ちょっと間違えた異世界移転

春廼舎 明

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◆3

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 コトリ
 カチャ、カラカラ……コトリ
 白いビーズの次に淡いブルーのビーズ。穴にシリコンゴムを通し、持ち上げて全体のバランスを確認する。

「……はぁ」

 ただゴムで纏めて輪っかにするだけ。デザインもクソもない。ごく単純なこのブレスレットが一番売れる。
 オーソドックスで、癖がなく、今では珍しくもないストーンビーズのブレスレット。まあ、だから売れる。誰でも手に取りやすいから、価格もお手頃だし。しかし、デザイナーとしてはつまらない。

「しかし、売れるから作るしかない。」

あ、みなさまこんにちは。ジュエリーデザイナー兼ウェブショップオーナーの松田美千恵でございます。なんか選挙活動中の政治家みたいね。

 え? あの後どうやって帰ってきたのかって? もちろん尻餅ついて戻ってきましたとも。

 額に宝石くっつけた小動物に白い目で見られながら、痛いのやだなあと思いながら、せーの!で尻餅ついて。




 前回のように、いつまでいるの? みたいな腫れ物を触るような目で見られるのはごめんだったので、今回は言葉が通じるし……で、三日後、馬を探さなければと今更な理由をつけて、もと着ていた服を着てバックパックを背負い草原に出てきた。

「もうちょっと、せめてちゃんと痛みがひくまではお世話になっても良かったんだけどね」

 ジョー親子に新しい家族ができたとかどうとか、噂をちらりと聞いてしまい、後から若い男をたぶらかした怪しげなオバハンとか言われるのも、うっかり噂に乗り気になられても困るので、とっとと退散してきた。
 白い目で見られるのも、やんやと囃し立てられるのに耐えることよりも、もう一度尾てい骨をしたたかに打ち付ける勇気を、重い腰をあげるのが何より辛かった。
 彼らには本物の新しい家族ができる事を祈る。
 まあ、戻ってきた今となってはどうでも良い。


「ただいま戻りましたー」
「お疲れ様ー」
「ああ、これこれ。さっき見かけて見せてもらいたかったんだ。美千恵、これどうしたの?」

 商談が終わり、事務所に入ってきた同僚岡村が質問を投げてくる。彼は学生時代からの付き合いで、互いに恋愛感情無しに付き合える貴重な異性の友人だ。ついでに共同経営者だ。
 目線の先にあったのは、例の小動物の額についていたらしい、コロンビア産最高級クラスのグリーンの石。

「ああ、それ? 綺麗でしょ」
「うん。手にとって見て良い?」
「どうぞ?」


 商談で使用したサンプルや書類を作業台に置くと、ルーペを取り出ししげしげと眺めだす。
 その熱心さを見て、製作中のキット類を片付け茶を淹れに行く。菓子鉢に煎餅ザラザラと入れ席に着く。ウェットティッシュで手を拭き、一口茶をすすり、煎餅をかじる。

ガリッ、ゴリ……ボリボリ……
かたっ…ずず~

「……くは~」

もう一枚、今度は黒ゴマ煎に手を伸ばし、ガリゴリ噛みしめる。

「ちょっと、美千恵、おっさん臭い。というか、年寄り臭いよ、その一連の動作」
「残念だが、歳食ってもジジイにはなれない。」
「知ってるよ! そんな事。直球でババ臭いって言うのを躊躇ったのに、解釈が捻くれてる!」
「なんだい、癒しのグリーンの石眺めてんのに、そんな興奮してるのさ?」
「だって、コレ……本物? だったらそんな無造作に置いてない、けど、これ……でもこんなの買う余裕は……」
「ああ、安心して。それこの間の採掘に行った時拾った。」
「ベリルの?」
「そう。でも、わかってると思うけど、それは違うよ? きれいだから拾っただけ。」
「だよねぇ……日本でこんな鮮やかなグリーンのベリルが出てきたら大騒ぎだよ。」
「でもさあ、実際出てきたとして、日本で取れると思わないからガラスとか別の石とかに思われちゃうんじゃない? あとは、仮にホンモノだ!って気付いたとしても、自分だけの秘密ってバラさないとか」
「はは、まあ、確かに。そしたら、公表されてないだけで、実は日本でも意外に高品質な鉱石イシ結構採れてるかもな。試しに鑑定してみたら?」
「しないよ、費用がもったいない。綺麗だなって眺める鑑賞用で、私の私物だし。これがガラスだとしても、ベリルでも綺麗だと感じる事には変わりない。」

 菓子鉢の横に緑の石を置き、2人で眺めながら煎餅をかじる。
 煎餅の醤油の香りと、ボリボリ噛み砕く音に、茶をすする音、キラキラ穏やかな光を湛える石。なんとも奇妙な空間の出来上がりだ。

「でもさ、もし鑑定でベリルってお墨付きが出ちゃったとして、出処は? どうして手に入れた?って騒がれても面倒臭そうだよな。」
「一応、ちゃんと採集の許可は貰ってるんから、やましいことはない。」
「許可貰って採集してんのに、採集時に見つけましたって交番に届け出るなんて」
「おかしな話だね」
「まあ、そうだね。カッティングされた状態で見つけちゃったの?」
「少し磨き直したよ。」

 2人で煎餅をボリボリかじりながら、石を眺める。不意にカタカタと物が揺れて音が鳴る。

「地震?」
「だねー」

 かすかに震える様な揺れが続く。

 意外と
「長いね」
 思っていた言葉の続きを言われる。
「うん」

グラッ

「うお」
「これは、ちょっと」
「ニュース、ニュース」

 岡村がスマホでニュース速報を見る。

カラコロコロ……

 あれ?まだ揺れてた?
 思わずスマホから目を上げ、同僚と目が合う。

コロコロコロ……

 先ほどの揺れの影響か、緑の石がくるくる転がっている。茹で始めの鍋の中の卵の様な不自然な転がり方。

ん? 

 石の裏面は平らだ、なんで転がる?

 疑問を余所に、くるくるとテーブルの上を転がり、縁に辿り着く

「「あー!」」

ガタッ!

 思わず、テーブルから転げ落ちそうになる石に手を差し伸べようと椅子から飛びつく2人。

ドテッ!
ピシッ

 尻餅をつきつつ、欠けてしまったらしい石のカケラが飛んでいくのを反射的に岡村が手を伸ばすのを、釣られて目で追ってしまった。しっかり大きなカケラは手に持って

 思わず顔を向けてしまったが、と、自分の手元を見ようとして、視界の端に見えるもの、あかりの具合が違う、自分の手の違和感に気付く。ジンジンと痛い尻。

「おお! 伝承どうりだ!」
「おお! 聖女さ、……ま?」

 そうきたか!
 なんで疑問系なんだ!

 思わず同時に2つのツッコミを入れる。
 流石に3度目となると、慣れちゃいけない慣れだとは思うが、取り乱すことも頑なに現実を拒否することも疑うこともない。


・・・・・・・・・・・・・・・
名前:松田 美千恵
性別:女
年齢:42
職業:無職




「はぁ~」

 見えちゃうよ。やっぱりまたコレかよ。
 確かにね、進学した学校がカトリック系でその縁もあってか、ロザリオを作ることもあるさ?
 でもね、聖女って……マザー聖女って、そこまで徳を積んでないよ? そもそもシスターですら無いのに。第一、無職って書いてあるし。
あ、私を見て疑問系になったってことは、あれか? ラノベ系の世界を救っちゃう美少女、若しくは聖女じゃなくビッチの性女。
 おおう、それは嫌だぞ。そもそも少女という年齢ははるかに過ぎ、更にこちらに来て年齢は微増されてるんだ。でも、日本人は幼く見られるってパターン……いや、あれは10代、せめて20代という「若さ」があればこそ、間違われる。こっちじゃもしかしたらお婆さん、孫のいる年齢かも知れない。
 若いうちから老けて見られる人は実際に歳を取っても、若い時に見られた年齢から変わらない様に見られる。永遠の30代みたいな。逆に、若く見られる人は中間が無く、ある時ドンッと歳食って見られる。おばさんが無くていっきにおばあちゃんになっちゃう、あれだ。

「あれ? じゃあマザーと言う意味?……」

「あ、あの、聖女様?」

 ハッとして改めて周りを見る。淡いグレーの前合わせの服を着る立派なおひげのお爺さん、オッサン。奥に椅子に座ったままの光沢を放った重厚そうな布?ショール?マント?に身を包んだオッサン。その脇を腰に刀剣を携えた屈強な男が囲む。

 うん、アレだ。今回はやっぱり、そういうやつなのか。

 認めたくないけど、事実は事実として受け入れるしかなく、呆然と目線を上げた先に見えた窓の外に、巨大鳥が飛ぶのを見た。

「あ、あの、聖女様、突然のことで驚いていらっしゃるかもしれませんが……」
「あ!」
「はいぃッ!」
「何か?」
「どうかなされましたか!?」

 思わず上げた声に、一斉に右往左往、わたわたするオッサンたち。皆ライトグレーの丈の長い服を着て、わちゃわちゃし出すその様は、ちょっと笑える。
 岡村は何処だ?
 キョロキョロ辺りを見るが、やはりいない。

「あの、何か?」
「あー、いや、何かって、何なのかこっちが聞きたいです」
「はい、もちろんです。事情をお話ししますので、先ずは落ち着いてお話出来る部屋に案内させて下さい」
「はあ」

 ん?案内されて、事情を聴いちゃったら引き返せないんじゃない?
 無理矢理召喚されて、帰る術が無いから言う事を聞くしか無いとか、言う事を聞けば帰してくれるって言ってたのに帰し方は知らなかった! とか……武人やら権力者に囲まれて反抗して命を危険にさらすよりはとか、先ずはこの世界で身の安全を確保するためにいうことを聞いておこうとか、
……なんか、尻餅つけば戻れる気がする。

 部屋に案内するつもりで動き出したオッサンズを視界に捉えながら、窓を見れば、額をキラリと輝かせたアイツがいた。逆光で色は見えない。窓枠からコッソリ覗き見て居て、目が合うと、ふいっと背を向けて向こう側に降りた。

「え」

 外の風景から、この窓高いところなんじゃ、と思ったのも束の間、すいーっと巨大鳥が小動物をすくう様に背に乗せ飛び去る。
 アイツら仲間だったのか。

「聖女様、どうかなされましたか?」

 一歩も動かないどころか、ペタリと床に座ったままの私にようやく気がついたオッサンズに声をかけられる。
 あ、そうだ、岡村がどうなったのか確認しなきゃ。

「あの、私の知っている聖女と、貴方がたの言う聖女が同じものを指すのかわかりませんが、私は私の知っている限り、私は聖女ではありません」

 正座をして姿勢を正してお断りをする。さっきステータスにもしっかり無職って書いてあったしね!

「何を言うのです! 貴方は伝承どおりの……」
「あー、いやいや、だから、じゃあ、私の知ってる聖女ってのと、貴方たちの言う聖女ってのは別もんなんでしょう」

 なんか、面倒クセェ
 と言うか、さっきから、あの奥に座ってるのずっと座ったままだよね。何しに来てるの? 実は置物? カーネル●ンダースおじさん?

「ふむ、混乱しているようにも、都合よく現実を歪曲させているようにも見えん。このままここで話をつけてもよかろう」

おう、テンプレ的偉そうな言葉遣いだな、おい。やっと喋ったと思ったらコレか。

「あー、話、聞くだけは聴きます。逃げませんので(今は)、ちょっといいですか?」
「はい?」

 とりあえず、正座を崩し、足をほぐし立つ。足踏みを軽くしてみて、先ほどの尻餅で尻は痛いが何処も怪我をしてないことを確認する。そのままテクテクと窓へ向かい、いつものパターンから予想する。

「聖女様!何処へ!?」

 慌てるオッサンズ。しかし都心のビジネス街、観光地歓楽街の人混みを、人にぶつからずに歩くスキルは何10年と磨かれている。伸びてくる手をかわし窓枠にたどり着く。やはりあった青い石に手を伸ばす。握りしめ、窓の外を見る。遠くに怪鳥が飛んでいるのが見える。
 ここは何処だろう。塔のような所? 大きな建物を挟んで、向こう側にも塔の様な建物が見える。鐘楼? 眼下の風景は少々くたびれた、廃れるというほどではないが埃っぽそうな街並み。10年ぶりに実家の町に帰ってみたら、ベビーラッシュで育った子供達が学校に通うごちゃごちゃ活気のあった風景から、少子高齢化の煽りをもろに受け過疎化したゴーストタウンみたいになった駅前と似ている。
 ルビー、エメラルド、と来たら次はダイヤモンド? コランダム、ベリル、と来たからスピネル? でも、手に取ったのは青い石。この状況からして、この青い石は為政者向けの力を秘めているあの石だろう。
 てめえのケツはてめえで拭け、と言いたいところだけど、同僚の岡村がいない。自分のせいで転移しちゃったわけじゃないけど、異世界転移については先輩だ、帰る術はある、早まるなよ。教えてやりたい。もし一緒にここに、私と同じくこの世界に移転して来てしまっているなら。向こうに置いてきぼりにされているならそれはそれで良い。




 曰く、
 魔がはびこり、国に活気が失われつつある。
 いや、もうすでにかなり活気はないと思うよ?

 曰く、
 現状を打破するために女神の神託を受け、
 それ、駄女神ってやつじゃない? もしくは堕女神とか
 魔を払うものを遣わせる、とのこと。

「そんな力ありませんよ?」
「またまた、そんなご謙遜を。」
「何よりも、私どもの祈りを聞いてここへ来てくださったではありませんか!」
「いや、聞いてないよ?」

 あれ、まさか、本来なら「チート能力あげますから、助けてください!」とか世界を渡るときにすでに力がついている、みたいなの、あったの? 能力が数値化して可視化されたり、魔力を測る水晶玉みたいなファンタジーな代物があるなら、人畜無害、無力な人間ですって証明できるけど……無能って思われて騙しやがったな~とかいう展開になっても困るし。どうしたもんだろうか……


 城? に滞在すること早数日、そろそろ帰りたい。常に侍女が付き従い、うざったい。どこのご令嬢だよ。風呂から着替えから全て手を貸そうとするので、丁重に断った。風呂の湯の準備だけお願いし、洗濯をした。乾くまでの間に着たのは、ワンピースのようなロング丈のナイトドレス。あれ、寝てる間にねじれて首絞まるから嫌いなんだよね、まくり上がってきちゃってゴロゴロして寝苦しいし。
 日中は、代わる代わるオッサンズがやってきて、この世界のお話をしてくれる。なぜ魔がはびこるのか、なぜ聖女を呼ぶのか。
 うん、どうでも良い。そもそも、自分のケツを自分で拭かない奴らのためにしてやれることはない。ここで異世界の力に頼るならもうこの世界は自立できる力はない、手を貸してやらなくて世界が滅ぶなら、それが運命なのだろう。それとも、別の世界の力に寄生して生き延びる、それがこの世界のあり方なのだろうか?

「うーん」
「異世界からいらして、戸惑うこともあるでしょうが、少しずつでも受け入れてくだされば……」
「うーん(なんで、こいつらは下手に出てる割には、断られることを全く考慮してないの? つまり上から目線?)」

 思わずジトリとした視線を投げる。ちなみに、一人で着れないドレスを着る気はないので、ナイトドレスにガウンを羽織り、その格好ではどこの後宮のマダムか!と一人ツッコミをし、せめてショールで隠すかと、ぐるぐる巻きになっている。その格好もどうかと思うが。なのに、何を勘違いしたのか、おっさんは慌てて視線を彷徨わせ、そっぽを向く。
 おい、まるで私が誘惑したかのような態度をとるな。

「そもそも魔ってなんなの?」
「それはですね、先ほどご説明したと思うのですが……」
「んー、国が廃れるっていうけど、その割にはここの食事、豪華だよね?」
「そ、そうなのですか?」
「部屋にじっとして全然動かないのに、毎日毎食食べきれないほどの山盛り豪勢な食事が運び込まれるよ? パンとスープとサラダ、一皿ずつあれば充分って何度も言ってるのに」
「清貧なお心構え、結構なことでございます。さすが聖女様」
「それ、本気で言ってる?」
「はあ……」

 ダメダコリャ
 食べきれる必要な量だけで良いって言ってんのに。食べきれないほど作って、それ捨てるだけなら、そんな金かけるくらいなら、城下に暮らす人たちに還元できないの? 聖職者がこれじゃ、話にならない。『勿体無い』って概念、この世界にはないのかな。ああ、アジアにある、出された料理は食べ切っちゃいけない、っていう考えの世界なのかな。でも、それにしても限度があるよね。


「……でして、明日はその勇者様とお会いいただきたく…」
「は?」

 聖女の次は勇者ですか。勇者って誰? 聞いてなかったよ。岡村だったりして。
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