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しおりを挟む愛を育む、というか。
それはつまりいたしたい、と……?
ジュリアンは十八歳の健康的な男の子だし、当たり前なのかもしれない。
だけど結婚式まで一年以上ある。
朝になって侍女が洗濯物を目にするのが恥ずかしい。
でもジュリアンに抱きしめられてキスされるのは好き。
「イヴの目。何を考えているのか知りたくなる。本当に目が離せないよ……本物のイヴェットはどんななの? 教えて」
そう言って何度も唇を啄む。
今考えたことがジュリアンにわからなくてよかった。
「全部暴きたくなるんだ」
彼の指が背骨をなぞり、ぞくりと震えた。
私は息を吐いて答える。
「ジュリアンも教えてくれる?」
「うん、もちろん」
私もジュリアンのことをもっと知りたい。
最初から諦めないでもっと近づけばよかった。
彼の頬に触れて私を見つめる熱い瞳に見入る。
どうしよう。
彼が好きってもう隠さなくていいとわかって、気持ちがあふれそう。
「好きだよ」
「ジュリアン……私も、大好き」
次の瞬間、舌を絡める口づけに息を奪われる。
彼の首に腕を回すとジュリアンがぶるりと震えた。
それから私の脚の間に指を這わせてそのままするりと内壁を探る。
「んっ、……」
十分に濡れていたようで、痛みもなくてほっとした。
ジュリアンがゆるゆると動かして馴染ませ、その指を抜いて陰核を押し上げるように撫でる。
「あ……っ」
気持ちいい。体が再び思い出す。
「挿れるよ」
陰茎がゆっくりと押し入ってきた。
その大きさに体が震えてジュリアンにしがみつく。
「ジュリ、アン……っ」
「……あぁ、可愛いイヴ。……俺のイヴ」
彼の声に励まされて根元まで受け入れる。
まだ少し痛い、でも幸せで。
「ジュリアン、キスして」
彼が嬉しそうに笑って唇を重ねた。
それから聞こえてくる水音が口内からなのか、ジュリアンが腰を押しつけるように揺らしているからか、私にはわからなくなった頃、体を引き起こされた。
「あっ、んんっ!」
気づいたら陰茎を受け入れたまま彼の腿の上に脚を開いて座っている。
穿たれる角度が変わって彼に抱きついた。
「イヴ、可愛い。どこに触れてほしい? 言って」
「……もう、全部触れてるわ」
そう答えるとジュリアンが嬉しそうに笑う。
「そうだね。……下を見て。イヴの中に全部収まっているよ」
「…………」
「うん? 今締まったね。見ながらする?」
「しないわ」
ぎゅっと抱きつくと耳元で小さな笑い声がして息がかかった。
身をすくめる私をジュリアンが見逃すはずもなく、耳たぶを喰み、それから耳孔に舌を差し込む。
「可愛い、すごく締めつけてくるね。こんなに耳が弱いなんて知らなかったな」
「……私も知らない。ジュリアン、もう恥ずかしいから」
「恥ずかしがるイヴも可愛い。年上だってこと、忘れる」
たった一つしか違わないのに、そんなに気にしていたなんて思わなかった。
「ジュリアン、歳なんて気にしたことはないよ。……好き。もっとキスして」
「イヴはキスが好きだね」
「そうかも……んぅっ」
深く口づけされて、上顎をなぞられると力が抜ける。ふいに唇が離れてジュリアンに見つめられた。
「そんな……蕩けた顔をされるとたまらない」
陰茎がびくんと動くのを感じて内壁がうごめく。
ジュリアンが私の腰を掴んでそっと持ち上げて下ろした。
「あっ……!」
「イヴ、卒業したらすぐに結婚しよう。ドレスはこちらで用意しているから」
そう言ってもう一度腰を持ち上げ、抜けるギリギリのところで止まる。
不安定な姿勢に、私は彼の肩に手を置いて膝立ちした。
そのまま浅く小刻みに動かすから、少し物足りなくて彼を見つめる。
「イヴ? 卒業パーティが終わって一週間後はどうかな」
「それは……一ヶ月もないわ」
料理だとか招待状、席次だとか。その他諸々の準備が必要だと思う。
「全部任せて。招待状はいつでも出せるし、ほぼ準備は終わっているんだ」
ジュリアンが腰を支えたまま私の胸に吸いついた。そのまま甘噛みして舐め回す。
「あっ、ジュリアン!」
お腹の奥がつきんとして、私は自重で受け入れることもできなくて彼の肩をぎゅっと掴んだ。
ちゅう、と音を立てて唇を離したジュリアンが私を見つめる。
「結婚式は延期ということになったけど、侯爵家はいつでもイヴを歓迎する準備が整っているんだ」
結婚に不安になる気持ちはわかるとジュリアンの母、侯爵夫人が言ったそうで両家では話がまとまっているらしい。
「本当に……。その、間に合うの?」
「もちろん。そうしてくれたら俺は嬉しいし、みんなも喜ぶから」
「……わかったわ。私ができることはなんだってする」
一人空回りしていたみたいで恥ずかしいけど、これからはもう迷わない。
「よかった。おいで?」
嬉しそうに笑ったジュリアンが腰をつかんでいた手を緩めた。
自重、というよりも自らの意思で陰茎を受け入れる。
「……っ、……はぁ」
最奥まで受け入れると、満たされて吐息を漏らした。
お互いにきつく抱きしめ合って自然と唇を寄せる。
好き。
やっぱりジュリアンが大好き。
「イヴ、全部うまくいくから……一緒に幸せになろう」
密着したまま下から突き上げられて、じわじわと追い上げられる。
「うん。……あっ、ジュリアンッ……」
「イヴ! ごめん」
いきなり仰向けに倒されてジュリアンがのしかかった。
それから陰核に触れて擦りつけるように揺さぶる。
「ひぁッ、それ……っ、あ、あぁっ!」
びりびりと痺れるような強い刺激に頭の中が真っ白になる。
「可愛い、イヴ。あぁ、本当に、可愛い……っ」
「ジュリ、アンっ、ああ――……っ‼︎」
絶頂に打ち震える体をジュリアンは揺さぶり続ける。
「可愛いっ、好き、イヴ、ずっと一緒だ」
「あっ、あぁっ、やっ」
内壁が奥へ誘い込むように陰茎に絡みつく。
気持ちいい。だめ。もっと。
すごくいい。しんじゃうかも。
「……ッ、イヴ、……出すよ」
ジュリアンが最奥に力強く押しつけ、精を放つ。
「あぁぁ――‼︎」
広がる熱に私の体が原始的な喜びにひくひく震えた。
力の抜けた私に覆いかぶさり、一度だけ唇を重ねる。
「我慢できなくてごめん……イヴ、愛しているよ」
「ううん、いいの。もう一度キスして」
恋人同士のような甘いキスに、胸がいっぱいになった。
「私こそこれまでごめんなさい。一緒に幸せになりたい」
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