愛されることはないと思っていました

能登原あめ

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【2】

36 冬の王都のフェスティバル ※

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* フェスティバルもの、全三話の予定です。ギリギリ、いい夫婦の日、間に合いました。去年もこちらで更新でしたね。







******


 寒さが厳しくなる中、街を盛り上げるために冬の王都でお祭りがあります。
 領地を持つ貴族は社交シーズンも終わっていますから王都を離れることが多く、いつもより活気がありません。

 賑わいのある王都を好まれる国王陛下によって、この時期から年明けまでほぼ毎日催しがあると聞きました。
 通りには屋台が並び、王城を明るく照らすように夜には花火が上がります。

 とてもきれいですから王都に残って、パーティーを開いて楽しむ貴族も増えたとのことでした。
 他国からの旅行客の姿も多く見かけるそうですから、いいことづくめです。

 コーツ伯爵家の領地を愛する私たちですが、ブレンダン様の友人から花火を観る会に誘われて出席することにしました。
 ブレンダン様の友人の弟さんや、従兄弟姉妹といった小さな集まりです。

 奥様とは再婚されたばかりだそうで、来シーズンの社交界に復帰する前に交友関係を広げ、慣れておきたいとのことです。
 お互いに似た立場でしたので、私も親近感を感じましたし、奥様とすんなり打ち解けました。

 歳も近く、おしゃべりも楽しくてあっという間に時間が経ちます。
 お酒を飲めないという彼女につき合って、グラスに注がれたハーブティーを楽しみながら王城を照らす花火を楽しみました。
 
 その夜は会話が弾んで一晩客室に泊めていただいて、翌日、いつもの宿屋に移ることに。
 ブレンダン様が注文してくださった靴の調整があるため、一週間ほど王都で過ごします。

 この機会に、昨年ブレンダン様が秘密で準備してくださった小さなクリスマスプレゼントを、私もたくさん用意したいと思うのです。
 こっそり内緒で、知られないように。
 ですが、領地にいるより一緒にいる時間が長いのでなかなか難しいです。

 アイディアだけいただいて、領地のお店でこっそり頼むのが良さそうだと思いました。
 職人さんには忙しく大変な思いをさせてしまうかもしれませんので、よく考えなければいけませんけれど。

 今年のクリスマスはブレンダン様を驚かせたいです。
 だから普段通り過ごさないと気づかれてしまうかもしれず、気を引き締めないといけないのにどうしても浮かれてしまいます。

「ブレンダン様、明日は小物を見たいです」
「あぁ、わかった。何か欲しいものがあるのか?」

「うーん、色々見てみたいのです。最近の流行りも知りたいですし」
「それは私も知りたいね」

 ブレンダン様からそんな言葉が出てくるとは思いませんでしたので、思わず声を漏らして笑ってしまいました。

「可愛いアリソンの隣に田舎臭い男など笑われてしまうだろう?」
「田舎臭いだなんて、そんなこと絶対ありませんわ。ブレンダン様はとっても格好良いですもの」

 まじまじと見てしまいます。
 だって私の夫は世界で一番素敵ですから。









「……っ、ブレンダン、さま……っ」

 私の太ももに息がかかり、戯れるように口づけが脚のあわいへ向かいました。
 私の体のすべてに、ブレンダン様が知らないところなどなく、触られたところから快楽が呼び起こされるのです。

「私を幸せにしてくれる妻に、ご褒美をあげないとね」

 ブレンダン様がしようとしていることがわかって顔が熱くなりました。
 体はいつでも夫を迎える準備ができています。何気なく親指で粒をかすめられて、思わず腰が浮いてしまいました。

「あ……っ」

 私が声を漏らすのと同時にブレンダン様の指が音を立てて滑り込みました。
 慣れてもいいはずなのに、夫を待ち望んでひどく濡れているのが恥ずかしくてたまりません。

「愛しい人。そんなに食い締めたら、私が中に入った時、すぐに果ててしまう」

 指で内壁を探りながら、粒を唇に含んでぬるりと舐めて、私をあっさり頂きへと導きました。
 お腹側の浅い場所を擦られると、一気に体温が上がって、すぐにブレンダン様が欲しくなります。

 でも余裕のある時の夫は私が乱れる様子を眺めるのが好きで、頭の中が真っ白になって、何も考えられなくなるまでやめてくださいません。
 焦らされ過ぎて泣いてしまうこともありますのに、甘く攻めます。

「あっ、んんっ、もう……ああァッ――」

 何度目かの絶頂を迎え、体が勝手にひくひくと動きました。
 
「ブレンダン、さま……っ、お願い……満たして」

 お腹の奥だけが満たされていないのです。
 ひとつになって抱きしめたい、強くそう思いました。
 じっと見つめていますと、起き上がったブレンダン様が重量のある昂まりをこすりつけます。
 十分過ぎるほど高まった私は、それだけで昇りつめそうになって。

「アリソン、愛しているよ」

 ゆっくりと体を拓かれて、私は我慢できませんでした。

「……あ、あッ……」

 ブレンダン様にすべて満たしてもらう前に達してしまい、夫が苦しそうな顔で私を見下ろします。

「……可愛いな。苦しくないか?」

 ただ呼吸が漏れるばかりで、何度も縦に頷きました。
 お互いの体がしっくりと馴染んで、幸せで、嬉しくて、ブレンダン様の背中に腕を回してぎゅっと抱きしめます。
 それだけでは足りなくて、彼の太ももに足を絡めました。

「大好き、です……ブレンダン、さま」

 最愛の夫と結ばれることほど、幸せなことはないかもしれません。
 私のほうが幸せにしてもらっていると思います。

「あなたは本当に……」

 一度深く息を吐き、私の耳元で優しく愛をささやいてくださいました。
 私の胸の中も熱くなって、それから――。

「……アリソン、そんなに締めないでくれ」

 ブレンダン様が馴染ませるようにゆっくりと腰を回しました。
 お腹の中にぴったりと昂まりが収まり、切っ先が奥を優しく叩きます。
 その刺激だけで甘く疼いて、内壁が勝手にしぼりとるように動きました。

「たまらないな……一度で終わるつもりだったのだが」

 本当でしょうか。
 今日みたいな夜はどちらかと言うと――。
 
「あぁっ!」

 ブレンダン様が腰をゆっくり引いては穿うがち、私を翻弄します。
 そうされるうちにだんだんよくわからなくなり、夫にしがみついて彼を求めました。
 もっと欲しいと思うなんて、私も欲が深くなったと思うのです。

「アリソン……!」

 ブレンダン様が私の腰をつかんで、最奥に押しつけて吐精しました。
 長く頂きにいた私はそれを受けて小さく声を漏らし、夫のすべてを受け取ります。
 ブレンダン様は、そのまま何度か最奥に塗り込めるような動きをしましたので、体が勝手に跳ねて力が入りません。

「中がうねって……誘われているみたいだ」
 
 ブレンダン様がそう言って私に深く口づけしました。
 違うと言いたいのに、舌を絡められて言う間がありません。
 今くちづけをするなんてずるいと思います。
 
 すぐに力を取り戻したブレンダン様が起き上がって私を膝に乗せて抱きしめました。
 いまだつながったままで、少しでも動かれるとすぐに熱くなって、ブレンダン様の期待通りになってしまいます。

 妻がたくさん求めてきたから朝食に間に合わなかった、なんて言い訳にされたくありません。旅先でのことですが、恥ずかし過ぎました。

「ブレンダン様に、体が反応してしまうのです。二度目を誘っているわけではありません。全部、ブレンダン様のせいです」

「私のせい? 私からしたら可愛すぎるアリソンのせいだけどね」

 悪戯っぽく笑って口づけをされたら、言い争うのも馬鹿馬鹿しくなります。
 変な言い訳はしないで堂々としていればいいのですよね。
 それに、なじみの宿屋なので気にする必要はないと思い直しました。

「愛しています、ブレンダン様」

 返事の代わりに唇が重なって、私たちはもう一度お互いの愛を深めることになるのでした。
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