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なな こんなところにスパ
しおりを挟む海辺の町は温泉地!
温泉なんてたぎる!
「ほぉ、クミンの国ではこのような湯のことをオンセンというのか」
海風が冷たくないかってジェリー様に訊かれたけど、それどころじゃない!
町全体がまるで水着で入る温泉パーク!
家族でにぎやかに楽しんで、夫婦でまったり、恋人たちはきゃっきゃうふふしてる!
どこで入泉料を払うんだろう!
「そうですね! 私の国にもこういう雰囲気のところはありますけど、昔からある温泉は何もまとわず裸でゆっくり、じっくり楽しみますよ‼︎」
もうね、興奮し過ぎていっぱいビックリマーク使っちゃった。
「!……ほほぅ。なるほど…………ピート、貸し切りできるところを探してくれ」
「かしこまりました」
ジェリー様たちがそんな会話してることに気づかなかった私は、みんなが着ている面積の多い水着、というか温泉着がどこで手に入るか気になってしかたない。
「ジェリー様、今日は温泉に入る時間はないでしょうか?」
「うむ、急いで国に帰る必要もないから、一泊して温泉に入って行こう」
「……あ~~、もぉ‼︎ ジェリー様優しすぎますっ……」
「いや、そうでもない」
「はぁ……こんなの好きになっちゃう」
私のつぶやきを拾ったジェリー様に抱き上げられる。
「うむ、そのまま好きになってくれ」
「…………ジェリー様、ここはまだ外なので、もう少し辛抱してください」
デールさんの静かな声に、うむと頷いてそのまま宿屋に向かうことになった。
「ジェリー様‼︎ へ、部屋にっ! 部屋に温泉がついています‼︎」
これはっ!
個室露天風呂付きの隠れ家の宿というやつではないの?
完全にプライバシーが保たれる造り!
「うむ、そのようだな…………(ピートよくやった)」
嬉しさのあまり、ジェリー様にしがみつく。
「さすがっ、ジェリー様が泊まる宿はすっっっごく、すてきです……はぁ」
「どうしたのだ?」
「もぉ、幸せ過ぎて……私生きているんですよね? ここは天国ですか? ジェリー様……」
「うむ、オレも幸せだ。クミンは温かいぞ。生きてると、実感したいか……?」
そう言って唇を啄む。
「はぁ……ジェリー様♡ 早く入りましょう!」
「あぁ、オレも早く入りたい」
「…………それでは私たちは失礼いたします。何かありましたら、そのテーブルにあるベルでお呼びください」
はっ!
エロモード突入するところをみんなに見られていた!
その表情は一体何かな⁉︎
「うむ、皆もしばし休め」
恥ずかしさにジェリー様の首元に顔を埋めた。
「どうしたのだ?」
「……みんながいるの、忘れていて恥ずかしい……人前でキスとか……」
「そうか? みんな気にしないぞ? それにもう出て行った」
「ジェリー様、教えてくれたらよかったのにーー!」
完全八つ当たりだけど、ジェリー様はふむとかすまないとかなんとか言いながら私をなだめる。
「クミンは恥ずかしがるところも可愛いな」
「ジェリー様ぁ、もぉ! 温泉入りましょう‼︎」
気分転換するしかない。
「それにしてもジェリー様って、一つも悪いところないですねぇ!」
二人でのんびりまったりとぬるめの湯船に浸かりながらおしゃべりする。
温泉着も用意されていたけど、二人きりだしちょっと恥ずかしい思いをしつつ『着なくちゃだめですか?』ってジェリー様に訊いたら、『クミンの国の入り方にしよう』って笑った。
なんて、おおらかで柔軟!
「そんなことないだろう。クミンこそ一つも悪いところないな」
「またまたぁ~‼︎ 色気も、胸もなくて、幼児体形で……」
ちょっと悲しくなるな。
まあ、今さらいいけど。
「クミンはそれらを含めて全部かわいいぞ?」
「ジェリー様……」
見る目がないのか。
でも私はこんなに幸せにしてもらっているから、ラッキーだなぁ。
「ほら、こっちにこい」
泳げるくらい広いから伸び伸び過ごしていたけど、ジェリー様に呼ばれていそいそと近づく。
「ほら、オレの腕の中にすっぽりだ。……クミンは小さくてかわいい」
「そんなふうに言ってくれるの、ジェリー様だけですよ!」
「これからもオレの嘘偽りのない言葉を聞いてほしい」
「ジェリー様……」
思わず素肌にぎゅっと抱きついた。
「クミンは……少しはオレのこと、好きになってくれた、か?」
「そうですね……好きですよ~、多分」
ぱあぁっと目を輝かせたジェリー様だけど、私が多分ってつけたからほんの少しシュンとした。
「そ、そうか……うむ、まぁ、前進してるな……」
ジェリー様のそんな姿がなんだかかわいくて何か言わなきゃと焦る。
「あの! 私、これまで男の人を好きになったことないんです」
二次元しか。
「だから、その……ちょっと、よくわからないところもありますが、ジェリー様に触れるのも、触れられるのもいやじゃない、というか……こういうふうに過ごすのも好きです、よ……?」
「クミン……オレと一緒に愛を育んでいこう……」
「あ、はい」
「クミン‼︎」
感極まった様子のジェリー様にいたるところに口づけられる。
「ふぁっ♡」
くりくりと胸の先端を摘まれ、もう片方を口に含まれた。
「全部、かわいいんだ。ここも、小さいと言うが……クミンに似合っているぞ」
ちっぱいが似合ってるって、褒められた気しないし!
「それに、ほら。感じやすい」
甘噛みされて腰が震える。
「ジェリーさまぁ♡ そこばっかりはダメっ♡♡」
にやりと笑って私の腰を持ち上げる。
「ほら、クミン。オレを受け入れてくれ」
ずぷりとおちんちん様が奥深くまで侵入する。
なんか、もう。
二点攻めはだめっ。
「あぁっ♡ でも、ここっ♡♡」
外だし、温泉だし、使用目的違うし!
「こうしてクミンのかわいい胸に触ると、オレのことぎゅっと掴んで離さないのだな……」
「あっ♡ ぃいっ♡ おかしくぅ♡ なっちゃう……からぁ♡♡ ぃやっ……♡」
「やめたらいやなのだな」
下から何度も突き上げ、乳首をくにくに摘んでは指ではじく。
だから二点攻めはお腹がキュンキュンしちゃうのに!
「あぁっ♡ あっ♡ もぉ♡ だめっ♡ ああぁーーーーっっ♡♡」
「……くっ‼︎ そう、慌てるな……」
頭が真っ白でイってる最中に喉奥まで舌を突っ込まれて息ができない。
こんなの死んじゃう!
「あぁ、かわいいな。……失神したのか?」
そうじゃない。
「クミンの国では温泉でじっくりするのだろう?」
そういう意味じゃない。
「……ジェリーさまぁ……もぅ熱いです」
「ああ、オレもだ……クミンに熱くさせられる」
そっちじゃない。
「ふむ……のぼせそうだな」
そう言って私を抱きしめたまま立ち上がり、縁に腰掛けた。
まだまだ元気なおちんちん様が私の中でピクピク動く。
それにしても今日のジェリー様はなんだか勘違いが多いな。
「少し涼んだらまた中で楽しもう、クミンの国の流儀で」
日本の温泉はそんなじゃないよ?
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