赤いリボンに包まれた七不思議

アズ

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「どうやら私は勘違いをしていたようだ。七不思議の七から勝手に七つの大罪に当てはめて考えていたが、七不思議の正体は長い悔いによって生まれたものだったんだ」
「そうなると、地縛霊はなんで他の七不思議を取り込んでいるんでしょう」
「いや、むしろ今の話しを聞いて一つの仮説ができたところだ。しかし、まだ確証がない」
「とりあえず僕は勝俣修について調べてきます」
「ああ、頼んだ。私は残っている七不思議について調べるよ」
 二人はそう言ってここから別行動になった。



 その頃、佳代子は学校にいた。放課後、佳代子は一人で旧音楽室にいた。
 三姉妹の話しによれば、ここから見える銭湯の煙突、それを目標にここから歩くと何故か道を迷ってしまう。まるで、見知らぬ道にいきなり入ってしまうという七不思議。
 佳代子は残りの七不思議も取り込もうと考えていた。
 現在、墓地、噴水、公衆電話、柿の木と4つ制覇している。これで5つ目になる。もう一つも三姉妹から聞いて分かったが、最後が分からない。でも、とりあえず今な目の前のを片付けてから考えることにした。
 とりあえず、噂通りになるか実際にやって見ることにした。
 階段を降りていき、旧音楽室の窓側から先の方角目指してあるき出した。
 因みに、そっち方面は家がある方向ではないので初めて行く道になる。
 そして、歩いてみて分かったことは意外にも学校から銭湯に向けての直進道路が見当たらないことだ。
 住宅との間の細い道が多く、カーブミラーがよく見かける。
 だが、方向さえ間違えなければ行けない筈はない。
 そんな自信があったのだが、それから30分が経過しても全然煙突が見えてこないどころか、逆に通り過ぎてしまったのではないかという不安がよぎった。しかし、振り返ってみても煙突は見えない。2階建ての家が周りにあって、まるで迷路のようだ。
 いや、これはもしかすると迷子になっている?
 とりあえず、もう一度学校の方へ戻ってみることにした。
 来た道を歩いて数分後、今度は見知らぬ道に出てしまった。古い民家とか畑とか田んぼとか現れ、全然さっき通った道になっていなかった。
 ……田んぼ?
 そう言えばと三姉妹の話を思い出した。
「迷い込んだ人が言うには知らない道にいつの間にか自分はいて、周りに田んぼとか見えたりするらしいよ。でも、もうあの辺りは田んぼはないんだ。それで、これはおかしいって気づいたらしいよ。確かに、あの辺りは昔は田んぼとかあったらしいけど見ての通り現在は田んぼは全て埋め立てられ、その上に家が建っている。あそこに住んでいる人達はもしかすると知らないかもしれないね。あの場所が昔は田んぼだったって」
 そうか、それじゃここはこの辺りの昔の光景ということか。
 でも、いつの時代だろう?
 すると、どこからか下駄が走る音がした。
 今どき下駄を履いている人は少ない。
 まさか、私の知っている時代? 
 知っているとは、夢でみた光景のことだ。
 多分、これが噂の七不思議なんだ。
 突然、どこかへ迷い込んでしまうという……それはまるで怪談のようだが。
 すると、どこからか子どもの笑い声が聞こえてきた。
 昔の私なら今ので怖がってその場からとにかく走って抜け道を探していただろう。実際に迷い込んだ人も最後は抜け出せている。だが、それでは困るのだ。私には使命がある。
 もし、このまま待っていたらどうなるのだろうか。
 そう思ってとりあえず立ち止まってみた。
 周りは田んぼで、周囲を見渡せられる。
 ふと、風が吹き、急に背後に気配を感じた。まさかと思い、恐る恐る振り返ると、そこには下駄に赤いスカートを履いた女の子が立っていた。おかっぱ頭だが、それは今風のおかっぱではなく、昔のアニメなんかで見るようなおかっぱ頭だった。
 その子は手に風車を持っていた。
「お姉さん、一緒に遊ぼ」



◇◆◇◆◇



 五十嵐社長は兄に電話を入れたが繋がらなかった。舌打ちをし、とりあえずメールを送信した。
 あいつのことだ、この町にまた戻ってくる筈だ。
 その間に他の七不思議の調査だ。まだ、残りも完璧とは言えない。
 そのうち、七不思議で道に迷う銭湯というのがある。
 道に迷わせて遊ぶ座敷わらしがあの一帯に生息しているというのが噂だ。座敷わらしは妖怪なんて言われたりもする。霊とはまた違った存在なんだろう。
 霊、神、妖精ときて今度は妖怪とはな。
 しかし、私の専門ではないにしても座敷わらしは普通古くからある家なんかに現れるというのが一般的に私が知る座敷わらしなんだが、外に現れる座敷わらしか。また、厄介なものがあったものだ。
 だが、それよりも厄介なのはこっちだろうな。



 なにせ、こっちは悪魔だからな。
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