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その後の二人
初めての夜を ④ ※
しおりを挟む「アーサー様⁉︎」
私の脚の間に体をすべり込ませ、太ももに口づけした。
「柔らかくて、甘い」
甘いって、なに?
そのまま脚の付け根まで舌を這わせる。
「だめです!」
眉間にしわを寄せて、顔を上げたアーサー様に私は訴えた。
そんなところ、触れないでって。
なんだかムズムズするからって。
「……エヴァの鞘はここにある。お互いがピッタリ合うように、準備しないといけない」
「その聖剣をここに?」
「あぁ」
そっか。大切なものは隠された場所にあるのね。
普段人目につかないように下着をつけて。
「……わかりました。アーサー様を信じています」
「あぁ、エヴァ。大事にする。……一生離さない」
アーサー様の指が私の脚の付け根をそっと撫でる。
羽のように優しく触れるから、私はなんだかたまらない気持ちになって。
聞き慣れない音がするし、アーサー様が指と唇で私の体を熱くする。
こんな感覚初めてで、でもそれでいいんだって教えてもらった。
「アーサー様」
さっきから私は愛する夫の名前を呼ぶことしかできない。
「エヴァ」
アーサー様の指が私の鞘があるという場所を探る。
違和感も、名前を呼ばれて優しく丁寧に触れられるうちに体が解れていく。
恥ずかしさも忘れて私は彼にすがりついた。
熱くて、熱くて、どうしようもないの。
どうにかしたいし、どうにかしてほしくて。
「アーサーさまっ……」
頭の中が真っ白で、口からよくわからない声が飛び出す。
勝手に体が跳ねて、震え、心臓が激しく打った。
そんな私を抱きしめ、なだめて、かわいいとか好きだとか、たまらないとか、ずっとみていたいだとか、俺の妖精、とか?
いつもよりアーサー様が饒舌な気がしたのだけど頭に入ってこない。
私は手を伸ばしてアーサー様の髪に触れた。
意外と柔らかいなって思うくらいにしばらく撫でさせてくれたけど、その手を握り込まれて甲に口づけられる。
「エヴァ、いいか?」
「はい」
とうとう子種……精をいただけるんだわ。
私に覆い被さり、口づけを交わす。
それからアーサー様が私の膝の裏に手をかけてゆっくりと大きく開いて持ち上げた。
「痛くないか?」
もう大丈夫なのに脚を気遣ってくれるから、胸が温かくなる。
ものすごく恥ずかしいけど。
首を横に振ると、そのまま私に乗り上げてもう一度唇をついばんだ。
アーサー様はキスがお好きなのかな。
「大丈夫です」
私の鞘に聖剣が触れる。
大丈夫って答えたけど、これは大剣じゃないのかな?
押し広げられる感覚に不安になった。
「……痛かったら、言ってほしい」
やっぱり?
ちょっと怖いけど、アーサー様を信じる。
「はい……夫婦ですから、ピッタリ合うはずですよね?」
だって、剣と鞘は二つで一つだから。
「……エヴァ、愛している」
いつもとは違うアーサー様の表情に胸がきゅんとする。
「アーサー様、愛してます」
私が言い終わるのと同時に、聖剣が私の鞘にゆっくりと確実に収まった。
息が止まりそう。
全身が鞘になったみたい。
ぎゅっと抱きしめられて、私は浅い呼吸を繰り返す。
痛い。
じんじんとした痛みに泣きたくなる。
「エヴァ、すまない」
アーサー様の焦茶色の瞳が、私をまっすぐ見つめる。
きゅっと結んだ私の唇に何度も柔らかいキスを落とすから、ポロッと涙がこぼれ落ちた。
「痛むか?」
「少し」
痛くないって答えたかったけど、嘘をついてもきっとわかってしまう。
それに、心配そうな瞳で見つめてくるから甘えたくなった。
「いっぱいぎゅってして、口づけしてください」
そうしたらきっと、痛みも忘れてしまうかもしれないから。
アーサー様が顔中に口づけを落とす。
「聖剣の鞘になるって大仕事なんですね」
「……あぁ、最初は痛むこともあるらしい。……すまない」
「いえ、アーサー様は大きいですもの、大丈夫です」
すぅっとアーサー様が息を吸った。
するとなぜか聖剣も膨らんだみたい。
「……エヴァ、愛している。この後、挽回できるようにがんばるから」
挽回?
よくわからなくて首を傾げる私の唇を塞ぐ。
アーサー様と唇を合わせるとどんどん体温が上がって何も考えられないし、わけがわからなくなる。
彼の首に腕を回しさらに近づくと、私の体を撫で回していた手が腰を掴み、ゆっくりと揺らした。
まだ痛みはあるけれど、最初の衝撃ほどじゃない。
アーサー様がゆっくりを腰を引いたから、私はほっとして力を抜いた。
これで終わりなのね。
「エヴァ、動くぞ」
ずず、っと深く鞘を収める。
え? なんで?
再度口づけられて、アーサー様の口の中に吐息を漏らす。
ゆっくりと揺さぶられるうちに、じわじわと甘い感覚が広がった。
「アーサー、さまっ……」
なにかが近づいてくる。
さっき感じた甘い感覚がじわじわと。
目の前が霞んでなにも考えられない。
アーサー様が、私に好きだって、離さないって何度も何度も繰り返す。
もっと続けてほしくなって、目の前のアーサー様にしがみついた。
「エヴァッ」
体が甘く痺れて短く声を上げる。
その直後にアーサー様の体が私の上に落ちてきて、体の奥に熱が広がった。
あ、これが精なのかも。
お互いの震える体をきつく抱きしめ合って息が落ち着くのを待った。
「すまない」
そう言って私の体をアーサー様の上に乗せる。
「なにがですか? 全然、重くないです。幸せの重みですから……それよりも……」
「それよりも?」
「こうしていると、その、せっかくいただいた精、が出てしまいそうで……」
アーサー様がふた代わりになっているけど。
「……何度でも、望むだけ注いでやる。もっとエヴァが満足できるように努力するから。今は……エヴァを傷つけたくないから我慢するが」
「我慢……?」
でも、なんだかムクムクと大きくなって存在感を主張している。
聖剣なのだから、そういうものなのかな?
「エヴァに嫌われたくないし、またしてほしい」
「私がアーサー様を嫌うことなんて一生ありえません! ただ……今は休ませていただけると嬉しいです」
「わかってる」
あれ? 聖剣の存在感が……さっきより主張してこない?
もしかして、がっかりしているのかな?
本当はどう思っているんだろう?
アーサー様をじっと見つめると、慈しむような瞳で柔らかく笑った。
「エヴァ、動かないからこのままでいいか? ほら、同じ体勢は疲れるだろう?」
聖剣を受け入れたまま、横向きになって抱き合う。
唇を合わせたり、今度は私がアーサー様の体を撫でたりしているうちにまた聖剣が存在を示す。
そのままおしゃべりして、体勢をかえて、時々口づけした。
そんなことをしているうちにお互いに気持ちよくなって精をいただいて。
私達は朝までつながったままでいた。
「アーサー様。考えてみたら、普段剣は鞘に収めますものね。だから夫婦は、こうして休むんですね」
そう言うと、アーサー様が私にそうかもしれないと言って抱きしめ、大きく息を吐いた。
その後母様から『甘いデザート』というタイトルの閨事指南書をもらって、涙目でアーサー様につめよるのは別のお話。
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