異世界でパクリと食べられちゃう小話集

能登原あめ

文字の大きさ
31 / 56

姪が聖女でJKの私は巻き込まれ召喚。幼い聖女が成人するまで代わりに役目を請け負うことになった私だけど⁉︎ ※

しおりを挟む
* コメディのつもりで書いたら後半甘めエロ、敬語王子です。頭を空っぽにしてどうぞ。







******


「なんと、二人の聖女様が召喚された!」

 気がついたら、私は姪のメイと異世界に召喚されたらしい。
 訳がわからないうちに能力を確認されて、メイが聖女で、私は巻き込まれただけだってことがわかった。

「元の世界に帰りたいです!」
「申し訳ない、聖女様はこの国の王子と結婚するのが慣例です……巻き込まれたあなた様には申し訳ありませんが、還す方法はわかりません」
「……ママとパパにもう会えないの? うわぁ~んっ‼︎ こんなところにいたくないよぉ~」

 抱きついてきたメイを守るように腕を回し、私もギャン泣きした。
 するでしょ。私だって、家族や友達、これからできる予定だった彼氏と会えなくなっちゃったんだから。
 受験も終わって残りの楽しい高校生活もなくなっちゃったんだよぉ~~!

「……泣かないで……どうか、私の手を取ってくれ。花嫁として大事にする」

 キラキラした金髪のイケメン王子が私にニコッと笑いかけてから、姪に手を伸ばす。
 えーと、二十歳前後に見えるけど、七歳の女の子にプロポーズするってすごいな。

「いやっ、私はパパと結婚するのー!」

 ざわ。ざわ。
 なんかみなさん、衝撃を受けてる。
 それ、ちっちゃい子がよくいうやつだから。

 王子も驚いているけど本気にしちゃダメだから。
 まさか、ロリコンなのかな……?
 この国は近親婚がありなのかな?
 とにかく私が姉の代わりにメイを守らなきゃ!
 







「聖女様が成人するまで力が安定しないでしょう。本来なら殿下と仲を深めて力の安定を図るのですが……それも叶わず」

 一ヶ月が過ぎて、メイが眠った後に神官長に呼び出された。
 メイからしたら、毎日顔を見せる王子のことは大好きな両親や友達と離された原因だって思っているから、ものすごく嫌っている。

 王子は私にも気を遣ってくれて優しいし、悪い人じゃないけれど、メイとは年が離れすぎて身内としても応援しづらい。
 衣食住の補償がされているし、私にも高待遇だし、大きな声で言えないけど隙を見て逃げたいのが本音。
 何とかならないかな。

「……そこで、聖女様が成人するまで、あなた様に代わりを務めて欲しいのです。血のつながりがある訳ですし……」

 能力全くないって神官長が言ったんだけどな。
 私が黙っていると、明るく笑う。

「歳の頃もあなた様の方が近いですし、殿下とうまくいくでしょう。聖女様には九歳になる殿下の弟君と婚姻を結んでいただければ……全て丸くおさまります!」
「はい⁉︎」

 いやいや、そっちの都合で私達の気持ちはどうしたらいいのーー⁉︎
 
「王族の能力の安定も必要なのです。そうすれば、聖女様の能力が発揮できない分を補えますから」

 なるほど……王族ってことは、王様が結婚してなかったらそっちと縁を結べって言われてやばかったってこと……?
 姪がパパより年上の男と結婚することにならなくてよかった。

 弟王子で年が近いほうが、メイもいいとは思うけど、相性は心配になるなぁ。
 それに私が兄王子と、ええっと何すればいいの?

 私が悩んでいると、すっとやってきたロリコン王子が私の手を取る。

「愛しい人。そんなに考え込まないで下さい。私達はうまく行くと思いますよ」

 待って、待って。
 急展開!

「あの、いきなりそんなこと言われても!」

 無理ーー!
 メイのこと見つめていた王子だよ?

「私は嬉しいです。聖女様があなたのように成長する姿を想像しながら見ていたので……よかった、すぐに結婚しましょう」

 ええ?
 いきなりそういうこと言っちゃう?
 イケメン過ぎてなびきそうになった私よ、待て!

 結婚? 結婚って言った⁉︎
 私十八歳! まだ早い!

「お互いの理解を深めるために、語り合いましょう」

 それは大事!








「あの、あの、ちょっと……っ、待って下さいっ」
「どうして? この世界では十八歳を超えたら大人です。問題ないでしょう」

 ドン。
 あぁこれ、床ドンってやつか。
 近。圧迫感すごい。
 意外と勢いすごいな。

「この世界はそうでも、私は……んっ!」

 私のファーストキスが!
 
「あのっ……んんっ」
「名前……呼んで下さい。ヴェルナーと……っ」

 口が塞がって呼べないけど!

「んーっ」
「……困りましたね。名前を呼ぶのが難しいですか?」

 そう言いながら、なぜキスしてくる!

「あぁ、愛おしい。大切にします」

 頬を撫でたり、優しく見つめたり、笑いかけてくるから。

「ヴェルナー、さん……」
「ユイ!」

 名前呼んだだけなのに、すっごく嬉しそう。
 
「ヴェルナーさん」

 もう一度呼んだら、ぎゅっと抱きしめられた。

「私の求婚を受け入れてくれてありがとうございます」
「え……? なんで?」

 意味がわからない。
 私一度も結婚するなんて言ってないけど!

 王子が首を傾げて私に言う。

「私の名前を呼んでくれたでしょう? この国では、夫となる者以外の男の名前は呼ばないものなのです」

 えーー⁉︎
 そんなの知らない!
 
「私の国は名前を教えてもらったら、親しみを込めて呼ぶよ? あの……もし、他の人の名を呼んでしまうとどうなるの?」

 王子が目を見開いて驚いた。
 お互いカルチャーショックだよ。

「身分の高い者の名を不用意に呼んでしまうと……命の保証はできません。ですが、ユイは王と兄の名さえ呼ばなければ大丈夫ですよ。……私の妻になるのですから」

 そこは決定?
 なぜかだんだん結婚してもいい気になってきたけど。

「私、マナーとかこの国のこと全然知らないよ? それでもいいの?」
「私が必要なことはすべて教えましょう。ですが、私は第二王子ですし、正直ユイが王妃になるわけではありませんので、難しいことはありません」

 なんだ! そっか!
 気が楽になった。

「えっと、ヴェルナーさん、よろしくお願いします」
「はい、こちらこそ末永くよろしくお願いします」

 ヴェルナーさんが申し訳ありません、と言って私を抱き上げた。
 
「背中、痛くなっちゃったよ」

 いきなり床にドーン、だもんね。
 それだけ、想いがあふれちゃったのかな!
 きゃー! 恥ずかしい。

「では、優しくしますから、愛させて下さい」

 とろけるような笑みを浮かべるから、私は耳まで赤くして頷いた。



 

 
 
「綺麗な背中ですね」

 ベッドで! うつ伏せで素肌をさらし、背中に唇を寄せる。
 ちゅ、ちゅと音を立てながら口づけを落としながら、脚の間で指を抜き差しする。

「ぅ……っ、ヴェルナー、さんっ」

 初めは違和感のあった彼の指が、今では自由に動けるくらい拡げられて。
 くちゅくちゅと音がするのも恥ずかしいのに、すごく気持ちいい場所があるのも事実で。

「私の指をこんなに締めつけて……欲しがってくださっているのですか?」

 耳元で囁かれて、背筋がゾクゾクした。
 
「…………っ」
「可愛いですね」

 枕に顔を押しつけて耐えていると、指が中と外と同時に触れてきた。

「あっ」

 くりんと外側を強く弾かれて、押しつぶす。刺激が強すぎるはずなのに、濡れ過ぎているからなのか、とてつもなく気持ちいい。

 熱くて、じんじんして、もっともっとと思う。
 こんなの、おかしい。

「ユイ、そろそろいいですか?」
「……うん。ヴェルナーさん、お願い」
「はい、あなたを満たしてあげましょう」

 腰をとられて、そのまま後ろから熱い個体が押し入った。
 
「え? え?」

 初めては向かい合うものじゃないの?
 この国ではこれが普通?

「……ユイ? 苦しいですか?」
「だい、じょうぶ……」

 痛いよ! でも、私のイメージしていた初めてと違って混乱してる!

「あと、もう、少しです、から……っ、ユイッ」

 小刻みに時間をかけて少しずつ。 
 これ以上入らないんじゃないのって、思うのに拡げられて奥へ奥へと突き進む。

 私の身体に力が入ると宥めるように背中に何度もキスしてあやす彼は、優しい。
 初彼飛ばして結婚相手とこんなことになってるけど、後悔はない!

 単純だけど、身体ごと愛されたら惚れちゃう。
 後ろからだし、初めてなのに!
 でも、恥ずかしい顔見られないですむからいいのかな。

「……っっ!」
 
 ごちゅっとかたい場所に当たって、痛みに震えた。
 ヴェルナーさんが私に覆い被さって荒い息を吐く。

「ユイ……大丈夫、ですか? 私は気持ち良すぎて、力があふれそうです。ユイが私の力を引き出すのですね」

 よくわからないけど、王族と聖女の関係がどうのこうのってやつかな?
 普通の人間だけど、力になれたなら嬉しい……かな。

「ユイ、愛しい人。私の全てをあなたに捧げます」

 そう、耳元でささやき、私が深く考える前に、二人のつながりを触れながら揺さぶり始めた。

「あっ、……っ、ふ……っ」

 いつの間にか痛みより気持ちよさを拾ってしまって、頭はぼんやりしてくるし、涙やらなんやらで枕が冷たい。
 
 初めては痛いだけじゃないの?
 全身の意識が二人のつながる場所に集中して、ただただ気持ちいい。

「……っ、ヴェルナー、さぁんっ」
「ユイッ、愛してますッ」

 彼がぐっと腰を押しつけて、私の中に出した。
 じわじわと熱が広がって、私は彼を締めつける。

「……あぁっ!」

 感極まったのか、ヴェルナーさんがそのまま私を抱きしめて熱いキスを首筋に落とした。

「ユイ……出会えて幸せです。もう一度、いいですか? 今度はあなたの顔を見たい」

 くるんと反転させられて、戸惑った。
 あほみたいな顔見られたくなくて、慌てて手で覆ったけど、その前にばっちり視線があう。

「見ないで」
「ユイ?」

 それに脚の間はとろりと何か……というか二人の成分が漏れてすごいことになってると思う。
 どこを隠したらいいかわからない。

「可愛いです……とても。……もう背中は痛くないですよね? 今度は正面から愛させて下さい」

 絶対可愛い顔なんてしてないのに!
 それに、床で痛いって言ったから、まさか後ろからだったの……?

 もしそうならここはベッドだし、ちょっと気を遣うところを間違えてる気もするけど、甘いというか優しすぎる。

「あ……っ、ヴェルナーさんっ」

 滑らかな動きで私の中に押し入った。
 
「可愛すぎるのも、罪ですね……。明日は私がお世話しますから。痛くならないように、優しくしますね」

 とても眠れそうにありません、って笑ったけど。
 脚を抱えて揺さぶられるうちに、頭が真っ白になって、私は彼にしがみついてひたすら荒波にさらされた。







 翌朝は筋肉痛になっているし、喉はがらがらだし、お風呂に浸かっている間に綺麗にしてもらったベッドでゴロゴロして過ごしていると、メイがのぞきに来た。
 ごめん、いつもの部屋に戻れなかったよ。

「風邪ひいちゃったの? あのね、私、お友達ができたの。今日はお庭を案内してくれるって言うんだけど、行ってきていい?」
「どんな子なの?」
「えっとね、王子さまなの! とっても楽しい子で年も近くてエーミルっていうの。……ダメかな?」

 名前呼んじゃってるー!
 ちらりと奥のソファに座るヴェルナーさんを見たら、笑ってた!

「遊んできていいけど、遠くへ行かないことと、危ないことはしないようにね。あとで、詳しく教えてよ」
「うん! 行ってきまーす!」

 こうして私達は王子様達に捕まって、なんだかんだと幸せになりました!









******


  お読みいただきありがとうございます。


 

 
 
しおりを挟む
感想 75

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

狼隊長さんは、私のやわはだのトリコになりました。

汐瀬うに
恋愛
目が覚めたら、そこは獣人たちの国だった。 元看護師の百合は、この世界では珍しい“ヒト”として、狐の婆さんが仕切る風呂屋で働くことになる。 与えられた仕事は、獣人のお客を湯に通し、その体を洗ってもてなすこと。 本来ならこの先にあるはずの行為まで求められてもおかしくないのに、百合の素肌で背中を撫でられた獣人たちは、皆ふわふわの毛皮を揺らして眠りに落ちてしまうのだった。 人間の肌は、獣人にとって子犬の毛並みのようなもの――そう気づいた時には、百合は「眠りを売る“やわはだ嬢”」として静かな人気者になっていた。 そんな百合の元へある日、一つの依頼が舞い込む。 「眠れない狼隊長を、あんたの手で眠らせてやってほしい」 戦場の静けさに怯え、目を閉じれば仲間の最期がよみがえる狼隊長ライガ。 誰よりも強くあろうとする男の震えに触れた百合は、自分もまた失った人を忘れられずにいることを思い出す。 やわらかな人肌と、眠れない心。 静けさを怖がるふたりが、湯気の向こうで少しずつ寄り添っていく、獣人×ヒトの異世界恋愛譚。 [こちらは以前あげていた「やわはだの、お風呂やさん」の改稿ver.になります]

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

処理中です...