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母の再婚相手が私の好きな人でしたが、それは過去の話です!②*微

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 美容院を手伝っていると、お客さんも私のことをサスケさんの未来の嫁と認識するるようになっていた。
 そういう設定として私も受け入れていて。
 
 母と先生と暮らす家が仮住まいのような、距離を置くことを覚えた私はだんだん気にならないようになって、とにかく学校に集中した。
 週末の明るい擬似家族を楽しみに二年間必死に授業についていくしかない。

 卒業する頃には手荒れが酷くて続けられなくなるとか、課題が多くてつらいとかいろんな理由で辞めていく子も多かった。

 学校の紹介で寮のついている就職先が内定して、美容師の資格も無事取れた後は、家を出ることを迷わない。
 もう二度とあの二人と暮らすつもりはなかった。








 マリもしばらく外で経験してから、実家を継ぐ話になっていて、マリの家族が卒業祝いと合格祝いをしてくれた。
 ここで美味しいご飯を食べることはもうないのかな。
 ちょっと寂しい。

「お父さん、お母さん、今まで本当にお世話になりました!」
「ナナちゃん、これからもいつでもおいで。サスケ、そっぽ向かれないうちにしっかり掴まえておきなさいよ」
「ナナは俺の娘になるんだからな~」

 最後までみんなが私を家族として扱ってくれて、涙が出そう。

「わかってる。……じゃあ、そろそろナナを連れて行くよ」

 サスケさんがそう言って立ち上がった。

「ナナをよろしくね~」
「仕事のこととかまた話にくるね! おやすみなさい」

 






 助手席に乗り込み、サスケさんの車の匂いを吸い込む。
 こうやって家まで送ってもらうこともなくなると、思うと寂しい。
 
「少し寄り道していい?」

 彼の誘いに即座に頷いて、ポツリと漏らした。

「よかった。一緒にいたかったから」








 はじめてサスケさんの部屋に入った。
 展開が早くてついていけないけど、学校卒業したし、婚約者でいいんだよね?って。

「はい?」
「あぁ、よかった。断られたら、どう説得しようかと思ってた」
「あはは……?」

 冗談じゃなかったの?
 あのやりとり。今のも。

「ナナ、今夜は泊まっていって。嫌なことはしないし、明日送って行って挨拶もするから」
「え? でも……家に連絡……」
「母さん達が電話してたよ。今後もよろしくって。それで、実家じっかに泊まる話になってるけど」

 ここに泊まるの、公認?

「みんなに知られて恥ずかしい……」
「……みんな、ナナに家族になってほしいんだ。最初からずっと、ね」

 あれ、本気だったんだ。

「なんだか、夢みたい。あの、私、サスケさんが好きです。みんなと一緒にいると幸せで、楽しくて……本気にしていいんですか?」

「うん。だから、俺と結婚してください」
「はい。よろしくお願いします」
「これからは、俺だけに敬語使うのやめて」
「え、っと、……気をつけ、るね」

 宝物みたいに抱きしめて、私の名前を呼ぶ。

「ナナ……ひと目見た時から好きだ。優しくするから」

 唇がそっと重なり、そのまま彼の腕の中に閉じ込められた。

 なんだか、すごく幸せ。
 彼に触れられると幸せな気持ちになる。
 
「サスケさん、好き……いっぱい触って……」

 あの時、先生なんかとキスしなくてよかった。
 
「私、全部、初めてでよかった」
「ナナ……それ。まいったな……がっかりさせないように、善処する」
「……はい」

 私の服を一枚一枚丁寧に脱がし、指先から口づけするからお姫様にでもなったような特別な気持ちになって……なのに、すごく焦らされている気がする。

 彼のすべてが私を大好きだって伝えてくるから、胸はいっぱいだし体温は上がるし、心臓の音が口からも聞こえているんじゃないかって、もう本当にわけがわからない。

「可愛い。俺にも触って」

 そう言われて手首を掴まれ彼の心臓に押し当てられた。

「わかる? 心拍数が尋常じゃない」
「うん……一緒だね。それに、サスケさん熱い……男の人なんだね」

 当たり前だけど、触ってみると骨格もしっかりしていて弾力があるし、全然違う。
 彼はくすりと笑って、唇を寄せた。
 
「これから、もっと違うんだって、知ってもらうから」

 その言い方が色っぽくて、ますます心臓が激しく打つ。

 理系男子って、研究熱心なのかな。
 こだわりが強い感じがする。

「ナナ、考え事?」
「だって……っ、サスケさんっ、同じところ、ばっかり、触るからっ……」

 私が反応したところばかり微妙に強弱つけて探ってくる。
 
「ナナのこと、全部知りたい」

 声なんてあげたくないのに、いきなり強く吸いついたり、羽のように優しくふれたりしてきて、予想できない彼の動作に声を漏らした。

「……っ、あ、はぁっ……んっ」
「ナナが飽きちゃわないように、しないとね」

 初めてだから、飽きるとかその域にはしばらくいけそうもないのに。
 でも彼にされることは一つも嫌じゃないなんて、好き以外になんだと言えるのだろう。

「大好きだよ、ナナ」
「私も……、大好き」

 彼自身が熱くなった私に触れる。
 彼と一つになる時、すんなりとはいかなくて痛みに震えた。
 今夜はやめておこうかって言うサスケさんに、全部頂戴って、やめないでって抱きついた。

「……じゃあ、ナナが上にくる? 俺の上に座ればいいから」

 そうすれば加減できるって、やっぱり嫌だったらやめることもできるからって。
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