悪役令嬢、お城の雑用係として懲罰中~一夜の過ちのせいで仮面の騎士団長様に溺愛されるなんて想定外です~

束原ミヤコ

文字の大きさ
51 / 74

 来訪者 2

しおりを挟む
 
 レオンハルトの、静かな迫力のある声音が部屋に響いて、ルティエラの心臓が高鳴った。
 こんなことをしているのに、扉越しに誰かと平然と話している。
 それがつれなくもあり、同時に背徳的な魅力もあるようで、ときめくほどに体は追い詰められてしまう。

「クレスルードです。レオンハルト様、国王陛下がお呼びとのことです」
「そうか、わかった。すぐに行く」
「レオンハルト様、何か、泣き声がするようですが、大丈夫ですか?」
「天井裏に子猫でもいるのだろう。ネズミを追って、以前から猫が住み着いていたようだからな」
「子猫、ですか」
「あぁ。下がれ、クレスルード。用件はもう終わりだろう?」

 扉の前で、クレスルードはしばらく逡巡しているようだった。
 ルティエラは、半年間世話になった男の気配に、やや青ざめる。
 こんなことをしているなんて、生真面目なクレスルードに知られたら、レオンハルトを惑わす悪女と言われかねない。
 きっと、軽蔑の目を向けるだろう。

 自分は何をどう思われてもいい。レオンハルトの名前に傷をつけたくない。

「──戦から戻ってから、どうにも風紀が乱れているようです。団長は、職場に女を連れ込み、騎士たちは恋人を宿舎に連れ込む。あちらこちらで、子猫が泣いてばかりいる」
「それは悩ましいことだな、クレスルード。お前もたまには、娼館にでも行けばいい。真面目なばかりでは、女が寄ってこないだろう」
「レオンハルト様は、女嫌いでは」
「全ての女が嫌いというわけではないな。クレスルード、お前には、盗み聞きの趣味でもあるのか?」
「い、いえ」

 扉の向こうの、人の気配が遠ざかっていく。
 足音が遠のいていき、レオンハルトは薄く笑うと、ルティエラの頬を撫でた。

「いい子だったな、ティエ。よく、我慢できた。知られるのは構わないが、君の声を聞かせたくない」
「れおさま……っ、わたし、恥ずかしくて、それに、レオ様の名前に、傷がついたら……」
「君を抱いていることが知られたとして、つく傷などありはしない。クレスルードと話をしている最中、二回、達したな。君は見られるのが好きな、淫乱のようだ」
「ち、ちがいます、わたし……レオ様が、動く、から……っ、気持ちいいの、我慢できなく、て……」

 レオンハルトは嬉しそうに笑った。
 それから、ルティエラの体が揺れるほどに、激しく奥を穿ち始める。
 ゆるりとして優しい抽送の最中に、二回も甘く達していたルティエラの中はひどく敏感で、子宮口を昂りが穿つたびに達したまま戻ってこれないような、拷問じみた感覚を味わった。

「あ……ひっ、ぅ、ん……ん、ぁ、ああっ、れおさま、いく、れおさま……っ」
「あぁ、ティエ。俺も。君の中で、果てたい」
「はい、果ててください、れおさま……っ、れおさまの、好きに……っ」

 レオンハルトは両手を机につくと、ルティエラの最奥を押し潰すようにして腰を揺らした。
 机が揺れて、皮膚がぶつかる音が響く。

 ばちゅ、ばちゅと、ひっきりなしに激しい音がルティエラの鼓膜を犯した。

「ぁ、あああっ、いく、れおさま、いく、いく、一緒に、ね、一緒がいいの、レオ様、好き……っ」
「愛している、ティエ」
「好き、好きです、すきぃ……っ」

 好きだと、その単純な言葉をうわごとのように繰り返しながら、ルティエラは絶頂を迎えた。
 腹の奥に、レオンハルトの精が迸るのを感じて、甘美な幸福感でいっぱいになる。

 ぎゅっときつく体を抱きしめられて、大きく何度か、レオンハルトは腰を揺らした。
 ひときわ膨れた熱杭が、ルティエラの中で大きく震える。

「ぁ、は……っ、あ、あ……」
「ずっと、達している。中にいるだけで、気持ちがよくて、もう一度と思いそうになってしまうな」

 レオンハルトは名残惜しそうにしながら、ずるりとルティエラの中から自身を引き抜いた。
 ルティエラの中から溢れる白濁を指で丁寧にかきだして、布で清める。

 それから、陶酔するように呆然としているルティエラを抱き上げると、ソファに寝かせた。

「可愛かった。一度だけでは足りないぐらいに可愛くて、今すぐもう一度犯したいぐらいだが、呼び出しだ。行ってくる」
「レオ様、お気をつけて……」
「君の方こそ。俺が戻るまでは、内鍵を閉めていろ。誰も中に入れてはいけない」
「内鍵……?」
「あぁ。今も、かけてある。君の姿を誰かに見られたくはないからな」

 ちゅ、と音を耐えてルティエラに口付けると、レオンハルトは乱れた服や髪を手早く治した。
 それからルティエラの手を引いて、扉の前にやってくる。

「俺が出たら、すぐに鍵を。わかったか?」
「は、はい。わかりました。レオ様、いってらっしゃいませ」
「行ってくる。すぐに戻る」

 レオンハルトは内鍵の掛け方をルティエラに伝えた。
 棒状の番を動かすだけの簡単な作りである。
 部屋に内鍵があることさえ気づいていなかったルティエラは、内鍵がかけられていたことにほっとした。

 レオンハルトが部屋を出たので、いいつけ通りに内鍵を閉める。
 それから、ふらふらとソファの前に戻ると、ころんと横になった。

 まだ、体に熱が残っている。それは全く引く気配がなく、ルティエラを困らせていた。

しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

抱かれたい騎士No.1と抱かれたく無い騎士No.1に溺愛されてます。どうすればいいでしょうか!?

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ヴァンクリーフ騎士団には見目麗しい抱かれたい男No.1と、絶対零度の鋭い視線を持つ抱かれたく無い男No.1いる。 そんな騎士団の寮の厨房で働くジュリアは何故かその2人のお世話係に任命されてしまう。どうして!? 貧乏男爵令嬢ですが、家の借金返済の為に、頑張って働きますっ!

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

処理中です...