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その後

13 二人きりになって③ ※微

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「何が、違うんですか?」
「そうだな……恋人としては優しく? 甘やかしたいのかな……。妻には、もっと、たくさん……それは、その時に体感してもらいたい、かな」
「体感……」

 よくわからなくて、繰り返すとネッドさんがそっと、唇を重ねた。

「うん、それは、おいおいで……」
「おいおい……」

 あまりみたことのない色気を感じさせる笑い方で、私は戸惑ったけれど。

「……ネッドさん、信じてます」
「あぁ! もう! 可愛い! 俺、大人として、フィーにいいとこ見せたいのに!」

 私の肩に頭を乗せてぐりぐりするからくすぐったい。
 黒い大型犬にじゃれつかれているみたいで……。

「ネッドさんは、格好良くて、可愛いです。大好き……んっ!」

 深く唇が重なって息を奪われた。

「フィオレンサっ……我慢できなくなるから、待って」

 そう言いながら、私の手をそっと持ち上げる。それから、握って指先、手首にも音を立てながら口づけした。

「ネッドさん……?」
「俺の大切な恋人だから、全部愛したいんだ」
 
 私のことを大事にしてくれているのが、言葉からも態度からも伝わって胸がいっぱいになる。
 今だって、落ち着け、落ち着けって無意識につぶやいてる……多分気づいていないけど。

 ネッドさんはとっても甘い。
 幸せすぎて、なぜか泣きたくなった。
 このまま時間が止まればいいのに。
 どうしよう。大好き。
 なんでもしていいよ、って言いたくなる。

「フィー?」
「…………」

 何か言葉にしたら、涙が溢れ落ちそうで私はただ見つめるだけ。
 悲しいとか嫌だと思ってるわけじゃないって、伝わっているのかな。
 ネッドさんが甘く微笑んで、私のまぶたに唇を寄せた。

「嫌だって、思ったら必ず言って。……今は、とてもおいしそうな匂いがしているから……続けるよ」

 おいしそうな匂いというのがよくわからないけど、私はネッドさんを見つめたまま頷いた。

「フィー、可愛い。愛してる」

 手を握ったまま、彼が私の肩に口づけを落とす。ほんの少し、歯を立てて甘噛みしてから舌を這わすから痛いのかくすぐったいのかよくわからなくて混乱した。
 
 そのまま鎖骨を舌で辿り、二つのふくらみの間に唇を寄せた。
 私の手を離し、両手でそっと包み込む。
 
「おいしそうないい匂いがする」

 ネッドさんの指が膨らみの先端を捉える。

「んっ……!」

 そっとつままれて、なぜかお腹のあたりが甘く痺れた。
 ネッドさんは私の様子を伺いながら、手のひらでふくらみを覆いながら時々指の間に挟む。
 強い刺激ではないのに、いつの間にか先端が立ち上がって、触れられるとむずむずしておかしい。
 
「ネッドさん……っ」

 戸惑って名前を呼ぶと、彼は先端を口に含んだ。
 いきなり熱に覆われ、舌先で転がされて吐息と共に声が漏れる。慌てて口を閉じた私の唇にそっと指で触れた。

「声を我慢しないで。……聞きたいし、フィーがどう思っているかわからなくなる」
「でも、恥ずかしい、から……」
「フィー? 俺にしか聞こえないし、そういうものだから」

 困惑する私の口内に指を差し入れて、ぐるりと撫でる。敏感になっているのか、ネッドさんの指の触れる場所がぞくぞくして思わず甘噛みした。

「あ……、ごめんなさい……」

 ネッドさんは笑って指を引き抜いて、目の前で何でもないことのように舐めた。

「フィーの全部が好きだよ。俺だって全部さらけ出すんだ。……そしたら、フィーは俺を嫌いになる?」
「なるわけ、ないです」
「ん。嬉しい……俺も一緒だよ」

 今度はふくらみを下の方から丁寧に舐め上げる。なぜか先端を避けて。
 もう片方は柔らかく包んで、手のひらで先端を刺激するから。
 なんで触れないんだろうって、頭の中が混乱する。

「ネッドさんっ……」

 私の声に応えるように、先端の周りをぐるりと舌でなぞってから、ようやく口に含んで吸い上げた。

「あぁっ……!」

 強い刺激にびくんと身体が跳ねる。
 一度声に出してしまうと、我慢できない。
 ネッドさんが強弱をつけながら、硬くなった先端を舐めたり甘噛みしたりしてさらに私の反応を引き出す。

 もう片方も同様に愛されて、私の息が上がった。
 それに、今の行為でなぜか脚の間が濡れている気がする。
 
 まさか、月のものではない、はず。
 だって、半月前に終わったもの。
 それならどうして……。
 気になって足をすり合わせてしまった。
 ネッドさんがそれに気づかないわけもなく。

「フィー? どうした?」

 私のおへそに口づけしてから、顔を上げた。

「……あの、えっと……」

 なんと言っていいかわからない。
 粗相したかも、なんていくらなんでも恥ずかし過ぎて言えない。
 戸惑っている間にネッドさんが、私の太ももに触れてそっと脚を開く。

「フィオレンサ」

 驚いて固まる私の脚の間に身体を移動させてしまうから、閉じることもできなくなった。
 するりと下着の上から優しく撫でられて、身体が震える。そのまま、すっと紐を引っ張られてあっけなくすべてをさらしてしまった。

「……ネッドさんっ」
「よかった。濡れている。……もう少し準備しよう」

 私の戸惑いに気づいたネッドさんが説明してくれる。
 母や祖母からは成人してなかったから説明はないし、恋愛小説にも詳しく書かれていなかったことを。

 濡れるのはいいことなんだって。
 柔らかくほぐせば、あまり痛みを感じないですむって。
 そうしたら、二人が一つになって、私の中に赤ちゃんがやってくるかもしれないって。
 
「かもしれないって、ことは確実じゃないんですね……」

 私がそういうと、ネッドさんが笑った。

「早く家族が欲しい?」
「はい。ネッドさんとの赤ちゃんは、とっても可愛いと思います」

 人間と獣人の間に生まれてくる子はどんな子だろう。
 ネッドさんに似て耳や尻尾があるかもしれない。……それって、すごく、可愛い。

「可愛くないはずがないよ。絶対可愛い」
「はい」

 私は迷わず頷いた。
 


 


 
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