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おまけ ※

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 二人で過ごす初めての朝。
 シロくんは結婚休暇であさってまでお休みをもらえたそう。

 裸のままシーツの中でキスしたりいちゃいちゃしていたけど、太陽の位置が高くなって、お腹も空いてきたし昨日貰った料理を温めようかとふとんを胸に当て身体を起こす。
 その動きだけで身体の中からどろりと
溢れた。
 
「あっ……」

 シロくんのだ。昨日の夜の、が出たみたい。
 恥ずかしくなって顔を覆う。

「マミさん……?」
「シロくん……昨日ので……シーツ汚しちゃった」

 そう言うと、赤くなったシロくんにシーツごと抱っこされてお手洗いに連れて行かれる。
 トイレを済ませて、もう一度シーツを巻きつけて、隣の浴室へ向かう。
 すでにシロくんが薪をくべてものすごい勢いで風呂を沸かしてくれていた。
 浴室で自分とシーツを洗うつもりでいると、そわそわしたシロくんが言う。

「一緒に入りませんか?」
「……恥ずかしいから、今日だけ……ごめんね」
「…………わかりました」

 ものすごく残念そうにシロくんが出ていく。
 
「困ったことがあったら呼んでくださいね」

 そういえばまた、敬語に戻っているみたい。
 夫婦だから普通に話してほしいな。

 シーツを落とすとゆっくり椅子に座った。
 脚がだるくてぷるぷるする。
 ずっと立っているときつい。
 ほっと息を吐いてゆっくり身体を洗った。
 ところどころ噛み跡があるのが恥ずかしくて昨日のことを思い出してしまう。

「昨日……すごかったな……」

 ぽつりと漏らす。
 シロくんがずっと……おさまらなくて。
 私の中で何度も達して、揺さぶられるたびにちゃぷちゃぷと音がして、私もわけがわからなくなった。

『シロ、くん……、も、むり……』
『マミ……かわいい……僕の、唯一』
『わたし、おかしぃ……助けて……?』

 シロくんにしがみついて泣き出した私に、たくさんキスして優しくなだめられて。
 熱っぽい瞳はそのままで。

『全部、すき……全部、僕のもの』
『ぎゅって、して』
『……っはぁ、かわいい……いくらでも……』

 力一杯抱きしめてくれたけれど、激しく揺さぶられて私は声が抑えられなかった。
 ますますシロくんが元気になって、意識が遠くなると甘噛みされて私を引き戻す。
 明け方になって、ようやく……ようやく終わりを告げた。

 普通というのがわからないけど、なんとなく普通ではない気がする。
 昨日が初めての夜だから……だと思いたいけど。


「幸せ……だけど、恥ずかしい……」

 お湯をかけようとして立ち上がると、どろりと身のうちから滴るのを感じて驚いて脚の間をみる。

「えっ! まだ出るの?」

 お湯をかけて洗い流すが、あとからあとからたれてくるから泣きそうになる。
 
「終わらないーっ」
「マミさん?どうかしました?」

 シロくんが浴室の外から声をかけてくる。

「な、なんでもない、よっ」

私が言い終わる前に扉を空けてしまう。

「待って! やだっ」

 慌てた私は転びそうになって、入ってきたシロくんに抱きしめられた。

「やっぱり一緒に入ればよかったです。ふらふらじゃないですか」

 心配するシロくんの、それだけではない熱っぽい表情に固まる。

「お風呂じゃしないよ? だって、今もシロくんのが出てくるもの」

 ちらりと視線を下げるシロくんだったけど、さっと服を脱いでしまう。

「僕も濡れてしまうので、マミさんを手伝いますね。ちゃんときれいにします」

 私にお湯をかけるとそのまま抱き上げて湯船に浸かった。

「シロくん……なんか違う人みたい」
「それは……これまでは遠慮してたのもありますが、……マミを知ってしまったら我慢なんてできない」

 シロくんだけど、シロくんじゃないみたい。
 違うスイッチが入るのかな。
 言葉遣いも変わるから。
 向かい合って私が抱きついたままでいると、背中を撫でていた手がお尻を撫で、そのまま私の中に滑り込む。

「んっ……」
「このまま掻き出すね」

 掻き出すというより、私が反応するところを探るような手つきに身体が熱くなって身をよじる。
 シロくんはこの行為に慣れるのが早い。
 私は受け止めるので精一杯だ。

「嫌なら、違う方法にする?」

 シロくんの首筋に顔を埋めたまま頷いた。
 指を抜かれてそこにシロくん自身を当てられる。

「うそっ……」
「力を抜いて……マミ」

 そこで呼び捨てにするなんて。
 フゥッと息を吐いて少しずつシロくんを飲み込んでいく。
 
「じんじんする……」

 ちょっと痛いんだよと訴えれば、甘いキスが落ちてくる。

「無理させてごめん……大好きで、嬉しくて……繋がっていないと落ち着かないんだ…」

 ゆっくりと揺さぶられて私の身体はすぐにシロくんと馴染んで快感も受け入れる。

「これじゃあ、掻き出した意味、ないじゃない」
「大丈夫……お風呂でキレイにしてから出るから」

 それだといつまでも終わらないと文句を言おうとしたら、ぱくりと唇を食べられた。
 
「シロくん……」

 昨夜と同じ高ぶった表情をみせるから、私は諦めて身体の力を抜いた。
 シロくんからたくさん愛をもらえるこの行為が、嫌なわけじゃない。
 首に腕を回して、囁いた。

「好き……」

 私の中のシロくんがどくんと主張する。
 ぴくりと震えた私を逃さないというようにしっかり抱きしめた。

「マミ……ずっと一緒だよ」

 ゆっくり近づいてくる唇を受け止める。
 舌を絡めるうちにぼんやりしてきた。
 ぐりぐりとお互いのつながるところをこすり合わせてから、ゆっくりと私の中をかき回す。
 触れ合うすべてが熱くて甘い。
 
「大好き……」

 愛しい。
 幸せ。
 気持ちが溢れる。

「私、溶けちゃいそう」
「このまま僕に溶けて……」

 甘い匂いに包まれて私はこの世界に溶けた。











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 お読みいただきありがとうございます。
 結婚休暇の一文、追加しました。
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