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聖女の魔力と豊穣の秋
最果てを共に 2
しおりを挟むお腹の底が、じくじくと熱い。
フィオルド様の形をすっかり覚えてしまった私のその場所は、きゅう、と収縮して、フィオルド様を締め付ける。
「リリィ、……お前の中は、気が触れそうになるほどに気持ちが良いよ。……先ほどから、何度も私を締めつけて、まるで一生懸命誘ってくれているようで、愛らしいな」
「……っ、ふぃおさま、……気持ち良いの、奥、あたって……っ」
「ここが、好きだな、リリィ。ここも、弱い。こうすると……すぐに、快楽に蕩けてくれる」
とん、と、軽く奥を貫かれる。
それから、ぐるりと最奥をなぞるようにフィオルド様の昂りが触れて、私はいやいやと首を振った。
「すき、……いいよぉ……っ、ふぃおさま、すきなの、……っ、あ、あ……」
「もっと、動いて欲しい?」
「ん、……うん、……して、もっと、たくさん、してくださ……っ」
羞恥心も理性も、とっくに蕩けてしまっていて。
フィオルド様はどんなはしたなくて情けない姿を見せても、受け入れてくださることを私は知っているから。
懇願するようにフィオルド様の背中に腕を回して、ごつごつした骨や、筋肉の隆起を撫でる。
フィオルド様は私の両足を高く抱え上げて、激しく腰をうちつけ始める。
ぱちゅん、ぱちゅんと、濡れた音と、皮膚のぶつかる音が部屋に響く。
浅いところまで引き抜かれて奥を貫かれるたびに、深く落ちていくような快楽が体を襲う。それと同時に、体に凝っていた何かが一気に溶け出して溢れていくような、泣きたくなるような解放感を感じる。
「あ、あっ、気持ち、い、あっ、あぁ、ん……ん、っあ、あぁあ……っ」
「リリィ……愛らしい声で、もっと私を呼んで。気持ち良いな、リリィ。もっと、良くなろうな、一緒に」
「ふぃおさま、ふぃおさまぁ……っ、いいの、ふぃおさま、気持ちいいよぉ……っ、あ、あ……あ……っ!」
「良い子だ。ほら、お前の好きなところを、たくさんしてあげる」
「っ、や、あああ……あ、っひ、ぁあ……っ、あ、あ、だめ、すぐ、きちゃ……あ、あ……っ!」
「良いよ、リリィ。いって良い。リリィ、可愛いな、私のリリィ……」
一番気持ち良いところを何度も穿たれて、私はびくびくと全身を痙攣させる。
愛液なのか、他の何かなのかわからない液体が溢れては、フィオルド様の下腹部を濡らした。
床を、いつの間にか植物の蔦が縦横無尽に這っている。
それは天井まで届いて、同じ蔦からさまざまな花を咲かせた。
「や、あ、あっ、も、いったの……っ、まって、あ、あ、ひぅ……っ、あ、ああ、また、いく、いく……っ」
「リリィ、……本当に、美しい。優しく甘く、愛らしい、私のリリィ。……私も、お前の中で果てたい」
震える中を強引に押し開くようにして、さらに激しくフィオルド様が私を穿った。
激しく揺さぶられて逃げる体をきつく抱き込まれて、最奥のさらに奥をこじ開けるようにして、幾度も中を昂りが貫く。
頭が真っ白になって、何も考えられない。
ただ気持ちよくて、幸せで、フィオルド様の切なげな息遣いが愛しい。
天井を覆い尽くすような花々から、ちらちらと雪が舞い落ちてくる。
「ください……ふぃおさま、して、くださ……っ、あ、ああ……っ」
私の中でフィオルド様が大きく膨れるのがわかる。
さらに激しくがつがつと穿たれて、私はフィオルド様の背中に知らず爪を立てていた。
「リリィ……っ」
「っ、……あ、ぁ……っ!」
どくんと放たれた液体が、私の体の中へと染み渡っていく。
それは今までとは違う、熱くて、どろりとしていて、心も体も愛で満たされるようで――すごく、幸せ。
痛いぐらいに強く私を抱きしめているフィオルド様の呼吸が、いつもよりもあらい。
体がふわふわと浮き上がるような多幸感に包まれながら、私はしばらくぼんやりしていた。
「……ふぃおさま、魔法、使っていませんか……?」
微睡の中で、ふと心に浮かんだ疑問を、口にしてみる。
「約束通り。使っていない」
「……ふぃおさまも、気持ち良かった……?」
「あぁ。……おかしくなりそうなほどに。……リリィ、一度だけでは足りない。……良いか?」
甘えるように言うフィオルド様が可愛らしくて、私はそのさらりとした艶やかな髪をそっと撫でた。
「はい……して、ください、フィオ様が我慢していた分、たくさん……」
「……お前はいつも私を甘やかしてくれる。……愛しているよ、リリィ」
唇がふれあい、口づけが深くなる。
私の中でフィオルド様が熱を取り戻すのを感じて、私は切なく眉を寄せた。
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