4 / 21
第一章
04 侵略
しおりを挟む
「ランス、電話だ。お前の母さんからだ」
ランスはリウから受話器を受け取り、それを耳に当てた。
「母さん?」
「あゝランス! どう、最近は?」
「まぁまぁかな。学校の先生は志望校はギリギリだけど狙える範囲だって言ってくれたよ」
「そう! それは良かったわ……」
「母さん?」
「実はね……お父さんが亡くなったの」
再婚した父親の方だ。血の繋がりはない。だが、自分にとって記憶のある父親はその繋がりのない父さんだった。
「どうして!?」
急な知らせにランスは戸惑った。リウはランスのそばにいてやった。
「ランス……お父さんはたまたまあの都市にいたの」
「都市……」
エイリアンだ。巨大な円盤が都市上空に出現し、そこにいた皆を押し潰したんだ。
「そんな……」
「ランス、もう少ししたら私もそっちに行くから。そしたらまた一緒になれるわよ。それじゃリウさんにかわって」
「うん」
ランスはリウに「母さんが話したいって」と言ってリウに受話器を返した。受け取ったリウは暫く真剣な面持ちで会話をしていた。ランスは少しその場から離れた。
そして、リウが受話器を戻したのを見て電話が終わったのを確認すると、リウは優しく「おいで」と言った。ランスはそれに甘えることにした。
優しく抱くリウの中でランスは泣いた。
砂漠に突如出現した巨大な円盤を宇宙船空母セクメト、都市に出現した宇宙船空母をカーリーと命名された。そして、その2日後には別のところで新たな巨大な銀色の円盤が出現した。まるで、侵略が始まったかのような急な出来事に軍も政府も国民もパニックになった。次々と大国の首都上空に出現した銀色の円盤はカリラ・ウエストの言うとおり侵略しに現れた。いや、もしかすればアレの目的は人類を滅亡させてから、この星を乗っ取るのか? もしくは消えた星のようにこの星も同じ運命を辿るのか。
あらゆる手段を全て使って抵抗しても、全ての円盤を破壊することは出来なかった。
首都との連絡も完全に途切れ、近づくものは容赦なく攻撃を受けた。
これは生存者の証言。また、生存者の名をJとする。
「まず、あなたはどうして助かりましたか?」
「はい。私は地下へと逃げたんです。地下鉄には沢山の人達が避難していました」
「その後どうなりましたか?」
「強い揺れが起きて、暫くしてから宇宙服を着た人達が私達の前に現れたんです」
「宇宙服? それはどんな?」
「皆が知るあの宇宙服です。でも、ヘルメットの方は顔が見えないようになっていました」
「では外見は人間そっくりだったと?」
「はい、そうです」
「それからその宇宙人はどうしましたか?」
「宇宙人は私達をあの円盤の中へと連行しました」
「円盤の中に入ったんですね?」
「はい。まず、真っ白で何もない部屋に入れられた私達は人間のスマホから翻訳して着ている服を全部脱ぐように命令しました」
「えーと、ちょっと待ってくださいね……宇宙人はスマホを使えたのですか?」
「はい」
「それで、服を脱ぐよう言ったわけですね?」
「はい。理由は分かりませんが、私達は従うしかありませんでした。そしたら下着も脱ぐように言われました。仕方なく全て脱いだんです」
「その後どうされましたか?」
「別の部屋に連れて行かれました。その部屋には巨大なプールがありました。そしたら宇宙人は私達にその中に入るよう命令しました。プールの中は多分水です。透明でしたから。全員がプールの中に入ると、その中に宇宙人達は薬を入れ始めました。私達は怯え悲鳴を上げる人もいました。何の薬かは分かりません。それは粉でした。それも沢山。色んな色がついた粉をプールに入れていきました。粉は水に溶けるようでしたが、プールの色はどんどんカラフル色に変化していきました。そしたら機械のような音が唸りだしてプールの中の水が混ざるように流れるプールのように私達もそれに巻き込まれながら回ってました」
「異変を訴えた人はいましたか?」
「分かりません。皆パニックでした。私はとにかくその水を飲まないようにしました。数分が経過して、ようやく私達はプールの外に出るよう命令されました。それから貫頭衣のような服を着せられ、私達は円盤に外に出されたんです。そこで次は畑を耕し作物を育てろと命令したんです。男の方は都市の瓦礫や残骸の撤去を命じられてました」
「それはいったいどんな目的で?」
「私達にはさっぱり分かりません。でも、あれは何かの実験だったんでしょうか?」
「その検証は我々の方で行いますのでまずは何が起きたのかを説明して下さい」
「私達はただ、言われた通りに従ってただけよ! 宇宙人の命令にね!」
「しかし、あなたはその宇宙人から逃げ出すことに成功しています。どのように逃げ出せたんですか?」
「あの宇宙人、どういうわけか私達を檻に入れるようなことはしなかった。畑仕事をしている間、すきを見て逃げ出したの。他の人も同じように逃げ出したけど途中で一人になったから。その後どうなったかは知らないわ。ドローンが飛んでいたから多分あれに見つかってたら……」
「どう思う?」
聞き取りの様子の映像を見せられた後指揮官からそう聞かれたカリラは答えた。
「宇宙人の目的は人類を滅亡させることではなかったと受け止められましたが……」
「もし、そうだとしたら連中の目的は何だと思う?」
「これだけの情報ではなんとも言えません」
「思いつくことでいい」
そう言われたカリラはその通りに従う。
「支配?」
「支配? では、あれは教育だったと?」
「分かりません。思いつきですので」
「そうだったな」
「Jのバイタルには異常が無かったと聞きました」
「私も聞いた。細かい検査を受けさせたのだが、特に命に別状はない。検査に引っ掛かったのは元々ある高血圧とかそのあたりだ。だが、君がもし本当に連中の目的が支配だとしたら、連中はこの後どう行動すると思う?」
「最終的には支配の拡大だと思います」
「それはあり得そうだな。だが、他の可能性はないか?」
「殲滅が単に目的ならまず生かさず殺したでしょう。今はそれしか言えないと思います」
カリラは一連の出来事をノートにまとめていた。特に、自身がアレと接触した出来事はより詳しく記録した。その内容はほとんど軍に提出した報告書と聞き取りで答えた内容と変わらない。
箇条書きと矢印だけで簡潔にすれば
出現→破壊→侵略
となり、その侵略の後ろに→支配が加わることになる。破壊は因みに、星が消滅したのが連中の仕業だと仮定した時、開拓している星を警告なしに破壊、星ごと消滅させたことだ。そして、人類の星に出現し、次々と首都を狙ったのも壊滅的な打撃を与える為。非常に効果的で破壊だ。
これまで、人口が増加して溢れていた人間がアレの出現で死者が上回った。人口増加を止め、更に減少した。
あれを神の使いだと言う人がいる。人類の増加は環境を破壊し、それは宇宙の他の星にまで影響を及ぼした。一方で実際に地球環境危機を訴えたところで環境破壊を甘く見る人間は数多く存在し、未だに環境破壊は嘘であり環境活動をある種の宗教とまで言ってカルトと重ね否定している人達がいた。アレの出現は人間の罪に対する罰であり、アレは執行者であり、故に神だと。
世界は私のようにアレを侵略者として見る一方で神説を唱える人達が今は少数であるが存在した。
神は宇宙そのものであると考える自分からしてみればどの宗教にも当てはまらない私は無神論者扱いされるだろうが、そんな私でもアレを神だとは絶対に死んでも思わない。
もし、人類が性善説であった場合、生まれたばかりの子どもにまで影響を与える罰の執行は乱暴であり暴力であり、とても神の執行者とは言えない。であるなら、人類は性悪説なのか? なら、何故神は人を生み出したというのか? その矛盾が性悪説を否定している。
膨張し続ける宇宙でアレは遠くに生まれ、人間より早く見つけた宇宙人は私達を攻撃した。そこにどんな理由があるかは分からないが、神の執行者が次々と星を消滅し、人間のいる星は残して侵略することに果たして神の要素がそこにあるだろうか? 答えは簡単で否。
アレもそして自分達人間もこの宇宙という乗り物にいる以上は自分達もまた宇宙人であり、これは人間対アレの人類にとって初を体験する戦争なのだ。
人類が宇宙にまだ飛び出せなかった間は、星を巨大な乗り物とし、環境や戦争、飢餓を人類の問題として考えてきた。今はその時ではなくなり、宇宙に人類が飛び出せるようになってからは惑星を規模とせず、宇宙という乗り物として考える必要がある。そして、今、私達はその問題に直面している。
ランスはリウから受話器を受け取り、それを耳に当てた。
「母さん?」
「あゝランス! どう、最近は?」
「まぁまぁかな。学校の先生は志望校はギリギリだけど狙える範囲だって言ってくれたよ」
「そう! それは良かったわ……」
「母さん?」
「実はね……お父さんが亡くなったの」
再婚した父親の方だ。血の繋がりはない。だが、自分にとって記憶のある父親はその繋がりのない父さんだった。
「どうして!?」
急な知らせにランスは戸惑った。リウはランスのそばにいてやった。
「ランス……お父さんはたまたまあの都市にいたの」
「都市……」
エイリアンだ。巨大な円盤が都市上空に出現し、そこにいた皆を押し潰したんだ。
「そんな……」
「ランス、もう少ししたら私もそっちに行くから。そしたらまた一緒になれるわよ。それじゃリウさんにかわって」
「うん」
ランスはリウに「母さんが話したいって」と言ってリウに受話器を返した。受け取ったリウは暫く真剣な面持ちで会話をしていた。ランスは少しその場から離れた。
そして、リウが受話器を戻したのを見て電話が終わったのを確認すると、リウは優しく「おいで」と言った。ランスはそれに甘えることにした。
優しく抱くリウの中でランスは泣いた。
砂漠に突如出現した巨大な円盤を宇宙船空母セクメト、都市に出現した宇宙船空母をカーリーと命名された。そして、その2日後には別のところで新たな巨大な銀色の円盤が出現した。まるで、侵略が始まったかのような急な出来事に軍も政府も国民もパニックになった。次々と大国の首都上空に出現した銀色の円盤はカリラ・ウエストの言うとおり侵略しに現れた。いや、もしかすればアレの目的は人類を滅亡させてから、この星を乗っ取るのか? もしくは消えた星のようにこの星も同じ運命を辿るのか。
あらゆる手段を全て使って抵抗しても、全ての円盤を破壊することは出来なかった。
首都との連絡も完全に途切れ、近づくものは容赦なく攻撃を受けた。
これは生存者の証言。また、生存者の名をJとする。
「まず、あなたはどうして助かりましたか?」
「はい。私は地下へと逃げたんです。地下鉄には沢山の人達が避難していました」
「その後どうなりましたか?」
「強い揺れが起きて、暫くしてから宇宙服を着た人達が私達の前に現れたんです」
「宇宙服? それはどんな?」
「皆が知るあの宇宙服です。でも、ヘルメットの方は顔が見えないようになっていました」
「では外見は人間そっくりだったと?」
「はい、そうです」
「それからその宇宙人はどうしましたか?」
「宇宙人は私達をあの円盤の中へと連行しました」
「円盤の中に入ったんですね?」
「はい。まず、真っ白で何もない部屋に入れられた私達は人間のスマホから翻訳して着ている服を全部脱ぐように命令しました」
「えーと、ちょっと待ってくださいね……宇宙人はスマホを使えたのですか?」
「はい」
「それで、服を脱ぐよう言ったわけですね?」
「はい。理由は分かりませんが、私達は従うしかありませんでした。そしたら下着も脱ぐように言われました。仕方なく全て脱いだんです」
「その後どうされましたか?」
「別の部屋に連れて行かれました。その部屋には巨大なプールがありました。そしたら宇宙人は私達にその中に入るよう命令しました。プールの中は多分水です。透明でしたから。全員がプールの中に入ると、その中に宇宙人達は薬を入れ始めました。私達は怯え悲鳴を上げる人もいました。何の薬かは分かりません。それは粉でした。それも沢山。色んな色がついた粉をプールに入れていきました。粉は水に溶けるようでしたが、プールの色はどんどんカラフル色に変化していきました。そしたら機械のような音が唸りだしてプールの中の水が混ざるように流れるプールのように私達もそれに巻き込まれながら回ってました」
「異変を訴えた人はいましたか?」
「分かりません。皆パニックでした。私はとにかくその水を飲まないようにしました。数分が経過して、ようやく私達はプールの外に出るよう命令されました。それから貫頭衣のような服を着せられ、私達は円盤に外に出されたんです。そこで次は畑を耕し作物を育てろと命令したんです。男の方は都市の瓦礫や残骸の撤去を命じられてました」
「それはいったいどんな目的で?」
「私達にはさっぱり分かりません。でも、あれは何かの実験だったんでしょうか?」
「その検証は我々の方で行いますのでまずは何が起きたのかを説明して下さい」
「私達はただ、言われた通りに従ってただけよ! 宇宙人の命令にね!」
「しかし、あなたはその宇宙人から逃げ出すことに成功しています。どのように逃げ出せたんですか?」
「あの宇宙人、どういうわけか私達を檻に入れるようなことはしなかった。畑仕事をしている間、すきを見て逃げ出したの。他の人も同じように逃げ出したけど途中で一人になったから。その後どうなったかは知らないわ。ドローンが飛んでいたから多分あれに見つかってたら……」
「どう思う?」
聞き取りの様子の映像を見せられた後指揮官からそう聞かれたカリラは答えた。
「宇宙人の目的は人類を滅亡させることではなかったと受け止められましたが……」
「もし、そうだとしたら連中の目的は何だと思う?」
「これだけの情報ではなんとも言えません」
「思いつくことでいい」
そう言われたカリラはその通りに従う。
「支配?」
「支配? では、あれは教育だったと?」
「分かりません。思いつきですので」
「そうだったな」
「Jのバイタルには異常が無かったと聞きました」
「私も聞いた。細かい検査を受けさせたのだが、特に命に別状はない。検査に引っ掛かったのは元々ある高血圧とかそのあたりだ。だが、君がもし本当に連中の目的が支配だとしたら、連中はこの後どう行動すると思う?」
「最終的には支配の拡大だと思います」
「それはあり得そうだな。だが、他の可能性はないか?」
「殲滅が単に目的ならまず生かさず殺したでしょう。今はそれしか言えないと思います」
カリラは一連の出来事をノートにまとめていた。特に、自身がアレと接触した出来事はより詳しく記録した。その内容はほとんど軍に提出した報告書と聞き取りで答えた内容と変わらない。
箇条書きと矢印だけで簡潔にすれば
出現→破壊→侵略
となり、その侵略の後ろに→支配が加わることになる。破壊は因みに、星が消滅したのが連中の仕業だと仮定した時、開拓している星を警告なしに破壊、星ごと消滅させたことだ。そして、人類の星に出現し、次々と首都を狙ったのも壊滅的な打撃を与える為。非常に効果的で破壊だ。
これまで、人口が増加して溢れていた人間がアレの出現で死者が上回った。人口増加を止め、更に減少した。
あれを神の使いだと言う人がいる。人類の増加は環境を破壊し、それは宇宙の他の星にまで影響を及ぼした。一方で実際に地球環境危機を訴えたところで環境破壊を甘く見る人間は数多く存在し、未だに環境破壊は嘘であり環境活動をある種の宗教とまで言ってカルトと重ね否定している人達がいた。アレの出現は人間の罪に対する罰であり、アレは執行者であり、故に神だと。
世界は私のようにアレを侵略者として見る一方で神説を唱える人達が今は少数であるが存在した。
神は宇宙そのものであると考える自分からしてみればどの宗教にも当てはまらない私は無神論者扱いされるだろうが、そんな私でもアレを神だとは絶対に死んでも思わない。
もし、人類が性善説であった場合、生まれたばかりの子どもにまで影響を与える罰の執行は乱暴であり暴力であり、とても神の執行者とは言えない。であるなら、人類は性悪説なのか? なら、何故神は人を生み出したというのか? その矛盾が性悪説を否定している。
膨張し続ける宇宙でアレは遠くに生まれ、人間より早く見つけた宇宙人は私達を攻撃した。そこにどんな理由があるかは分からないが、神の執行者が次々と星を消滅し、人間のいる星は残して侵略することに果たして神の要素がそこにあるだろうか? 答えは簡単で否。
アレもそして自分達人間もこの宇宙という乗り物にいる以上は自分達もまた宇宙人であり、これは人間対アレの人類にとって初を体験する戦争なのだ。
人類が宇宙にまだ飛び出せなかった間は、星を巨大な乗り物とし、環境や戦争、飢餓を人類の問題として考えてきた。今はその時ではなくなり、宇宙に人類が飛び出せるようになってからは惑星を規模とせず、宇宙という乗り物として考える必要がある。そして、今、私達はその問題に直面している。
0
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
生きるために逃げだした。幸せになりたい。
白水緑
ファンタジー
屋敷内に軟禁状態だったリリアは、宝物を取り戻したことをきっかけに屋敷から逃げ出した。幸せになるために。体力も力もない。成り行きに身を任せる結果になっても、自分の道は自分で選びたい。
2020/9/19 第一章終了
続きが書け次第また連載再開します。
2021/2/14 第二章開幕
2021/2/28 完結
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる