異世界でパクリと食べられちゃう小話集

能登原あめ

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メタルスライムはクールな冒険者ヒロインの前から逃げたくない! ※

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* ヒーローは人外、スライムです。ファンタジー風味、触手なし。ほのぼの系?あほエロ、ハートが飛びます。ご注意ください。








******


「おいっ、見つけた! メタルスライムだ‼︎」
「お前あっちから回り込め!」

 銀色に光る柔らかな物体。
 二人の冒険者のうち、一人が追いかけ、もう一人が毒針を用意してかまえる。

「クソッ」

 ぷるんとした見た目に似合わず動きが速く、あっという間に逃げてしまう。
 スライムのいた場所に毒針が虚しく落ちた。

「あ~ぁ、せっかく経験値ざくざく稼げると思ったのに」
「次行こ、次」

 
 経験の浅い冒険者に好まれる森に、俺は長い間――そう、赤子が老人に変わるくらいの時を過ごしている。多分長命なほうだろう。
 仲間達と群れることがないからか、いつもうまく逃げ切ってきた。
 いくつか使える魔法があるから、その辺のメタルスライムより強いはず。

 だが、俺が逃げた先にいたのはこの辺りに踏み入れることがないだろう強い冒険者。 
 装備も魔力も何もかもが桁違い。
 逃げればいいのに俺の体はその場に縫いつけられたように動けない。

 いや、魅せられたんだ。

 ぷるん、と震えると彼女がじっとこちらを見た。
 透き通ったすみれ色の瞳に淡い金髪。
 すごく強い気配の上に、すごくキレイ。

「……なんだ、メタルスライムか。逃げないなんて珍しいな」

 彼女が鞄をガサゴソ探り、真っ赤な林檎を取り出して、俺に向かってポーンと投げる。
 攻撃ではなくて、ゆるく孤を描いて俺の元へ。

 くれるの⁉︎
 大きく口を開けてパクッと体内に取り込む。
 毒だなんて一瞬たりとも疑わなかった。

 甘~い! おいしい。
 これはつまり、彼女からの給餌。
 仲間になりたいのかも!
 思わずポヨンと体を揺らす。

「……ちょっと待て、もう一つある」

 彼女が笑ってもう一つ投げてよこすから、ちょっと近づいてパクッと飲み込んだ。

「もうないんだ。でも、これで少しは動けるだろ?」

 もしかして体力なくて動けないと思ったのかな。
 彼女、優しい。
 好き。

 そう思ったらポンッと体が赤くなった。

「へぇ……食べたものと同じ色になるのか、初めて見た。おもしろいな」

 彼女が一瞬びっくりした表情を浮かべてから、俺をじっと見つめて優しく笑った。

 きゅうぅ~ん。
 可愛い、なんて破壊力だ。
 ますます俺は赤くなる。
 好き、好き、大好き!

「じゃあね、休憩につき合ってくれてありがとう。バイバイ」

 いつの間にか食べ終わった彼女が立ち上がって歩き出す。
 余計な音を立てずに森の奥へ入っていく彼女はやっぱり強く美しい冒険者のヒロインなんだろう。

 俺が取り込んだ知識……冒険者の落とした数々の本には彼女みたいな子もいたから。
 魔王とやらを倒したり、仲間を増やしたり、恋をしたり、ほかにもなんか色々。

 なんか色々がいっぱい書いてあったなー。
 とりあえず言えることは、スライムは一部人気があるらしい。
 ぷるんぷるんで癒し系だったり、触手持ちなんかも特に女の子に人気のようだ。
 
 鋼色の体を見下ろす。
 硬さと素早さには自信があるが、可愛さも触手もない。だから俺は彼女に連れて行ってもらえなかったのか……。
 
 そんなことを考えながら、キレイな後ろ姿をぼんやり眺めていると、

「いた! メタルスライムだぞ!」

 その声に俺はその場を立ち去るしかなくて、彼女と離れ離れになってしまった。
 彼女は強いから俺をそばに置く必要なんてないけど、それでも近くにいたいと思ってしまった。







 ――ガサッ。

 見つけた。
 森の奥の小さな小屋に彼女はいた。

 ここにはずいぶん前におばあさんが住んでいたと思う。今思えばあのおばあさんも俺やスライムを見かけても何もしてこなかった。
 もしかして血縁者だったのかもしれない。

 彼女はここでのんびり過ごすことに決めたらしく、家中の窓を開けて掃除して、家の周りの囲いもしっかり直していた。
 強い魔物なんていないけれど、魔物が現れるのは面倒だと思っているのかも。

 そうではなくて、どうやら畑を荒らされないために囲いを強化したらしい。
 俺は彼女のすることを毎日飽きもせずのぞいた。
 たまに俺の熱い視線に気づくのか、じっとこちらに目を凝らす。

 きゅん。
 俺たち見つめ合ってる!
 好き! この思いを伝えたい!

 俺は彼女に背を向け、貢物を探しに向かった。
 






「また来たのか? いや、もしかして、ここをねぐらにしていたのか?」

 庭に出てきた彼女に、俺は柵の隙間から顔を出す。
 彼女のテリトリーに入ってもいいのかな。
 俺、いきなり死なないかな? 

「……(伝われ、この想い!)」
 
 彼女にふれることができたら意思の疎通ができるのにな。

「わからないな……いつもここへやってくるから、同じスライムなんだろう? 戦うつもりじゃないなら入っていいぞ」

 なんと彼女に招かれた!
 嬉しさのあまり一回飛び上がった後、勢いのままニュルンと庭に入った。
 彼女の足元まで近づいて、準備しておいたプレゼント――俺のことを思い出してほしくて赤い林檎を2つ、そっと置いた。
 食べずに体の中に隠しておいた貢ぎ物!

「……もしかして、お前、あの時のスライムなのか?」

 彼女の言葉に嬉しくなってぴょんぴょん跳ねる。

「ははっ、あの時のお返しに来たのか、律儀な奴だな」

 彼女が笑った!
 可愛い。 
 
「せっかくだから一緒に食べよう。もう一度、赤くなるところが見たい」

 それはりんごを食べなくてもできるけど!
 彼女からの給餌は断らないよ。

「攻撃するつもりがないなら、いつでも歓迎だ」

 やった!
 彼女に近づける‼︎

 にゅるんと弾みながらぼくは彼女の周りをぐるりと回った。求愛のダンス!

「目が回りそうだ。座って」

 彼女にかかれば俺は一瞬で昇天するだろう。
 それでもいいと思った。
 彼女が庭先のベンチに腰を下ろしたから、俺もその隣に座る。日差しがぽかぽかして気持ちよく、幸せな気分が倍増した。

「いい林檎だな……うまい。ありがとう……あぁ、赤くなったな。……ところで名前はあるのか? 文字は書けるか? いや、馬鹿なことを訊いた」

 赤くなった俺を見ながら彼女が1人でつぶやく。
 名前……メタルスライム?
 でもそれは俺以外の同じ種族もそう呼ばれている。

「なぁ、林檎と呼んでいいか?」

 ほんの少し弾んでみせる。いいよ、って意味と嬉しい気持ちを控えめに表してみた。
 彼女の口元がゆるんで、ゆっくり笑みが浮かんだ。

「……いいってことかな。案外私も話し相手が欲しかったのかもしれない」

 俺が話し相手⁉︎
 彼女に触ってもいいかな。
 そーっと、じりじり近づいて、彼女の太ももと俺の体が触れ合った。

"俺でよければいつでも話し相手になりたい"

「……え?」

"俺、名前つけてもらえて嬉しい。もっと林檎って呼んで"

「お前……男なのか。それならもっとカッコいい名前の方がいいか……林檎丸、いや、リンゴロウ、林檎のすけ、いや、ここは林檎から離れるべきか、……紅男……よし!」

"ベニオ、俺の名前‼︎ 嬉しい! あなたの名は?"

「あぁ、すまない。……メロディだ」

 クールなのに名前が可愛い。
 キュート! スウィート!
 俺のメロディ‼︎

"もっとメロディと仲良くなりたい!"

「そうだな。私も紅男のことを知りたい」
 
 俺も――!









「あ♡ ちがっ♡ 紅男っ、んん♡♡」

 可愛い、おいしい、可愛いメロディ!

"ごめんね、俺、触手は持ってないんだけど、流行りの本で予習済みなんだ。間違ってないと思うよ!"

 メロディの部屋に入った後もたくさんおしゃべりして、眠くなった彼女と同じベッドへ。
 それから本領発揮だ!

 うつ伏せになったメロディをソフトにマッサージ。

「……ん、なかなかイイ。紅男は上手だな」

 そう言われたから素早い動きで彼女の服の中に潜り込み、ありとあらゆるところに触れた。

「あ! 待て♡ 違うぞ、そこはぁ♡♡♡」

 最初、驚いた彼女も身悶えながら攻撃してこないから。
 つるん、と肌をすべらせ体を伸ばし、豊かな2つの小山を包み込む。

「熱っ♡ なに、これ……♡」

 人肌よりちょっと熱いくらいまで体温を上げてぷるぷる刺激する。
 俺の体は冷たいし、暑い時期でもなければマナー違反だからね!

"メロディ、力を抜いていて。気持ち良くなるだけだから"

「でも、これはっ♡ やりすぎじゃ、ないか?」

 脚の間をおおい、ぬるぬるすべらせる。
 お互いの体液でぬるぬるしているから問題なし!

“大丈夫、メタルスライム式おもてなしだから”

 スライムよりも気持ち良くしたい!

「ベニオッ♡ あっ、あっ♡ それだめっ♡ 入っちゃうからっ♡」

 挿絵ではよくわからなかったけど、本能が生殖器を教えてくれる。
 コリッとしたところをこするとメロディの声が高くなって、くぼみがひくひくしている。

“任せて。メロディと仲良くなりたい! 気持ち良くなるだけだから”

「ああんっ♡ でも、これって……ああっ♡♡♡」

 メロディって気持ちいいことに弱いのかな。普段クールだから、ドキドキしちゃう。
 
“すごく可愛い。メロディ、もっと仲良くなって、もっと気持ち良くなろう”

「ん♡ んあっ♡♡♡ ベニオ……ッ♡」

 メロディが俺のことを抱きしめてくるから!

“俺、触手は出せないけどカッチカチになれるから! どのサイズがいいかな?”

 彼女の顔の前に人間の生殖器をまねたものを見せる。すると――。

「ンンッ……♡ これ、ベニオのペニス? すごい……♡」

 挿し絵をまねたけど、ちょっと大きかったかな?

“メロディが痛い思いをするのは嫌だ。……もう少し小さくしようか?”

「このままで」

 彼女が生殖器に両手を添えて口づける。そのまま加えてキャンディみたいに舐めるから、ぷるんと震えた。

「おっきい……♡ すごい……ッ♡」

 クールな彼女が、頬を赤らめキラキラした目でこっちを見るから、ギャップにキュンとする!

“メロディ、もう中に入ってもいい? 痛くしないから”

 口に咥えたまま頷くから、ズズッと引き抜く。
 ちゅぽんって、音がして惚けたような彼女の顔が可愛い。
 すぐさま蜜口にあてがい、ズンッと押し挿れる。

「ああぁ――っ……♡♡♡♡♡」

 メロディの体が弓なりに反ってびくびく震えた。
 体で包み込んで腰を支え、パンパンと打ちつける。

「あ♡ すご♡ 紅男ッ、だめっ♡ ひぁっ♡ 奥っ、奥にっ♡ 当たってる♡♡」

“当ててるんだ。メロディ、気持ちいいね。もう少し太くする? もっと硬く?”

「あぁ♡ もっと、大きくしちゃ、だめっ♡」

 ん? もっとだね!
 ほんのすこーし太くして長くして、硬くした!

「あ――っ♡ なんで⁉︎ だめだっ、こんなの、死んでしまう♡♡♡」

 死ぬほど気持ちいいってことだね!
 わかった。
 優しくゆっくり、大きく動く。
 じゅぷじゅぷと甘ーい体液があふれて、あとで味わうのが楽しみでしかたない。

「ひぁっ♡♡ ベニオッ、全部こすってる♡♡ ダメ♡ あっ、あ――っ♡♡♡」

 ポタポタとサラリとした液体がシーツに染み込んだ。

“可愛い、メロディ。こっちでも気持ち良くて泣いちゃったの? キュウキュウしめつけるから俺も気持ちいいッ……もっともっと良くなって。触手スライムになんか負けないから”

 くるんと彼女をうつ伏せにして、後ろからズンッと打ち込んだ。

「ひぁあああっっ♡♡♡」

 彼女の体から力が抜けて、ベッドに沈む。

“イったの? 後ろからするの好き? 奥も好き? いっぱいしてあげるね!”

 俺は形を変えて両胸を包みながら彼女の体を起こし、メロディの内側を堪能した。
 コツコツ、トントン。

「らめぇ♡♡♡ ベニオッ♡ おかしく、なるっ♡」

 きゅんきゅん締めてくるから、俺の体内で体液が駆け巡る。

“受け取って! メロディ、大好きだ”

 びゅうるるるるる~っ‼︎

「あ、熱っ♡ 熱いっ♡ だめ……っ♡ 苗床になんて♡ なれないんだからぁ♡♡♡」

 クールなメロディが!
 赤い顔ではぁはぁ言いながら、俺を振り返る。
 きゅん。

“今のは回復薬だよ。もちろんメロディを苗床になんてしない! だって俺はメロディと仲良くなりたいから! め、め、メロディが俺との子を産んでくれるって言うなら、頑張るけどね!”

「子はまだ早い……仲良くするのはいいが」

 真顔でいつものクールなメロディに戻った!
 きゅん。
 まだ早いってことは、いつか望みがあるのかも!

“メロディ、これからずっとそばにいるね。ずーっと仲良くしようね!”

 メタルスライムの俺はクールな元冒険者のメロディの視界から消えることはない!
 死ぬまで仲良くするんだ。
 もう一回! もう一回!



 





******


 お読みくださりありがとうございます。
 最初は『メタルスライムはつよつよ冒険者のヒロインの前からは逃げたくない!』というタイトルにしようとして、他サイトさまの夜想曲っぽいな、作者あほだなって……自分で思いました!
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