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3 限定アイスはなんでもトライ
しおりを挟む「たっだいま~」
「はい、お疲れ様」
カキのうちに、自分の家のように上がり込む。
カキもなんとなく嬉しそうだし、意外と友達少ないみたい。
カキは中肉中背のさわやか系イケメン。
人好きする笑顔で、毎月美容院に行って、髪はサラサラだし、高いものを着ているわけじゃないのにオシャレにみえる。
自分に何が似合うかわかっているんだと思う。
入社してすぐ同期の女の子だけじゃなくて先輩方からも声をかけられていたけど、いつの間にかそういう姿を見かけなくなった。
週末私と一緒にいることも多いし、彼はもしかしたらゲイなんじゃないかって思ってる。
だって色々と辻褄が合う。
一緒に歩いていると、よく男を見つめているんだよね。
かなり強い視線で。好みなのかな。
私もつられてその男の人を見ると、慌てて立ち去るから、身の危険を感じるのかも?
それに、これまで何度か泊まったって、お互いの着衣に乱れはなく間違いなんて起こらない。
酔い潰れて同じベッドにいたこともある。
おっぱいだけは大きいから、男の人が胸元を見つめてくることは多いんだけど、カキは興味ないみたいだし。
おっぱい見てくる男を、ノンケかよって雰囲気で見てるし、多分。
それより性別関係なくつき合える居心地の良い友達関係って貴重だと思う。
こっちから突っ込んで訊かないけど、もっと仲良くなったら話してくれるかもしれない。
話してくれるといいな。
「アイス食べたら、早速……」
カキを見上げて私は固まった。
「さっそく? ゲームにする?」
「…………うん、しよう」
ステータス画面!
いつまで出続ける気?
ちょっと、何アレ、顔が上げられない。
なんか、顔が熱くなった。
柿沼 ちんこ
『サイズ 中部アフリカに位置するサッカー大会常連国の平均』
『硬度 タロイモ』
『角度 亀ルーン山』
『持続時間 アフロビート一曲分程度』
『好きな子に意識してもらえないから、妄想が止まらない』
あー‼︎
ちょっと、ヤダ!
車内と違って、ガッツリ見ちゃったよ。
これって、あの国だよね?
角度のところに誤字になってるやつ。
硬度のタロイモってナニ?
蒸しちゃっていいの?
ナマで?
ナマとか、なんだか生々しい……。
顔が上げられない!
「サクラ、どうした? 熱でもある?」
いきなり額に触れられて、ピクリと震えた。
「えっと、大丈夫。アイス、食べればだいじょーぶ!」
二十三にもなって、私の脳内は大丈夫なのか?
いや、大丈夫じゃない。
「アイス……」
小さく呟いたら、カキが持ってきてくれた。
本当にいい奴だ。
食べたらきっとね。大丈夫。
フタを開けてスプーンを持った。
「固い」
カチカチ過ぎてスプーンがささらない。
「貸して」
何も考えずに渡すと、カキがアイスをすくって私の口に運んでくれる。
「ほら」
「んっ」
冷たい。
「んー、レアチーズケーキ味。後味が柿かなぁ? もう一口」
口を開けたら、スプーンが差し込まれる。
「おいしい。柿の味する」
「そう、よかった」
「カキも食べてみて」
持っていたスプーンでそのまま一口大きく口に入れた。
「あま……ん。チーズの味が強いけど、余韻が柿だな。まぁ、一回食べればいいかな?」
「だね。でも、これはこれでおいしいよ。食べちゃお?」
「……サクラがいっぱい食べて」
そう言いながら、私の口にアイスを入れる。
三回に一回くらいカキが口にして食べ終わった。
ステータス画面は相変わらず存在してる。
どうしたらいいんだろう!
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