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06 逃走
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警報がうるさく鳴り響く。ある筈のない大きな窓がいつの間にか壁に出来ており、そこから風が入ってくる。
「これなら空調設備もいらないな」
バウチャーは腕を組みながら隣にいるマリアに聞こえるように冗談を言った。マリアはそれを無視した。そこへ、ハワードがやってくる。
「マリアさん大丈夫ですか!? なにがあったんです?」
「私なら無事だ。それよりロリーが逃げ出した」
「アイツが? どうやってです? 確か次の段階に実験が進んだんですよね?」
「そうだ。そして奴は生き延びた。実験は成功した。だが、それを喜んでいいのか……」
「それじゃ、壁に大きな穴を開けたのはそいつなんですね……アイツの尻尾、最後は幾つになってましたか?」
「3本だ」
それは2本の自分よりロリーの方が多いということだ。
「ロリーを追うんですか?」
「3本になった以上、前のようにはいかない。私や尻尾が3本以上が向かわない限りあれを捕らえるのは無理だ」
「マリアさんが行くなら自分も行きます。いや、行かせて下さい!」
「マリア、行かせてやれ」
「勝手なことを言うな」
「あのガキはお前を守りたいんだ。例えお前の方が強くてもな」
「行かせて下さい」
マリアは迷ったあと、ため息をついて「分かった」と了承した。
酷い頭痛と全身筋肉痛に苦しみながら目を開けたロリーは、自分がベッドの上でも実験台の上でもなく青空の下の草むらの中に沈んでいることに気がついた。
てっきり自分は死んだかと思った。あの悪夢は今も覚えている。俺が殺しにかかわった人間の屍が俺にしがみついてあの世へと連れて行こうとしていた。俺は何故か抵抗出来なかった。あんな夢を見たということは、俺が行く道は茨の道なんだろう。あれは警告?
ロリーは手をつき体を起こし立ち上がると、服についた土を払わずロリーは歩き出した。
目の前には国境を挟む橋が見える。巨大な橋の上には建物が建ち並び、小さな町と化していた。隣国は小国であり、この国と同盟関係にある。故に国境への移動にも自由であり、関税も免除される。また、犯罪者の身柄引き渡し条約を両国は結んでいた。
自由に行き来出来る人々はお互いを親友と呼び、橋の上でまず事件が起こることは滅多になかった。
ロリーは橋を見て初めて自分の居場所を知った。
まさか、こんな遠くまで来てしまったとは。
断片的ではあるが、あの研究施設で化け物に変身した自分は壁に大きな穴を開けて脱走した。だが、それは自分の意思ではなく、あれは暴走だった。
ふと、ロリーは自分の後ろを見た。茶色い尻尾が一本増えて3本になっていた。
これで、前よりは強くなった筈だ。少なくとも、あの植物を操る奴とは戦える筈だ。
橋に辿り着くと、橋の中央が道になっており、左右にそれぞれカラフルな三角屋根の建物が並んでいた。ほとんどは売店で、そこでは珍しい食べ物や食器やらが売られ、それを目当て来た客で賑わっていた。
すれ違う通行人は多いのだが、それでいて歩いていてもぶつからないのは、自然と左通行しているからだろう。
ロリーはその人の流れるプールのように流れ向こう側へと寄り道せずに橋を渡りきった。
国境を跨ぐ橋を過ぎ、更に続いている道を歩いていくと、空は徐々に夕焼けになっていった。
次の町へは完全に暗闇になる前に到着した。
町は灯籠が等間隔に道沿いにあり、それが道を照らしていた。
木造の平屋がほとんどで、中央の通りには商店や宿、民家があり、道はずれの奥の方には茶屋がある。その他にも鍛冶職人や陶芸作家など文化もこの町には沢山あった。
女の人は着物を着て町を歩いている。その中でロリーが気になったのはヨレヨレのスーツを着た一人の男だ。痩せ細った首にはタトゥーが見え、その下はネクタイとシャツに隠れている。首まであるタトゥーとなると、奴の全身はどうなっているのやら。だが、問題はそこではない。奴の足取りだ。周囲は見て見ぬふりをしてその男から通行人は距離をとっていた。誰がどう見ても奴の頭の中はお花畑になってしまっているのだろう。噂ではこの国ではそういった中毒者が増加し社会問題となっていた。そして、それをビジネスにしているやからがいる。ロリーが何故そこまで詳しいかというと、そこにも組織の影が伸びていたからだ。その組織が認めたブローカーとしか取り引きが出来ないようになっており、利益の一部は組織に献上される仕組みだ。この裏社会のルールを知らずに素人がその手のビジネスをしようとすればまず無事では済まされない。そこでどれだけ泣きわめこうが、知らなかったはその裏社会では通用しないことを命をもって知ることになる。一時期は中毒症状のある子どもが現れ世間を騒がせた。それ程までに卑劣に骨の髄までしゃぶり金と権力の為に残酷になれるのが奴らだった。そして、警察の内部にも汚職警官が存在し、そこから情報漏れや証拠を消す対処をしている。
ロリーはその男とすれ違った。すると、男はいきなり立ち止まり、それから反転して踵を返すとロリーの肩を掴んだ。
「お前、さっき俺を見てただろ?」
絡まれたくなかったが、どうやら今日は運がついていないらしい。
男は俺に対して理不尽にも怒鳴りつけ憤慨していたが、もはやあの男は冷静ではいられないだろう。仕方なくロリーは肩を掴んだ男の手を取ると、そこから投げ技をして男を地面に叩きつけた。受け身を失敗した男は情けない声をあげた。ロリーは構わずその男に全体重をかけて男を地面におさえつけた。
「や、やめろ……」
「先に手を出したのはそちらの方だ」
きっとガキだとナメて、まさか反撃されるとは思っていなかったんだろう。
「俺は金なんてない。どうせ俺に絡んできたのは金目当てなんだろ。その使い道もだいたい想像がつくけど」
「な、なんて力だ……」
「どうせついでだ。ブローカーのところへ案内しろ」
「な、何のことだ?」
「今更言い逃れ出来る立場か? お前の行動はどう見ても普通じゃない。このまま警官に引き渡すか?」
「け、警察……」
警察と言われても激しい動揺とかは見せなかった。
「なるほど。この国の警察は腐っているってことか」
ロリーは更に力を入れた。男は「ギブギブ」と足をバタつかせたので少し力を緩めた。
「ブローカーに会わせる気になったか?」
「わ、分かったから……離してくれ」
「普段はなにをしてる?」
「不動産会社の社員さ」
「不動産? お前のような身なりでか?」
男は鼻で笑った。
「俺の体に入ってるものだろ? これは意外に役に立つ。家賃の滞納やんかがあると俺がその借り主のところへ訪問するんだ。だいたいは泣きついてちゃんと支払う。それ以外は最終的に退去だ。裁判で訴えたって無駄さ。滞納者は裁判で退去の命令が出され、期限内で出なきゃならない。滞納者が勝った判例なんてない。でも、弁護士や裁判費用を考えれば俺なんかがいれば安くすむもんだろ。言っとくが払うべきもんを払わないのが悪い。それを被害者面するのは見当違いもいいところだ」
「それはウォルター不動産か?」
「な、何故それを?」
「各地で悪い噂をよく聞くからね。例えばウォルター不動産関連の建設会社は街の再開発事業に深く関わっている。それによって発生した残土を違法に処分し、結果大雨によって土砂崩れの原因をつくった。だが、責任を負ったのはその処分を委託された企業だった」
「その会社は小さかった。まさか全てに責任を追求し大勢を路頭に迷わせなきゃ気が済まないとでも言うんじゃないだろうな? この世界では誰かが責任をとったらそれで終わりなんだ。誰がそれ以上余計なことをする? 勿論、勘違いした正義感を持った新人記者がいたようだが、ふん、その後そいつがどうなったかは知らないな」
そして、男が案内した場所はそこだけコンクリート建築の建物で小さな入口のマッサージ店だった。中はピンク色で狭い階段が直ぐ奥にあった。その手前には受け付けがある。
「いらっしゃいませ。おお! これはこれはホワイト様。いつもありがとうございます。今日は特別な子が入ってます。ホワイト様の好みの子です」
ホワイトと呼ばれた男は首をぶるぶると横に振って「今日はブローカーに会いに来ただけだ」と言った。
「それよりホワイト様、そちらの子は?」
蝶ネクタイに髪の薄いおっさんがこっちを品定めするかのようにじろりと見た。
「男のガキが欲しいって言ってただろ」
「ええ……それは言いましたが美少年ではありませんね」
「やっぱりこいつに需要はないか」
「わざわざお手数おかけして申し訳ありません。ブローカーの方は登って二階奥です」
「分かった」
「そのガキも連れていくつもりですか?」
「ここで引き取ってくれないんだろ? なら、ブローカーに引き渡すさ」
「そうですか、分かりました。では、どうぞ中へ」
ロリーとホワイトは階段をあがり、二階の奥へ向かった。その途中のカラフルなドアの奥からは明らかに幼い女の声が聞こえる。ロリーはホワイトを睨んだ。
「目的変更じゃないよな? この店潰すとか言い出すよな。そしたらブローカーには会えなくなるぞ」
「マッサージってそういうことか……」
「堪えてくれよ。でなきゃ俺は裏切り者で組織から完全に消されちまう」
「言っとくがその組織に俺は追われている身だ」
「なんだって!?」
「お前が俺をここに連れてきた時点で組織はお前を裏切り者と見るかもな」
「冗談じゃないぞ」
「冗談? お前がしてきたこれまでのことを思い出してみろ。それは冗談で済む話しじゃない」
「正義感ぶるな。いくら命があっても足りないぞ」
ロリーは鼻で笑った。
「それが実はいくらでもあるのさ」
「は?」
ロリーは奥の部屋の扉をノックもせずに勢いよく開けた。
その直後、建物を巻き込む大爆発が起こった。
「これなら空調設備もいらないな」
バウチャーは腕を組みながら隣にいるマリアに聞こえるように冗談を言った。マリアはそれを無視した。そこへ、ハワードがやってくる。
「マリアさん大丈夫ですか!? なにがあったんです?」
「私なら無事だ。それよりロリーが逃げ出した」
「アイツが? どうやってです? 確か次の段階に実験が進んだんですよね?」
「そうだ。そして奴は生き延びた。実験は成功した。だが、それを喜んでいいのか……」
「それじゃ、壁に大きな穴を開けたのはそいつなんですね……アイツの尻尾、最後は幾つになってましたか?」
「3本だ」
それは2本の自分よりロリーの方が多いということだ。
「ロリーを追うんですか?」
「3本になった以上、前のようにはいかない。私や尻尾が3本以上が向かわない限りあれを捕らえるのは無理だ」
「マリアさんが行くなら自分も行きます。いや、行かせて下さい!」
「マリア、行かせてやれ」
「勝手なことを言うな」
「あのガキはお前を守りたいんだ。例えお前の方が強くてもな」
「行かせて下さい」
マリアは迷ったあと、ため息をついて「分かった」と了承した。
酷い頭痛と全身筋肉痛に苦しみながら目を開けたロリーは、自分がベッドの上でも実験台の上でもなく青空の下の草むらの中に沈んでいることに気がついた。
てっきり自分は死んだかと思った。あの悪夢は今も覚えている。俺が殺しにかかわった人間の屍が俺にしがみついてあの世へと連れて行こうとしていた。俺は何故か抵抗出来なかった。あんな夢を見たということは、俺が行く道は茨の道なんだろう。あれは警告?
ロリーは手をつき体を起こし立ち上がると、服についた土を払わずロリーは歩き出した。
目の前には国境を挟む橋が見える。巨大な橋の上には建物が建ち並び、小さな町と化していた。隣国は小国であり、この国と同盟関係にある。故に国境への移動にも自由であり、関税も免除される。また、犯罪者の身柄引き渡し条約を両国は結んでいた。
自由に行き来出来る人々はお互いを親友と呼び、橋の上でまず事件が起こることは滅多になかった。
ロリーは橋を見て初めて自分の居場所を知った。
まさか、こんな遠くまで来てしまったとは。
断片的ではあるが、あの研究施設で化け物に変身した自分は壁に大きな穴を開けて脱走した。だが、それは自分の意思ではなく、あれは暴走だった。
ふと、ロリーは自分の後ろを見た。茶色い尻尾が一本増えて3本になっていた。
これで、前よりは強くなった筈だ。少なくとも、あの植物を操る奴とは戦える筈だ。
橋に辿り着くと、橋の中央が道になっており、左右にそれぞれカラフルな三角屋根の建物が並んでいた。ほとんどは売店で、そこでは珍しい食べ物や食器やらが売られ、それを目当て来た客で賑わっていた。
すれ違う通行人は多いのだが、それでいて歩いていてもぶつからないのは、自然と左通行しているからだろう。
ロリーはその人の流れるプールのように流れ向こう側へと寄り道せずに橋を渡りきった。
国境を跨ぐ橋を過ぎ、更に続いている道を歩いていくと、空は徐々に夕焼けになっていった。
次の町へは完全に暗闇になる前に到着した。
町は灯籠が等間隔に道沿いにあり、それが道を照らしていた。
木造の平屋がほとんどで、中央の通りには商店や宿、民家があり、道はずれの奥の方には茶屋がある。その他にも鍛冶職人や陶芸作家など文化もこの町には沢山あった。
女の人は着物を着て町を歩いている。その中でロリーが気になったのはヨレヨレのスーツを着た一人の男だ。痩せ細った首にはタトゥーが見え、その下はネクタイとシャツに隠れている。首まであるタトゥーとなると、奴の全身はどうなっているのやら。だが、問題はそこではない。奴の足取りだ。周囲は見て見ぬふりをしてその男から通行人は距離をとっていた。誰がどう見ても奴の頭の中はお花畑になってしまっているのだろう。噂ではこの国ではそういった中毒者が増加し社会問題となっていた。そして、それをビジネスにしているやからがいる。ロリーが何故そこまで詳しいかというと、そこにも組織の影が伸びていたからだ。その組織が認めたブローカーとしか取り引きが出来ないようになっており、利益の一部は組織に献上される仕組みだ。この裏社会のルールを知らずに素人がその手のビジネスをしようとすればまず無事では済まされない。そこでどれだけ泣きわめこうが、知らなかったはその裏社会では通用しないことを命をもって知ることになる。一時期は中毒症状のある子どもが現れ世間を騒がせた。それ程までに卑劣に骨の髄までしゃぶり金と権力の為に残酷になれるのが奴らだった。そして、警察の内部にも汚職警官が存在し、そこから情報漏れや証拠を消す対処をしている。
ロリーはその男とすれ違った。すると、男はいきなり立ち止まり、それから反転して踵を返すとロリーの肩を掴んだ。
「お前、さっき俺を見てただろ?」
絡まれたくなかったが、どうやら今日は運がついていないらしい。
男は俺に対して理不尽にも怒鳴りつけ憤慨していたが、もはやあの男は冷静ではいられないだろう。仕方なくロリーは肩を掴んだ男の手を取ると、そこから投げ技をして男を地面に叩きつけた。受け身を失敗した男は情けない声をあげた。ロリーは構わずその男に全体重をかけて男を地面におさえつけた。
「や、やめろ……」
「先に手を出したのはそちらの方だ」
きっとガキだとナメて、まさか反撃されるとは思っていなかったんだろう。
「俺は金なんてない。どうせ俺に絡んできたのは金目当てなんだろ。その使い道もだいたい想像がつくけど」
「な、なんて力だ……」
「どうせついでだ。ブローカーのところへ案内しろ」
「な、何のことだ?」
「今更言い逃れ出来る立場か? お前の行動はどう見ても普通じゃない。このまま警官に引き渡すか?」
「け、警察……」
警察と言われても激しい動揺とかは見せなかった。
「なるほど。この国の警察は腐っているってことか」
ロリーは更に力を入れた。男は「ギブギブ」と足をバタつかせたので少し力を緩めた。
「ブローカーに会わせる気になったか?」
「わ、分かったから……離してくれ」
「普段はなにをしてる?」
「不動産会社の社員さ」
「不動産? お前のような身なりでか?」
男は鼻で笑った。
「俺の体に入ってるものだろ? これは意外に役に立つ。家賃の滞納やんかがあると俺がその借り主のところへ訪問するんだ。だいたいは泣きついてちゃんと支払う。それ以外は最終的に退去だ。裁判で訴えたって無駄さ。滞納者は裁判で退去の命令が出され、期限内で出なきゃならない。滞納者が勝った判例なんてない。でも、弁護士や裁判費用を考えれば俺なんかがいれば安くすむもんだろ。言っとくが払うべきもんを払わないのが悪い。それを被害者面するのは見当違いもいいところだ」
「それはウォルター不動産か?」
「な、何故それを?」
「各地で悪い噂をよく聞くからね。例えばウォルター不動産関連の建設会社は街の再開発事業に深く関わっている。それによって発生した残土を違法に処分し、結果大雨によって土砂崩れの原因をつくった。だが、責任を負ったのはその処分を委託された企業だった」
「その会社は小さかった。まさか全てに責任を追求し大勢を路頭に迷わせなきゃ気が済まないとでも言うんじゃないだろうな? この世界では誰かが責任をとったらそれで終わりなんだ。誰がそれ以上余計なことをする? 勿論、勘違いした正義感を持った新人記者がいたようだが、ふん、その後そいつがどうなったかは知らないな」
そして、男が案内した場所はそこだけコンクリート建築の建物で小さな入口のマッサージ店だった。中はピンク色で狭い階段が直ぐ奥にあった。その手前には受け付けがある。
「いらっしゃいませ。おお! これはこれはホワイト様。いつもありがとうございます。今日は特別な子が入ってます。ホワイト様の好みの子です」
ホワイトと呼ばれた男は首をぶるぶると横に振って「今日はブローカーに会いに来ただけだ」と言った。
「それよりホワイト様、そちらの子は?」
蝶ネクタイに髪の薄いおっさんがこっちを品定めするかのようにじろりと見た。
「男のガキが欲しいって言ってただろ」
「ええ……それは言いましたが美少年ではありませんね」
「やっぱりこいつに需要はないか」
「わざわざお手数おかけして申し訳ありません。ブローカーの方は登って二階奥です」
「分かった」
「そのガキも連れていくつもりですか?」
「ここで引き取ってくれないんだろ? なら、ブローカーに引き渡すさ」
「そうですか、分かりました。では、どうぞ中へ」
ロリーとホワイトは階段をあがり、二階の奥へ向かった。その途中のカラフルなドアの奥からは明らかに幼い女の声が聞こえる。ロリーはホワイトを睨んだ。
「目的変更じゃないよな? この店潰すとか言い出すよな。そしたらブローカーには会えなくなるぞ」
「マッサージってそういうことか……」
「堪えてくれよ。でなきゃ俺は裏切り者で組織から完全に消されちまう」
「言っとくがその組織に俺は追われている身だ」
「なんだって!?」
「お前が俺をここに連れてきた時点で組織はお前を裏切り者と見るかもな」
「冗談じゃないぞ」
「冗談? お前がしてきたこれまでのことを思い出してみろ。それは冗談で済む話しじゃない」
「正義感ぶるな。いくら命があっても足りないぞ」
ロリーは鼻で笑った。
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ロリーは奥の部屋の扉をノックもせずに勢いよく開けた。
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