結婚式に私を番だと言って現れた竜人が溺愛してくる

能登原あめ

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2 ※微



「貴女のそのドレス姿はとても美しいが、不便だろう。湯浴みの間に新しくドレスを用意しておくよ」

 彼の屋敷に着いてすぐ、有能な使用人たちの手によって私は湯浴みをすませ、隣国で流行っているというドレスに着替えた。
 コルセットのいらない、胸の下から切り替えのあるエンパイアラインのドレスでとても着心地がいい。

「とてもきれいだ。……正直に言うと、ほかの男のために用意されたドレスを脱がしてしまいたかった。……もしかしてあきれているか? 竜人も人と変わらない、嫉妬する」

 少し、公爵のことを可愛いと思ってしまった。
 
「ドレスをありがとうございます。あきれてなどいませんわ。とても着心地が良くて、素敵なもので気に入りました」

「そうか……よかった。いくつか勝手に用意したが、貴女の好みもあるだろう。今度一緒に選びに行こう」
「はい、ぜひ」

 女王のように、と彼が言ったけど本当にそういう気持ちでいるみたい。
 嬉しいけれど、気恥ずかしい。

「私はウィーラー・モルダー・モーリエだ。ウィーラーと呼んでほしい。貴女の真名は?」

 竜人たちは名前をとても大事にしていて、大切なミドルネームは番にしか知らせないらしい。
 私も正直に答えることにした。

「ジェシカ・オブ・ジョーンズです。あの国では亡き姉の代わりにクレアと名乗っておりました。ジェシカと呼ぶ者は一人もおりません」

 双子は不吉という昔の風習から守るために、私は生まれてすぐ小さな修道院に預けられ、ひっそり暮らしていた。
 あの頃は孤児だと思っていたが、5歳の時に王子の婚約者に決まったばかりの姉が高熱で亡くなり、成りすますことに。

 両親は私を不憫だと思っていたようで安易に考えたのだと思う。
 幼かったこともありクレアと呼ばれることにすぐ慣れたし、マナーや人間関係はすぐに覚えた。

 抱えていた秘密を打ち明けると、心が軽くなる。
 竜人は番を大切にすると聞いていたのもあるけれど、私は彼のことを信用できた。

「では2人きりの時だけ、貴女をジェシカと呼ぼう」
「ありがとうございます。このことを知っているのは両親だけなのです」

 ジェシカと呼ばれるのはくすぐったいような、本当の自分を取り戻したような気分で嬉しい。
 ウィーラー様とは今日会ったばかりなのに、自然体でいられる。

 今は修道院もなく、私の出生に関わった人たちは両親以外この世にいない。
 それでも王家に万一知られたらと恐れていたけれど、これからはもう心配しなくてもよさそう。

「今夜、私の妻にしても?」
「はい……よろしくお願いします」

 ウィーラー様は、屋敷に神官を呼び、礼拝室でお互いに結婚を誓った。
 2人だけの結婚式は竜人の国ではよくあることのようで、後日結婚披露パーティーを行うとのこと。

「ジェシカ」
 
 彼は私を抱き寄せて、反応をうかがうようにそっと唇を重ねた。
 今のが2度目のキス。
 キスも彼が初めてで、そのことを告げると、ため息混じりにささやく。

「私はなんて幸運なのだろう」

 私も浮かれているのかもしれない。
 もしかしたら私は夫に恋をしてしまったかも。
 王子といる時はしっかりしないといけないと思っていたけど、今は肩の力を抜いていられるし、自分じゃないみたい。

 意識したら心臓が早鐘を打ち、何も言えなくなった。
 母から夫婦の行為について話を聞いているし、覚悟しているけれど緊張が高まる。

「私のすべてを貴女に捧げる。私と同じだけ、時を過ごしてもらえないだろうか?」

 はっとして顔を上げた。
 竜人は人の何倍も生きるらしい。
 たくさんの人を先に見送らなくてはいけないことになる。
 簡単に決められることじゃない。

「…………」

 彼のまっすぐな視線を受け止めていられず、うつむいた。
 幼い弟が先に年老いていくのはつらいだろう。
 人の生き方から外れ、私だけ取り残される。

 でも――。
 この先つらいことがあっても、彼となら乗り越えていけると不思議と思えた。
 人にはわからないはずの番という存在、感覚を私の心は感じとっているのかもしれない。

 考え込む私を、彼は急かすことなくじっと返事を待ってくれている。
 ウィーラー様の瞳を見て、はっきり口に出した。

「わかりました。これから先もあなたとともに歩みます」
「ありがとう」

 彼は嬉しそうに笑って再び唇を重ね、ついばんだ。そのまま舌が口内を探り始めると、なぜか体が熱くなってくる。
 そういえば、竜人の体液は催淫の作用があると聞いたことがあった。

「愛おしい、私のジェシカ」

 頭の中がぼんやりした頃、何か硬いキャンディのような平たいものが舌にのせられる。
 そのまま甘い何かが喉の奥に落ちた。
 一瞬息が止まるような大きなものを飲み込んでしまったみたいな感じ。

「……ッん」

 それからすぐ高熱を出した時のように、吐息まで熱くなる。

「横になろう」

 ドレスが邪魔だと思うくらい熱くて、すべてを脱がされるとほっとした。
 抱きしめてきたウィーラー様の体温が低く、気持ちよく感じてしまったくらい。

「今、私のうろこを飲み込んだ。それによって貴女の体が私と同じものへ変わろうとしている。……つらいか?」
「大丈夫です……ウィーラー様が冷たくて心地良いから」
「そうか、よかった」

 私の髪を撫でながら、時折口づけを交わす。
 体が熱いだけじゃなくて、感覚も鋭くなっているみたい。

 心地いいだけじゃなくて、お互い素肌で触れ合っていることが気になってきた。
 体がかたくなる私に気づいたウィーラー様が、瞳をのぞき込む。

「ジェシカ、そろそろもっと触れてもいいか?」
「……はい」

 ウィーラー様の腰に回されていた手が、ゆっくり背中を撫でる。
 背骨をなぞられるとぞくぞくして、腰の辺りがなんだかおかしい。初めての感覚に戸惑った。
 
「ん……」

 思わず漏れてしまった私の声に、ウィーラー様は少し目元を緩ませる。

「貴女の熱を私に感じさせてほしい」

 首筋を舌でなぞりながら、肩や鎖骨にもキスを落とす。そのまま胸の周りに唇で触れ、手のひらで包んだ。
 立ち上がった先端が彼の手のひらに当たってこすられると、お腹の中がきゅうとなる。

「ウィーラー様……」
「貴女の速い鼓動が伝わってくる。緊張している? ジェシカ、すべてが愛くるしい」

 そう言って彼は胸の先端を口に含んだ。

「ああっ……!」

 ますます熱くなって体が勝手に跳ねる。
 ウィーラー様は楽しそうに私を見上げながら吸ったり舌を使ったりしてさらに反応を引き出す。
 胸に触れられて息が切れるなんて思ってもみなかった。
 
 反対も同じように口に含まれて、私はいつの間にか彼に体を押しつけるようにしがみついている。
 触れられているのは胸なのに、なぜか脚の間が甘くしびれた。

「愛しい、愛しい私のジェシカ。さぁ、力を抜いて」

 私の脚の間に体を置いて、秘所に口づけする。

「……っ、そんな……っ、あ!」

 ぬるりとした感覚に私の意識がそこに集中した。

「熱を解放しよう。大丈夫だから」

 考えることが難しくなった私はすぐさま頷いた。
 長い舌が蜜をすくい取るように舐め上げ、花芯をとらえる。

「あぁ……っ!」

 腰が浮いて脚に力が入る。
 こんなふうになるって、聞いていない。もっと淡々としたものだって――。

「ジェシカはすべてが甘い。食べ尽くしてしまいそうだ」

 花芯から蜜口へ何度も何度も舌を往復させるから、気持ちいいのにもどかしいような、わけのかわらない感覚に襲われる。
 自分で制御できないことは怖い。
 どうしたらいいかわからなくて――。

「ウィーラー、さま……っ」
「ああ、すごい。甘い蜜に誘われてこのまま一つになってしまいたい」

 そうしてくれたらいいのに。
 でも彼は、蜜口に舌を忍ばせた。
 誰も受け入れたことのない小径を舌が柔らかく動く。
 痛みはまったくなく、その行為でお腹の中が今まで以上に熱くなった。

「ジェシカ、そのまま力を抜いていて」

 彼の指が小径を進む。
 しとどに濡れていて、抵抗もない。
 しばらく探るように動いた後、1度引き抜いて2本の指にひらかれる時は圧迫感を感じた。

「大丈夫、痛くしないよ」

 ウィーラー様は指をそのままに、花芯に舌を這わす。
 甘く痺れる感覚に再び襲われ、2か所からの刺激に私は目の前が真っ白になった。

「……‼︎」

 呼吸を忘れるほどの快楽に声が出ない。
 体はがくがくと震え、自分ではどうにもならなかった。
 ウィーラー様はその間も止めることなく花芯を舐め続け、規則的に動く内壁を指でゆっくりと刺激し続ける。

「愛しいジェシカ、そのまま受けとって」
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