事務所のソファーに案内した。
「明、コーヒーお願い」
「……しょうがねえな」
明がコーヒーを淹れて戻ってくると、久斗と少女が向かい合い、テーブルにはハンカチのような布に包まれた箱が置かれていた。明は久斗の隣に腰かける。久斗が来客を把握していたということは、依頼者なのだろう。
「私、シノノメ探偵社の本宮と申します。葛城様、立川の方からお話は伺っております。お手数ですが、こちらにお名前、住所、連絡先等をご記入願います」
「はい……」
少女が真っ白な指でペンを持ち、ゆっくりと文字を書いていく。葛城ミカという文字は彼女の外見のイメージに合うような可愛らしい丸文字だった。
「ご記入ありがとうございます。立川からおおよそのお話は伺っていますが、今一度、葛城様の方からお話をしていただけますか?」
「はい……わたしの友だちを探してもらいたくて」
「今日、来客あるから」
「え?聞いてないけど」
「言ってないからな」
そのまま机の上の教科書たちを勝手にまとめて、そのまま明の鞄に突っ込んだ。
「あ、おい!ぐちゃぐちゃになるだろ」
適当に入れるから、鞄の中の別のノートがへちゃっとなってしまっていた。慌てて取り出して、丁寧に入れる。
「明って見た目に寄らず丁寧なとこあるな」
「見た目に寄らずは余計なんだよ」
明がぷんすこ怒っていると、事務所のドアが控えめに3回ノックされた。
「はい、空いてますよ」
ドアのすりガラス越しに見える人影に久斗が言葉を投げた。すると、おそるおそる少女が中へ入ってきた。真っ黒な黒髪をツインテールにしていて、目元がキラキラしている。明の周りにそんなタイプの女の子はいないので、ドギマギしてしまう。そんな明の様子に、久斗が少女に見えないところで明を小突く。
「なんだよ」
「鼻の下伸びてるぞ、童貞」
「は?」
明が言い返そうと口を開いた瞬間に、久斗が完璧な微笑みを作り、少女を事務所のソファーに案内した。
「明、コーヒーお願い」
「……しょうがねえな」
明がコーヒーを淹れて戻ってくると、久斗と少女が向かい合い、テーブルにはハンカチのような布に包まれた箱が置かれていた。明は久斗の隣に腰かける。久斗が来客を把握していたということは、依頼者なのだろう。
「私、シノノメ探偵社の本宮と申します。葛城様、立川の方からお話は伺っております。お手数ですが、こちらにお名前、住所、連絡先等をご記入願います」
「はい……」
少女が真っ白な指でペンを持ち、ゆっくりと文字を書いていく。葛城ミカという文字は彼女の外見のイメージに合うような可愛らしい丸文字だった。
「ご記入ありがとうございます。立川からおおよそのお話は伺っていますが、今一度、葛城様の方からお話をしていただけますか?」
「はい……わたしの友だちを探してもらいたくて」
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