後ろ姿で番と気づいたけど相手はほぼゴリラだった

能登原あめ

文字の大きさ
5 / 20

しおりを挟む

* ほんの少し♡飛んでました。






******


「アル、一緒にお風呂入ろう?」

 ワタシはカバンの中から石鹸を取り出した。
 実家から持ち出した石鹸が残り四個とクシと鏡。
 それに着替え二着と寝間着代わりのシャツとタオルで終わりだから、アルが空けてくれたクローゼットはスッカスカ。
 物はなくてもなんとかなる。

 カバンの大半を占めていたのは花のモチーフ。それを編んだかぎ針二本ととじ針にハサミ。

 肌の手入れはしない。
 実家で作った石鹸は蜂蜜と植物油が入っているから洗いっぱなしでも何もしなくて大丈夫。
 母もそう。
 
 いい香りのするものは好きだし、お風呂も好き。
 皿洗いの仕事の時の住まいはシャワーしかなかったけど石鹸のおかげで疲れを残さず働けたと、思う……多分。

 アルの家には浴槽があって、ゆっくり浸かれるのがいい。
 アルはいい匂いだし、ワタシが好きな石鹸の匂いになったらもっともっと、すごくいい匂いになるはず。
 考えるだけでたまらない気持ちになる。

「………………わかった」

 なんだか長考していたアルが頷いたので、いそいそとお風呂の準備を始めた。






 アルが入ってろと言うから、先に髪も体も洗い終わって。
 それでもまだやってこなくて、アルのためにモコモコの泡を作って待っていた。

「アル~っ! まだぁ~?」
「…………」

 ガラッと扉を開けて全裸のアルが入ってくる。
 アルの陰茎が反り返ってる。
 ナンデ?

「……アル、元気だね?」
「お前が誘ったからだろ?」
「……(お風呂には)誘ったけど」
「すぐ体洗うから待ってろ」
「洗ってあげるよ? ほら、石鹸準備してたから」
「…………任せる」

 アルにシャワーをかけてから、後ろに立ってモコモコの泡で髪を洗う。

「いい匂いだな。……キャットと同じ匂いがする」
「いいよね! ワタシもこの匂いするの? 嬉しいな~」

 一度流してからアルの大きな背中に塗り広げる。
 この背中、大好き。
 こうして堪能できて嬉しい。

「アルの背中、大好き♡ アルのことは全部好きだけどっ」

 そう言って思わず、抱きついた。

「あっ……」

 お互い裸だから、アルの背中で滑り台みたいにつるりと滑る。

「…………背中はもういい」
「えーと、前も洗う?」

 無言で頷くアルの胸に手を伸ばした。

「向かい合わせで、裸なの。恥ずかしい」
「誘ったのはお前だぞ?」
「そうだけど、こんな風になると思わなかった‼︎」

 お腹の辺りまで洗った後は、ちらちら下半身を見る。

「えーと、私が洗う?」
「できれば」

 アルの陰茎に泡をつけて手早くこする。
 なんだか硬いし熱いし大きいからさっさと済ましたほうがいいよね。

「うっ……!」
「あ、ごめん! 力、強かった?」
「いや……ちょうどいい」
「そっか、じゃあどんどんいくね~」
 
 両手に包んでしゅこしゅこ上下に洗った後は、くびれたところやくぼみを丁寧に洗う。
 それから、不思議な触り心地のしわしわ~で重そうな袋の方も泡で包んで、ついでにお尻も洗ってしまう。

 その間、アルがウホウホ唸っていたけど。
 うんうん、アルらしいよね。
 やっぱりそう遠くないところにゴリラ獣人がいるんだなぁ、アルが知らないだけで。
 ワタシは番の体を洗える幸せに浸って、どっしりした太ももから足先まで一気に洗う。
 アルの全部が好き。
 
「あとは~、腕と顔かなぁ?」

 にゅっと伸びたアルの腕に腰を掴まれて太ももに乗せられる。

「ほら」
「この体勢じゃ洗えないよ?」

 アルに背中を預けてぎゅっと抱きしめられると泡がワタシに移ってツルツルすべる。
 
「なんか、くすぐったいけど、気持ちいいね。ワタシもアルに洗ってもらえばよかったなぁ」
「……次はやる」
「うん! じゃあ残り洗うね~」

 お互いをシャワーで流し合って、ワタシは満足した。
 思わず、アルの肌に顔を寄せてくんくんと匂いを嗅ぐ。

「アル、いい匂い~。ワタシと同じ匂いだけど、やっぱりアルのほうがいい匂いだなぁ」
「…………どれだけ、煽る気だ?」

 煽ってないよ?
 と、言える雰囲気でもなくて。
 ずっと、元気だなぁとは思っていたけど。
 男のセイリはわからない。

「もう、いいか?」
 
 とりあえず、こくこくと頷いた。
 番にされて嫌なことは、ない!……はず、多分。







「あっ……! アルぅ。ここ、お風呂のなかぁ……」

 一旦二人で湯船に浸かったのは、ワタシが風邪をひかないように、らしい。

 湯船の中でアルに背を向けて立たされて、ワタシの秘裂に舌を這わす。
 それは初めての経験で。

 たいていのことは初めてなんだけど、口を使うとかこんなの驚く。
 ざらっとした舌と蜜口に埋められた指のコンビネーションに脚ががくがくした。

「アル、これだめぇ……」
「しかたねぇな」
 
 立ち上がったアルが蜜口に陰茎を押し当てる。
 触れた瞬間はくちりと音がして、すぐにずちゅんと一気に貫かれた。

「ああぁぁああっっーー!」

 お腹に回された腕に支えられながら、アルがずちゅずちゅと抽挿する。
 お風呂だからか音も響くし耳も犯されているみたい。
 
「アル、早く出してよぉ! 頭、おかしくなっちゃう♡」
「まだ、挿れたばっかりだろうが。……ちっとくらい馬鹿になっても、変わらねぇだろ」
「でもぉ! こんなにっ、してたらぁ……」
「…………なんだ?」
「ワタシの、中枢神経系が、……破壊されちゃうよぉ」
「…………わかりづれぇな」

 
 



 


 
 
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

逃した番は他国に嫁ぐ

基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」 婚約者との茶会。 和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。 獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。 だから、グリシアも頷いた。 「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」 グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。 こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。

【完結】私の番には飼い主がいる

堀 和三盆
恋愛
 獣人には番と呼ばれる、生まれながらに決められた伴侶がどこかにいる。番が番に持つ愛情は深く、出会ったが最後その相手しか愛せない。  私――猫獣人のフルールも幼馴染で同じ猫獣人であるヴァイスが番であることになんとなく気が付いていた。精神と体の成長と共に、少しずつお互いの番としての自覚が芽生え、信頼関係と愛情を同時に育てていくことが出来る幼馴染の番は理想的だと言われている。お互いがお互いだけを愛しながら、選択を間違えることなく人生の多くを共に過ごせるのだから。  だから、わたしもツイていると、幸せになれると思っていた。しかし――全てにおいて『番』が優先される獣人社会。その中で唯一その序列を崩す例外がある。 『飼い主』の存在だ。  獣の本性か、人間としての理性か。獣人は受けた恩を忘れない。特に命を助けられたりすると、恩を返そうと相手に忠誠を尽くす。まるで、騎士が主に剣を捧げるように。命を助けられた獣人は飼い主に忠誠を尽くすのだ。  この世界においての飼い主は番の存在を脅かすことはない。ただし――。ごく稀に前世の記憶を持って産まれてくる獣人がいる。そして、アチラでは飼い主が庇護下にある獣の『番』を選ぶ権限があるのだそうだ。  例え生まれ変わっても。飼い主に忠誠を誓った獣人は飼い主に許可をされないと番えない。  そう。私の番は前世持ち。  そして。 ―――『私の番には飼い主がいる』

『完結』番に捧げる愛の詩

灰銀猫
恋愛
番至上主義の獣人ラヴィと、無残に終わった初恋を引きずる人族のルジェク。 ルジェクを番と認識し、日々愛を乞うラヴィに、ルジェクの答えは常に「否」だった。 そんなルジェクはある日、血を吐き倒れてしまう。 番を失えば狂死か衰弱死する運命の獣人の少女と、余命僅かな人族の、短い恋のお話。 以前書いた物で完結済み、3万文字未満の短編です。 ハッピーエンドではありませんので、苦手な方はお控えください。 これまでの作風とは違います。 他サイトでも掲載しています。

番探しにやって来た王子様に見初められました。逃げたらだめですか?

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私はスミレ・デラウェア。伯爵令嬢だけど秘密がある。長閑なぶどう畑が広がる我がデラウェア領地で自警団に入っているのだ。騎士団に入れないのでコッソリと盗賊から領地を守ってます。 そんな領地に王都から番探しに王子がやって来るらしい。人が集まって来ると盗賊も来るから勘弁して欲しい。 お転婆令嬢が番から逃げ回るお話しです。 愛の花シリーズ第3弾です。

番が見つけられなかったので諦めて婚約したら、番を見つけてしまった。←今ここ。

三谷朱花
恋愛
息が止まる。 フィオーレがその表現を理解したのは、今日が初めてだった。

幸せな番が微笑みながら願うこと

矢野りと
恋愛
偉大な竜王に待望の番が見つかったのは10年前のこと。 まだ幼かった番は王宮で真綿に包まれるように大切にされ、成人になる16歳の時に竜王と婚姻を結ぶことが決まっていた。幸せな未来は確定されていたはずだった…。 だが獣人の要素が薄い番の扱いを周りは間違えてしまう。…それは大切に想うがあまりのすれ違いだった。 竜王の番の心は少しづつ追いつめられ蝕まれていく。 ※設定はゆるいです。

番から逃げる事にしました

みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。 前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。 彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。 ❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。 ❋独自設定有りです。 ❋他視点の話もあります。 ❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

憎しみあう番、その先は…

アズやっこ
恋愛
私は獣人が嫌いだ。好き嫌いの話じゃない、憎むべき相手…。 俺は人族が嫌いだ。嫌、憎んでる…。 そんな二人が番だった…。 憎しみか番の本能か、二人はどちらを選択するのか…。 * 残忍な表現があります。

処理中です...